まず結論から
- 山梨県の「墓地、埋火葬」のページにも、県内で確かめた甲府市の霊園と改葬の案内にも、墓じまいの助成は載っていません。株式会社huhuが2026年5月に墓じまいの経験がある100人に聞いた調査でも、補助金を使ったのは2人でした。
- 窓口は県ではなく、墓のある市町村です。県の案内も、墓地の経営許可等は市町村の事務で、改葬にも市町村長の許可が要るとしています。韮崎市・笛吹市・北杜市や町村に墓があるなら、その役所に申請します。
- 甲府市の案内では、改葬許可の手数料はかかりません。市営のつつじが崎霊園の使用料が戻るのは、墳墓地を使用しない前に返した場合だけです。
- 県内の墓地2,574区域のうち、1,479区域は宗教法人の墓地です(2024年度末)。寺の墓なら、申請書の証明はお寺に頼み、閉眼供養(御霊抜き)の法要は住職に相談します。
- 撤去工事は、見積もりの単位が店によって違います。複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べます。
山梨県に墓じまいの補助金はある?県の案内と甲府市で確かめたこと
山梨県の「墓地、埋火葬」のページは、2024年7月8日に更新されたものです。載っているのは、墓地の経営許可と改葬の許可の窓口の案内と、県の施行条例・施行細則の名前です。墓じまいの助成は載っていません。
県の案内は、墓地・納骨堂・火葬場の経営許可等は市町村の事務だとしています。2つ以上の市町村にまたがる墓地の経営許可等だけが、県知事の権限です。墓のある市の役所を、住民ではない立場で訪ねた人の記録です。
疎遠だった父方の墓を引き受け、住んでいない市の市営墓地にある墓をしまうことにした孫(個人ブログ・note)
2年前に、墓地の現状確認と経緯を確認するために、市役所へ行ってみました。市民でもないのにw なにも手がかりがわからず、ふと行ってくるかで訪問した私に対して、懇切丁寧に教えていただき、地理不案内な私に行き方から、詳細の地図も渡していただいて、市役所のご対応に大変感謝しています。
墓は京都府の市営墓地にある明治時代の墓2基で、祖母の管理料の滞納から存在を知りました。祖母の相続を放棄した年に、しまうと決めています。改葬の許可も、遺骨が今ある地の市町村長が出します。
出典: 墓じまいをしてみた(途中)(note)(台帳: V0017)
県内で確かめた甲府市でも、市営のつつじが崎霊園の案内と、市民課戸籍係の改葬手続きの案内に、墓じまいの助成は載っていません。ほかの自治体には、次のような制度の例があります。
| 自治体 | 制度の中身 |
|---|---|
| 千葉県市川市 | 市川市霊園の一般墓地を返す使用者に、更地に戻す費用を助成します。 |
| 千葉県浦安市 | 墓地公園の墓所を返す使用者に、原状回復の費用の補助金を返還後に出します。上限は15万円です。 |
| 群馬県太田市 | 八王子山公園墓地を返すときの、墓石の撤去の費用を助成します。 |
| 愛媛県新居浜市 | 市営墓地を返して合葬式施設を使う人の使用料を、全額免除していました(総務省の2023年の報告書の時点)。市の2025年の案内は、墓石の撤去の補助金や助成金の制度を「設けていません」としています。 |
| 北海道苫小牧市 | 市営墓地の墓じまいの費用を指定の金融機関から借りた市民に、利息と信用保証料を最大5万円助成していました(同)。 |
確かめた例は、どれも、その自治体が経営する墓地の区画を返す人に向けた制度です。
株式会社huhuは2026年5月、墓じまいの経験がある100人にインターネットで調査しました。補助金が出ることを知っていたのは24人、使ったのは2人でした。補助金のほかに負担を抑えるためにしたこと(複数回答)は、親族での分担の相談が40人、相見積もりが38人、供養先を樹木葬や永代供養墓にするが35人でした。
全国の例は墓じまい補助金の記事に、甲府市のお金の細部は甲府市の墓じまい補助金の記事に、お金が足りないときの道は墓じまいのお金がないときの記事にまとめました。
山梨県の墓地は宗教法人が最多。寺の墓の証明は誰に頼む?
山梨県の墓地は、2024年度末で2,574区域です。墓の数ではなく、墓地として区切られた区域の数です。経営する主体でいちばん多いのは宗教法人で、1,479区域でした。個人の墓地が1,014区域、地方公共団体の墓地が80区域と続きます。
寺の墓地にある墓なら、改葬許可申請書の証明は、墓地の管理者であるお寺に頼みます。甲府市の申請書にも、墓地管理者(お寺等)の証明欄があります。菩提寺で、申請書に住職の押印をもらった人の記録です。
母の代わりに施主となり、菩提寺にある墓をしまう60代(個人ブログ・note)
そして、こちらから 改装許可申請書の 現在のお骨を保管している場所として 住職様から 押印を頂いた。
緊張で頭がぐるぐるしていた。 もし、この書類書き間違えがあったら また住職から印鑑をもらわなくてはいけなくなっちゃう。 書き間違えのないことを祈る。
夫を伴って菩提寺を訪ね、離檀を申し出た日の記録です。閉眼供養のお布施と志納金の額も、その場で住職から示されました。施行規則も、管理者が作る埋葬の事実の証明を申請書に添えると定めています。
出典: 菩提寺でついに「離檀」。墓じまいの費用と本音、全部書く(note)(台帳: V0067)
日蓮宗のQ&Aは、改葬で墓石を処分するときは必ず「御霊抜き」の法要を営み、菩提寺の住職に相談するとよいとしています。寺の墓なら、申請書の証明と法要を、まず住職に相談します。
株式会社huhuが2026年2月に、墓じまいの経験がある100人に聞いた調査では、離檀料(お布施)を払ったのは76人でした。払っていないのが13人、離檀の必要がなかったのが11人です。払った76人の金額は、10万〜50万円未満の38人が最多でした。
個人や共同の墓地では、証明を出す管理者がいないことがあります。寺の境内の墓でも、寺から出してもらえない場合が考えられると、全日本墓園協会の横田睦氏は「国民生活」で述べています。その場合は、市町村長が必要と認める「これに準ずる書面」で代えられます。何が認められるかは市町村で違うため、横田氏は改葬許可証を交付する窓口に前もって相談するよう勧めています。
お布施の目安は墓じまいのお布施の記事に、お寺への手紙は墓じまいの挨拶状の記事に、申請書と添える書類は墓じまいに必要な書類の記事にまとめました。
県外に住む人、甲府市の外に墓がある人は?窓口は墓のある市町村
改葬の許可は、遺骨が今ある地の市町村長が出します。住んでいる市町村ではなく、墓のある市町村に申請します。東京に住んでいても、墓が笛吹市にあれば笛吹市に申請します。
鎌倉新書は2026年1月、「いいお墓」で資料請求や霊園見学をした人のうち、改葬・墓じまいを考えた人・した人に調査をしました。有効回答は733件です。墓じまいを考えた理由の最多は「お墓が遠方にある」の52.0%でした。墓から離れた街に住みながら、寺に段取りを任せた人の記録です。
兵庫県姫路市に住みながら、遠くの寺にある墓2基をしまう段取りをした当事者(個人ブログ・アメブロ)
私の住まいは兵庫県姫路市です。
お寺さんは石材業者さんと相談して
「遠方からわざわざ足を運ばなくても全てを現地で済ませられるような配慮」をしてくださる方向で考えてくださいました。
墓は広島県尾道市の寺にあり、遺骨はその寺の合同塚へ移します。役所への届出の代行も石材店に頼み、やり取りは電話とLINEでした。許可を申請する先は、姫路市ではなく墓のある市です。
出典: 墓じまいの流れと費用(アメブロ)(台帳: V0097)
同じ調査で、墓じまいで大変だったことの2位は「役所の手続き」で、32.3%でした。墓のある役所に確かめたい6つの項目と、県内で確かめた甲府市の案内での答えを並べます。
| 役所に確かめること | 甲府市の案内での答え |
|---|---|
| 改葬許可の窓口と手数料 | 市民課戸籍係です。手数料はかからず、郵送なら切手を貼った返信用封筒を入れます。 |
| 申請書の証明 | 申請書の中に、墓地管理者(お寺等)の証明欄があります。 |
| 公営霊園を返す手続き | つつじが崎霊園は公園緑地課です。改葬の承認、墓石の撤去、墓地の返還の順に手続きし、更地にして返します。 |
| 返したときの使用料 | つつじが崎霊園は、墳墓地を使用しない前に返した場合だけ、第1年目の使用料の一部が戻ります。 |
| 公営の合葬墓 | つつじが崎霊園の案内は、霊園に現在、永代供養の施設は無いとしています。 |
| 墓じまいの助成 | 霊園と改葬の2つの案内に載っていません。 |
甲府市の窓口と書類の細部は、甲府市の墓じまいの記事にまとめました。改葬という言葉の意味は、墓じまいと改葬の違いの記事で確かめられます。
山梨県の改葬は年に829〜974件
厚生労働省の衛生行政報告例では、山梨県の改葬は2022年度が974件でした。2023年度は829件、2024年度は931件です。同じ3年で、甲府市は193件、184件、242件でした。
甲府市の件数は、県の件数に含まれます。県内では、甲府市の外の市町村が許可した改葬も多くあります。全国の改葬は、2024年度に176,105件でした。
甲府市の外に墓があるなら、上の表の6項目を、墓のある市町村の役所で確かめます。隣の都県に墓がある人には、静岡県・長野県・東京都・神奈川県・埼玉県の墓じまいの記事があります。
進める順番と、費用・移し先の比べ方
手続きを進める順番を並べます。役所の手続きの部分は、法律と規則、甲府市の案内によります。先頭の見積もりは、この記事のすすめです。
| 順番 | すること |
|---|---|
| 1 複数の石材店に見積もりを頼む | 見積もりの単位は、店によって違います。 |
| 2 親族と話し合って決める | なるべく多くの親族と相談するよう勧められています。 |
| 3 移し先を決める | パンフレットだけでなく、使用規則や料金表を見ます。 |
| 4 今の墓の管理者に証明をもらう | 寺の墓なら、申請書の証明欄をお寺に書いてもらいます。 |
| 5 墓のある市町村に改葬許可を申請する | 許可が出ると、改葬許可証が交付されます。 |
| 6 閉眼供養(御霊抜き)をする | 寺の墓は、菩提寺の住職に相談します。 |
| 7 遺骨を取り出し、墓石を撤去する | つつじが崎霊園は、更地にして返還届を出します。 |
| 8 移し先に改葬許可証を渡して納める | 墓地の管理者は、改葬許可証を受け取ってから埋蔵させます。 |
鎌倉新書の同じ調査で、実際にした人の実施費用は「31万円〜70万円」が31.3%で最多でした。移し先の最多は「永代供養(合祀・合葬墓)」の43.2%です。
総務省行政評価局の2023年の報告書では、公営の墓地・納骨堂を持つ765市町村のうち、合葬式の施設を持つのは195市町村でした。公営の合葬墓があるかは、墓のある市町村に聞きます。
日本石材産業協会が2023年度に石材店に尋ねた設問では、見積もりの単位が面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれ、184件の回答がありました。単位が店で違うので、工事を頼む前に、複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べます。
費目ごとの内訳は墓じまい費用の記事に、頼み先は墓じまい業者の記事に、移し先の比べ方は遺骨の行き先の記事と永代供養の記事にまとめました。
まとめ
山梨県の「墓地、埋火葬」のページにも、県内で確かめた甲府市の霊園と改葬の案内にも、墓じまいの助成は載っていません。墓地の経営許可等も改葬の許可も、県ではなく市町村が受け持ちます。
改葬の許可は、住んでいる所ではなく、墓のある市町村に申請します。寺の墓は、証明と閉眼供養を住職に相談します。撤去工事の見積もりは単位が店で違うので、複数の石材店から取って額と内訳を比べてください。
