神戸市の墓じまい手続きはどこへ?市立墓園は管理事務所が窓口

神戸市の墓じまい手続きはどこへ?市立墓園は管理事務所が窓口
目次

神戸で墓じまいをしようと決めたとき、最初に迷うのは「どこに、何を出すのか」ではないでしょうか。

この記事では、遺骨を別の墓へ移すための許可(改葬許可)の申請先、市立墓園の返還の届出、工事の届出を順番に整理します。神戸市の改葬の許可の案内と市立墓園の返還の案内、神戸市立墓園条例施行規則、総務省の調査報告書、厚生労働省の衛生行政報告例を出典にしました。

まず結論から

  • 改葬許可の申請先は、市立墓園の墓なら各墓園の管理事務所、それ以外の市内の墓なら市役所の斎園管理課です。
  • 墓が神戸市の外にあるなら、申請先はその市区町村です。許可を出すのは、遺骨が今ある地の市町村長です。
  • 市立墓園の返還は名義人が届け出ます。名義人が亡くなっていれば、代理人が申立書と戸籍を添えて届け出ます。
  • 市立墓園の改葬許可は、管理事務所に納骨の届出がある遺骨に限られます。先に納骨の記録を確かめます。
  • 撤去工事は、複数の石材店から見積もりを取って比べます。石材店によって見積もりの単位が違うからです。

申請先は2通り。市立墓園は管理事務所、ほかの墓は斎園管理課

神戸市は墓じまいを、今の墓の遺骨を別の墓や納骨堂に移したうえで、元の墓を撤去することと説明しています。遺骨を移すには、市長の改葬許可が要ります。改葬と墓じまいの違いは、改葬の記事で整理しています。

父と祖母が眠る市の霊園の墓を、出産の前にしまった30歳の当事者(個人ブログ・note)

費用はかけられない我が陣営なので、手続き類はすべて自分でやって極小予算に抑えた。お墓を解体して中の遺骨を移動させるには、お役所の手続きも必要だった。幸いわたしはペーパーワーク系は苦にならないタイプ。

役所や霊園とは郵便でもやり取りしながら、聞き慣れない書類を6人分取り寄せなんとか進めた。

墓には、分かっている範囲で六霊が納まっていました。親族で話し合い、お参りしやすい寺の納骨堂へ移すと決めています。神戸市でも、改葬の申請は遺骨1体ごとに要ります。

出典: 先祖の遺骨と、妊婦のわたし〜30歳の墓じまい(note)(台帳: V0057)

神戸市は、改葬の申請を「神戸市立墓園」からの場合と「一般の墓地、納骨堂など」からの場合の2通りに分けています。

墓のある場所申請先と出し方
神戸市立墓園その墓園の管理事務所です。埋葬・埋蔵・収蔵証明申請書と改葬許可申請書を出します。手数料は1体300円で、郵送の場合は110円切手が要ります。
市立墓園以外の市内の墓地・納骨堂市役所1号館20階の健康局斎園管理課です。原則は郵送で、切手を貼り宛先を書いた返信用封筒を同封します。
神戸市の外その市区町村の墓地担当課に問い合わせます。

市の返還の案内が管理事務所ごとに挙げる市立墓園は、鵯越(ひよどりごえ)・舞子・追谷・西神の4墓園と、魚崎・小林・荒神山・西平野・垂水の墓地です。市立墓園でない寺や民営の霊園の墓は、2つ目の行に当たります。改葬許可申請書は、各区役所の保健福祉課でも手に入ります。区役所では用紙を受け取れますが、受け付けるのは斎園管理課です。窓口でも受け付けますが、発行まで待つことになるため、原則は郵送です。

神戸市が扱った改葬は、2024年度に4,187件でした。2023年度は3,159件、2022年度は3,327件です。

神戸市が扱った改葬の件数を年度ごとに並べた縦棒グラフ。2022年度が3,327件、2023年度が3,159件、2024年度が4,187件。厚生労働省の衛生行政報告例による
図1: 神戸市の改葬の件数。出典: 厚生労働省「衛生行政報告例」令和4〜6年度 第6表

名義人が亡くなっていても、代理人が返還を届け出られる

市立墓園の墓を返すときに届け出るのは、使用者、つまり名義人です。名義人がすでに亡くなっているときの道は、市の案内に書かれています。

祖父の名義のままだった市営墓地の墓を、遠方からしまった孫(個人ブログ・note)

実際起きたのが、見積もりを取る際に墓の位置を詳細図から現地確認をしてもらう必要があり、そのために自治体に申請するのに、祖父名義だと業者さんから詳細図が取れないということで、自分で自治体に連絡して詳細図を取り寄せて、それを業者さんにメールするといったことで結構面倒くさいと思い、墓じまいを実行するのに変更していないとより面倒くさいと思い、変更の申請をかけました。

祖母が名義人になっていなかったので、祖父との直系だよと証明のために戸籍の取得が必要になりました。

行政への手続きは業者に任せ、自分で動いたのは墓の位置の地図と名義の変更の申請だったといいます。神戸市立墓園では、名義人が亡くなっていれば、代理人から返還を届け出ます。

出典: 墓じまいをしてみた(完結)(note)(台帳: V0125)

名義人が亡くなっていれば、代理人が申立書と戸籍を添えて届け出ます。届け出る人ごとの書類は、次のとおりです。

届け出る人返還の届出に添える書類
名義人本人墓園施設返還届書(実印)、墓園使用許可書(見当たらなければ紛失届)、6か月以内の印鑑登録証明書です。
代理人(名義人が死亡)同じ3点を代理人の実印と印鑑登録証明書でそろえます。加えて申立書、名義人の死亡の記載がある戸籍謄本、名義人との続柄や関係を示す戸籍謄本などです。
業者に任せるときどちらの場合も、実印を押した委任状を添えます。

届書は市のホームページから印刷でき、郵送でも出せます。2か所以上の区画を同時に返すなら、印鑑登録証明書や戸籍謄本などは1通で足ります。

名義を継いでから返す道もあります。施行規則では、承継の原因を示す書類を添えて申請し、市長の許可を受けます。許可されるのは、使用者の親族か、市長が正当な理由があると認める人です。

継ぐ人がいないまま置かれた墓について、総務省の調査報告書(2023年)は、神戸市の目安を紹介しています。故人とつながりのある親族など(縁故者)がいないと判断する目安の一つで、管理料の滞納が10年程度で、戸籍による調査でも見つからない場合です。墓じまいを見送った場合の話は、墓じまいをしないとどうなるかの記事にまとめました。

誰の遺骨が何体あるか。先に納骨の記録を確かめる

改葬の申請は遺骨1体ごとに要るので、誰が何体納まっているかを先に知っておく必要があります。

佐賀県の寺の境内にある父方の墓を、しまおうとしている子(個人ブログ・アメブロ)

だから先日、まずは無沙汰をわびて墓参りをし寺の住職を訪ねた。

墓じまいをしたいが誰の骨が納められているか見当がつかないと相談。

だが、この寺では境内に墓の土地は提供したが葬儀を担当しておらず納骨も立ち会っていない。

管理料も徴収しないので一切わからない、とのこと。

父の三回忌を前に始めた墓じまいで、墓のある寺と菩提寺が別でした。菩提寺の台帳や墓誌の拓本、戸籍から、納まる人をたどり始めています。神戸市立墓園なら、納骨の記録は各墓園の管理事務所に問い合わせます。

出典: 墓じまい①(アメブロ)(台帳: V0029)

市立墓園の改葬許可には条件があります。申請できるのは、管理事務所に納骨の届出がある遺骨だけです。実際に納まっていても届出が無ければ、先に納骨の届出をしてから申請します。

市立墓園に遺骨を納めるときは、火葬許可証か改葬許可証を添えて、埋蔵・収蔵届書を出す決まりです。市は返還の前に、納骨の記録を各墓園の管理事務所へ問い合わせるよう案内しています。2体以上を同じ移し先へ移すなら、改葬の申請には継続用紙を使えます。

市立墓園以外の墓では、今の墓地や納骨堂の管理者に、埋蔵か収蔵の証明を受けます。国の規則でも、申請書には墓地の管理者が作った証明を添えます。

申請書には改葬の場所も書くので、移し先は先に決めておきます。市立墓園から移すなら、鵯越合葬墓も選べます。申込みの資格に、市立墓園の墓から改葬する人が入っています。合葬墓の使用料は神戸市の墓じまい補助金の記事に、書類の全体は墓じまいに必要な書類の記事にまとめました。

神戸市立墓園で墓じまいを進める順番

ここまでの手続きを、市立墓園の場合で順に並べます。手続きの部分は、神戸市の返還の案内によります。先頭の見積もりは、この記事のすすめです。

神戸市立墓園で墓じまいを進める順番を段階を追って示した図。1、複数の石材店に見積もりを頼む(見積もりの単位は店ごとに違う)。2、移し先を決める(改葬の場所は申請書に書く項目)。3、納骨の記録を確かめる(各墓園の管理事務所に問い合わせる)。4、その年度の年間使用料を納める(月割りの制度はない)。5、返還の届出と改葬許可の申請(名義人か代理人が管理事務所へ。郵送もできる)。6、遺骨を移し先に納める(改葬許可証は移し先に出す)。7、墓石を撤去し更地にして返す(施工届書は7日前まで。工事後に完成届と写真)。1はこの記事のすすめで、3から7は神戸市の返還の案内による
図2: 神戸市立墓園で墓じまいを進める順番。出典: 神戸市「神戸市立墓園・墓地の返還について」/墓地、埋葬等に関する法律施行規則/日本石材産業協会「お墓じまいに関する業界内意識調査」結果(2023年度)

見積もりを最初に置くのは、石材店によって見積もりの物差しが違うからです。日本石材産業協会が積算の単位を石材店に聞いた調査では、184件の回答が面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。複数の石材店から見積もりを取って比べてください。頼み先の選び方は、墓じまい業者の記事にまとめました。

市は墓の撤去をしません。使用者が自分で石材業者などに頼みます。墓石などを撤去して更地にし、石材や残土は法律に沿って適切に処分します。施工届書は、工事の7日前までに管理事務所へ出します。工事が終わったら、工事完成届書に写真を添えて出します。

市の工事の要領(2016年)は、施工届書をできれば14日前までに出すよう求めています。お盆・彼岸・年末年始と土日祝日は、工事ができません。返還の工事の期間は1か月で、返還届書と施工届書は一緒に出します。

完成の写真では、納骨室(カロート)や基礎まで取り除き、土で覆って元に戻したことを示します。芝生墓域では、納骨室は残します。傾斜地などで撤去の範囲が分かりにくい区画は、先に管理事務所へ相談します。撤去が3月末を過ぎると新しい年度の使用料がかかる点は、補助金の記事で説明しています。

迷ったときの問い合わせ先

墓のある場所と聞きたいことによって、問い合わせる先が分かれます。

墓・聞きたいこと問い合わせる先
鵯越墓園・追谷墓園・魚崎墓地・小林墓地・荒神山墓地・西平野墓地鵯越墓園管理事務所です。電話は(078)621-5667です。
舞子墓園・垂水墓地舞子墓園管理事務所です。電話は(078)782-2975です。
西神墓園西神墓園管理事務所です。電話は(078)961-2460です。
市立墓園以外の市内の墓の改葬許可健康局斎園管理課です。郵送先は〒650-8570 神戸市中央区加納町6-5-1です。
寺や民営霊園の墓の返還と証明その墓地の管理者です。
撤去工事の費用複数の石材店です。見積もりの物差しが店ごとに違うので、並べて比べます。助成の有無と費用を抑える手立ては、神戸市の墓じまい補助金の記事にまとめました。

墓が兵庫県内のほかの市町村にあるときの聞く先と、兵庫県の助成のことは、兵庫県の墓じまい補助金の記事にまとめました。

まとめ

神戸市内の墓の改葬許可は、市立墓園なら各墓園の管理事務所、それ以外の墓なら斎園管理課に申請します。墓が市の外にあるなら、その市区町村が申請先です。

市立墓園の返還は名義人が届け出て、名義人が亡くなっていれば代理人が申立書と戸籍を添えます。納骨の届出が無い遺骨は改葬の許可が出ないので、先に管理事務所で記録を確かめます。工事の見積もりは、複数の石材店から取って比べてください。見積もりの単位は店によって違います。

参考文献

  1. 総務省 (2023)「墓地行政に関する調査 -公営墓地における無縁墳墓を中心として- 結果報告書」.
  2. 日本石材産業協会 (2023)「お墓じまいに関する業界内意識調査」結果(2023年度お墓じまいアンケート). 回答者は石材店.
  3. 墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第5条. e-Gov法令検索.
  4. 墓地、埋葬等に関する法律施行規則(昭和23年厚生省令第24号)第2条. e-Gov法令検索.
  5. 厚生労働省 (2025)「衛生行政報告例 令和6年度」第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数(都道府県-指定都市-中核市別). e-Stat.
  6. 厚生労働省「衛生行政報告例 令和5年度」第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数. e-Stat.
  7. 厚生労働省「衛生行政報告例 令和4年度」第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数. e-Stat.
  8. 神戸市 健康局斎園管理課「墓じまい」(2026年1月16日更新).
  9. 神戸市 健康局斎園管理課 墓園管理センター「神戸市立墓園・墓地の返還について」(2025年9月).
  10. 神戸市「神戸市立墓園における工事等施工要領」(2016年6月1日 保健福祉局長決定).
  11. 神戸市「合葬式墓地(鵯越合葬墓)」.
  12. 神戸市「改葬の許可」(2026年5月15日更新).
  13. 神戸市「神戸市立墓園条例施行規則」(昭和41年規則第114号・2026年3月1日施行の版)第11条〜第14条.

当事者の口コミの出典: V0057(note)/V0125(note)/V0029(アメブロ)。いずれも本人が公開している記録で、引用は原文のままです。

更新履歴: 2026-09-29 公開/2026-10-05 見積もりをすすめる文の出典を正した