まず結論から
- 尼崎市内の墓の改葬許可は、弥生ケ丘墓園・西難波墓園なら弥生ケ丘斎場管理事務所、ほかは市の生活衛生課へ郵送で申請します。
- 申請先は、住所ではなく墓のある場所で決まります。墓が尼崎市の外なら、その自治体で許可を受けます。
- 尼崎市の許可証は発行が無料で、2〜3週間ほどかかります。移し先が決まっていないと、申請はできません。
- 市営の2つの墓園では、遺骨を移す届・返還の届・工事の届も出し、更地にして返します。
- 撤去工事は市では行いません。見積もりの単位は石材店で違うので、複数の店の額と内訳を比べます。
申請はどこへ?墓の場所で窓口が分かれる
墓じまいで役所に出すのは「改葬許可」の申請です。改葬とは、墓や納骨堂に納めた遺骨を、別の墓などへ移すことをいいます。申請先は、今の遺骨がある墓地の市町村です。
市設の霊園にある父と先祖の墓をしまった、当時30歳の当事者(個人ブログ・note)
費用はかけられない我が陣営なので、手続き類はすべて自分でやって極小予算に抑えた。お墓を解体して中の遺骨を移動させるには、お役所の手続きも必要だった。幸いわたしはペーパーワーク系は苦にならないタイプ。
役所や霊園とは郵便でもやり取りしながら、聞き慣れない書類を6人分取り寄せなんとか進めた。
出産を控え、里帰りした実家の近くにある墓をしまった記録です。墓には、分かっている範囲で六霊が眠っていました。尼崎市も郵送の申請で、遺骨が複数体なら複数体用の申請書と別紙に書きます。
出典: 先祖の遺骨と、妊婦のわたし〜30歳の墓じまい(note)(台帳: V0057)
尼崎市では、申請書を郵送で出し、許可証は返信用封筒で受け取ります。送り先は、墓のある場所で分かれます。
| 墓のある場所 | 申請書の送り先 |
|---|---|
| 弥生ケ丘墓園・西難波墓園 | 弥生ケ丘斎場管理事務所(弥生ケ丘町1-1・電話06-6491-2520)です。受付は9時〜17時30分で、友引日と元旦は休みです。 |
| 尼崎市内のほかの墓地 | 保健所の生活衛生課 墓地・斎場担当(七松町1-3-1-502・電話06-4869-3017)です。受付は9時〜17時で、土日祝は休みです。 |
| 尼崎市の外 | 墓地のある自治体です。手続きの詳しいことは、その自治体に問い合わせます。 |
返信用封筒には返送先の郵便番号・住所・氏名を書き、110円切手を貼ります。許可証の発行は無料で、発行までに2〜3週間程度かかります。市は、日数に余裕をもって申請するよう求めています。
申請する人と墓の使用者の名義が違うときは、使用者が押印した承諾書が要ります。様式は自由です。使用者が亡くなっていて承諾書を作れないときは、市に相談します。代理の人が出すなら、委任状を添えます。
許可証に期限はありませんが、受け取ったら早めに移し先へ出します。
寺や地域の墓地の墓は、管理者に証明をもらう
申請書には、今の墓に遺骨が納まっていることの証明が要ります。書くのは役所ではなく、今の墓地の管理者で、押印も要ります。管理者が誰かは、墓地によって違います。
地域で共同管理する実家の墓地について、きょうだいで墓じまいの段取りを決めた当事者(個人ブログ・はてなブログ)
実家の墓地は地域の共同管理で、自治会長に墓じまいの意向を伝え、埋葬証明書の発行をお願いすることになります。
墓じまいの手続きに入ったらすぐに動いてもらうよう、妹に手続きを頼んでおきました。
父の命日の墓参りのあと、母の容体に備えて、きょうだいで話し合った記録です。父の遺骨は、名古屋の樹木葬墓へ移す予定でした。尼崎市の手引きも、先に移し先を確保し、今の墓地の管理者に証明してもらう順です。
出典: 墓参りの後は母の万一に備えきょうだいで打合せ(はてなブログ)(台帳: V0033)
尼崎市の手引きでは、まず移し先の墓地などを確保し、申請書を手に入れて書き込みます。次に今の墓地の管理者から証明と押印をもらい、郵送で出します。移し先が決まっていないと、申請はできません。
古い遺骨で分からない事項は、「不明」と書きます。遺体が土葬されている場合や、遺骨の一部だけを移す場合は、市に相談します。
市内には、市営の墓園のほかにも墓地が多くあります。2024年度末の市内の墓地は126区域で、宗教法人が62、その他が62、地方公共団体が2でした。1つの墓地に何区画あっても1と数える、墓地の区域の数です。
移し先を探すときは、尼崎市が直接管理する合葬式墓地・共同墓地は無いことを知っておきます。市はあっせんもせず、市内の墓地・納骨堂の一覧のページを案内しています。移し先の費用は、尼崎市の墓じまい補助金の記事にまとめました。
弥生ケ丘墓園・西難波墓園は、届出3つと更地での返還
市営の2つの墓園では、改葬許可のほかに、管理事務所への届出が要ります。市は墓じまいを、墓石などを撤去して更地に戻したうえで返すことだと説明しています。
父が建てた公営霊園の墓を、母の同意を得てしまった娘(個人ブログ・note)
霊園の組合事務所に行き墓じまいの旨を伝えたところ、その後の流れも教えてくれました。
霊園の墓所の使用権の返還
お骨を新しい場所に移すことの手続き
お骨を埋葬している場所の市役所に提出し改装許可証をもらいます。
これは提出して出来上がったら連絡があり取りに行きました。
母は膝を悪くし、墓参りは本人ひとりになっていました。事務所で流れを聞いたあと、撤去を頼む業者探しに進んでいます。尼崎市の市営墓園でも、許可のあとに遺骨を移す届、返還の届、工事の届を出します。
出典: 2年前に実家の墓じまいをしました(note)(台帳: V0113)
市営墓地の案内には、墓じまいの手順が4段で並んでいます。
| 手順 | 出すもの・決まり |
|---|---|
| 1 改葬許可の申請 | 申請書を弥生ケ丘斎場管理事務所へ郵送します。 |
| 2 遺骨を移す(発掘) | 使用墓地発掘届を出します。 |
| 3 墓地を返す | 使用墓地返還予定届兼墓地返還届を出します。墓石などを撤去し、更地に戻して返します。 |
| 4 墓石を撤去する | 工事着手届兼工事完了届を出します。 |
市営墓地の埋蔵の証明を出せるのは、過去に埋蔵届を出した遺骨だけです。名義の書換(使用権の承継)も同じ事務所の手続きで、承継許可証の発行には1か月程度かかります。
名義を継がずに置いた墓には、別の道筋があります。総務省が2023年にまとめた調査は、縁故者(亡くなった人と縁のある親族など)がいないと判断する目安の例に、尼崎市を挙げています。
その目安は、使用者が亡くなって5年たっても承継の申出が無い場合と、使用者の行方が分からなくなって10年たった場合です。亡くなった人の縁故者がいない墓を、無縁墳墓等といいます。
尼崎市が許可した改葬は、2023年度に898件で、うち552件が無縁墳墓等の改葬でした。2024年度は403件で、うち無縁墳墓等の改葬は7件です。2022年度は387件でした。
墓じまいを見送った場合の話は、墓じまいをしないとどうなるかの記事にまとめました。
尼崎で墓じまいを進める順番
ここまでの手続きを、順番に並べます。役所と墓園の手続きの順番は、尼崎市の手引きと市営墓地の案内によります。先頭の見積もりは、この記事のすすめです。
見積もりを最初に置くのは、見積もりの物差しが石材店によって違うからです。日本石材産業協会が石材店に積算の単位を聞いた設問には184件の回答があり、選択肢は面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費でした。複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べてください。
撤去工事も遺骨の掘り出しも、市では行いません。撤去は施工業者に頼み、掘り出しは自分でするか業者に頼みます。市は、お寺・宗教者・石材業者の紹介もしていません。頼み先の選び方は墓じまい業者の記事に、書類の全体は墓じまいの書類の記事にまとめました。
迷ったときは、どこに聞けばいいか
聞きたいことによって、問い合わせる先が分かれます。
| 聞きたいこと | 問い合わせる先 |
|---|---|
| 市営墓園の墓の改葬許可と届出 | 弥生ケ丘斎場管理事務所(06-6491-2520)です。 |
| 市内のほかの墓地の改葬許可 | 生活衛生課 墓地・斎場担当(06-4869-3017)です。 |
| 市営墓地の建立などの基準 | 弥生ケ丘斎場管理事務所の墓地担当です。 |
| 寺や民営の墓地の証明 | その墓地の管理者です。申請書に証明と押印をもらいます。 |
| 年間使用料の還付 | 生活衛生課 墓地・斎場担当です。仕組みは尼崎市の墓じまい補助金の記事にまとめました。 |
| 撤去工事の費用 | 複数の石材店です。見積もりの物差しが店ごとに違うので、並べて比べます。 |
墓が兵庫県内のほかの市町村にあるときの聞く先と、兵庫県の助成のことは、兵庫県の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
尼崎市内の墓の改葬許可は、弥生ケ丘墓園・西難波墓園なら弥生ケ丘斎場管理事務所、ほかは生活衛生課へ郵送で申請します。墓が市の外なら、その自治体が申請先です。
尼崎市の許可証は無料で、発行まで2〜3週間ほどかかります。移し先を先に決め、今の墓の管理者に証明をもらってから申請します。市営の墓園では遺骨を移す届・返還の届・工事の届も出し、更地にして返します。工事の見積もりは、複数の石材店から取って比べてください。見積もりの単位は店によって違います。
