まず結論から
- 堺市内の墓の改葬許可は、堺市立斎場(堺区田出井町)に申請します。改葬先が決まっていないと、手続きはできません。
- 申請書には、今の墓の管理者から、納骨の事実を証明する印をもらいます。申請する人が墓の使用者でなければ、使用者の承諾印も要ります。
- 申請書は1枚で5体まで書けます。堺市が許可した改葬は、2024年度に1,242件でした。
- 堺市霊園は、南区鉢ヶ峯の堺公園墓地の中にあります。返すときは管理事務所で手続きをし、墓石は巻石や盛土まで全部撤去します。
- 撤去の工事は、複数の石材店から見積もりを取って比べます。見積もりを出す単位は、店によって違います。
改葬許可はどこで取る?堺市は斎場。先に移し先を決める
墓じまいで役所に出すのは、遺骨を別の墓へ移すための「改葬許可」の申請です。堺市でこの申請を受け付けるのは、堺市立斎場です。そして、申請には順番があります。
金沢の奥にある父の家の墓を、東京の近くへ移そうと調べた当事者(個人ブログ・note)
さらに墓じまいには
改葬許可申請という行政手続きが必要で
これ自体は数百円程度なんですが
新しい納骨先が決まっていないと申請できない
つまり
とりあえず墓じまいだけしておく
ということはできない仕組みのようです
10年ほど前、父が墓を移そうと言い出し、本人が資料を取り寄せて調べた記録です。墓に何体の骨があるかも分からず、最後は移すのを見送りました。堺市の案内でも、改葬先が決まっていないと手続きができません。
出典: お墓じまいに挫折(note)(台帳: V0025)
堺市の案内に沿うと、斎場へ行く前にそろえるものは次のとおりです。移し先を決めてから、申請書をそろえます。
| そろえること | 堺市の案内 |
|---|---|
| 移し先 | 決まっていないと手続きができません。申請書に、改葬先の名称と住所を書きます。 |
| 遺骨ごとの記入 | 氏名・性別・当時の本籍と住所・死亡日・火葬日などを書きます。当時の本籍や火葬日が分からなければ、空欄でもかまいません。 |
| 管理者の証明印 | 今、納骨している墓地やお寺の管理者などから、納骨の事実を証明する印をもらいます。印のある別紙の証明書でもかまいません。 |
| 使用者の承諾印 | 申請する人が墓の使用者でないときだけ要ります。印のある別紙の承諾書でもかまいません。 |
準備ができたら斎場へ行きます。申請書は1枚で5体まで申請できます。斎場はJR阪和線の堺市駅から歩いて約5分です。車で行くときは、入口の警備員に事務所への用事で来たと伝えます。
堺市で墓を移す人は増えています。堺市が許可した改葬は、2022年度が975件、2023年度が1,167件、2024年度が1,242件でした。
移し先選びと役所の手続きは、つまずきやすい所です。鎌倉新書が2026年1月、「いいお墓」の利用者で墓じまいを検討・実施した人に聞いた調査があります。大変だったことは「遺骨の引っ越し(改葬)先選び」が38.8%、「役所の手続き」が32.3%でした。移し先の選び方は、墓じまいの遺骨の行き先の記事で比べています。
寺や地域の墓地の墓は、管理者に証明の印をもらう
申請書の証明の欄は、役所ではなく、今の墓の管理者に書いてもらいます。寺の墓なら寺、墓地なら墓地の管理者です。
実家の墓が地域の共同管理の墓地にあり、母の万一に備えてきょうだいで段取りを決めた当事者(個人ブログ・はてなブログ)
実家の墓地は地域の共同管理で、自治会長に墓じまいの意向を伝え、埋葬証明書の発行をお願いすることになります。
墓じまいの手続きに入ったらすぐに動いてもらうよう、妹に手続きを頼んでおきました。
父の命日とお盆に、きょうだいで墓参りを続けてきた家族です。母が亡くなったら、父の遺骨も一緒に名古屋の樹木葬の墓へ移す予定だと書いています。堺市の案内でも、証明の印は今の墓地の管理者などからもらいます。
出典: 墓参りの後は母の万一に備えきょうだいで打合せ(リタイアおじさんの絵日記・はてなブログ)(台帳: V0033)
証明の印は、今の墓の管理者にもらいます。印を押した別紙の証明書でもかまいません。
堺市の墓地は、寺などの宗教法人が経営するものが最も多くあります。2024年度末の統計では、堺市の墓地190区域のうち、宗教法人が経営するものが129でした。個人が57、地方公共団体と、その他が2ずつです。数えているのは墓地の区域で、墓の数ではありません。
堺市霊園の墓なら、証明を出すのは霊園の管理事務所です。納骨のときに管理事務所へ埋蔵の申請をしていないと、ほかの墓地へ移すときに埋蔵証明書(遺骨が納まっていることの証明)を出せなくなるとされています。
墓が堺市の外にあるなら、申請先はその墓がある市区町村です。改葬許可証は、遺骨のある市区町村長に申請して受けるものだからです。書類の全体は、墓じまいに必要な書類の記事にまとめました。
堺市霊園(堺公園墓地)の墓は、管理事務所で返還まで
堺市霊園と堺市立霊堂は、鉢ヶ峯の堺公園墓地の中にあります。管理事務所の住所は、南区鉢ヶ峯寺です。呼び名が違っても、手続きの窓口は同じ管理事務所です。
公営の霊園にある父の墓を、母の了承を得てしまった当事者(個人ブログ・note)
霊園の組合事務所に行き墓じまいの旨を伝えたところ、その後の流れも教えてくれました。
霊園の墓所の使用権の返還
お骨を新しい場所に移すことの手続き
お骨を埋葬している場所の市役所に提出し改装許可証をもらいます。
これは提出して出来上がったら連絡があり取りに行きました。
父が建てた墓で、2年前の墓じまいを振り返った記録です。母は膝を悪くしていて、娘が一人で墓参りをしていました。堺公園墓地でも、遺骨をほかへ移すときは、まず管理事務所に相談するよう案内しています。
出典: 2年前に実家の墓じまいをしました(note)(台帳: V0113)
堺公園墓地の案内から、墓じまいに関わる手続きを抜き出しました。
| 手続き | 堺公園墓地の案内 |
|---|---|
| 遺骨を移す | 先に堺市長から改葬許可証を受けます。返すかどうかも含め、まず管理事務所に相談します。 |
| 名義を継ぐ(承継) | 使用者が亡くなったときは、使用権を継ぐ人を決め、書類を添えて申請します。 |
| 使用許可証 | 使用権を示す唯一の証書です。なくしたら再交付を申請し、手数料は200円です。 |
| 区画を返す | 区画を使い始める前の状態に戻して返します。遺骨は改葬の手続きをしたうえで移します。 |
墓石は、巻石や盛土まで全部撤去して返します。巻石は区画の境に沿って置く囲いの石、盛土は土を盛った部分です。返還の手続きには相応の期間がかかるとされています。管理事務所は年末年始(12月29日〜1月3日)のほかは開いていて、書類の受付は9時から16時30分です。
名義は早めに継いでおきます。使用者が亡くなって3年たっても、墓を守る人(祭祀を主宰する者)がいないと、使用許可の取消しや使用権の消滅があり得ます。管理料を3年間納めないときも同じです。しまわずに置いた場合の話は、墓じまいをしないとどうなるかの記事にまとめました。
堺市立霊堂の納骨壇を使っている人も、納骨壇を返して、堺市霊園の合葬式墓地(多くの人の遺骨を一緒に納める墓)へ移せます。返したときに戻る使用料や、合葬式墓地の料金は、堺市の墓じまい補助金の記事にまとめました。
堺市で墓じまいを進める順番
ここまでの手続きを、順番に並べます。手続きの順番は、堺市の斎場と堺公園墓地の案内によります。先頭の見積もりは、この記事のすすめです。
見積もりを最初に置くのは、石材店によって見積もりの物差しが違うからです。日本石材産業協会が石材店に積算の単位を聞いた調査では、184件の回答が、面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。複数の石材店から見積もりを取って、額と内訳を比べてください。頼み先の選び方は、墓じまい業者の記事にまとめました。
迷ったときの問い合わせ先
聞きたいことによって、問い合わせる先が分かれます。
| 聞きたいこと | 問い合わせる先 |
|---|---|
| 改葬許可の申請書と書き方 | 堺市立斎場(健康福祉局 健康部 斎場)です。電話は072-228-0167です。 |
| 堺市霊園の名義・返還・証明 | 堺市霊園管理事務所です。電話は072-292-7455です。 |
| 寺や地域の墓地の証明 | 今、納骨している墓地やお寺の管理者です。 |
| 墓が堺市の外にある | 墓のある市区町村の役所です。改葬許可証は、遺骨のある市区町村長に申請します。 |
| 撤去の工事の費用 | 複数の石材店です。見積もりの単位が店によって違うので、並べて比べます。 |
墓が大阪府内のほかの市町村にあるときの聞く先と、大阪府の助成のことは、大阪府の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
堺市内の墓の改葬許可は、堺市立斎場に申請します。改葬先が決まっていないと手続きができないので、移し先を先に決めます。申請書には、今の墓の管理者の証明印をもらいます。
堺市霊園(堺公園墓地)の墓は、まず管理事務所に相談します。墓石は巻石や盛土まで撤去して返します。工事の見積もりは、複数の石材店から取って比べてください。見積もりの単位は店によって違います。
