まず結論から
- お寺への手土産に、全国で決まった品や書き方はありません。曹洞宗の公式は、仏事のしきたりは地域や寺で様々で、全国では統一できないと答えています。
- 品の例を挙げる宗派の公式は、真宗大谷派です。親戚の法事に招かれた人の持ち物として、金封(お金の包み)と菓子折りを挙げています。菓子は集まった人に配られることも多く、個袋入りが好まれるようです。
- 菓子折りの掛け紙の例も、同じ大谷派の案内にあります。「御仏前」か「御供」と書き、黒白か黄白の水引(包みに掛ける色のついた紙糸)を掛けます。
- お寺にお参りしたときの包みの表書きを、築地本願寺は「志」としています。
- 迷ったら、菩提寺の住職に尋ねます。天台宗の公式は、お寺への御礼の包み方は地域で習慣が変わるとして、そう勧めています。
墓じまいで、お寺へ出向くのはどんなときか
この記事では、墓じまいでお寺へ出向く場面を3つに分けます。場面ごとに、用意するものと詳しい記事を並べます。
| 出向く場面 | 用意するもの・知っておくこと | 詳しく |
|---|---|---|
| 相談や申し出の訪問(墓じまいや離檀を切り出す) | この記事の口コミの書き手が手土産を考えたのも、この場面です。曹洞宗は、故郷に菩提寺と墓がある人に、まずお寺と相談するよう答えています。 | 何を話すかはお寺との交渉の記事へ。手紙で相談の時間をお願いする作例は挨拶状の記事にあります。 |
| 閉眼供養(墓から魂を抜く法要)の日 | 住職へのお礼を包みます。曹洞宗の表書きの一覧では、葬儀や法事などでお寺や僧侶へのお礼の金包みは「御布施」です。 | 袋と表書きはお布施の表書きの記事、額はお布施の記事、法要そのものは魂抜きの記事へ。 |
| 墓じまいを終えたあと | お礼の伝え方 | 終えたことを誰に、何で知らせるかの作例は、挨拶状の記事にまとめています。 |
寺との行き来が減っていても、相談はできます。曹洞宗は、寺との付き合いを親に任せてきた人に、普段の交流が薄くなっていても遠慮なく住職に相談するよう答えています。故郷に菩提寺と墓がある人には、できる範囲で事前の用意をし、家族の中で話し合っておくようにとも書いています。
お寺への手土産は、持って行くものなのか
墓じまいを切り出しに行く日、手ぶらで寺を訪ねてよいのか。次は、菩提寺へ離檀(檀家をやめること)を申し出に行った人の記録です。
夫と二人で菩提寺を訪ね、離檀を申し出た人(note)
今回は、きちんとお話ししないと・・と勇気をもって 主人を引き連れ、(床屋に行かせて、スーツを着せて、何も言うな!と念を押し)前回のとらやの羊羹に引き続き、文明堂のカステラを手土産に持って行った。
前の回は、離檀の話を言い出せないまま帰っていました。この日は、母の署名と捺印をもらった「墓じまいのお願い」の書類も持参しています。曹洞宗は、仏事のしきたりは菩提寺に直接尋ね、指示を受けるよう求めています。
出典: 菩提寺でついに「離檀」。墓じまいの費用と本音、全部書く(note)(台帳: V0067)
手土産が要るかどうかに近い案内は、法要に招かれた人に向けたものです。全日本冠婚葬祭互助協会は、招かれた人は御供物料(供え物の代わりに包む現金)として、現金を包むのが一般的だとしています。
そのうえで、現金と一緒に菓子などを持っていくべきだと思う人も多いようだが、特に必要はないと書いています。故人がとりわけ好きだった菓子を現金に添えて供えるのは、行き届いた心づかいだそうです。
施主(法事を営む人)に向けた曹洞宗の案内にも、一文があります。各地方に慣習があるので、事前に菩提寺によく聞いておくとよいとしています。
決まりが無いのには、わけがあります。曹洞宗は、寺院や地域ごとに代々受け継がれてきた風習があり、時代に合わせて方法を変えてきたこともあると書いています。
招かれた側が包むお金と表書きは親戚が包むお金の記事に、寺で何をどう切り出すかはお寺との交渉の記事にまとめています。
何を選ぶか。のし(掛け紙)は付けるのか
持って行くと決めたら、次は品と掛け紙で迷います。次の記録を書いたのは、先の口コミと同じ人です。離檀を申し出るより前の時期に書かれています。
甥が寺に失礼をしたあと、管理費の未納分を寺へ払いに行った人(note・前の口コミと同じ書き手)
非礼をしてしまった我が家としては、 お寺さんに菓子折りの手土産を持って行かなくては。。と思うところで
選ぶのは、日持ちする
・カステラ ・羊羹
のしはなし。
と言われた。
寺を訪ねたのは、この記録を書く前の日です。対面した寺の人にはねぎらわれ、線香とろうそくも渡されていました。菓子の選び方に触れる宗派の公式は、真宗大谷派の法事の案内です。
出典: 墓じまいサイトに相談してみた(note)(台帳: V0068)
その案内は、親戚の法事に招かれた人の持ち物に、金封と菓子折りを挙げています。菓子は集まった人に配られる場合も多いので、個袋入りのものが好まれるようです。家を訪ねたら、まず金封と菓子折りを仏壇の前に供えてお参りする、とも書いています。
掛け紙に書く言葉(表書き)は、どの場面の何の包みかで、宗派の公式の例が変わります。次の表で菓子の掛け紙の例は大谷派の1行だけで、ほかの3行は供え物やお金の包みに使う語の例です。
| 宗派の公式(どの場面の、何の例か) | 表書き | 水引・袋 |
|---|---|---|
| 真宗大谷派(親戚の法事に招かれた人の菓子折り) | 「御仏前」か「御供」 | 黒白か黄白の水引 |
| 曹洞宗(葬儀・法事の表書きの一覧) | 「御供」は、葬儀の際に霊前に供える花や菓子、果物に使う語です。 | この一覧には書かれていません。 |
| 築地本願寺(お寺にお参りしたときの金封) | 「志」 | 金封の袋と水引はお布施の表書きの記事で比べています。 |
| 天台宗(寺参拝・祈祷でのお寺への御礼) | 「御宝前」「御仏前」「御本尊前」「御香華料」 | 赤い水引。一般的には市販の祝儀袋を使います。 |
同じ「志」でも、曹洞宗の一覧では、通夜や葬儀の世話役などへのお礼に使う語です。語の使いどころは、宗派の公式どうしでも同じではありません。
水引の色も分かれます。天台宗の一覧で黒い水引なのは葬儀の御礼だけで、お盆・寺参拝・法事の御礼には赤い水引を使います。大谷派の法事の菓子折りは、黒白か黄白です。
天台宗は、この御礼の包み方の表を「あくまでも一般例」としています。地域によって習慣が変わるので、迷ったときは菩提寺の住職に尋ねるよう書いています。
住職に渡す品とは別に、墓前に供える菓子もあります。天台宗は、お墓参りの一例として、お供え用にお花・菓子・果物・飲み物と、それらを置く半紙などを挙げています。お参りが終われば供えた食べ物や飲み物は持ち帰り、借りた用具は戻して、ひとこと挨拶をして帰るよう書いています。
まとめ
お寺への手土産に、全国で決まった品や書き方はありません。仏事のしきたりは地域や寺で様々だと、曹洞宗は答えています。法要に招かれた人についても、菓子を持参する必要は特にないという案内があります。
持って行くなら、菓子折りが一つの例です。真宗大谷派の法事の案内は、個袋入りが好まれるようだとし、掛け紙は「御仏前」か「御供」と書いた、黒白か黄白の水引としています。迷ったら、菩提寺の住職に尋ねましょう。
