岐阜市の墓じまい補助金と費用・市営墓地は使用料の3分の1が戻る

岐阜市の墓じまい補助金と費用・市営墓地は使用料の3分の1が戻る
目次

岐阜市で墓じまいを考えたとき、「市から補助金は出るのか」は、費用より先に知りたいことかもしれません。

この記事では、岐阜市の資料で確かめた補助の有無と、市営墓地を返すと戻るお金、撤去費の比べ方、移し先の費用を整理します。岐阜市の市営墓地の手続き案内と「岐阜市営墓地の在り方」の概要、総務省の墓地行政の調査報告書、日本石材産業協会の調査を出典にしました。

まず結論から

  • 岐阜市の市営墓地の手続き案内と在り方の概要に、撤去費の助成は載っていません。代わりに、市営墓地を返すと、墓地使用料の3分の1が返還金として戻ります。
  • 返還金は、基礎や墓石を撤去して区画を元の状態に戻し、返還届を出すときに申し込みます。撤去の費用は、先に自分で手配します。
  • 市営墓地の永代使用料は1㎡168,000円です(柳津宮東墓地は280,000円)。市が払った返還金は、2014年度の56万円から2023年度の174万円に増えました。
  • 撤去費は、複数の石材店の見積もりを並べて比べます。見積もりの単位は、店によって違います。
  • 市営の合葬式墓地は整備の計画中です。市の予定表では、斎苑の式場1を改装した納骨施設が2027年度(令和9年度)に使い始める予定です。

岐阜市に墓じまいの補助金はある?戻るのは市営墓地の返還金

撤去の費用を市が一部出してくれるなら、負担はかなり軽くなります。そこで、岐阜市の市営墓地の資料を確かめました。

電車とバスを乗り継ぐ遠い市営の霊園にあった家の墓を、現地に行かずにしまった当事者(個人ブログ・note)

約4か月。

費用は工事費が70万円弱。お墓の中の遺骨を取り出して合葬墓地へ移す際に、お坊さんにも来てもらったので、別途7万円ほどかかった。

4月ごろ石材店に問い合わせ、市への書類も含めて手続きは石材店が代行しました。8月初旬に撤去と区画の更地化を終えています。岐阜市の市営墓地の案内と市の概要にも、撤去費の助成は載っていません。

出典: 墓じまい|費用と手続き期間の記録(note)(台帳: V0002)

岐阜市の市営墓地の案内で、お金が戻る話として載っているのは返還金です。「返還の際に、墓地使用料の三分の一を返還金として受け取ることができます」と書かれています。市の概要にも、墓じまいのときは永代使用料の3分の1を返す、とあります。

永代使用料は、使い始めるときに区画の面積に応じて払うお金です。今の額は1㎡168,000円で、柳津宮東墓地だけ280,000円です。自分の区画でいくら戻るかは、市民協働生活政策課(市営墓地 058-214-2176)で確かめられます。

返還金は、市が墓じまいを後押しする手段でもあります。市の概要は、継ぐ人がいなくなった墓(無縁墳墓)を防ぐため、返還金の制度も使って墓じまいを着実に行ってもらうよう案内する、としています。市が払った返還金は、2014年度の56万円から2023年度の174万円に増えました。

返還の届出も増えています。市営墓地の返還届は2014年度の58件から2022年度の132件になり、新しく使い始める許可は73件から29件に減りました。

岐阜市営墓地の返還届と新規の使用許可の件数を年度ごとに並べた縦棒グラフ。返還届は増え、新しい使用許可は減った。返還届は2014年度58件、2016年度75件、2018年度73件、2020年度82件、2022年度132件。新規許可は2014年度73件、2016年度53件、2018年度56件、2020年度52件、2022年度29件
図1: 岐阜市営墓地の返還届と新規許可の件数。出典: 岐阜市「『岐阜市営墓地の在り方』の概要」届出件数の推移

返還金は、市営墓地の手続きです。寺や民営の霊園、地域の共同墓地の墓を返すときの扱いは、それぞれの管理者に確かめます。

返還金を受け取るまでの順番は?撤去が先

返還金は、墓を返す届出のときに申し込むお金です。その届出より前に、撤去を済ませておきます。

市営霊園の墓をしまい、寺の永代供養墓へ遺骨を移した姉妹の一人(個人ブログ)

行政手続き: 改葬許可書を市役所から取得する手続きです。この許可書がないと、遺骨を他の場所に移動することはできません。

法要の実施と遺骨の取り出し: 法要を行った後、住職が遺骨を取り出し、新しい納骨先に移す準備をしました。

墓石の解体と撤去: 専門業者が墓石を解体し、土地を更地に戻しました。

父が胆管癌で亡くなったのをきっかけに、姉と決めた墓じまいです。市営霊園だったので、離檀料はかからなかったといいます。岐阜市の市営墓地でも、区画を元の状態に戻してから返還届を出します。

出典: 墓じまい:費用とやり方を解説!私たちの選んだ永代供養の詳細(Rinのシンプルライフ)(台帳: V0013)

岐阜市の案内では、返還の届出の前に、区画を元の状態に戻します。基礎や墓石は残しません。撤去の費用は、返還金より先に要ります。受け取るまでに出すものを、案内から並べます。

出すものいつ・どうする
改葬許可申請書遺骨を移す前に出します。遺骨は、改葬許可証を受け取ってから移します。
工事施行届撤去の工事の前に出します。撤去なら設計図は要りません。
岐阜市墓地返還届と墓地使用承認証区画を元の状態に戻したあとに出します。
相手方登録申請書返還金を受け取りたいときに出します。振込み先として、申請者本人の金融機関と口座番号が要ります。

返還届と相手方登録申請は、オンラインでも出せます。オンラインで返還届を出したら、墓地使用承認証をあとから郵送します。使用者が亡くなっているときは、届出者への承継の手続きが先に要ります。窓口や名義の手続きは、岐阜市の墓じまいの手続きの記事にまとめました。

撤去費はいくら?見積もりの比べ方

返還金で戻るのは使用料の一部です。撤去費をどう見積もるかで、手元から出るお金が変わります。

山の中に並ぶ父と先祖の墓2基をしまうため、5社に見積もりを頼んだ一人娘(個人ブログ・note)

この結果を見て、「こんなに差が出るのか」と驚きました。5社に見積もりをお願いして、本当に良かったと思います。

特にA社とE社の差は、なんと約42万円。同じ内容でも、ここまで違うとは思いませんでした。

写真に矢印を付けて案内図も用意し、やり取りはすべてメールで進めました。最後は金額だけでなく、事務所で聞いた説明の丁寧さも決め手にしています。見積もりの単位は、石材店によって違います。

出典: 墓じまいを決めるまでの話【5社見積もりを取って分かったこと】(note)(台帳: V0001)

日本石材産業協会が2023年度に石材店へ聞いた調査では、墓じまいの見積もりを積算する単位の選択肢が、面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれていました。回答は184件です。複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を並べて比べてください。

費用の全体は、墓の広さや移し先で開きます。鎌倉新書は2026年1月、「いいお墓」の利用者のうち改葬や墓じまいを考えた人・した人に聞き、733件の回答を得ました。実際にした人に費用を聞いた設問では、「31万円〜70万円」が31.3%で最も多くいました。30万円以下は16.8%、151万円以上は14.0%です。費目ごとの内訳は、墓じまい費用の記事にまとめました。

移し先の費用は?岐阜市の合葬式墓地は整備の計画中

移し先の費用も、総額を左右します。岐阜市は、遺骨をほかの人と一緒に納める合葬式墓地を、市営で段階的に整える計画です。

施設計画の中身と予定
納骨施設(個別埋蔵施設)岐阜市斎苑の「式場1」を改装し、骨壺を置く棚を設けます。骨壺のまま20年程度納めます。予定表では2025年度に設計、2026年度に改修工事、2027年度に供用開始です。
合同埋蔵施設上加納山墓地の「残骨堂」を作り直します。20年程度納めた遺骨を骨壺から出し、ほかの人の遺骨と一緒に納めます。2026年度にスケジュールを決める予定です。
樹木式墓地など上の2つの使われ方を見ながら、大洞墓地に整えることを2027年度から検討します。

使用料と申し込みの方法は、この概要には書かれていません。

公営の合葬式施設を持つ市町村は、全国でもまだ多くありません。総務省が2022年2月から市町村に行った調査では、公営の墓地・納骨堂を持つ765市町村のうち、合葬式施設があったのは195(25.5%)でした。人口30万人以上の57市町村では、27(47.4%)です。

公営の墓地・納骨堂を持つ市町村のうち、公営の合葬式施設がある割合を人口規模別に示した横棒グラフ。人口30万人以上は47.4%(57市町村のうち27)、10万人以上30万人未満は32.7%(107のうち35)、5万人以上10万人未満は26.8%(127のうち34)、5万人未満は20.9%(474のうち99)、全体は25.5%(765のうち195)で約4分の1。総務省が2022年2月から行った基礎調査
図2: 公営の合葬式施設がある市町村の割合(人口規模別)。出典: 総務省行政評価局 (2023)「墓地行政に関する調査」結果報告書 表1-⑥

移し先に合葬墓を選ぶ人は増えています。鎌倉新書の同じ調査で、墓じまい後の移し先に最も多く挙がったのは「永代供養(合祀・合葬墓)」の43.2%でした。同社は、比較的安い合祀・合葬墓を選ぶ人が増えたことを、70万円以下で済ませた人が約48%いる理由の一つと見ています。移し先の選び方は、墓じまいの遺骨の行き先の記事にまとめました。

ほかの市では、どんな支えがある?

墓じまいを支える制度は、市町村によって違います。総務省の2023年の報告書は、墓じまいによる区画の返還を促す取り組みの例を、市の名前つきで挙げています。

市報告書が紹介した取り組み
愛媛県新居浜市2023年の報告書の時点で、市営墓地の区画を返して、市の合葬式施設を使う場合、その使用料を全額免除する制度を条例で定めていました。市の2025年の案内は、墓石の撤去の補助金や助成金の制度を「設けていません」としています。
北海道苫小牧市墓じまいの費用を指定の金融機関から借りたとき、利息と信用保証料に最大5万円を助成する事業を2021年度から始めました。
鹿児島県鹿児島市承継者がいないなどの理由で市営墓地や共同墓地の墓をしまう人の移し先として、合葬墓を2024年2月の完成予定で整えていました。

報告書は、こうした取り組みを、継ぐ人のいない墓が生まれるのを抑えるためのものと位置づけています。岐阜市の返還金も、無縁墳墓を防ぐ取り組みの中に置かれています。撤去費の助成がある自治体の例と探し方は、墓じまい補助金の記事にまとめました。

岐阜県の助成のことと、墓が岐阜県内のほかの市町村にあるときの聞く先は、岐阜県の墓じまい補助金の記事にまとめました。

まとめ

岐阜市の市営墓地の手続き案内と在り方の概要に、撤去費の助成は載っていません。市営墓地を返すと、墓地使用料の3分の1が返還金として戻ります。

返還金は、区画を元の状態に戻して返還届を出すときに申し込みます。撤去費は複数の石材店の見積もりを並べて比べ、移し先は市の合葬式墓地の計画も見ながら選んでください。見積もりの単位は店によって違います。

参考文献

  1. 総務省行政評価局 (2023)「墓地行政に関する調査 -公営墓地における無縁墳墓を中心として- 結果報告書」. 基礎調査は2022年2月から全1,718市町村に書面で実施(1,231市町村が回答).
  2. 日本石材産業協会 (2023)「お墓じまいに関する業界内意識調査」結果(2023年度お墓じまいアンケート). 回答者は石材店.
  3. 鎌倉新書 (2026)【第4回】改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)全文版. 2026年1月にインターネットで実施。対象は同社サイト「いいお墓」経由で資料請求・霊園見学をし、改葬・墓じまいを検討または実施した人.
  4. 岐阜市「その他の手続き(市営墓地)」(令和7年10月16日更新).
  5. 岐阜市「『岐阜市営墓地の在り方』の概要」(2025). 市営墓地の概要・届出件数の推移・今後の取り組みスケジュール.
  6. 新居浜市(環境政策課)「墓じまいについて」(2025年4月1日更新).

当事者の口コミの出典: V0002(note)/V0013(個人ブログ)/V0001(note)。いずれも本人が公開している記録で、引用は原文のままです。

更新履歴: 2026-09-29 公開/2026-10-05 新居浜市の2025年の案内を追記・総務省の報告書の例を2023年時点の書き方に正した・見積もりをすすめる文の出典を正した