まず結論から
- 墓じまいの助成があるかは、墓のある市町の窓口で確かめます。津市なら、改葬許可の窓口の市民課です。三重県と津市の公開資料からは、助成を確かめられませんでした。
- 助成の例は、市の霊園の区画を返す人に向けたものです。墓じまいの経験がある100人への調査では、補助金を使った人は2人でした。
- 改葬(遺骨を別の墓や納骨堂へ移すこと)の許可は、住所ではなく、遺骨のある市町村長が出します。四日市市や松阪市など、県内29市町のどこに墓があるかで申請先が決まります。
- 寺や集落の墓地の墓なら、申請書に今の管理者の証明を添えます。県内の墓地4,916区域のうち、最も多いのは集落の墓地などの「その他」です。
- 撤去工事の見積もりは、単位が店によって違います。複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べます。
三重県に墓じまいの補助金はある?助成は市の霊園を返す人向け
三重県で、墓地、埋葬等に関する法律の事務を受け持つのは、医療保健部の食品安全課です。墓地や納骨堂の経営の許可は、法律では県の仕事で、市では市長が出します。
県の権限移譲の一覧(2026年8月1日現在)では、この許可を14市すべてが法令で、多気町と大台町が県の条例で受け持っています。改葬の許可は、どの市町でも市町の長が出します。
市の墓地にある墓を、家族で話し合ってしまうと決めた人の記録です。
義父が眠る、山の急な斜面にある市営墓地の墓をしまうと決めた家族の、長男の妻(個人ブログ・アメブロ)
墓じまいの費用については長男である夫が負担すること。
お墓に眠る遺骨の改葬先は私の両親や義両親の兄弟も眠っているお寺の納骨堂にお願いしようということになりました。
そこなら、義母もひとりでお参りに行けそうです。
考えたきっかけの一つは、膝を悪くした義母が、もう墓参りに行けないかもしれないと口にしたことでした。市の霊園の区画を返す人に、撤去などの費用を助成する市もあります。
出典: 帰省と墓じまいのこと(ふつう。・アメブロ)(台帳: V0104)
助成をしている市の例を並べます。どれも、その市の霊園の区画を返す人が対象です。
| 自治体 | 対象 | 助成の中身 |
|---|---|---|
| 市川市 | 市川市霊園の一般墓地を返す人 | 更地に戻す費用を、区画の種類と面積ごとの限度額まで助成します。 |
| 浦安市 | 墓地公園の墓所を返す人 | 墓石の撤去などの費用に補助金を出します。上限は150,000円で、石材店の見積書が要ります。 |
| 太田市 | 八王子山公園墓地を返す人 | 墓石の撤去にかかる費用を助成します。 |
| 新居浜市 | 市営墓地の区画を返し、市の合葬式施設を使う人 | その施設の使用料を全額免除していました。総務省の2023年の報告書の時点の例です。市の2025年の案内は、墓石の撤去の補助金や助成金の制度を「設けていません」としています。 |
| 苫小牧市 | 市営墓地の墓じまいの費用を指定の金融機関から借りた市民 | 利息と信用保証料に、最大5万円を助成していました。同じ報告書の時点の例です。 |
助成は、その市の霊園の区画を返す人に向けたものです。墓が市町の霊園にあるなら、返すときに出るお金を、その市町に聞きます。
株式会社huhuが2026年5月19日、墓じまいの経験がある100人にインターネットで聞いた調査があります。補助金が出ると知っていた人は24人、使った人は2人でした。補助金のほかに行ったことでは、親族での分担の相談が40人で最多でした。
全国の助成の例は墓じまい補助金の記事に、費用を用意できないときの道は墓じまいのお金がないときの記事にまとめました。
四日市市・松阪市などに墓があるなら?窓口は墓のある市町
鎌倉新書が2026年1月、「いいお墓」の利用者のうち墓じまいを考えた人・した人733人に聞いた調査があります。墓じまいを考えた理由の最多は「お墓が遠方にある」で、52.0%でした。
墓が遠いと、どこで手続きをするのかから迷います。段取りを調べ始めた人の記録です。
墓が3つあり、成人した娘が1人いる、60歳を前にした当事者。墓じまいの段取りを調べ始めた(個人ブログ・note)
一般的な改葬の流れを調べると、まず遺骨の移転先を決める。現在のお墓の管理者から埋蔵証明をもらい、現在のお墓がある市区町村へ申請して改葬許可証を受け取る。その許可証を使って遺骨を取り出し、新しい受け入れ先へ移す――という形のようです。
そのほか、墓石の撤去や更地への復旧、墓地の返還なども必要になります。必要書類や手順は自治体や墓地によって違うので、実際には一つずつ確認することになります。
墓じまいは、今の父が亡くなったあとに進めるつもりだといいます。改葬の許可を出すのは、遺骨が今ある場所の市町村長です。
出典: 自分的5大事業③ 墓じまい(とるたら・note)(台帳: V0110)
申請先は、住んでいる市町ではなく、墓のある市町です。津市に住んでいても、墓が四日市市にあれば四日市市に申請します。
三重県には14市と15町があります。墓のある市町で、次の5つを確かめます。
| 確かめること | 聞く先と、決まっていること |
|---|---|
| 改葬許可の窓口・手数料・郵送 | 墓のある市町の窓口に聞きます。 |
| 申請書に書くこと | 亡くなった人の本籍や氏名と、申請者と墓の使用者との関係を書きます。 |
| 申請書に添える証明 | 今の墓地の管理者に証明をもらいます。寺の墓地なら、寺が出します。 |
| 市町の霊園を返すときのお金 | 霊園を持つ市町に聞きます。助成の例の3市も、対象と中身がそれぞれ違います。 |
| 移し先 | 申請書に改葬の場所を書くので、申請の前に決めます。 |
津市の案内では、窓口は市民課か各総合支所の市民福祉課(市民課)で、郵送でも申請できます。手数料は案内のページに記載がないので、市民課で確かめます。遺骨1人分ごとの申請など、細かい手順は津市の墓じまいの記事にまとめました。
申請書と添える書類は墓じまいに必要な書類の記事に、改葬という言葉の意味は墓じまいと改葬の違いの記事にまとめました。墓が隣の県にあるなら、名古屋市の墓じまいの記事と岐阜県の墓じまい補助金の記事があります。奈良市・和歌山市・大津市の墓じまいの記事もあります。
寺の墓・集落の墓地・家の墓地は?今の管理者を先に確かめる
三重県の墓地は、2024年度末で4,916区域です。墓の数ではなく、墓地として区切られた区域の数です。最も多いのは「その他」の1,976区域で、個人の墓地が1,208区域、宗教法人の墓地が782区域です。
厚生労働科学研究の研究班の報告書は、この「その他」を、共同墓地やムラ墓地とも呼ばれる集落の墓地としています。全国で「地方公共団体」に数えられる墓地も、約8割は実態が集落の墓地と変わらない、とみています。
昔からある墓は、管理者がはっきりしないことが少なくありません。祖父の四十九日に、地域の墓場の墓をしまった人の記録です。
父方の祖父の四十九日に、山口の地域の墓場にあった家の墓をしまった孫(個人ブログ・note)
そこは山口の元町村のお墓なのですが、聞けば地域の墓場で管理の大元としては自治会らしい。ただ、市役所に聞いても誰が管理しちょるのかもわからないほどに少子高齢化の煽りを受けていました。
家の墓の骨壺を一つにまとめて寺の永代供養に移す日で、寺のお坊さんにも墓まで来てもらいました。集落の墓地でも、申請書には管理者の証明を添えます。
出典: 墓仕舞いをした話(こぐま・note)(台帳: V0039)
証明を出せる管理者がいないときは、市町村長が認める「準ずる書面」で代えられます。何が認められるかは市町村で違うので、改葬許可の窓口に前もって相談します。
総務省は、鳥羽市を含む88市町村を実地で調べました。管理者が分からない墓地からの改葬で、代わりの書面を求める市町村は47.7%(42市町村)でした。戸籍の謄本や申請者の申立書を求める例が多くみられました。
| 墓のある場所 | 知っておくこと |
|---|---|
| 寺の墓地 | 寺が出す「埋葬証明書」などが要ります。御霊抜きの法要は、菩提寺の住職に相談します。離檀料に明確な基準はなく、困ったら消費者ホットライン(188)に相談できます。 |
| 集落の墓地 | 墓地の管理者に証明をもらいます。管理者が分からなければ、準ずる書面を窓口に相談します。 |
| 家の墓地 | 墓地そのものをやめるなら、墓地の廃止の許可も要ります。県の一覧では、14市と多気町・大台町がこの許可を受け持ちます。 |
| 市町の霊園 | 助成の例は、どれも市の霊園の区画を返す人が対象です。 |
御霊抜きの法要のお布施は墓じまいのお布施の記事に、寺の墓から永代供養へ移す順番は墓じまいして永代供養にする記事にまとめました。
三重県の改葬は年に2,139〜3,249件
厚生労働省の衛生行政報告例によると、三重県の改葬は2022年度が2,139件でした。2023年度は3,030件、2024年度は3,249件です。2024年度の全国の改葬は、176,105件でした。
このうち、継ぐ人のいない墓(無縁墳墓など)からの改葬は、3年で5件・4件・11件でした。この統計は指定都市と中核市の数も別に載せていますが、三重県の市は入っていません。市町ごとの件数は、この統計からは分かりません。
費用はいくら?移し先の選び方と見積もりの比べ方
鎌倉新書の2026年の調査で、墓じまいをした人・している人の費用は、「31万円〜70万円」が31.3%で最多でした。同社は、解体する墓地の広さや移し先によって、費用に幅があるとみています。費目ごとの内訳は墓じまい費用の記事にまとめました。
同じ調査で、移し先の最多は「永代供養(合祀・合葬墓)」の43.2%でした。移し先の比べ方は遺骨の行き先の記事にまとめました。国民生活センターの「国民生活」2025年12月号で、全日本墓園協会の横田睦氏は、墓じまいの前になるべく多くの親族と相談するよう勧めています。
日本石材産業協会が2023年度に石材店へ積算の単位を聞いた設問には、184件の回答がありました。選択肢は、面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれています。単位が店で違うので、工事を頼む前に複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を並べて比べます。石材店の選び方は墓じまい業者の記事にまとめました。
まとめ
三重県で墓じまいの助成があるかは、墓のある市町の窓口で確かめます。三重県と津市の公開資料からは、助成を確かめられませんでした。助成の例は、市の霊園の区画を返す人に向けたものです。
改葬の許可は、住んでいる所ではなく墓のある市町に申請します。寺や集落の墓地なら、管理者の証明をもらえるかを先に確かめます。撤去工事は、複数の石材店の見積もりで額と内訳を比べてください。見積もりの単位は店によって違います。墓が隣の府県にあるなら、岐阜県・愛知県・滋賀県・京都府・奈良県・和歌山県の記事もあります。
