岐阜県の墓じまい補助金は?岐阜市は使用料の3分の1・窓口と費用

岐阜県の墓じまい補助金は?岐阜市は使用料の3分の1・窓口と費用
目次

岐阜県にある実家の墓をしまうとき、最初に気になるのは「県や市から補助は出るのか」ではないでしょうか。大垣市や高山市、町村に墓がある人は、どこに聞けばよいのかも迷うところです。

この記事では、県内で案内を確かめた岐阜市の制度、墓のある市町村での手続き、家の墓地や共同墓地の墓で要る証明、費用の比べ方を順に整理します。岐阜県と岐阜市の公式資料、厚生労働省の衛生行政報告例、総務省の調査報告書、厚生労働科学研究の研究班の報告書を出典にしました。

まず結論から

  • 県内で確かめた岐阜市の案内に、撤去費の助成は載っていません。代わりに、市営墓地を返すと、墓地使用料の3分の1が返還金として戻ります。墓地の許可などの事務は、岐阜県から県内42市町村すべてに移っています。
  • 改葬(遺骨を別の墓や納骨堂へ移すこと)の許可を出すのは、県ではなく、遺骨がある場所の市町村長です。大垣市・高山市や町村に墓があるなら、その役所に聞きます。
  • 家の墓地や地域の共同墓地の墓なら、改葬の申請書に、墓地の管理者の証明を添えます。県内の墓地10,788区域のうち、5,695区域は個人の墓地です。
  • 見積もりの単位は店によって違うので、撤去工事を頼む前に、複数の石材店の額と内訳を比べます。

岐阜県に墓じまいの補助金はある?岐阜市で戻るのは使用料の一部

墓じまいで役所に出す手続きは、市町村が受け持ちます。改葬の許可は、遺骨がある場所の市町村長が出します。法律では、町村の区域にある墓地を開いたり廃止したりする許可は県の仕事です。

岐阜県は、この事務も町村へ移しています。県の権限移譲の一覧(2025年4月1日時点)では、墓地や納骨堂の経営の許可などを、21市は法律などにより、21町村は県の条例で受け持っています。

移し先しだいで負担が変わった人もいます。兄の墓をしまった人の記録です。

兄の墓をしまい、遺骨を公営の合葬式墓地へ移したきょうだい(HALMEK up の読者寄稿)

墓じまいは、「離檀料」と新たに作る「墓代」で、金額が大幅に変わります。私の場合、離檀料を払う必要がなかったこと、墓の移転先が公営の合葬式墓地だったこともあり、相場より安くすみました。

2025年6月の墓じまいです。兄の墓の管理費で寺と行き違いがあったことから、移転先は金額がはっきりしていることにこだわりました。岐阜市も、ほかの人の遺骨と一緒に納める市営の合葬式墓地を、段階的に整える計画です。

出典: 「墓じまいの」金銭トラブルを防ぐ!総額45万円で抑えたわが家の体験談(HALMEK up)(台帳: V0020)

県内で案内を確かめた岐阜市の制度を、項目ごとに並べます。

項目岐阜市の案内で確かめたこと
撤去費の助成市営墓地の手続き案内と「岐阜市営墓地の在り方」の概要に、載っていません。
使用料の返還市営墓地を返すと、墓地使用料の3分の1を返還金として受け取れます。使い始めるときに面積に応じて払う永代使用料は、1㎡168,000円です(柳津宮東墓地は280,000円)。
公営の合葬墓市営の合葬式墓地は、整備の計画中です。
改葬許可市営墓地の手続きの窓口は、市民協働生活政策課(市役所9階)です。手数料は無料です。
市営墓地の返還基礎や墓石を残さず区画を元の状態に戻してから、返還届を出します。

岐阜市で戻るお金は、撤去費の助成ではなく、墓地使用料の3分の1です。区画を元に戻してから返すので、撤去の費用は先に自分で手配します。

市が返還金を払う理由も、概要に書かれています。継ぐ人のいない墓(無縁墳墓)を防ぐため、返還金の制度も使って墓じまいをしてもらうよう案内する、としています。総務省の2023年の報告書も、区画の返還を促す市町村の取り組みとして、合葬式施設の使用料の免除や、墓じまいのローンの利息などへの助成を例に挙げています。

岐阜市の返還金の受け取り方は岐阜市の墓じまい補助金の記事に、全国の助成の例は墓じまい補助金の記事にまとめました。

大垣市・高山市や町村に墓があるなら?窓口は墓のある市町村

墓じまいを考える理由で最も多いのは、墓が遠いことです。鎌倉新書は2026年1月、「いいお墓」の利用者のうち墓じまいを考えた人・した人に調査をしました。検討した理由の最多は「お墓が遠方にある」の52.0%です。公営の霊園の墓をしまった人は、手続きの流れを霊園の事務所で教わっています。

膝を悪くした母の了承を得て、父が建てた公営霊園の墓をしまった娘(個人ブログ・note)

霊園の組合事務所に行き墓じまいの旨を伝えたところ、その後の流れも教えてくれました。

霊園の墓所の使用権の返還

お骨を新しい場所に移すことの手続き

お骨を埋葬している場所の市役所に提出し改装許可証をもらいます。

これは提出して出来上がったら連絡があり取りに行きました。

墓は、父が祖父を亡くしたときに建てたものでした。遺骨は、母の希望で近くの寺の合同墓地に納めています。改葬の許可を出すのは、遺骨がある場所の市町村長です。

出典: 2年前に実家の墓じまいをしました(note)(台帳: V0113)

改葬の許可の申請先は、住んでいる市町村ではなく、墓のある市町村です。岐阜市に住んでいても、墓が大垣市にあれば大垣市に申請します。許可が出ると改葬許可証が交付されます。

大垣市・高山市・各務原市や町村に墓があるなら、次の5つをその役所に確かめます。右の列は、岐阜市の案内での答えです。

役所に確かめること岐阜市の場合
改葬許可の窓口と手数料市民協働生活政策課(市役所9階)です。市営墓地の手続きの手数料は無料です。
遠くからでも出せるか改葬許可は、市営墓地の使用者本人ならオンラインで申請できます。
公営墓地を返すときのお金区画を元に戻して返還届を出すと、墓地使用料の3分の1が戻ります。
公営の合葬墓があるか市営の合葬式墓地は、整備の計画中です。
撤去費の助成があるか市営墓地の案内に載っていません。

岐阜市の窓口と手続きの順番は岐阜市の墓じまいの手続きの記事に、申請書と添える書類の全体は墓じまいに必要な書類の記事にまとめました。

家の墓地や地域の共同墓地の墓は?管理者の証明から

岐阜県の墓地は、2024年度末で10,788区域です。墓の数ではなく、墓地として区切られた区域の数です。そのうち5,695区域は個人の墓地で、1,128区域は「その他」に分けられています。

厚生労働科学研究の研究班の報告書は、この「その他」を、共同墓地やムラ墓地とも呼ばれる集落の墓地としています。個人の墓地も集落の墓地も、多くは法律ができる前からある墓地です。畑の中の墓をしまう手伝いをした人の記録です。

高齢者の相談支援の中で、墓じまいを手伝ってきた福祉職(個人ブログ・note)

私が支援した中で、畑の中にお墓が10基ほどあるところがありました。

この場合は、所有者や管理者が誰かを確認する必要があります。

※御骨を移すために、行政へ届け出をします。

そこに管理者等を記載する必要があります。

墓が寺にあるか、霊園にあるか、それ以外かで、連絡する相手が変わると書いています。依頼は、離れた場所の墓や、墓を継ぐ子がいない人から多いといいます。申請書に添える証明は、法律の規則で決まっています。

出典: 高齢者の支援 ~墓じまい~(note)(台帳: V0044)

改葬の申請書には、墓地の管理者が作った、埋葬の事実を証明する書面を添えます。それが難しい特別な事情があれば、市町村長が認める書面で代えられます。家の墓地や共同墓地なら、まず管理者が誰かを確かめます。岐阜市の申請書でも、市営墓地でなければ、管理者証明欄に今の管理者の署名が要ります。

岐阜県の墓地の区域の数を、経営する主体別に示した横棒グラフ。2024年度末で10,788区域のうち、個人が5,695区域、地方公共団体が3,353区域、その他(集落の墓地など)が1,128区域、宗教法人(寺など)が610区域、公益法人が2区域。墓の数ではなく墓地の区域の数
図1: 岐阜県の墓地の区域の数(経営する主体別・2024年度末)。出典: 厚生労働省「衛生行政報告例」令和6年度 第5表/横田睦ほか (2024) 厚生労働科学特別研究 報告書(「その他」が集落の墓地などを指すこと)

統計の「地方公共団体」の数は、市町村の霊園の数とは限りません。研究班の報告書は、全国で統計上3万以上ある公営墓地のうち、自治体が適切に管理・運営しているのは5,000か所程度とみています。残りは「財産区墓地」などと呼ばれ、実態は集落の墓地と変わらないと考えられる、としています。岐阜市の行でも、地方公共団体の墓地は279区域ですが、市の概要が挙げる市営墓地は5か所です。

岐阜市は、これからの取り組みの一つに「共同墓地の実態把握」を挙げています。共同墓地の墓の手続きは、岐阜市の墓じまいの手続きの記事でも扱っています。

岐阜県の改葬は年に2,059〜2,090件

厚生労働省の衛生行政報告例によると、岐阜県の改葬は2022年度が2,059件でした。2023年度は2,074件、2024年度は2,090件です。このうち2024年度の128件は、継ぐ人のいない墓(無縁墳墓など)からの改葬です。

岐阜県の改葬の件数を年度別に示した縦棒グラフ。県全体は2022年度が2,059件、2023年度が2,074件、2024年度が2,090件で、年に2,059〜2,090件。うち岐阜市は2022年度が189件、2023年度が223件、2024年度が231件。岐阜市の値は県の件数に含まれる
図2: 岐阜県と岐阜市の改葬の件数(年度別)。出典: 厚生労働省「衛生行政報告例」令和4年度 第6表/同 令和5年度/同 令和6年度

県庁所在地の岐阜市は、同じ3年で189件、223件、231件でした。2024年度でみると、県の2,090件のうち岐阜市は231件です。県内の改葬の多くは、岐阜市の外の市町村が許可しています。

費用はいくら?移し先の選び方と見積もりの比べ方

鎌倉新書の2026年の調査で、墓じまいをした人に費用を聞くと、「31万円〜70万円」が31.3%で最も多くいました。同社は、解体する墓地の広さや、移し先の永代供養墓・納骨堂のグレードで、費用に幅があるとみています。費目ごとの内訳は、墓じまい費用の記事にまとめました。

移し先には、合葬墓を選ぶ人が増えています。同じ調査で、墓じまい後の移し先の最多は「永代供養(合祀・合葬墓)」の43.2%でした。岐阜市は、斎苑の式場を改装した納骨施設などで、市営の合葬式墓地を整える計画です。移し先の比べ方は、遺骨の行き先の記事にまとめました。

撤去工事の額は、石材店の見積もりで決まります。日本石材産業協会が2023年度に石材店に尋ねた設問では、見積もりの単位が面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。単位が店で違うので、工事を頼む前に、複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を並べて比べます。石材店の選び方は、墓じまい業者の記事にまとめました。

まとめ

岐阜県内で案内を確かめた岐阜市では、撤去費の助成は市営墓地の案内に載っていません。市営墓地を返すと、墓地使用料の3分の1が戻ります。墓地の許可などの事務は、県から42市町村すべてに移っています。改葬の許可は、住んでいる所ではなく、墓のある市町村に申請します。

家の墓地や共同墓地の墓なら、管理者の証明をもらえるかを先に確かめます。撤去工事の見積もりは単位が店で違うので、複数の石材店から取って額と内訳を比べてください。墓が隣の県にあるなら、富山県・石川県・福井県・長野県・愛知県・三重県・滋賀県の記事もあります。

参考文献

  1. 岐阜市「その他の手続き(市営墓地)」(令和7年10月16日更新).
  2. 岐阜市(市民協働生活政策課)「『岐阜市営墓地の在り方』の概要」(2025).
  3. 岐阜市(市民協働生活政策課)「市営墓地使用者の方へのお手続き案内」(令和7年4月1日更新).
  4. 岐阜県(総合企画部市町村課)「県内市町村における権限移譲状況一覧(事務処理の特例に関する条例)【R7.4.1時点】」(2025).
  5. 「墓地、埋葬等に関する法律」(昭和23年法律第48号)第2条・第5条・第10条. e-Gov 法令検索.
  6. 「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」(昭和23年厚生省令第24号)第2条. e-Gov 法令検索.
  7. 総務省行政評価局 (2023)「墓地行政に関する調査 -公営墓地における無縁墳墓を中心として- 結果報告書」.
  8. 鎌倉新書 (2026)【第4回】改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)全文版. 2026年1月にインターネットで実施。対象は同社サイト「いいお墓」経由で資料請求・霊園見学をし、改葬・墓じまいを検討または実施した人.
  9. 厚生労働省「衛生行政報告例 令和6年度 第5表 墓地・火葬場・納骨堂数,経営主体・都道府県-指定都市-中核市(再掲)別」(岐阜県と岐阜市の行).
  10. 横田睦(研究代表者)ほか (2024)「遺体を取り扱う事業者や無縁改葬等の現状調査及び今後の方策検討に資する研究」令和5年度 厚生労働科学特別研究 総括・分担研究報告書.
  11. 厚生労働省「衛生行政報告例 令和6年度 第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数(都道府県-指定都市-中核市別)」(岐阜県と岐阜市の行).
  12. 厚生労働省「衛生行政報告例 令和5年度 第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数」(岐阜県と岐阜市の行).
  13. 厚生労働省「衛生行政報告例 令和4年度 第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数」(岐阜県と岐阜市の行).
  14. 日本石材産業協会 (2023)「お墓じまいに関する業界内意識調査」結果(2023年度お墓じまいアンケート). 回答者は石材店.

当事者の口コミの出典: V0020(HALMEK up・読者の寄稿)/V0113(note)/V0044(note)。いずれも本人が公開している記録で、引用は原文のままです。

更新履歴: 2026-09-29 公開/2026-10-03 県の権限移譲の資料を追記/2026-10-05 隣の県の記事へのリンクを足した