まず結論から
- 京都府は、京都市を除く府内について、墓じまいの補助制度はないと答えています。京都市の市営墓地の案内と市営墓地条例にも、墓じまいの助成は載っていません。
- 改葬(遺骨を別の墓へ移すこと)の許可は、府ではなく、墓のある市町村が出します。確かめた京都市と宇治市では、申請の手数料は無料です。
- 京都市の市営墓地を返しても、納めた使用料と管理料は戻りません。市長が特別の理由があると認めるときを除き、還付しないと条例が定めています。
- 京都市深草墓園の納骨堂で遺骨を合葬する永年納骨は、市内料金が粉状の遺骨で2万円、そのままで5万円です。申請者か遺骨の人が元京都市民なら、市外料金の対象です。
- 撤去工事は、複数の石材店から見積もりを取って比べます。見積もりの単位が店で違うからです。
京都府に墓じまいの補助金はある?府の答えと京都市の答え
墓じまいで役所に出す手続きは、市町村が受け持ちます。改葬の許可は、遺骨がある場所の市町村長が出します。遠くにある墓のことを、その市の市役所へ聞きに行った人の記録です。
疎遠だった父方の、京都府の市営墓地にある墓を引き受けた孫(個人ブログ・note)
2年前に、墓地の現状確認と経緯を確認するために、市役所へ行ってみました。市民でもないのにw なにも手がかりがわからず、ふと行ってくるかで訪問した私に対して、懇切丁寧に教えていただき、地理不案内な私に行き方から、詳細の地図も渡していただいて、市役所のご対応に大変感謝しています。
祖母の管理料の滞納が3年前に分かり、それから毎年、管理料を払ってきた人です。府も、詳しくは墓のある市町村の担当課に問い合わせるよう案内しています。
出典: 墓じまいをしてみた(途中)(note)(台帳: V0017)
府と京都市の資料で、墓じまいの助成があるかを確かめました。
| 確かめた資料 | 墓じまいの助成について |
|---|---|
| 京都府のよくある質問(生活衛生課) | 京都市を除く府内では、使っている墓所を返して遺骨を合葬の施設に納める、いわゆる墓じまいへの補助制度はないと答えています。 |
| 京都市 市営墓地の各種申請・届出の案内 | 手続きの一覧に、助成の申請はありません。お金の申請で載っているのは、管理料の減額です。 |
| 京都市市営墓地条例・施行規則 | 使用料と管理料の減額・免除の定めはありますが、墓じまいの助成の定めはありません。 |
府の回答は府のページにあるので、京都市も含むように見えます。しかし府の「補助制度はありません」は、京都市を除いた府内の答えです。京都市の答えは、京都市の資料で確かめることになります。
助成のある自治体の例として確かめた市川市・浦安市・太田市の制度は、どれもその市の墓地の区画を返す人が対象です。全国の例は墓じまい補助金の記事、京都市のお金の話は京都市の墓じまい補助金の記事にまとめました。
京都市の外に墓があるときは?墓のある市町村で聞くこと
府内には京都市のほか、宇治市・亀岡市・福知山市などの市と、大山崎町や南山城村などの町村があります。京都市の外に墓があるなら、改葬の手続きはその市町村で行います。申請の前に決めておくことがある、と知った人の記録です。
両親が京都の郊外に住んでいた頃、金沢の奥にある父の家の墓を東京近辺へ移そうとした当事者(個人ブログ・note)
さらに墓じまいには 改葬許可申請という行政手続きが必要で
これ自体は数百円程度なんですが 新しい納骨先が決まっていないと申請できない
つまり とりあえず墓じまいだけしておく ということはできない仕組みのようです
10年ほど前の話で、本人と親戚は東京に住んでいました。資料を取り寄せて調べた末に、墓はそのままにすることになっています。宇治市の案内も、改葬先が決まってから申請するよう求めています。
出典: お墓じまいに挫折(note)(台帳: V0025)
府内で案内を確かめた京都市と宇治市では、改葬許可の手数料はどちらも無料です。墓のある役所には、次のことを聞きます。
| 聞くこと | 京都市 | 宇治市 |
|---|---|---|
| 申請先 | 医療衛生センターか、区役所・支所の医療衛生コーナーです。市内の墓なら、どの区の窓口でもかまいません。 | 環境企画課です。市営墓地以外の墓も、市内の墓ならここで手続きします。 |
| 申請の前に要るもの | 今の墓の管理者に、申請書の証明欄を書いてもらいます。 | 改葬先の使用許可証か受入証明書の写しです。申請書には、今の墓地管理者の記入押印も要ります。 |
| 許可証の受け取り | 窓口に申請書を出して受け取ります。オンラインでは申請できません。 | 書類の審査のあと郵送されます。通常2週間程度です。 |
| 手数料 | 無料です。 | 無料です。 |
改葬の申請先は、住んでいる所ではなく、墓のある市町村です。府のよくある質問は、墓地や霊園の経営の許可について、府内の市なら所在市の担当課に聞くよう案内しています。町や村では、墓地の面積によって町村・保健所・府の生活衛生課に分かれます。
府内で許可された改葬は、2024年度に4,107件でした。京都市が許可したのはそのうち2,574件で、京都市の外の市町村が許可した改葬も多くあります。2022年度は府が3,544件・京都市が2,348件、2023年度は3,621件・2,261件です。
京都市の窓口と書類は京都市の墓じまい手続きの記事、ほかの自治体で求められる書類は墓じまいに必要な書類の記事、改葬の意味は改葬の記事にまとめました。
補助が無いときの費用は?見積もりの内訳と公営の受け皿で比べる
助成が見当たらなければ、費用は自分で比べることになります。鎌倉新書は2026年1月、「いいお墓」で資料請求や霊園見学をした人のうち、改葬・墓じまいを考えたか実施した733人に聞きました。
墓じまいをした人に実施費用を聞くと、「31万〜70万円」が31.3%で最多でした。30万円以下は16.8%です。工事の見積書に何が入るかを、書き残した人がいます。
明治と平成の墓2基をしまうことにした、還暦の当事者(個人ブログ・note)
上記の中に含まれてるのは、次の項目です。 ・墓石の処分費用 ・縁石など周辺付帯物の処分費用 ・運搬費用 ・遺骨の掘り出し費用 ・納骨代(改葬費)
閉眼供養のためのお布施代は含まれていません。 これは私が菩提寺へ別途依頼します。
石材店から2基分の見積書が届いた日の記録で、合計は331,000円でした。石材店が見積もりを作るときの単位は、店によって分かれます。
出典: 墓じまいの予算が出ました(見積り段階です)(note)(台帳: V0006)
日本石材産業協会が2023年度に石材店へ積算の単位を聞いた設問では、184件の回答が面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べてください。
移し先の費用を抑える、公営の受け皿もあります。府内の資料で確かめたお金の決まりは、次のとおりです。
| 場面 | 資料に書いてあること |
|---|---|
| 京都市深草墓園の納骨堂(永年納骨) | 合葬式で、遺骨は返してもらえません。市内料金は粉状の遺骨が2万円、そのままが5万円です。市外料金は4万円と10万円です。 |
| 深草墓園の納骨堂を使える人 | 申請者か遺骨の人が京都市民か元京都市民で、申請者が遺骨を守っていく立場(祭祀主宰者)の場合です。 |
| 生活保護を受けている世帯など | 深草墓園の納骨堂の使用料はかかりません。京都市の市営墓地の管理料は、1平方メートルあたり1,990円が995円になります。 |
| 福知山市斎場で改葬の遺骨を火葬する | 墓が福知山市内にあれば1体5,000円、市外なら15,000円です。 |
| 撤去工事 | 複数の石材店の見積もりを、額と内訳で比べます。見積もりの単位は店によって違います。 |
公営の合葬式の施設は、どこにでもあるわけではありません。総務省の2023年の報告書では、公営の墓地・納骨堂を持つ765市町村のうち、合葬式の施設を持つのは195市町村でした。
費用の相場は墓じまい費用の記事、頼み先の選び方は墓じまい業者の記事、移し先は遺骨の行き先の記事にまとめました。払うのが難しいときは墓じまいのお金がないときの記事、深草墓園の料金の図は京都市の墓じまい補助金の記事にあります。
京都府の墓地と、お寺の墓の進め方
府内の墓地は、2024年度末で14,174区域あります。墓の数ではなく、墓地として区切られた区域の数です。経営する主体は、個人が9,032区域、その他が2,397区域、宗教法人(寺など)が2,153区域です。地方公共団体は583区域、公益社団・財団法人は9区域です。
京都市内に限ると、2,309区域のうち宗教法人の墓地が991区域で最も多くありました。全国では、876,042区域のうち宗教法人の墓地は58,700区域です。寺の墓をしまうときに、寺に頼むことと聞く先は次のとおりです。
| 頼むこと・聞くこと | 資料に書いてあること |
|---|---|
| 親族との話し合い | 墓じまいの前に、なるべく多くの親族と相談するべきだと、国民生活センターの「国民生活」の特集で横田睦氏が書いています。 |
| 埋葬の証明 | 墓じまいは勝手にできず、寺などが出す「埋葬証明書」などが要ります。京都市の申請書でも、証明欄は今の墓の管理者が書きます。 |
| 閉眼供養(御霊抜き) | 日蓮宗の公式の問答は、墓石を処分するので必ず「御霊抜き」の法要を営むと答えています。法要は菩提寺の住職への相談を勧めています。 |
| 離檀料 | 明確な基準はありません。金額に納得がいかなければ、基本は寺などと話し合います。 |
| 撤去工事の額 | 複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べます。見積もりの単位は店によって違います。 |
寺の墓は、まず住職に相談します。証明も法要も、寺に頼むことになるからです。困ったときは、消費者ホットライン188でも相談できます。お布施の目安は墓じまいのお布施の記事にまとめました。
まとめ
京都府は、京都市を除く府内について、墓じまいの補助制度はないと答えています。京都市の市営墓地の案内と条例にも、助成は載っていません。改葬の許可は墓のある市町村が出すので、京都市の外に墓があるなら、その役所に聞きます。
京都市深草墓園の納骨堂は、合葬の永年納骨が市内料金2万円からです。寺の墓は住職への相談から始め、撤去工事は複数の石材店の額と内訳を比べてください。見積もりの単位は店によって違います。
