まず結論から
- 2024年度に改葬(遺骨を別の墓や納骨堂へ移すこと)がいちばん多かったのは、北海道の14,628件です。東京都の12,982件、大阪府の10,376件が続きます。県の件数は、住まいではなく墓のある場所で数えた数です。
- 九州や中国地方にも、件数の多い県があります。長崎県は6,656件で、3年続けて福岡県より多くなりました。鹿児島県は5,633件、山口県は4,752件です。
- 手続きの決まりは全国共通です。申請先は遺骨が今ある場所の市町村で、別の県に住んでいても、墓のある市町村に出します。申請書に書くことと添える書類は、国の省令が決めています。
- 手数料や墓地の決まりは、市町村で違います。京都市・下関市は無料、西宮市・一宮市は遺骨1体300円です。郡山市や福井市は、市外に移った使用者に、市内の代理人や管理人を届けるよう求めています。
墓じまい(改葬)が多いのは、どの都道府県か
家の墓が1つとは限りません。親や祖父母の代から、縁のある墓がいくつもの府県に分かれている家もあります。
京都・静岡・滋賀・高知の4府県に、縁のある墓が5つある人(note)
我が家には、縁のある墓が5つある。 下手をしたら、いつか全部を世話をしなければいけない、『かもしれない』墓だ。 子供達に任せないといけない『かもしれない』墓だ。
①京都伏見:我が家の墓 (義父が眠る) これは、まあいいだろう。 私たちが管理しているし、それを引き継ぐ子供達もいる。
残りの4つは、静岡、滋賀、京都の大谷本廟、義母の実家があった高知の墓です。高知の墓は、その姓を名乗る人がもういないため、誰も管理していないと思われるといいます。2024年度の改葬は、静岡県が6,526件、高知県が1,887件でした。
出典: 墓の世話は誰がする?(note)(台帳: V0066)
改葬の件数は、厚生労働省の統計(衛生行政報告例)に、都道府県ごとに載っています。2024年度の上位15の都道府県を、図1に並べました。
改葬の許可を出すのは、遺骨が今ある場所の市町村長です。住まいが東京でも、墓が北海道にあれば、許可を出すのは北海道の市町村です。総務省の2023年の報告書の表では、市や特別区(東京23区)がこの統計に報告し、都道府県と厚生労働省がとりまとめます。
最多の県は年度で入れ替わります。2022年度は北海道が12,243件で最多、2023年度は東京都が14,950件で最多でした。2024年度の全国の件数は176,105件です。推移は墓じまいは増えているかの記事にまとめました。
市ごとの件数は、指定都市と中核市の分が載っています。その中では、神戸市が4,187件、長崎市が3,559件、名古屋市が3,392件と多くなっています。
件数の多い県の手続きは、北海道・東京都・大阪府・長崎県の墓じまいの記事に、市の手続きは神戸市・長崎市・名古屋市の記事にまとめています。改葬の意味は墓じまいと改葬の違いの記事で確かめられます。
墓じまいの手続きは、全国どこでも同じか
住まいと墓の県が違うと、どこに何を出せばよいのかで迷います。高齢の親族に代わって、子の世代が調べ始めることもあります。
兵庫県にある義父の墓をめぐって、94歳の義父と91歳の弟から改葬の相談が重なった娘婿(note)
ところが、弟自身も高齢です。 「遺骨を移したい」という考えはあるものの、具体的にどこへ連絡して、何を申請して、どのような手続きをすればいいのかまでは分かっていないようでした。 そこで弟は、同じ兵庫県に住んでいる妻の姉に、 「手続きをお願いできないか。」 と頼んできました。
義父は東京で暮らし、自分が兵庫県に建てた墓には、弟の妻の遺骨も納められています。家族で調べ、改葬の許可は遺骨が今ある場所の市区町村で受けると知りました。八王子市の案内も、申請先は今の墓地や納骨堂がある市区町村だとしています。
出典: 墓じまい編①94歳の義父が突然、「墓を東京に持ってくる」と言い出しました。(note)(台帳: V0042)
改葬の決まりは、法律(墓地、埋葬等に関する法律)と国の省令にあり、全国で共通です。一方で、取り扱いは市区町村によって違うと、八王子市は案内しています。主な点を表にまとめます。
| 項目 | 決めているところ | 中身 |
|---|---|---|
| 申請先 | 法律(全国で同じ) | 遺骨が今ある場所の市町村長。西宮市の案内も、申請先は今の墓地などがある市町村役場としています。 |
| 申請書に書くこと | 国の省令(全国で同じ) | 亡くなった人の本籍・住所・氏名、改葬の理由、改葬の場所、申請する人と墓地の使用者との関係など。 |
| 添える書類 | 国の省令(全国で同じ) | 墓地や納骨堂の管理者が作る、遺骨を納めていることの証明(難しいときは市町村長が認める書面)。使用者(名義人)でない人が申請するなら、使用者の承諾書など。 |
| 手数料 | 市町村(市で違う) | 無料は京都市・下関市・八王子市。遺骨1体300円は西宮市・一宮市。豊中市は1通450円。 |
| 窓口・書類の呼び方 | 市町村(市で違う) | 京都市は、墓が市内にあれば、どの区役所・支所の医療衛生コーナーでも手続きできます。八王子市は、管理者によっては「埋蔵証明された改葬許可申請書」を「改葬許可証」と呼ぶことがあると書いています。 |
手数料は、無料の市もあれば、遺骨1体300円の市もあります。八王子市は、申請の際には申請先の自治体に必ず確かめるよう求めています。西宮市・一宮市・八王子市は、郵送での申請も受け付けています。
申請書と添える書類の中身は墓じまいに必要な書類の記事に、許可証が出るまでの日数は改葬許可証の記事にまとめました。表の市の手続きは、京都市・下関市・八王子市・西宮市・一宮市・豊中市の記事で確かめられます。
墓が県外・市外にあると、何が変わるか
墓のある土地を離れて暮らす人は、墓の管理を、近くに住む家族に任せていることもあります。
夫は長男だが地元を離れて暮らし、義実家の墓の管理を義弟に任せてきた人(アメブロ)
「墓じまい」について考えるようになったのは夫は長男ですが地元から離れて住んでいるためお墓の管理について義弟任せになってしまうこと、
我が家も義弟のところも娘しかいないので今後、お墓を守っていくことが難しくなるかもしれない…ということ、
墓は、山の丘陵地の急な斜面にある市営墓地にあります。8月の帰省中、孫たちがそろった会食の席で、義母が自分から墓じまいを決めました。市営の墓地には、市外に住む使用者についての決まりを置く市があります。
出典: 帰省と墓じまいのこと(アメブロ)(台帳: V0104)
公営の墓地は、使う人の住所で決まりを分けていることがあります。市の条例や案内から、住まいが市外の人に関わる決まりを並べます。
| 市(墓地) | 住まいが市外の人についての決まり |
|---|---|
| 郡山市(東山霊園) | 墓所の使用者(合葬墓を除く)が市外に住所を移したら、すぐに市内に住む代理人を選び、市長に届け出る。 |
| 福井市(市営墓地) | 市外へ住所が変わったら、管理する人(原則、市内に住む親族)を定めて届け出る。 |
| 大津市(市営霊園) | 使用者が市外に住所を移したら、6か月以内に、市に住民登録のある保証人を選ぶ。市長がやむを得ないと認めたときは別。 |
| 函館市(東山墓園) | 名義を継ぐ人が市外に住むなら、函館市に住む親族を代理人に選ぶ届け出も要る。代理人がいなければ誓約書を出す。 |
| 札幌市(市の墓地) | 使用者が市内に住所を持たなくなったら、市内に住む人に義務を代わってもらえる。そのときは市長に届け出る。 |
| 横浜市(市の墓地・納骨堂) | 市内に住所の無い人が使用の許可を受けると、使用料は5割増し。 |
| 名古屋市(みどりが丘公園) | 親が市内にずっと住んでいても、申し込む人が市外に住んでいれば市外料金。 |
市外に移った使用者に、市内の代理人や保証人を求める市があります。墓をしまって区画を返すときの届け出は、市営墓地の墓じまいの記事にまとめました。表の市の手続きは、郡山市・福井市・大津市・函館市・札幌市・横浜市・名古屋市の記事にあります。
墓石を片づける工事の見積もりの単位は、店によって違います。墓の近くの石材店も含めて複数から見積もりを取り、額と内訳を比べます。北九州市も市営霊園の案内で、複数の業者からの見積り取得を勧めています。遠くの墓をどこまで業者に頼めるかは墓じまい業者の記事に、費用は墓じまい費用の記事にまとめています。
47都道府県の改葬の件数と、県ごとの記事
2024年度の改葬の件数を、地方ごとに並べます。県の名前から、その県の墓じまいの記事へ進めます。
| 地方 | 都道府県と2024年度の件数(単位: 件) |
|---|---|
| 北海道・東北 | 北海道 14,628、青森県 1,892、岩手県 1,797、宮城県 1,376、秋田県 958、山形県 867、福島県 3,398 |
| 関東 | 茨城県 4,082、栃木県 1,873、群馬県 1,583、埼玉県 6,854、千葉県 8,042、東京都 12,982、神奈川県 9,331 |
| 北陸・甲信越 | 新潟県 1,729、富山県 1,200、石川県 2,199、福井県 242、山梨県 931、長野県 2,389 |
| 東海 | 岐阜県 2,090、静岡県 6,526、愛知県 7,014、三重県 3,249 |
| 近畿 | 滋賀県 1,542、京都府 4,107、大阪府 10,376、兵庫県 9,431、奈良県 2,080、和歌山県 2,507 |
| 中国 | 鳥取県 913、島根県 1,701、岡山県 2,697、広島県 4,411、山口県 4,752 |
| 四国 | 徳島県 667、香川県 1,902、愛媛県 2,575、高知県 1,887 |
| 九州 | 福岡県 5,003、佐賀県 1,223、長崎県 6,656、熊本県 1,812、大分県 1,603、宮崎県 1,774、鹿児島県 5,633 |
| 沖縄 | 沖縄県 3,621 |
いちばん少なかったのは、福井県の242件です。県の記事には、墓のある市町村の窓口や公営の墓地の決まりをまとめています。市ごとの記事は、地域ごとの墓じまいの記事の一覧から探せます。
まとめ
2024年度の改葬は、北海道・東京都・大阪府の順に多く、長崎県は福岡県より多くなっています。県の件数は、住まいではなく墓のある場所で数えた数です。
申請先は遺骨が今ある場所の市町村で、申請書に書くことは全国共通です。手数料や、市外に住む使用者についての決まりは、市町村で違います。墓のある県の記事で窓口を確かめ、工事は複数の石材店から見積もりを取って比べます。
件数の推移は墓じまいは増えているかの記事に、田舎の墓の相談先は田舎の墓じまいの記事に、墓じまいの流れは墓じまいとはの記事にまとめています。
