まず結論から
- 新潟県の生活衛生課のページにも、県内で確かめた新潟市の市営墓地と改葬の案内にも、墓じまいの助成は載っていません。墓じまいの経験がある100人への調査では、補助金を使った人は2人でした。
- 助成の例は、市が自分の霊園の区画を返す人に出すものです。長岡市や上越市などに墓があれば、その市町村の窓口で確かめます。
- 改葬(遺骨を別の墓や納骨堂へ移すこと)の許可は、県ではなく、遺骨のある市町村長が出します。2024年度の新潟県の改葬は1,729件で、うち新潟市の許可は252件でした。
- 新潟市なら、寺など民営の墓は墓地のある区の区役所、市営墓地は保健所環境衛生課環境管理係に申請します。市営墓地は、改葬許可・施設の撤去・墓地の返還の3つの手続きです。
- 撤去工事の見積もりは、積算の単位が店によって違います。複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べます。
新潟県に墓じまいの補助金はある?助成は市の霊園を返す人向け
新潟県で墓地や埋葬の法律の仕事を受け持つのは、福祉保健部の生活衛生課です。業務の一つに「墓地、埋葬法の許可等の事務指導に関すること」とあり、墓じまいの助成は載っていません。
県は1997年4月、墓地・納骨堂・火葬場の経営などの許可を、新潟市を除く全市町村へ移しました。改葬の許可は、法律で市町村長が出すと決まっています。
では、市の墓地の墓をしまうと、どのくらいかかるのでしょうか。市営墓地の墓の撤去を見積もってもらった人の記録です。
疎遠だった父方の、京都府の市営墓地にある明治時代の墓2基を引き受けた孫(個人ブログ・note)
さて、見積もりは2基で55万円でした。
明細については割愛します。先方の営業上の秘密に触れるのかはわかりませんけど、細かくぶっちゃけるもんでもないと思いますので。
ちなみに、この金額は散骨費用を含まない、墓石撤去の費用です…
祖母の管理料の滞納をきっかけに墓の存在を知り、3年前から管理料を払ってきた人です。祖母の相続を放棄した年に、墓じまいを決めました。市の霊園の区画を返す人に、墓石の撤去などの費用を助成する市があります。
出典: 墓じまいをしてみた(途中)(note)(台帳: V0017)
助成をしている自治体の例を並べます。
| 自治体 | 対象 | 助成の中身 |
|---|---|---|
| 市川市 | 市川市霊園の一般墓地を返す人 | 更地に戻す費用の全部または一部を、区画の種類と面積ごとの限度額まで助成します。 |
| 浦安市 | 墓地公園の墓所を返す人 | 墓石の撤去などの費用に補助金を出します。上限は150,000円で、見積書を付けて申請します。 |
| 太田市 | 八王子山公園墓地を返す人 | 墓石の撤去にかかる費用を助成します。無縁墓地の対策と説明しています。 |
| 新居浜市 | 市営墓地の区画を返し、市の合葬式施設を使う人 | その施設の使用料を全額免除していました。総務省の2023年の報告書の時点の例です。市の2025年の案内は、墓石の撤去の補助金や助成金の制度を「設けていません」としています。 |
| 苫小牧市 | 市営墓地の墓じまいの費用を、指定の金融機関から借りた市民 | 利息と信用保証料に、最大5万円を助成していました。同じ報告書の時点の例です。 |
助成は、その市が経営する墓地の区画を返す人に向けた制度です。墓が市町村の霊園にあるなら、返すときに出るお金を、その市町村に聞きます。
株式会社huhuが2026年5月19日、墓じまいの経験がある100人にインターネットで聞いた調査があります。補助金が出ると知っていた人は24人、使った人は2人でした。使った人の自由回答には、3万円の補助金を受け、費用全体は40万円ほどだったという例が載っています。その人は自治体の担当窓口で相談し、条件に当てはまると言われて申請していました。全国の助成の例は墓じまい補助金の記事にまとめました。
長岡市・上越市などに墓があるなら?窓口は墓のある市町村
鎌倉新書が2026年1月、「いいお墓」の利用者のうち墓じまいを考えた人・した人733人に聞いた調査があります。考えた理由の最多は「お墓が遠方にある」で、52.0%でした。大変だったことでは「役所の手続き」が32.3%で、2番目に多い答えでした。
手続きの細かい点を、前もって市役所に聞きに行った人の記録です。
父から将来の墓じまいを頼まれ、両親が元気なうちに準備を進める子(個人ブログ・note)
今回、故人の死亡年月日などは分かっていたものの、火葬年月日については分からなかった。
そこで、実際に改葬するときに困らないよう、事前に市役所へ確認に行き、改葬許可申請について教えてもらった。
その際の市役所からの説明では、火葬年月日が分からない場合は死亡日の2日後として申請し、分からない事項については「不明」と記載してよいとのことだった。
遺骨は、同じ墓園の中にある合祀墓へ移すと決めています。埋葬者の記録は、市役所ではなく墓園の側が持っていたといいます。改葬の申請書には、埋葬や火葬の場所と年月日などを書くと、国の省令が定めています。
出典: 僕の「墓じまい」(note)(台帳: V0005)
改葬の許可を申請する先は、住んでいる市町村ではなく、墓のある市町村です。新潟市に住んでいても、墓が長岡市にあれば長岡市に申請します。
厚生労働省の衛生行政報告例によると、新潟県の改葬は2022年度が1,533件、2023年度が1,593件、2024年度が1,729件でした。このうち新潟市が許可したのは、196件・201件・252件です。
県の件数には、新潟市の外の市町村の許可も多く含まれます。墓のある市町村で、次の5つを確かめます。新潟市の案内での答えも並べました。
| 確かめること | 新潟市の案内での答え |
|---|---|
| 改葬許可の窓口 | 寺など民営の墓地は、墓地のある区の区役所です。中央区は窓口サービス課、ほかの区は区民生活課です。市営墓地は保健所環境衛生課環境管理係です。 |
| 出す書類 | 民営の墓地は埋葬又は埋蔵収蔵証明書、市営墓地は墓地使用許可書です。どちらも、移し先の正式名称と所在地が分かる書類を付けます。 |
| 市営墓地を返す手続き | 改葬許可・施設の撤去・墓地の返還の3つです。返還には、墓地返還届書と原状回復後の写真、墓地使用許可書を出します。 |
| 助成・使用料が戻るか | 市営墓地の案内のページに記載なし → 保健所環境衛生課で確かめます。 |
| 手数料・郵送 | 改葬の案内のページに記載なし → 申請先の区役所の担当課か保健所環境衛生課で確かめます。 |
新潟市の窓口ごとの電話と書類の順番は、新潟市の墓じまいの記事にまとめました。改葬という言葉の意味は墓じまいと改葬の違いの記事にあります。墓が隣の県にあるなら、山形市・福島市・いわき市・前橋市・長野市・富山市の墓じまいの記事もあります。隣の県の補助金は、山形県・福島県・群馬県・長野県・富山県の墓じまい補助金の記事にまとめました。
寺の墓・集落の墓地・家の墓地は?今の管理者の証明から
新潟県の墓地は、2024年度末で28,396区域です。墓の数ではなく、墓地として区切られた区域の数です。最も多いのは個人の墓地の21,553区域で、「その他」が3,773区域、宗教法人の墓地が1,981区域です。
厚生労働科学研究の研究班の報告書は、この「その他」を、共同墓地やムラ墓地とも呼ばれる集落の墓地としています。
地域で守ってきた墓地では、誰に証明を頼むかから確かめます。実家の墓が地域の共同墓地にある人の記録です。
浜松の地域の共同墓地にある実家の墓について、母の万一に備えてきょうだいで打合せをした73歳(個人ブログ・はてなブログ)
共同墓地の場合は、管理者(自治会や地域の墓地委員など)に墓じまいの意向を伝えることが最初の重要なステップになります。
実家の墓地は地域の共同管理で、自治会長に墓じまいの意向を伝え、埋葬証明書の発行をお願いすることになります。
母が亡くなったときには、父の遺骨も一緒に名古屋の樹木葬墓へ埋葬する予定です。手続きはすぐ動けるよう、妹に頼んであるといいます。申請書には、墓地の管理者が作る埋葬の事実の証明を付けます。
出典: 墓参りの後は母の万一に備えきょうだいで打合せ(リタイアおじさんの絵日記・はてなブログ)(台帳: V0033)
墓地の管理者に、証明を出してもらえるかを先に確かめます。証明が取れない特別の事情があるときは、「市町村長が必要と認めるこれに準ずる書面」で代えられます。何が認められるかは市町村で違うので、改葬許可の窓口に前もって相談します。
総務省は、新潟市・長岡市・燕市・津南町を含む88市町村を実地で調べました。管理者が分からない墓地からの改葬で、代わりの書面を求める市町村は47.7%(42市町村)でした。申請の例がなく、対応が未定の市町村も25.0%(22市町村)ありました。
| 墓のある場所 | 知っておくこと |
|---|---|
| 寺の墓地 | 県内の宗教法人の墓地は1,981区域で、納骨堂69施設のうち61施設も宗教法人のものです。御霊抜きの法要は、菩提寺の住職に相談します。 |
| 集落の墓地 | 自治会など、墓地の管理者に証明を頼みます。管理者が分からなければ、準ずる書面を窓口に相談します。 |
| 家の墓地 | 墓地そのものをやめるなら、墓地の廃止の許可も要ります。 |
御霊抜きの法要のお布施は墓じまいのお布施の記事に、申請書と添える書類は墓じまいに必要な書類の記事にまとめました。
新潟県で墓じまいを進める順番と、費用の比べ方
ここまでの手続きを順に並べます。役所の手続きの順番は、法律と国の省令によります。先頭の見積もりと親族との話し合いは、この記事のすすめです。
| 順番 | すること |
|---|---|
| 1 複数の石材店に見積もりを頼む | 見積もりの単位(積算の仕方)が店によって違います。 |
| 2 親族・墓地の使用者と決める | 申請できるのは原則として墓地の使用者です。ほかの人が申請するなら、使用者の承諾書を付けます。 |
| 3 移し先を決める | 申請書に改葬の場所を書きます。新潟市では、移し先の分かる書類も出します。 |
| 4 今の墓地の管理者に証明を頼む | 管理者が作る、埋葬の事実の証明です。 |
| 5 墓のある市町村に改葬許可を申請 | 許可は、遺骨のある市町村長が出します。 |
| 6 閉眼供養(御霊抜き) | 墓石を処分するときは、御霊抜きの法要を営みます。法要は菩提寺の住職に相談します。 |
| 7 撤去して区画を返し、移し先に許可証を出す | 移し先の管理者は、改葬許可証を受け取ってから遺骨を納めます。新潟市の市営墓地は、原状回復後の写真を付けて返します。 |
先のhuhuの調査で、補助金のほかに費用の負担を抑えるために行ったことを聞いています。親族での分担の相談が40人、相見積もりが38人、樹木葬や永代供養墓にするが35人でした(複数回答)。
継ぐ人の要らない合葬式の共同墓は、1989年に新潟で提唱されました。この形の共同墓は、次第に「永代供養墓」として流行したと、森謙二氏は書いています。鎌倉新書の2026年の調査でも、移し先の最多は「永代供養(合祀・合葬墓)」の43.2%でした。移し先の選び方は永代供養の記事と遺骨の行き先の記事にまとめました。
日本石材産業協会が2023年度に石材店へ積算の単位を聞いた設問には、184件の回答がありました。答えは面積・体積・重量・一式・墓の数・人件費に分かれています。複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べます。撤去を頼む先は墓じまい業者の記事に、費用の内訳は墓じまい費用の記事にまとめました。
まとめ
新潟県の生活衛生課のページにも、県内で確かめた新潟市の案内にも、墓じまいの助成は載っていません。助成の例は、市が自分の霊園の区画を返す人に出すものです。
改葬の許可は、住んでいる所ではなく墓のある市町村に申請します。寺や集落の墓地なら、管理者の証明をもらえるかを先に確かめます。撤去工事は、複数の石材店の見積もりで額と内訳を比べてください。見積もりの単位は店によって違います。費用を用意できないときの道は墓じまいのお金がないときの記事にまとめました。
