まず結論から
- 大津市内の墓から遺骨を移す許可(改葬許可)は、市役所本館1階の戸籍住民課か各支所(市民センター)で申請でき、発行手数料は無料です。郵送でも出せ、受付後1〜2日で発送されます。
- 申請先は、住まいではなく遺骨が今ある市区町村です。墓が大津市の外なら、大津市では手続きできません。
- 出すのは、申請書(遺骨1体に1枚)と、今の墓地の管理者の埋蔵の証明、移し先の受入証明です。市は遺骨の記録を持たないので、誰の遺骨かは墓地の管理者に聞きます。
- 市営堅田霊園の墓は、名義人が亡くなっていれば承継を届け出て、区画を元の状態に戻して返します。墓石の撤去は施設管理係へ連絡します。
- 撤去工事は、複数の石材店から見積もりを取って比べます。見積もりの単位が店ごとに違うからです。
申請はどこへ?本館1階か支所、遠くからは郵送で
墓じまいで市役所に出すのは、遺骨を別の場所へ移すための「改葬許可」の申請です。改葬には、市区町村長の許可が要ると法律で決まっています。大津市は墓じまいを、遺骨を移し、今の墓を撤去して更地にすることと説明しています。
義父の遺骨を、遠くの土地から永代供養へ移す準備をしている40代の当事者(個人ブログ・アメブロ)
これまた平日にしか電話出来ないからなかなか進まない。また折り返し電話のすれ違いになるのかな
叔母たちが先祖の遺骨を永代供養へ移すのに合わせ、義父の移し先も決めた人です。迎えに行く前に、改葬許可証のことで役所へ連絡する段にいました。大津市の改葬許可は、窓口に行かず郵送でも申請できます。
出典: 遺骨を取りに帰省するそうです(アメブロ)(台帳: V0091)
大津市の案内にある出し方は、次のとおりです。
| 出し方 | 大津市の案内 |
|---|---|
| 窓口 | 市役所本館1階の戸籍住民課か、各支所(市民センター)です。本人確認書類を見せます。発行は受付後10分〜30分が目安です(混雑による)。 |
| 郵送 | 書類に、切手を貼った返信用封筒と本人確認書類の写しを同封します。送り先は〒520-8575 大津市御陵町3番1号、戸籍住民課 施設管理係です。 |
| 郵送の日数 | 郵便物の受付後1〜2日で発送されます。配達の日数は別にかかります。 |
| 郵送で不備があったとき | やりとりが複数回になることがあり、郵送料は原則として申請者の負担です。 |
| 代理人が窓口で出す | 委任状(任意様式)と、委任する人・受ける人の本人確認書類が追加で要ります。 |
| 手数料 | 無料です。 |
墓が大津市の外にあるなら、その市区町村に申請します。手続きは市区町村で違うことがあるので、その市区町村の担当課に聞くよう大津市は書いています。隣の京都市の手続きは京都市の墓じまいの記事にまとめました。
役所の手続きを負担に感じる人は少なくありません。鎌倉新書は2026年1月、「いいお墓」で資料請求や霊園見学をした人のうち、改葬・墓じまいを考えたか実施した733人に調査しました。大変だったことを聞いた設問では、改葬先選びの38.8%に次いで「役所の手続き」が32.3%でした。同社は、埋葬されている人数分の申請書の記入や、古い記録をさかのぼる手間を挙げています。
大津市で許可された改葬は、2024年度に488件でした。2023年度は449件、2022年度は325件です。
書類は3つ。証明は寺や地域の墓地の管理者に頼む
大津市の改葬許可で出す書類は3つです。申請書のほかの2つは、墓地の管理者に証明してもらいます。
| 書類 | 誰に書いてもらうか・大津市の案内 |
|---|---|
| 改葬許可申請書 | 遺骨1体に1枚要り、複数を移すなら人数分です。市のページに様式と記載例があります。申請できるのは、今の墓か移し先の墓の使用者などです。 |
| 埋蔵(埋葬)の証明 | 今の墓地の管理者です。申請書の下段に記入押印してもらうか、管理者が独自に出す証明書(様式は問わない)をもらいます。 |
| 受入証明書 | 移し先の墓地の管理者です。市のページに任意様式があり、移し先の使用許可証の写しや、管理者が独自に出す書類でもかまいません。 |
浜松の実家の墓じまいに備え、きょうだいで段取りを決めた名古屋在住の当事者(個人ブログ・はてなブログ)
共同墓地の場合は、管理者(自治会や地域の墓地委員など)に墓じまいの意向を伝えることが最初の重要なステップになります。
実家の墓地は地域の共同管理で、自治会長に墓じまいの意向を伝え、埋葬証明書の発行をお願いすることになります。
2026年8月、父の墓参りのあとに、母の万一に備えてきょうだいで打ち合わせた記録です。手続きに入ったらすぐ動けるよう、妹に頼んでおいたといいます。大津市の案内でも、埋蔵の証明は今の墓地の管理者に頼みます。
出典: 墓参りの後は母の万一に備えきょうだいで打合せ(はてなブログ)(台帳: V0033)
誰の遺骨が入っているのか、分からないこともあります。大津市は遺骨の記録を管理していないので、問い合わせても答えられないとしています。遺骨の詳しいことは、墓地の管理者に聞きます。
共同墓地や個人の墓地では、証明を出す管理者がいないことがあります。寺の墓でも、出してもらえないことがあります。そのときは、市町村長が必要と認める「これに準ずる書面」で代えられます。何が認められるかは市町村で違うので、改葬許可の窓口に事前に相談します。国民生活センターの「国民生活」の特集で、全日本墓園協会の横田睦氏がそう説明しています。
大津市内の墓地は、2024年度末で542区域ありました。個人が379、宗教法人が157、その他が3、公益社団・財団法人が2、地方公共団体が1です。墓の数ではなく、墓地の区域の数です。
書類の全体は墓じまいに必要な書類の記事、墓じまいと改葬の違いは改葬の記事にまとめました。
市営堅田霊園の墓は、名義の届出と元の状態に戻すまで
大津市営霊園条例が定める市営霊園は、衣川三丁目の堅田霊園の1か所です。堅田霊園の墓をしまうときは、改葬許可とは別に、霊園の決まりにも沿って進めます。
祖父の名義のままだった市営墓地の墓を、自分の名義に変えてからしまった孫(個人ブログ・note)
祖母が名義人になっていなかったので、祖父との直系だよと証明のために戸籍の取得が必要になりました。1年に何回戸籍を取ったんだろうか… また、簡単な家系図みたいなのを書かされたのですが、これ、遠い親戚だとどうやって証明するんだろうなとも思いました。
遠方に住む本人が、見積もりの段階で墓の名義を祖父から自分に変えた経緯です。祖父の名義のままでは、業者が墓の詳細図を取れなかったといいます。大津市営霊園条例も、使用権を継いだ人に届出を求めています。
出典: 墓じまいをしてみた(完結)(note)(台帳: V0125)
堅田霊園の墓をしまうときにかかわる決まりは、次のとおりです。
| こんなとき | 大津市営霊園条例・大津市の案内 |
|---|---|
| 使用者(名義人)が亡くなった | 使用権を継いだ人が、遅滞なく市長に届け出ます(第16条)。 |
| 使用者の住所や氏名が変わった | 遅滞なく市長に届け出ます(第14条)。 |
| 墓石を撤去する | 戸籍住民課 施設管理係へ連絡します。遺骨が別の区画や墓地へ動かないなら、改葬許可は要りません。 |
| 墓地を使わなくなった | 直ちに元の状態に戻して(原状回復)、返還します(第17条)。 |
名義人が亡くなっているなら、まず承継の届出から始めます。届出の書類は市の改葬許可の案内に載っていないので、墓石の撤去の連絡先と同じ施設管理係で確かめます。
残った墓石の撤去は、使用者の義務とされています。返す前に墓石を撤去し、区画を元の状態に戻すのは使用者の側です。
しまわずに置いた場合の決まりもあります。使用者の死亡から3年たっても承継者が分からないと、使用権は消えます。そのとき市長は、霊園内の一定の場所へ遺骨を移せます。持ち続けた場合の話は墓じまいをしないとどうなるかの記事にまとめました。
使用料と管理料が戻るかは、大津市の墓じまい補助金の記事にまとめました。
改葬許可が要る場面・要らない場面
大津市の案内は、改葬許可が要るかどうかを場面ごとに答えています。
| 場面 | 改葬許可 | 大津市の案内 |
|---|---|---|
| 遺骨の一部を分ける(分骨) | 要らない | 今の墓地の管理者から分骨証明書をもらい、分骨先の管理者に出します。市区町村の手続きはありません。 |
| 分骨で納めた遺骨をさらに移す | 要らない | 同じ分骨証明書で行います。 |
| 同じ墓地の中で区画を移る | 要る | 埋蔵の証明と受入証明は、どちらも今の墓地の管理者からもらいます。 |
| 墓石の撤去・同じ区画での建て替えだけ | 要らない | 遺骨が別の区画や墓地へ動かなければ不要です。届出の要否は墓地の管理者に確かめます。 |
| 土葬で、骨が土に還っている | 要らない | 骨が現物として無く、動かないなら不要です。土は改葬許可の対象ではありません。 |
墓石を撤去するだけで遺骨が動かないなら、改葬許可は要りません。土葬の遺体を移すなら、いったん火葬場で火葬すると「国民生活」の特集は書いています。移し先の選び方は墓じまいの遺骨の行き先の記事にまとめました。
大津市で墓じまいを進める順番
ここまでの手続きを、順番に並べます。親族の話し合い、移し先、申請、納骨の順は大津市の案内によります。先頭の見積もりは、この記事のすすめです。
見積もりを最初に置くのは、石材店によって見積もりの物差しが違うからです。日本石材産業協会が2023年度に石材店へ積算の単位を聞いた設問では、184件の回答が面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べてください。頼み先の選び方は墓じまい業者の記事にまとめました。
大津市は、親族間のトラブルの原因になることがあるので、改葬の前に親族で話し合うようすすめています。地域の風習や墓地の決まりは、墓地の管理者や地域で前もって確かめるよう書いています。
寺の墓なら、まず住職に相談します。改葬で墓石を処分するときは、必ず「御霊抜き」の法要を営むと、日蓮宗の公式の問答は答えています。お布施の目安は墓じまいのお布施の記事にまとめました。
改葬許可証は、移し先の管理者に出します。墓地の管理者は、許可証を受け取ってからでないと遺骨を納めさせられません。
聞きたいことによって、問い合わせる先が分かれます。
| 聞きたいこと | 問い合わせる先 |
|---|---|
| 改葬許可の書類・郵送 | 戸籍住民課 施設管理係です。電話は077-528-2702です。 |
| 堅田霊園の名義・墓石の撤去 | 同じ施設管理係です。 |
| 誰の遺骨か・埋蔵の証明 | 今の墓地の管理者です。 |
| 撤去工事の費用 | 複数の石材店です。見積もりの単位が店ごとに違うので、並べて比べます。 |
墓が滋賀県内のほかの市町村にあるときの聞く先と、滋賀県の助成のことは、滋賀県の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
大津市内の墓の改葬許可は、市役所本館1階の戸籍住民課か各支所に申請します。手数料は無料で、郵送でも出せます。墓が市の外なら、その市区町村が申請先です。
証明は今の墓地の管理者に頼み、出せないときは窓口に事前に相談します。堅田霊園の墓は承継を届け出て、元の状態に戻して返します。撤去工事の見積もりは、複数の石材店から取って比べてください。見積もりの単位は店によって違います。
