まず結論から
- 大津市に墓じまいの補助金や助成金の制度はありません。市の改葬許可の案内が、制度は設けていないと明記しています。
- 撤去の費用は、複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べます。見積もりの単位が店ごとに違うからです。
- 鎌倉新書の2026年1月の調査では、墓じまいをした人の実施費用は「31万円〜70万円」が31.3%で最多でした。
- 市の手続きのうち改葬許可は、発行手数料が無料です。
- 市営堅田霊園の墓を返しても、納めた使用料と管理料は戻りません。例外は、許可から7年以内に墓を建てずに返したときの使用料の半額です。
大津市に墓じまいの補助金はある?
大津市の改葬許可の案内には、よくある問い合わせとして「墓じまいに関する補助金はあるか」が載っています。答えは「ありません」です。
| 確かめた大津市の資料 | 書いてあること |
|---|---|
| 墓じまい、改葬許可申請について(戸籍住民課の案内) | 「大津市では墓じまいに関する補助金や助成金の制度は設けておりません」と答えています。 |
| 大津市営霊園条例 | 使用料・管理料の還付と、管理料の減免の定めがあります。墓じまいの費用を助成する条文はありません。 |
墓をしまい、3柱の遺骨を菩提寺の合同墓に納めた当事者(個人ブログ・アメブロ)
そもそも墓じまいをする予定で母がお金を遺してくれていました
それがなかったらちょっと言い出しづらい金額でした
親族の同意から当日までを記録した連載の、費用の回です。大きな巻石まで含めた撤去一式が41万円、菩提寺の合同墓の永代供養などが31万円で、合計72万円でした。大津市には、こうした費用を助ける制度がありません。
出典: 【墓じまい】かかった費用まとめ(アメブロ)(台帳: V0010)
市の手続きのうち、改葬許可の発行手数料は無料です。郵送で出すときの郵送料は、原則として申請者の負担です。遺骨の一部を分けるだけ(分骨)なら、市区町村の手続きそのものがありません。手続きの全体は大津市の墓じまいの記事にまとめました。
ほかの自治体の助成の例と、その対象になる墓は墓じまい補助金の記事にまとめました。費用を用意できないときの道は墓じまいのお金がないときの記事で見られます。
撤去の費用はいくら?どう比べる?
助成が無い以上、墓石の撤去の費用は自分たちで用意します。費用は、墓じまいを思いとどまる理由にもなっています。鎌倉新書の2026年1月の調査で、墓じまいを考えたがやめた人に理由を聞くと、「解体費用が高すぎた」が22.2%で最も多くいました。いくらかかるのかを、実際の例と調査で見ます。
山の中にある父と先祖の墓2基を、5社の見積もりを比べてしまった一人娘(個人ブログ・note)
実際の見積もりは以下の通りでした(端数切り捨て)。
⚫︎A社 676,000円
⚫︎B社 420,000円
⚫︎C社 401,000円
⚫︎D社 395,000円
⚫︎E社 248,000円
この結果を見て、「こんなに差が出るのか」と驚きました。
墓の足元の土がやわらかくなり、父の弟が亡くなったのを機に決めた人です。見積もりの依頼は、墓の写真と案内図をメールで送って済ませました。見積もりの単位は、石材店ごとに違います。
出典: 墓じまいを決めるまでの話【5社見積もりを取って分かったこと】(note)(台帳: V0001)
日本石材産業協会が2023年度に石材店へ積算の単位を聞いた設問では、184件の回答が面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。同じ工事でも、店によって見積もりの物差しが違います。複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べてください。
ほかの人がいくらで終えたかは、調査で見られます。鎌倉新書は2026年1月、「いいお墓」で資料請求や霊園見学をした人のうち、改葬・墓じまいを考えたか実施した人に調査しました。実際に改葬・墓じまいをした人の実施費用は、「31万円〜70万円」が31.3%で最も多くいました。30万円以下が16.8%、151万円以上が14.0%です。
同社は、解体する墓地の広さと、移し先の永代供養墓や納骨堂のグレードで、費用に幅が出るとみています。約半数が70万円以下で終えた一因には、比較的安い合祀・合葬墓を選ぶ人が増えたことを挙げています。墓じまい後の移し先は「永代供養(合祀・合葬墓)」が43.2%で最も多く、前回の調査の30.9%から増えました。費用の全体は墓じまい費用の記事、頼み先の選び方は墓じまい業者の記事にまとめました。
堅田霊園の墓を返したら、使用料と管理料は戻る?
市営堅田霊園に墓がある人は、返すときのお金も気になります。これまで払ってきた使用料や管理料はどうなるのか。
遠くの市営霊園にあった墓を、現地に行かずにしまった当事者(個人ブログ・note)
費用は工事費が70万円弱。お墓の中の遺骨を取り出して合葬墓地へ移す際に、お坊さんにも来てもらったので、別途7万円ほどかかった。
4月ごろ石材店に問い合わせ、市への書類も石材店が代わって出しました。8月初旬、墓の撤去と区画の更地化を終えています。大津市の条例も、使わなくなった墓地は元の状態に戻して返すと定めています。
出典: 墓じまい|費用と手続き期間の記録(note)(台帳: V0002)
大津市営霊園条例は、お金について次のように定めています。
| 決まり | 大津市営霊園条例 |
|---|---|
| 使用料 | 使用の許可を受けるときに、別表の額を納めます(第10条)。 |
| 管理料 | 1区画につき年額3,210円です(第11条)。 |
| 納めた使用料・管理料 | 還付しません(第13条)。 |
| 還付の例外 | 許可から7年以内に、墓を建てずに返したときは、納めた使用料の2分の1を還付します(第13条)。 |
| 管理料の減免 | 市長が特別の理由があると認めるときは、減免できます(第12条)。 |
墓を建てて使ってきた区画を返しても、使用料と管理料は戻りません。返す前に墓石を撤去し、区画を元の状態に戻すのは使用者の側です。管理料の減免に当たる「特別の理由」の中身は、条例には書かれていません。
管理料を払わずに置いた場合の定めもあります。条例は、管理料を3年以上納めないと使用許可を取り消せるとし、取り消されたら直ちに区画を元の状態に戻して返すと定めています。持ち続けた場合の話は墓じまいをしないとどうなるかの記事にまとめました。
今の条例の別表では、使用料は区画の種類と住民登録の有無で分かれます。第1種は住民登録のある人が440,000円、ない人が660,000円です。第2種は、ある人が380,000円、ない人が570,000円です。
名前の似た泉大津市には、公園墓地を返すときの還付金があります。泉大津市の市営墓地の制度で、大津市の堅田霊園の決まりではありません。
大津市の公営の合葬墓は、確かめた2つの資料には載っていません。移し先の永代供養は永代供養の記事、返す手続きは大津市の墓じまいの記事にまとめました。
大津市でお金のことを聞く先
改葬許可と堅田霊園の墓のことは、戸籍住民課 施設管理係が窓口です。市の案内のページは、この係の電話番号を「斎場・墓地」の問い合わせ先として載せています。
| 聞きたいこと | 問い合わせる先 |
|---|---|
| 改葬許可の申請(手数料は無料) | 戸籍住民課 施設管理係です。電話は077-528-2702です。 |
| 堅田霊園の墓(墓石の撤去の連絡など) | 同じ施設管理係です。 |
| 遺骨の一部を分けるだけ(分骨) | 市の手続きはありません。今の墓地の管理者に分骨証明書をもらいます。 |
| 撤去工事の費用 | 複数の石材店です。見積もりの単位が店ごとに違うので、額と内訳を並べて比べます。 |
| 閉眼供養などの法要 | 菩提寺の住職に相談します。 |
| 寺から求められた費用(離檀料など) | 離檀料に明確な基準はなく、納得がいかなければ基本は寺などと話し合います。消費者ホットライン188でも相談できます。 |
国民生活センターには、墓じまいを申し出た寺から高額な離檀料を求められたという相談が寄せられています。墓じまいは勝手にはできず、寺などが出す「埋葬証明書」などが要るとしています。そのうえで、家族や親族を交えてよく話し合うよう呼びかけています。
隣の京都市のお金の話は京都市の墓じまい補助金の記事、寺へのお布施は墓じまいのお布施の記事にまとめました。
滋賀県の助成のことと、墓が滋賀県内のほかの市町村にあるときの聞く先は、滋賀県の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
大津市に墓じまいの補助金や助成金の制度はなく、市の改葬許可の案内がそう明記しています。市の手続きのうち、改葬許可の発行手数料は無料です。
撤去の費用は、見積もりの単位が店で違うので、複数の石材店の額と内訳を比べてください。堅田霊園の墓を返しても、納めた使用料と管理料は原則として戻りません。
