まず結論から
- 和歌山県の生活衛生課の業務内容のページにも、県内で確かめた和歌山市の改葬許可と今福霊園の案内にも、墓じまいの助成は載っていません。
- 改葬の許可は、遺骨のある地の市町村長が出します。県も、埋葬・火葬・改葬を各市町村の事務と案内しています。助成があるかも、墓のある市町村に聞きます。
- 助成のある自治体の例は、どれもその市の墓地の区画を返す人が対象です。市川市・浦安市・太田市と、総務省の2023年の報告書の時点の新居浜市です。
- 株式会社huhuが2026年5月に墓じまいの経験者100人に聞いた調査で、補助金を使った人は2人でした。費用を抑える工夫の最多は、親族での分担の相談(40人・複数回答)です。
- 撤去の工事は、見積もりの単位が店によって違うので、複数の石材店の額と内訳を比べます。
和歌山県に墓じまいの補助金はある?県と市町村の受け持ち
和歌山県で墓地と埋葬を受け持つのは、環境生活部の生活衛生課です。課の業務内容のページでは、環境衛生班の事務に「墓地及び埋葬等に関すること」があります。
同じページは、埋葬・火葬・改葬を各市町村の事務としています。墓地・納骨堂・火葬場の経営の許可も、市は墓地埋葬法、町村は県の事務処理の特例に関する条例によって、各市町村の事務です。
墓じまいの費用を、親族で分け合った人の記録です。
母方のいとこ9人で、祖父母の墓をしまった孫の一人(個人ブログ・note)
お寺 300,000円+12,000円(昨年の管理費) 石屋 473,000円 合計 785,000円 *税込み
785,000円をSさんと折半。9人で割って1人当たり約43,600円です。
伯父の遺書どおりなら、相続したSさんが遺産から全額を払うはずでした。いとこ9人で話し合い、半分を負担すると決めています。huhuの調査でも、費用を抑える工夫の最多は親族での分担の相談でした。
出典: いとこ9人で墓じまい。きっかけ、しまい方、費用。そして墓参りは続く…(note)(台帳: V0071)
確かめた3つの案内に書かれていることは、次のとおりです。
| 確かめた案内 | 書かれていること | 助成 |
|---|---|---|
| 和歌山県 生活衛生課の業務内容 | 埋葬・火葬・改葬と、墓地などの経営の許可は各市町村の事務、という案内です。 | 記載なし |
| 和歌山市 改葬許可申請書 | 受付場所、手数料(無料)、郵送での申請の仕方です。 | 記載なし |
| 和歌山市 今福霊園募集案内(2026年9月9日時点) | 新しく区画を借りる人の募集で、使用料は1区画450,000円です。 | 記載なし |
県の外には、墓じまいにお金を出す自治体があります。どこも対象は、その自治体の墓地の区画を返す人です。
| 自治体 | 対象 | 助成の中身 |
|---|---|---|
| 千葉県市川市 | 市川市霊園の一般墓地を返す人 | 更地に戻す原状回復の費用の全部か一部です。限度額は墓地の種別と面積で決まります。 |
| 千葉県浦安市 | 墓地公園の墓所を返す人 | 墓石の撤去など原状回復の費用で、上限150,000円です。 |
| 群馬県太田市 | 八王子山公園墓地を返す人 | 無縁墓地対策として、墓石の撤去にかかる費用を助成します。 |
| 愛媛県新居浜市 | 市営墓地の区画を返し、合葬式施設を使う人 | 合葬式施設の使用料の全額免除でした(総務省の2023年の報告書の時点)。市の2025年の案内は、墓石の撤去の補助金や助成金の制度を「設けていません」としています。 |
先のhuhuの調査では、補助金が出ることを知っていた人は100人のうち24人、使った人は2人でした。助成があるかは、墓のある市町村の役所に聞きます。
全国の助成の例は墓じまい補助金の記事に、費用を用意できないときの手は墓じまいのお金がないときの記事にまとめました。墓じまいの法要で親戚が包むお金の目安は、親戚が包むお金の記事にあります。
隣の府県は、大阪府・奈良県・三重県の墓じまい補助金のページで確かめられます。近くの堺市のお金は、堺市の墓じまい補助金の記事にあります。
個人や集落の墓地の墓は?まず管理者を確かめる
和歌山県の墓地は、統計の上では個人の経営がほとんどです。2024年度末の県の墓地9,954区域のうち、8,349区域が個人の経営でした。宗教法人は612区域、地方公共団体は105区域です。数えているのは墓地の区域で、墓の数ではありません。
総務省の2023年の報告書は、全国の墓地・納骨堂の約9割を、個人や集落などが経営していると書いています。個人などの墓地のうち法律の施行前からあったものは、第26条で許可を受けたとみなされ、「みなし墓地」と呼ばれます。
地域の墓地にある墓をしまった人の記録です。
父方の祖父の四十九日に、山口の地域の墓地にある墓をしまった孫(個人ブログ・note)
そこは山口の元町村のお墓なのですが、聞けば地域の墓場で管理の大元としては自治会らしい。ただ、市役所に聞いても誰が管理しちょるのかもわからないほどに少子高齢化の煽りを受けていました。
墓の骨壺を大きな骨壺にまとめ、寺の永代供養に移すと決めた日でした。寺から墓まで、僧侶が同行しています。改葬の申請書には、今の墓の管理者による埋蔵の証明を付けます。
出典: 墓仕舞いをした話(note)(台帳: V0039)
個人や集落の墓地では、証明を出す管理者がいないこともあります。そのときは、市町村長が必要と認める「これに準ずる書面」で代えられます。何が認められるかは、墓地の状況や市町村で違います。
総務省が実地調査した88市町村では、管理者の分からない墓地からの改葬への対応が分かれました。代わりの書面を求めるのが42市町村(47.7%)、申請書の記載で許可するのが17市町村(19.3%)です。本人の申請だけでは事実を確かめられないとして、不許可にするのも7市町村(8.0%)ありました。
管理者が分からない墓は、申請の前に墓のある市町村の窓口に相談します。
寺の墓なら、埋蔵の証明は墓地の管理者である寺に頼みます。県内の宗教法人の墓地612区域のうち、201区域は和歌山市内です。日蓮宗の公式Q&Aは、改葬で墓石を処分するときは必ず「御霊抜き」の法要を営み、菩提寺の住職に相談するよう答えています。
書類の全体は墓じまいに必要な書類の記事に、言葉の違いは墓じまいと改葬の違いの記事に、法要のお布施は墓じまいのお布施の記事にまとめました。
和歌山市の外や県外の墓は?申請は墓のある市町村へ
改葬の許可は、遺骨が今ある地の市町村長が出します。移し先の墓地や納骨堂の管理者は、改葬許可証を受け取ってから納骨させます。
墓に近い実家に戻った時期に、書類を自分でそろえた人の記録です。
市設の霊園の奥にある父と祖母の墓をしまった、当時30歳の施主(個人ブログ・note)
費用はかけられない我が陣営なので、手続き類はすべて自分でやって極小予算に抑えた。お墓を解体して中の遺骨を移動させるには、お役所の手続きも必要だった。幸いわたしはペーパーワーク系は苦にならないタイプ。
役所や霊園とは郵便でもやり取りしながら、聞き慣れない書類を6人分取り寄せなんとか進めた。
わずかな関係者で話し合い、墓石を撤去して寺の納骨堂へ遺骨を移すと決めました。里帰り出産で実家に戻った時期に、一気に進めています。和歌山市も、改葬許可の郵送での申請を受け付けています。
出典: 先祖の遺骨と、妊婦のわたし〜30歳の墓じまい(note)(台帳: V0057)
墓のある役所には、次の5つを聞きます。和歌山市の墓なら、市の案内に答えがあります。
| 聞くこと | 和歌山市の案内での答え |
|---|---|
| 改葬許可の窓口 | 市役所1階の市民課と、7か所のサービスセンターです。 |
| 改葬許可の手数料 | 無料です。 |
| 郵送での申請 | できます。申請書・本人確認書類のコピー・返信用封筒を送り、許可証は住民票の住所に届きます。 |
| 申請書の管理者の欄 | 墓地・納骨堂の管理者の記入と押印が要ります。申請する人が使用者でなければ、使用者の記名と押印も要ります。 |
| 市の霊園・助成・合葬墓 | 今福霊園の募集案内の問い合わせ先は、保険総務課 総務企画班と今福霊園管理事務所です。助成と合葬墓は、確かめた2つの案内に載っていません。 |
申請先は、住まいではなく墓のある市町村です。和歌山市の外に墓があれば、同じ5つをその市町村の窓口で聞きます。
和歌山市の手続きは和歌山市の墓じまいの記事に、近くの市は堺市・奈良市の記事にあります。手続きの代行を頼める範囲は、墓じまい業者の記事にまとめました。
県内で許可された改葬は、2022年度が3,019件、2023年度が2,683件、2024年度が2,507件でした。2024年度に和歌山市が許可したのは517件です。和歌山市の外の市町村の許可も多くあります。
移し先に高野山の奥之院を考えるなら、金剛峯寺の案内が手がかりです。納骨は宗旨・宗派を問わず、預かるのは小さい方(喉仏)で、全骨は預かりません。金剛峯寺は永代供養を受け付けておらず、高野山内の各寺院か最寄りの寺院に相談するよう案内しています。
和歌山県で墓じまいを進める順番と費用の比べ方
墓じまいを進める順番を、表にしました。3〜5と7の段の手続きは法令によります。先頭の見積もりは、この記事のすすめです。
| 段 | すること | 決まり・理由 |
|---|---|---|
| 1 | 複数の石材店に見積もりを頼む | 見積もりの単位が店ごとに違います。 |
| 2 | 親族と話し合って決める | 墓じまいの前に、なるべく多くの親族と相談します。 |
| 3 | 移し先を決める | 申請書に「改葬の場所」を書きます。 |
| 4 | 今の墓の管理者に証明を頼む | 埋蔵の事実を証する書面を添えます。難しいときは「準ずる書面」で代えます。 |
| 5 | 墓のある市町村に改葬許可を申請する | 許可するのは、遺骨が今ある地の市町村長です。 |
| 6 | 御霊抜きの法要を住職に相談する | 寺の墓では、墓石を処分する前に営みます。 |
| 7 | 遺骨を取り出し、墓石を撤去して移し先へ | 墓石の撤去は使用者の義務とされます。移し先には改葬許可証を出します。 |
見積もりを最初に置くのは、店ごとに見積もりの物差しが違うからです。日本石材産業協会が2023年度に石材店へ積算の単位を聞いた調査では、184件の回答が面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べます。
鎌倉新書が2026年1月、「いいお墓」の利用者に聞いた調査があります(有効回答733件)。墓じまいをした人の費用は「31万円~70万円」が31.3%で最多でした。移し先は「永代供養(合祀・合葬墓)」が43.2%で、最も多くありました。
費用の内訳は墓じまい費用の記事に、石材店の選び方は墓じまい業者の記事に、親戚への知らせ方は墓じまいの挨拶状の記事にまとめました。
まとめ
和歌山県の生活衛生課のページにも、和歌山市の2つの案内にも、墓じまいの助成は載っていません。助成のある自治体の例は、どれもその市の墓地の区画を返す人が対象です。
改葬の許可は、住まいではなく墓のある市町村に申請します。和歌山市なら手数料は無料で、郵送でも申請できます。撤去の工事は、複数の石材店の見積もりで額と内訳を比べてください。見積もりの単位は店によって違います。
