まず結論から
- 尼崎市に墓じまいの補助制度はありません。市の「墓地に関するよくある質問」が、そう答えています。兵庫県で墓地・埋葬の法律を受け持つ生活衛生課のページにも、助成は載っていません。
- 尼崎市内の墓の改葬許可(遺骨を移すための許可)は、手数料が無料です。郵送で申請し、返信用封筒に110円切手を貼ります。
- 弥生ケ丘墓園で年間使用料を納めている人が墓地を返すと、今年度に納めた分のうち、返した翌月以降の分が月割りで戻ります。
- 尼崎市が直接管理する合葬式墓地・共同墓地はありません。移し先は、市内の墓地・納骨堂の一覧などから探します。
- 撤去工事は市では行いません。見積もりの単位は石材店で違うので、複数の店の額と内訳を比べます。
尼崎市や兵庫県に補助金はある?費用は自分で用意する
尼崎市の「墓地に関するよくある質問」は、墓じまいに補助金はあるかという問いに、補助制度は無いと答えています。墓の撤去工事も遺骨の掘り出しも、市では行いません。
電車とバスを乗り継ぐ遠い市営霊園の墓を、現地に行かずにしまった当事者(個人ブログ・note)
費用は工事費が70万円弱。お墓の中の遺骨を取り出して合葬墓地へ移す際に、お坊さんにも来てもらったので、別途7万円ほどかかった。
4月頃に石材店へ問い合わせ、8月初旬に区画を更地にするまで約4か月の記録です。市への書類も、石材店が代行しました。こうした墓じまいの費用を、尼崎市は補助していません。
出典: 墓じまい|費用と手続き期間の記録(note)(台帳: V0002)
尼崎市の制度で、墓じまいのお金に関わるものを並べます。補助金は無くても、尼崎市が出す改葬許可は手数料が無料です。
| 項目 | 尼崎市の場合 |
|---|---|
| 補助金 | 墓じまいに関する補助制度はありません。 |
| 改葬許可の手数料 | 無料です。返信用封筒に110円切手を貼り、書類が多ければ切手を70円分同封します。 |
| 弥生ケ丘墓園の年間使用料 | 納めている人が墓地を返すと、返した翌月以降の分が月割りで戻ります。 |
| 使用許可証の再交付 | なくしたときは、再交付の手数料250円がかかります。 |
| 撤去工事・遺骨の掘り出し | 市では行いません。撤去は施工業者に頼み、掘り出しは自分でするか業者に頼みます。 |
| 市営の合葬式墓地 | 市が直接管理する合葬式墓地・共同墓地はありません。 |
兵庫県で墓地・埋葬の法律を受け持つのは、保健医療部 生活衛生課の環境衛生班です。その課のページにも、墓じまいの助成は載っていません。改葬の許可を出すのも、県ではなく墓のある市町村です。同じ兵庫県の神戸市も、墓じまいの助成金制度は設けていないと案内しています。
工事の費用は、自分で用意することになります。鎌倉新書は2026年1月、同社の「いいお墓」で資料請求や霊園見学をした人のうち、改葬・墓じまいを検討・実施した人に調査しました。
実際に墓じまいをした人に費用を聞くと、31万〜70万円が31.3%で最も多くいました。30万円以下は16.8%、151万円以上は14.0%です。
費用の内訳は墓じまい費用の記事に、助成を設けている自治体の例は墓じまい補助金の記事にまとめました。払うのが難しいときの道は、墓じまいのお金がないときの記事にあります。
市営墓地を返すと戻るお金は?弥生ケ丘墓園の年間使用料の月割り
弥生ケ丘墓園では、条例の改正により、一定の条件に当たる使用者が年間使用料を納めています。使用料は、墓園の清掃や設備の維持管理に充てられます。
市が運営する霊園に夫の家の墓があり、実家の墓も抱える当事者(個人ブログ・note)
墓地は、所有権ではなく、永代使用料と言う名目のようです。
秋田の実家のお墓も永代使用料を一括で支払ました。
墓参りで、隣の区画が更地になっていたのを見て書いた記録です。子どもがいないので、いずれ墓じまいをすると考えています。尼崎市の市営墓地も、市の使用許可を受けて使う墓地です。
出典: 墓じまい(note)(台帳: V0047)
弥生ケ丘墓園で年間使用料を納めている人が墓地を返すと、今年度に納めた分のうち、返した翌月以降の分が月割りで戻ります。還付に要る請求書は、市から送られてきます。
届いた「尼崎市弥生ケ丘墓園年間使用料還付請求書」に書き込み、振込先が分かるものを添えて出します。出す先は生活衛生課 墓地・斎場担当で、振込先は通帳の表紙裏の写しなどで示します。
市の案内で還付として書かれているのは、この年間使用料の月割りの分です。年間使用料の納め方の相談も、生活衛生課 墓地・斎場担当が受けています。
名義の書換(使用権の承継)をするときに年間使用料の滞納があれば、手続きの完了後に納めます。承継許可証は、発行に1か月程度かかります。
同じ兵庫県でも、扱いは市によって違います。神戸市立墓園は、返す年度の年間使用料を納める決まりで、月割りの制度は無いと案内しています。神戸市の扱いは、神戸市の墓じまい補助金の記事にまとめました。
撤去工事の費用は、見積もりを並べて比べる
撤去工事は、使用者の責任で施工業者に頼みます。市は、お寺・宗教者・石材業者を紹介していません。頼む先は、自分で探して比べることになります。
費用は、墓じまいを思いとどまる理由にもなります。鎌倉新書の調査で、墓じまいを検討してやめた人に理由を聞くと、最も多いのは「解体費用が高すぎた」の22.2%でした。
山の中にある父と先祖の墓2基をしまうため、5社に見積もりを頼んだ一人娘(個人ブログ・note)
この結果を見て、「こんなに差が出るのか」と驚きました。5社に見積もりをお願いして、本当に良かったと思います。
特にA社とE社の差は、なんと約42万円。同じ内容でも、ここまで違うとは思いませんでした。
墓の写真と案内図を用意し、やり取りはすべてメールで行いました。最も安い店は24万8,000円、最も高い店は67万6,000円でした。見積もりの単位は、石材店によって違います。
出典: 墓じまいを決めるまでの話【5社見積もりを取って分かったこと】(note)(台帳: V0001)
日本石材産業協会が2023年度に石材店へ聞いた調査では、見積もりの積算の単位を尋ねる設問に184件の回答がありました。
選択肢は、面積(平米)・体積(才数)・重さ(kg)・一式・墓の数(基数)・人件費(人工計算)です。積算の単位が店で違うので、複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を並べて比べてください。
市営墓園で墓石を撤去するときは、工事着手届兼工事完了届を出します。届出の順番は尼崎市の墓じまいの手続きの記事に、業者の選び方は墓じまい業者の記事にまとめました。
移し先の費用は?尼崎市に市営の合葬墓は無い
尼崎市には、市が直接管理する合葬式墓地・共同墓地がありません。市は合葬式墓地のあっせんもせず、市内の墓地・納骨堂の一覧のページを案内しています。移し先は、自分で探して料金を比べることになります。
移し先を選ぶときは、調査の数字も参考になります。同じ鎌倉新書の調査で、墓じまい後の遺骨の移し先は、永代供養(合祀・合葬墓)が43.2%で最も多い回答でした。合祀・合葬墓は、ほかの人の遺骨と一緒に納める墓です。
樹木葬は24.1%、別の墓石があるお墓(一般墓)は14.3%、納骨堂は13.3%でした。鎌倉新書は、費用を70万円以下で終えた人が約半数いる一因に、比較的安い合祀・合葬墓を選ぶ人の増加を挙げています。
移し先が決まると、改葬許可の申請に進めます。決まっていないと申請はできません。移し先の種類ごとの違いは墓じまいの遺骨の行き先の記事と、墓じまいと永代供養の記事にまとめました。
兵庫県の助成のことと、墓が兵庫県内のほかの市町村にあるときの聞く先は、兵庫県の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
尼崎市に墓じまいの補助制度はありません。兵庫県の生活衛生課のページにも、助成は載っていません。尼崎市内の墓の改葬許可は、手数料が無料です。弥生ケ丘墓園で年間使用料を納めている人が墓地を返すと、返した翌月以降の分が月割りで戻ります。
市が直接管理する合葬式墓地は無いので、移し先は自分で探して比べます。見積もりの単位は石材店で違うので、撤去工事の見積もりは複数の店から取り、額と内訳を比べてください。
