香川県の墓じまい補助金は?高松市の案内になし・窓口は墓のある市町

香川県の墓じまい補助金は?高松市の案内になし・窓口は墓のある市町
目次

香川県で墓じまいをすると、県や市から補助金は出るのか。高松市の外や、集落の墓地に墓がある場合は、どこに聞けばよいのか——そんな疑問を持っていないでしょうか。

この記事では、補助金を聞く先、高松市・丸亀市・三豊市の決まり、墓のある場所ごとの進め方を順に整理します。厚生労働省の衛生行政報告例、総務省の調査報告書、3市の公式案内と例規を出典にしました。

まず結論から

  • 県内で案内を確かめた高松市・丸亀市・三豊市の墓地と改葬の案内に、墓じまいの助成は載っていません。高松市の「地元管理墓地」と丸亀市の「共同使用墓地」の補助金は、地域の墓地の設備を整える事業が対象で、家の墓をしまう費用は対象に挙がっていません。
  • 墓じまいで遺骨を移す許可を出すのは、県ではなく、遺骨がある場所の市町です。坂出市や観音寺市などに墓があれば、助成の有無もその市町に聞きます。
  • 高松市の墓地条例の墓地と丸亀市の市営墓地では、返しても使用料は原則として戻りません。丸亀市は、墓を元に戻して返すと、前納した管理料のうち翌月以後の分が戻ります(飯山町の墓地の一部の利用者を除く)。
  • 移し先の候補に、公営の合葬墓があります。高松市平和公園の合葬式墓地は1体用10万円で、申し込むには市内に住んでいることなどが条件です。
  • 見積もりの単位(積算の仕方)は店によって違うので、撤去の工事は複数の石材店に見積もりを頼み、額と内訳を比べます。

香川県に墓じまいの補助金はあるのか

墓じまいで遺骨を別の墓へ移すことを、法律では「改葬」と呼びます。改葬の許可を出すのは県ではなく、遺骨がいまある場所の市町村長です。補助の有無も、まずは墓のある市町に聞くことになります。墓じまいを終えた人も、手続きは墓のある役所で確かめるよう書いています。

神奈川県の西のほうにあった先祖の墓をしまい、都内の合祀墓へ移した長男(個人ブログ)

自治体によって改葬の手続きが異なるため、現在の墓地所在地の役所で改葬に必要な手続きや書類を確認します。

一度、事前にお墓のある自治体とお墓を新たに移す場所の自治体のホームページを確認することをお勧めします。

補助金制度を整備している自治体もあるようです。各区市区町村の窓口に事前に問い合わせをしておくことをお勧めします。

50歳ころに東京へ移り、子どもに負担をかけないよう、自分の代で墓を整理すると決めた人です。移し先は、都内の駅に近い建物の中の合祀墓(ほかの遺骨と一緒に納める墓)でした。香川県内で案内を確かめた3市でも、改葬の窓口は市の担当課です。

出典: 後悔しない! 墓じまい こうすればうまくいく(個人ブログ)(台帳: V0016)

高松市・丸亀市・三豊市の案内と例規から、墓じまいのお金に関わる所を表にまとめました。

市墓じまいの助成市営墓地を返したときのお金
高松市市営墓地の返還・改葬・合葬式墓地・墓地の補助制度の案内4ページに、載っていません。墓地条例の墓地では、納めた使用料は原則として返しません。市長が特に必要と認める場合は例外です。旧4町(牟礼・庵治・香川・国分寺)の条例で許可を受けた人の使用料と手数料の返還は、旧町の条例の例によります。
丸亀市墓地の手続きのページに、載っていません。墓を元の状態に戻して返すと、前納した管理料のうち翌月以後の分が戻ります。飯山町の墓地の一部の利用者は除きます。青ノ山墓地公園も同じです。使用料が全額戻るのは、区画を使わないまま返した場合です。
三豊市改葬と市営墓地の募集のページに、載っていません。市営墓地の申込を受ける環境衛生課に、返し方を聞きます。

高松市と丸亀市の案内には、墓地の補助金が出てきます。どちらも、地域で管理する墓地の設備を整える事業への補助です。

高松市は地元管理墓地の給排水や通路など、共用の設備を整える30万円を超える事業に、事業費の50%以内・150万円までを補助します。丸亀市は、共同使用墓地を管理する自治会などの団体に、整備の事業費の10分の4以内を補助します。対象の事業は、原則として水道の引込みです。

高松市は2021年4月から、無縁墳墓(縁故者=ゆかりのある人がいない墓)の改葬整備も対象に加えました。家族が自分の家の墓をしまう費用は、どちらの補助の対象にも挙がっていません。

高松市のお金の話は、高松市の墓じまい補助金の記事にくわしくまとめました。墓じまいを後押しする市は、全国にはあります。総務省が2023年にまとめた報告書は、愛媛県新居浜市の例を挙げています。市営墓地の区画を返し、合葬式の施設を使う人は、その使用料が全額免除になる制度です。新居浜市の2025年の案内は、墓石の撤去の補助金や助成金の制度を「設けていません」としています。ほかの自治体の制度は、墓じまい補助金の記事で比べています。

個人や集落の墓地にある墓は、管理者の確認から

香川県の墓地は、2024年度末で2,717か所です。これは墓地の区域の数で、墓の数ではありません。最も多いのは個人の墓地で1,363か所、次が集落の墓地などの「その他」で722か所です。

香川県の墓地の数を、経営する主体別に示した横棒グラフ。2024年度末の2,717か所のうち、個人が1,363か所で約半数、その他(集落の墓地など)が722か所、地方公共団体(市町など)が486か所、宗教法人(寺など)が146か所、公益法人が0か所。数は墓地の区域の数で、墓の数ではない
図1: 香川県の墓地の数(経営する主体別・2024年度末)。出典: 厚生労働省「衛生行政報告例」令和6年度 第5表/横田睦ほか (2024) 厚生労働科学特別研究 報告書(「その他」が集落の墓地などを指すこと)

市町などの墓地は486か所です。ただ、全国の統計で自治体の墓地とされるものの約8割は、実態は集落の墓地と変わらないと、厚生労働科学研究の報告書はみています。高松市の墓地条例も、昭和に市へ編入した旧町村の市有墓地は、管理と使用を従前の慣行によるとしています。畑の中の墓をしまう手伝いをした人の記録です。

高齢者の相談を受け、墓じまいを支援してきた福祉職(個人ブログ・note)

私が支援した中で、畑の中にお墓が10基ほどあるところがありました。

この場合は、所有者や管理者が誰かを確認する必要があります。

※御骨を移すために、行政へ届け出をします。

そこに管理者等を記載する必要があります。

高齢者の支援で独立し、相談の中で墓じまいが増えてきたと書いています。墓がお寺・霊園・そのほかのどこにあるかで、対応が変わると整理しました。改葬の申請書には、墓地の管理者が作った、遺骨が納まっていることの証明を添えます。

出典: 高齢者の支援 ~墓じまい~(note)(台帳: V0044)

管理者が分からない墓地では、この証明が作れません。その場合は、市町村長が必要と認める、証明に代わる書面で申請できます。高松市も、管理者が分からず証明を受けられないときの添付書類を案内しています。

総務省は2023年の報告書のために、88市町村を実地で調べました。県内の高松市とさぬき市も入っています。代わりの書面を求める市町村は47.7%でした。求める書面は、埋火葬許可証、墓地の地図や墓石の写真、戸籍の謄本、申立書、自治会長などの証明とさまざまです。墓のある市町に、何を添えればよいかを先に聞きます。

丸亀市・三豊市や県外から。申請は墓のある市町へ

香川県の改葬は、2022年度の1,340件から、2024年度には1,902件に増えました。2024年度の1,902件のうち、高松市は414件です。県内の改葬の多くは、高松市の外の市町で許可されています。

香川県の改葬の件数を年度別に示した縦棒グラフ。県全体は2022年度が1,340件、2023年度が1,741件、2024年度が1,902件。うち高松市は2022年度が284件、2023年度が323件、2024年度が414件。高松市の値は県の件数に含まれる
図2: 香川県と高松市の改葬の件数(年度別)。出典: 厚生労働省「衛生行政報告例」令和4年度 第6表/同 令和5年度/同 令和6年度

墓じまいを考える理由で最も多いのは、墓が遠いことです。鎌倉新書が2026年1月に「いいお墓」の利用者に行った調査では、検討した・実施した人の52.0%が「お墓が遠方にある」を挙げました。父母の遺骨を、近くに求めた新しい墓へ移すことにした人の記録です。

電動車椅子で15分ほどの墓地に墓を求め、父母の遺骨を移すことにした当事者(個人ブログ・アメブロ)

改葬許可証を取るのはかなりややこしいと聞いていたが、元の墓地の管理者と自治体が親切で、必要書類は最小限、郵送で手続きが出来て、郵便が素早く届くなら2週間程度で改葬許可証がもらえるらしい。

父母より前の祖先の墓は叔父に任せ、父母の遺骨だけを近くへ移すと決めた人です。許可証は、今の墓がある自治体から取ると書いています。改葬の許可は、遺骨がいまある場所の市町村長が出します。

出典: 終活 ~墓じまい~ その3(アメブロ)(台帳: V0098)

改葬の許可を申請する先は、住んでいる市町ではなく、墓のある市町です。県内で案内を確かめた3市の窓口と、市営墓地を返すときの手続きを表にまとめました。

市改葬の許可の窓口と案内市営墓地を返すとき
高松市市民やすらぎ課です。申請書と記入例を市のページに載せています。返還届と改葬許可申請書を併せて出します。撤去の範囲は墓所によって違うため、事前に協議します。
丸亀市生活環境課です(綾歌・飯山の市民総合センターでも受け付け)。必要な書類は墓の状態などで変わるので、事前に相談します。許可証はすぐには出ないので、余裕をもって申請します。生活環境課に連絡し、返還届を受け取ります。墓石などの撤去が要り、撤去の工事にも許可の申請が要ります。
三豊市環境衛生課です。郵送でも申請でき、手数料は無料です。許可証の発行までは通常1週間程度です。市営墓地の申込を受ける環境衛生課に聞きます。

名義の人が亡くなっていれば、丸亀市では返す前に、使う権利を受け継ぐ(承継の)許可の申請が要ります。高松市も、祭祀を主宰する人(お墓や法事を受け継ぐ人)が市長の承認を受けて受け継ぎます。坂出市・さぬき市・観音寺市や町に墓がある人も、同じことをその役所に聞きます。高松市の窓口と書類の順番は、高松市の墓じまい手続きの記事にまとめています。

移し先の公営の合葬墓と、見積もりの取り方

移し先の候補の一つが、自治体の合葬式の墓です。ほかの遺骨と一緒に納める墓で、高松市では平和公園にあります。遺骨は20年間、地下の納骨壇(棚)に骨壺のまま納められ、その後は合葬室へ移ります。使用料は1体用10万円・2体用20万円で、管理料は要りません。

申し込むには、高松市に住み、市営墓地に使っている区画が無いことなどが条件です。丸亀市と三豊市で確かめた墓の案内には、合葬墓は載っていません。

岡山市の上道墓園の合葬墓は、申請資格者の欄に、岡山市に隣接する市町に住民票のある人を挙げ、その市町に香川県土庄町を含めています。同じ欄には、死亡時に岡山市民だった人の遺骨を持つ人と、岡山市内の墓地から遺骨を移す人も並んでいます。

上道墓園の合葬墓の使用料は1体1万円で、岡山市に住民票のない申請者は1万5千円です。申請先は岡山市役所の生活安全課です。岡山市の制度は、岡山市の墓じまい補助金の記事にまとめました。

合葬の墓を選ぶ人は増えています。鎌倉新書の2026年の調査では、墓じまい後の移し先の最多は「永代供養(合祀・合葬墓)」の43.2%で、2024年の前回は30.9%でした。移し先の比べ方は、遺骨の行き先の記事にまとめました。

日本石材産業協会が2023年度に石材店に尋ねた調査では、見積もりの単位は面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。単位が店で違うので、工事を頼む前に、複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べます。費用の内訳は墓じまい費用の記事に、石材店の選び方は墓じまい業者の記事にまとめました。

まとめ

香川県で改葬の許可を出すのは、県ではなく、遺骨がある場所の市町です。県内で案内を確かめた高松市・丸亀市・三豊市では、墓地と改葬の案内に、墓じまいの助成は載っていません。高松市と丸亀市の墓地の補助は、地域の墓地の設備を整える事業が対象です。

個人や集落の墓地なら、管理者の証明をもらえるかを先に確かめます。移し先の候補には、高松市平和公園の合葬式墓地(1体用10万円)があります。見積もりの単位は店で違うので、複数の石材店の額と内訳を比べてください。墓が隣の県にあるなら、徳島県・愛媛県の記事もあります。

参考文献

  1. 「墓地、埋葬等に関する法律」(昭和23年法律第48号)第5条. e-Gov 法令検索.
  2. 「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」(昭和23年厚生省令第24号)第2条・第3条. e-Gov 法令検索.
  3. 高松市(市民やすらぎ課)「市営墓地が不要になったとき」.
  4. 高松市(市民やすらぎ課)「高松市平和公園合葬式墓地の使用申込について」.
  5. 高松市(市民やすらぎ課)「市内の墓地等からお骨を移す(分ける)とき」.
  6. 「高松市墓地条例」(昭和35年条例第8号)第9条・第17条・附則. 高松市例規集.
  7. 高松市(市民やすらぎ課)「地元管理墓地の整備事業に対する補助制度について(一部改正)」.
  8. 総務省行政評価局 (2023)「墓地行政に関する調査 -公営墓地における無縁墳墓を中心として- 結果報告書」.
  9. 厚生労働省「衛生行政報告例 令和6年度 第5表 墓地・火葬場・納骨堂数,経営主体・都道府県-指定都市-中核市(再掲)別」(香川県の行).
  10. 横田睦(研究代表者)ほか (2024)「遺体を取り扱う事業者や無縁改葬等の現状調査及び今後の方策検討に資する研究」令和5年度 厚生労働科学特別研究 総括・分担研究報告書.
  11. 厚生労働省「衛生行政報告例 令和6年度」第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数(香川県と高松市の行).
  12. 厚生労働省「衛生行政報告例 令和5年度」第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数(香川県と高松市の行).
  13. 厚生労働省「衛生行政報告例 令和4年度」第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数(香川県と高松市の行).
  14. 鎌倉新書 (2026)【第4回】改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)全文版. 2026年1月に「いいお墓」の利用者を対象に実施したインターネット調査.
  15. 岡山市(生活安全課)「合葬墓の貸付について」(PDF).
  16. 日本石材産業協会 (2023)「お墓じまいに関する業界内意識調査」結果(2023年度お墓じまいアンケート). 回答者は石材店.
  17. 丸亀市「墓地使用上の各種手続き」. 生活環境課.
  18. 「丸亀市市営墓地管理条例」(平成17年条例第141号)第12条・第16条・別表第1. 丸亀市例規集.
  19. 「丸亀市市営墓地管理条例施行規則」(平成17年規則第98号)第12条. 丸亀市例規集.
  20. 「丸亀市青ノ山墓地公園管理条例施行規則」(平成17年規則第99号)第12条. 丸亀市例規集.
  21. 丸亀市「墳墓貸付」.
  22. 「丸亀市共同使用墓地整備事業補助金交付要綱」(平成17年告示第87号)第1条〜第3条. 丸亀市例規集.
  23. 三豊市「お墓の移動には改葬許可が必要です」(2024年10月7日更新). 市民環境部 環境衛生課.
  24. 三豊市「市営墓地の使用者を募集しています」(2022年11月12日更新). 市民環境部 環境衛生課.
  25. 新居浜市(環境政策課)「墓じまいについて」(2025年4月1日更新).

当事者の口コミの出典: V0016(個人ブログ)/V0044(note)/V0098(アメブロ)。いずれも本人が公開している記録で、引用は原文のままです。

更新履歴: 2026-09-29 公開/2026-10-05 新居浜市の2025年の案内を追記・隣の県の記事へのリンクを足した