まず結論から
- 県内で確かめた秋田市の市営墓地と改葬の案内にも、平和公園の条例と施行規則にも、墓じまいの助成は載っていません。代わりに、平和公園の墓地を返すと、使ったあとなら納めた使用料の5割、未使用なら全額が戻ります。
- 改葬の許可を出すのは、墓のある市町村長です。秋田県は、墓地の経営の許可などの事務を、条例で町村に移しています。
- 2024年度に県内で許可された改葬は958件で、秋田市は126件でした。秋田市の外の市町村の許可も多くあります。墓が大仙市や横手市、能代市などにあるなら、聞く先はその市町村の窓口です。
- 平和公園の合葬墓は1体17,000円です。秋田市の墓地から移す人は本籍や住所を問わないと、条例は定めています。いま募集しているかは条例に書かれていないので、生活総務課に確かめます。
- 撤去の工事は、複数の石材店に見積もりを頼みます。見積もりの単位は店によって違うので、額と内訳を比べます。
秋田県に墓じまいの補助金はある?秋田市の資料で確かめた
秋田県内で、墓じまいの助成の有無を資料で確かめられたのは秋田市です。その前に、補助金に頼らず、家族で費用の持ち方を決めた人の記録を紹介します。
山の斜面にある市営墓地の、義実家の墓をしまうと決めた長男の妻(個人ブログ・アメブロ)
日頃、義実家のことは義弟に任せっきりなので墓じまいの 費用については長男である夫が負担すること。
お墓に眠る遺骨の 改葬先は私の両親や義両親の兄弟も眠っている お寺の 納骨堂にお願いしようということになりました。
夫は地元を離れて暮らし、膝を悪くした義母も、急な斜面の墓へもう参れないかもしれないと話していました。8月の帰省の会食の席で、義母が自分から決めています。墓じまいの経験者100人に聞いた調査でも、補助金を使った人は2人でした。
出典: 帰省と墓じまいのこと(アメブロ)(台帳: V0104)
この調査は、株式会社huhuが2026年5月19日、墓じまいを経験した男女100人にインターネットで行いました。墓じまいに補助金が出ると知っていた人も、24人でした。
助成を出す自治体の例もあります。浦安市は、市の墓地公園の墓所を返した人に、原状に戻す費用を上限15万円で補助します。市川市は市川市霊園の、太田市は八王子山公園墓地の区画を返す人に、撤去の費用を助成しています。
総務省の2023年の報告書には、愛媛県新居浜市の制度が載っています。市営墓地の区画を返し、引き続き合葬式施設を使う人の使用料を、全額免除する制度です。新居浜市の2025年の案内は、墓石の撤去の補助金や助成金の制度を「設けていません」としています。どれも、その自治体の墓地の区画を返す人に向けた制度です。
秋田市では、4つの資料で、助成の有無と、代わりに使えるお金の決まりを確かめました。
| 項目 | 秋田市の資料での答え |
|---|---|
| 墓じまいの助成 | 市営墓地の手続と改葬許可の案内、平和公園の条例と施行規則に載っていません。 |
| 墓地を返したときの使用料 | 平和公園の墓地は、使ったあとなら納めた額の5割、未使用なら全額が戻ります。 |
| 公営の合葬墓 | 平和公園の合葬墓は、1体17,000円です。 |
| 改葬許可の申請書 | 生活総務課と、北部・西部・河辺・雄和・南部の市民サービスセンターにあります。 |
| 改葬許可の手数料 | 案内のページに記載なし → 生活総務課で確かめます。 |
| 市営墓地を返す届出 | 墓地返還届に墓地使用許可証を添えます。前もって生活総務課に連絡します。 |
| 郵送 | 市営墓地に関する手続は、郵送でもできます。 |
秋田市の手続きは秋田市の墓じまい手続きの記事に、お金の決まりは秋田市の墓じまい補助金の記事にまとめました。全国の助成の形は墓じまい補助金の記事で、払うのが難しいときの道は墓じまいのお金がないときの記事で紹介しています。
秋田市の外や、個人・集落の墓地にある墓は?聞く先は墓のある市町村
鎌倉新書は2026年1月、「いいお墓」で資料請求や霊園見学をした人のうち、改葬・墓じまいを検討・実施した人に聞きました(有効回答733件)。墓じまいを考えた理由の最多は「お墓が遠方にある」で、52.0%でした。
遠くに住んでいても、改葬の申請は、住んでいる市町村ではなく、墓のある市町村の役所に出します。秋田県は、墓地の経営の許可などの事務を、条例で町村に移しました。町村が受け持ち始めたのは2005年4月で、三種町と八峰町は2006年3月からです。市の墓地の経営の許可は、もともと市長が出します。
大仙市や横手市、能代市などに墓があるなら、その市町村の窓口に、助成の有無と返したときの使用料、公営の合葬墓、市営墓地を返す条件を聞きます。上の表は、秋田市の資料での答えです。墓が県外にあるなら、青森県・岩手県・宮城県・山形県の墓じまい補助金の記事もあります。
大仙市は、総務省が実地調査をした88市町村の一つです。2023年の報告書の時点で、大仙市が縁故者のない墓と判断する目安は、次のとおりでした。公営墓地の管理料の滞納が3年程度で、住民票や戸籍を調べても縁故者が分からない場合です。放っておいた墓がどうなるかは墓じまいしないとどうなるかの記事にまとめました。
秋田県の墓地は、2024年度末で13,031区域でした。墓の数ではなく、墓地の区域の数です。個人の墓地が8,292区域、その他が3,324区域、地方公共団体が785区域、宗教法人が630区域です。
厚生労働科学研究の報告書は、この統計の「その他」を集落墓地(共同墓地・ムラ墓地とも呼ばれる)としています。畑の中にある墓の墓じまいを支援した人の記録です。
地域の高齢者の相談を受け、墓じまいを支援してきた福祉職(個人ブログ・note)
➂その他、私が支援した中で、畑の中にお墓が10基ほどあるところがありました。
この場合は、所有者や管理者が誰かを確認する必要があります。 ※御骨を移すために、行政へ届け出をします。 そこに管理者等を記載する必要があります。
自分の経験を生かして地域のお年寄りを支えようと独立し、墓じまいの支援は4回目になるといいます。改葬の申請書には、いまの墓の管理者が作る、遺骨を納めた事実の証明を付けると省令が定めています。
出典: 高齢者の支援 ~墓じまい~(note)(台帳: V0044)
証明を出す管理者がいないときは、市町村長が認める書面で代えられます。全日本墓園協会の横田睦さんは、何が認められるかは市町村で違うので、改葬許可証を出す窓口に前もって相談するよう勧めています。総務省が実地調査をした88市町村では、管理者の分からない墓地からの改葬に、代わりの書面を求めるところが47.7%でした。
寺の墓なら、墓石を処分する前に「御霊抜き」の法要を営むと、日蓮宗の仏事の Q&A は答えています。法要は菩提寺の住職に相談するとよい、としています。お布施の考え方は墓じまいのお布施の記事に、書類は墓じまいに必要な書類の記事にまとめました。
秋田市の市営墓地を返すと?平和公園は使用料が戻り、合葬墓は1体17,000円
移し先に払うお金も、墓じまいの費用の一部です。寺にあった兄の墓をしまい、遺骨を公営の合葬式墓地へ移した人の記録です。
寺にあった兄の墓をしまい、公営の合葬式墓地へ移した人(HALMEK up の読者寄稿)
墓じまいは、「離檀料」と新たに作る「墓代」で、金額が大幅に変わります。私の場合、離檀料を払う必要がなかったこと、墓の移転先が公営の合葬式墓地だったこともあり、相場より安くすみました。
兄の墓では、住職の代替わりのあとに管理費の前納を求められました。そのため移し先は、金額が明確な公営の合葬式墓地を選んでいます。秋田市の平和公園にも合葬墓があり、使用料は1体17,000円です。
出典: 「墓じまいの」金銭トラブルを防ぐ!総額45万円で抑えたわが家の体験談(HALMEK up)(台帳: V0020)
平和公園の墓地の使用料は、使用の許可と同時に納めます。条例は、納めた使用料を戻さないのを原則にしています。ただし、墓地を返したときは全部か一部を、合葬墓の使用をやめたときは全部を戻せると定めています。
戻る額は、施行規則が決めています。使ったあとに墓地を返しても、納めた使用料の5割が戻ります。戻る額の元は、今の使用料ではなく、すでに納めた額です。
| 返し方 | 戻る額 | 出すもの |
|---|---|---|
| 未使用のまま墓地を返す | 納めた額の全額です。 | 墓地返還届と墓地使用許可証、永代使用料還付申請書です。 |
| 使ったあとに墓地を返す | 納めた額の5割です。 | 墓地返還届と墓地使用許可証、永代使用料還付申請書です。 |
| 合葬墓の使用を、納骨の前にやめる | 納めた額の全額です。 | 合葬墓使用中止届と合葬墓使用許可証、永代使用料還付申請書です。 |
墓地を返すときは、すみやかに原状に戻すと条例は定めています。今の使用料は、4.0平方メートルの区画で324,000円、20.0平方メートルで1,620,000円です。
合葬墓は、多くの遺骨を一緒に直接納める施設です。条例は、市の墓地から移す人や、亡くなったとき市内に本籍か住所があった人の遺骨を納める人なら、本籍や住所を問わないとしています。納めた遺骨は返されません。
秋田市の南西墓地・河辺墓地・北部墓地には、平和公園とは別の条例があります。この3つの墓地を返すときのお金は、生活総務課で確かめます。
近くの市では、仙台市が、使用許可から3年以内に返したときだけ、永代使用料の半額を返します。青森市は、一般墓地の使用料を還付しません。くわしくは仙台市と青森市の補助金の記事に、移し先の選び方は遺骨の行き先の記事にまとめました。
秋田県と秋田市の改葬の件数
厚生労働省の衛生行政報告例では、秋田県で許可された改葬は、2022年度が816件、2023年度が975件、2024年度が958件でした。秋田市は98件、105件、126件です。
秋田市の値は、県の件数に含まれています。秋田市の外の市町村の許可も多くあります。2024年度の全国の改葬は、176,105件でした。近くの市の手続きは、青森市・盛岡市・仙台市の記事にまとめました。
秋田県で墓じまいを進める順番と、費用の比べ方
工事の段取りは、見積もりから始めます。日本石材産業協会は2023年度、見積もりを何の単位で出すかを石材店に尋ね、184件の回答を得ました。答えは、面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。撤去の工事は、複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べてから頼みます。
| 順番 | すること |
|---|---|
| 1 見積もり | 複数の石材店に見積もりを頼み、額と内訳を比べます。見積もりの単位は店によって違います。 |
| 2 親族と決める | 横田睦さんは、なるべく多くの親族と相談すべきだとしています。 |
| 3 移し先を決める | 移し先の管理者から、証明や承認をもらいます。 |
| 4 今の墓の証明 | 今の墓の管理者に証明を頼みます。管理者が分からなければ、窓口に先に相談します。 |
| 5 改葬許可の申請 | 墓のある市町村に申請します。 |
| 6 閉眼供養 | 寺の墓なら、御霊抜きの法要を住職に相談します。 |
| 7 撤去と返還 | 墓石を撤去します。撤去は使用者の務めとされます。秋田市の市営墓地なら、墓地返還届を出します。 |
3と7の役所・霊園の手続きは、秋田市の案内によるものです。
費用には幅があります。鎌倉新書の2026年の調査で、墓じまいをした(している)人の費用は「31万円〜70万円」が31.3%で最多、30万円以下が16.8%でした。
石材店の選び方は墓じまい業者の記事に、費用の内訳は墓じまい費用の記事にまとめました。改葬と墓じまいの違いは墓じまいと改葬の違いの記事にあります。
まとめ
秋田市の市営墓地と改葬の案内にも、平和公園の条例と施行規則にも、墓じまいの助成は載っていません。代わりに、平和公園の墓地を返すと、使ったあとなら納めた使用料の5割、未使用なら全額が戻ります。
改葬の許可は、墓のある市町村に申請します。秋田市の外に墓があるなら、その役所に助成や合葬墓のことを聞きます。撤去の工事は、見積もりの単位が店で違うので、複数の石材店の額と内訳を比べてから頼んでください。
