まず結論から
- 兵庫県の生活衛生課のページにも、姫路市・明石市・西宮市で確かめた案内にも、墓じまいの助成は載っていません。神戸市と尼崎市は、制度が無いと明記しています。
- 改葬(遺骨を別の墓へ移すこと)の許可を出すのは、県ではなく、遺骨がある場所の市町村長です。5市の外に墓があるなら、その市や町の墓地の担当課に問い合わせます。
- 市営の墓地を返したときに戻るお金は、助成ではなく使用料の還付で、条件は市と霊園で違います。明石市の石ケ谷墓園は、許可から5年以内に返すと使用料と管理料の半額が戻ります。
- 市の合葬墓の使用料は、神戸市の鵯越合葬墓と西宮市の白水峡合葬式墓地が1体5万円、明石市の石ケ谷墓園が1体55,000円です。尼崎市には、市が直接管理する合葬式墓地がありません。
- 市営の墓地は、使用者が墓石を撤去し、更地にして返します。見積もりの単位は石材店で違うので、複数の店の額と内訳を比べます。
兵庫県に墓じまいの補助金はある?県と5市の案内で確かめた
兵庫県で墓地・埋葬等に関する法律の施行を受け持つのは、保健医療部 生活衛生課の環境衛生班です。その課のページに、墓じまいの助成は載っていません。改葬の許可も、県ではなく、遺骨が今ある場所の市町村長が出します。
兵庫県にある義父の墓を東京へ移す話を受け、家族で調べ始めた娘婿(個人ブログ・note)
義父は兵庫県の出身で、義父が建てたお墓も兵庫県にあります。
現在、義父は東京で暮らしていますから、お墓参りをするためには兵庫まで行かなければなりません。
94歳になった義父にとって、東京から兵庫までお墓参りに行くのは、確かに簡単なことではありません。
テレビで見た納骨堂へ移したいと義父が言い出し、家族で墓じまいを調べ始めた記録です。東京に住んでいても、改葬の許可は、墓のある兵庫の市町村長が出します。
出典: 墓じまい編①94歳の義父が突然、「墓を東京に持ってくる」と言い出しました。(note)(台帳: V0042)
県と県内5市の案内で、助成の書き方を確かめました。
| 確かめた資料 | 墓じまいの助成の書き方 |
|---|---|
| 兵庫県 保健医療部 生活衛生課のページ | 墓地・埋葬等に関する法律の施行は、環境衛生班が受け持ちます。助成の記載はありません。 |
| 神戸市の墓じまいのページ | 「神戸市では助成金制度は設けていません」と答えています。 |
| 尼崎市の墓地に関するよくある質問 | 「墓じまいに関する補助制度はありません」と答えています。 |
| 姫路市の市有霊苑の返還・名古山霊苑納骨堂・改葬許可のページと名古山霊苑の募集案内 | 助成の記載はありません。 |
| 明石市の石ケ谷墓園の返還・合葬式墓地・改葬の案内と、市民課の改葬の案内 | 助成の記載はありません。 |
| 西宮市の市立墓地の手続きと白水峡合葬式墓地の案内 | 助成の記載はありません。 |
市ごとの扱いは、神戸市・姫路市・尼崎市・明石市・西宮市の墓じまい補助金の記事にまとめました。全国で助成を設けている自治体の例は、墓じまい補助金の記事で整理しています。
兵庫県の改葬は、2022年度が7,711件、2023年度が9,119件、2024年度が9,431件でした。
2024年度の9,431件のうち、神戸市が扱ったのは4,187件です。西宮市は660件、尼崎市は403件、姫路市は374件、明石市は195件でした。残りは、5市の外の市や町の改葬です。
加古川市や宝塚市のように5市の外に墓があるなら、聞く先は、墓のある市や町の墓地の担当課です。助成があるかと、公営の墓地を返したときに使用料が戻るかも、そこで確かめます。改葬と墓じまいの違いは改葬の記事に、申請書の書き方は墓じまいの書類の記事にまとめました。
墓を返すと戻るお金と、市の合葬墓は市で違う
補助金が無くても、市営の墓地を返すときに戻るお金や、移し先の使用料で、払う額は変わります。公営の霊園の墓を返して、合葬の施設へ移すと決めた人の記録です。
都立八柱霊園にある母方の祖父母の墓を、母に代わってしまうことにした孫(個人ブログ・note)
先日、八柱霊園の管理事務所に電話で問い合わせをし、手続きに必要な書類を郵送してもらうことになっていた。
その書類が早速届いた。
「施設変更制度に関するお知らせ」
「施設変更申請に必要な申請書類」
「都立霊園合葬埋葬施設使用の手引(施設変更)」
2023年6月の記録です。遠方でなかなか墓参りに行けず、墓の掃除は霊園の近くの石材店に頼んでいました。兵庫県でも明石市は、石ケ谷墓園の墓を返して合葬式墓地へ移す遺骨の、合葬室の使用料を免除しています。
出典: 墓じまいのはなし ③(note)(台帳: V0058)
県内5市の市営の墓地で、返したときに戻るお金と、市の合葬墓・納骨堂を並べます。どの決まりも、表に書いた墓地や霊園のものです。
| 市(市営の墓地) | 返したときに戻るお金 | 市の合葬墓・納骨堂(1体) |
|---|---|---|
| 神戸市(市立墓園) | 当初の使用料の半額が戻るのは、遺骨を納める前などに、許可から1年(墓石の無い区画は3年)以内で取り消したときです。 | 鵯越合葬墓の合葬施設が5万円です。条例の定める人が墓園の施設を返すときは、使用料の5割を減らす定めがあります。 |
| 姫路市(名古山霊苑) | 令和7年度の募集案内では、許可から3年を越えた後に返すと、永代使用料の20%が還付されます。永代清掃料は戻りません。 | 名古山霊苑納骨堂の納骨料は、申請者が市内に住んでいれば17,000円です。 |
| 尼崎市(弥生ケ丘墓園) | 年間使用料を納めている人は、返した翌月以降の分が月割りで戻ります。 | 市が直接管理する合葬式墓地はありません。 |
| 明石市(石ケ谷墓園) | 許可から5年以内に返すと、納めた使用料と管理料の半額が戻ります。 | 合葬室へ直接納めると55,000円(税込み)です。一般墓地を返して移すと、そこにあった遺骨は合葬室の使用料が免除されます。 |
| 西宮市(市立墓地6か所) | 市立墓地の手続きの案内に記載がありません。返還届を出す斎園管理課(0798-35-3306)で確かめます。 | 白水峡合葬式墓地の合葬室が5万円です。 |
同じ市の合葬墓へ移すと、手続きも軽くなります。明石市は、石ケ谷墓園の墓を同じ墓園の合葬式墓地へ移すなら、改葬の手続きは要らず、合葬式墓地の申込みをすると案内しています。西宮市も、市立墓地や市の納骨堂から白水峡合葬式墓地へ移すときは、改葬許可書が要りません。
姫路市の姫路西霊苑・片山霊園の区画の扱いは、返還の届出先の名古山霊苑管理事務所で確かめます。寺や民営の霊園の墓なら、返還の決まりはその墓地の管理者に聞きます。
改葬許可の手数料も、市と墓の場所で違います。
| 墓のある場所 | 改葬許可の手数料 |
|---|---|
| 神戸市の市立墓園 | 1体300円です。郵送なら110円切手が要ります。 |
| 神戸市のほかの墓地・納骨堂 | 案内のページに記載なし。斎園管理課で確かめます。 |
| 姫路市 | かかりません。 |
| 尼崎市 | 許可証の発行は無料です。 |
| 明石市の石ケ谷墓園 | 案内のページに記載なし。公園・海岸課 墓園係で確かめます。 |
| 明石市のほかの墓地・納骨堂 | 無料です。郵送なら郵送料が要ります。 |
| 西宮市 | 遺骨1体につき300円です。 |
窓口と書類は、神戸市・姫路市・尼崎市・明石市・西宮市の墓じまいの手続きの記事にまとめました。移し先の違いは、永代供養の記事と遺骨の行き先の記事で整理しています。
寺や集落・個人の墓地にある墓は?
表の還付や使用料の免除は、市営の墓地を返す人の決まりです。兵庫県の墓地は、2024年度末で21,100区域ありました。墓の数ではなく、墓地として区切られた区域の数です。
そのうち18,413区域は個人の墓地で、宗教法人の墓地は1,775区域、地方公共団体の墓地は343区域でした。納骨堂366施設のうち、347施設は宗教法人のものです。
厚生労働科学研究の研究班の報告書は、統計の「その他」を、共同墓地やムラ墓地とも呼ばれる集落の墓地としています。兵庫県では560区域です。地域の墓地にあった祖父の墓をしまった人の記録です。
山口の地域の墓地にあった祖父の墓を、四十九日に合わせてしまった孫(個人ブログ・note)
そこは山口の元町村のお墓なのですが、聞けば地域の墓場で管理の大元としては自治会らしい。ただ、市役所に聞いても誰が管理しちょるのかもわからないほどに少子高齢化の煽りを受けていました。
家の墓の骨壺を大きな骨壺にまとめ、寺の永代供養に納めた日の記録です。僧侶も墓まで同行しました。管理者の証明が難しい特別な事情があれば、市町村長が認める書面で代えられます。
出典: 墓仕舞いをした話(note)(台帳: V0039)
国民生活センターの「国民生活」2025年12月号に、全日本墓園協会の横田睦氏が墓じまいの手続きを書いています。個人墓地や共同・集落墓地では、埋蔵証明書を出す管理者がいない場合があるといいます。
何で代えられるかは、墓地の様子や市町村で違います。改葬許可証を出す窓口に、先に相談してください。
寺が境内に檀家の墓地を持たない地域もあります。2018年の論文は、兵庫県新温泉町の旧浜坂町の寺を調べています。この地域の寺のほとんどは境内に墓地を持たず、調べた3寺の檀家の墓は、自治区の墓地や村の共同墓地にありました。
旧浜坂町の16の寺のうち、論文の時点で永代供養墓を建てていたのは3寺です。最初に建てた寺のきっかけは、都市へ移った檀家の孫の世代が、共同墓地の家の墓の場所を分からなくなったことなどでした。
寺の墓では、墓石を処分する前の法要も相談します。日蓮宗は、改葬で墓石を処分するときは必ず「御霊抜き」の法要を営むとし、菩提寺の住職への相談を勧めています。お布施の目安は、墓じまいのお布施の記事にまとめました。
兵庫県内で墓じまいを進める順番と費用の比べ方
ここまでの話を、順番に並べます。手続きの段は、国の法律と規則、各市の案内によります。先頭の見積もりは、この記事のすすめです。
| 順番 | 知っておくこと |
|---|---|
| 1 複数の石材店に見積もりを頼む | 見積もりの単位は、石材店によって違います。 |
| 2 親族と相談して決める | なるべく多くの親族と相談し、移し先の使用規則や料金表を見ます。 |
| 3 移し先を決める | 改葬の場所は、申請書に書く項目です。尼崎市では、移し先が決まっていないと申請できません。 |
| 4 管理者の証明をもらい、改葬許可を受ける | 申請書に今の墓地の管理者の証明を添え、墓のある市町村に出します。 |
| 5 閉眼供養(御霊抜き)をする | 法要は、菩提寺の住職に相談します。 |
| 6 遺骨を移し、墓石を撤去する | 市営の墓地は、更地にして返します。 |
見積もりを最初に置くのは、見積もりの物差しが石材店によって違うからです。日本石材産業協会が2023年度に石材店へ聞いた調査では、積算の単位を尋ねる設問に184件の回答がありました。選択肢は、面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費です。複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べてください。
費用の目安も見ておきます。鎌倉新書は2026年1月、「いいお墓」の利用者のうち改葬・墓じまいを検討・実施した733人に聞きました。墓じまいを実施した人と実施中の人の費用は、31万〜70万円が31.3%で最も多くいました。
同じ調査で、墓じまい後の遺骨の移し先は、永代供養(合祀・合葬墓)が43.2%で最多でした。費用の内訳は墓じまい費用の記事に、頼み先の選び方は墓じまい業者の記事に、親族への知らせ方は墓じまいの挨拶状の記事にまとめました。
まとめ
兵庫県の生活衛生課のページにも、姫路市・明石市・西宮市で確かめた案内にも、墓じまいの助成は載っていません。神戸市と尼崎市は、制度が無いと明記しています。改葬の許可は、墓のある市町村が出します。
戻るお金は市営の墓地を返したときの還付で、条件は市と霊園で違います。市の合葬墓は、神戸市と西宮市が1体5万円、明石市が55,000円です。撤去工事の見積もりは、複数の石材店から取って比べてください。見積もりの単位は店によって違います。墓が隣の府県にあるなら、京都府・大阪府・鳥取県・岡山県の記事もあります。
