福島県の墓じまい補助金は?県と3市に記載なし・還付と合葬墓

福島県の墓じまい補助金は?県と3市に記載なし・還付と合葬墓
目次

福島県で墓じまいを考えたとき、県や市から補助金は出るのか。福島市・郡山市・いわき市の外に墓がある人は、どこに聞けばよいのか。

この記事では、県と3市の案内で確かめた助成の有無、市営墓地を返したときの使用料、公営の合葬墓、費用の比べ方を順に整理します。福島県・福島市・郡山市・いわき市の公式案内、厚生労働省の衛生行政報告例、総務省の調査報告書、鎌倉新書と株式会社huhuの調査を出典にしました。

まず結論から

  • 福島県の食品生活衛生課の業務紹介にも、県内で確かめた福島市・郡山市・いわき市の案内にも、墓じまいの助成は載っていません。
  • 改葬の許可を出すのは、墓のある市町村です。2024年度に県内で許可された改葬は3,398件で、いわき市は588件、郡山市は368件、福島市は191件でした。3市の外の市町村の許可も多くあります。
  • 市営墓地を返したときの使用料は、福島市なら使用許可から3年以内の返還で2分の1が戻ります。郡山市の東山霊園といわき市の市営墓園は、納めた使用料を返さないのが原則です。
  • 移し先になる市の合葬墓は、郡山市もいわき市も1体4万5000円からです。郡山市は、改葬なら1体用の使用料で複数体を納められます。
  • 撤去の工事は、複数の石材店に見積もりを頼みます。見積もりの単位は店によって違うので、額と内訳を比べます。

福島県に墓じまいの補助金はある?県の担当課と3市の案内で確かめた

福島県で墓地と埋葬の業務を受け持つのは、食品生活衛生課です。業務の紹介に「墓地、埋葬等に関すること」が挙がり、申請などの受付は保健福祉事務所(保健所)が行います。この業務の紹介に、墓じまいの助成は載っていません。

遺骨を別の墓へ移す改葬の許可は、県ではなく市町村長が出します。墓じまいの費用を、きょうだいで分けようとした人の記録です。

名古屋で育ち、父の出身地にある先祖代々の墓をしまった3人兄弟の次男(個人ブログ・note)

元々墓じまいをしようと思い立った時はあの遺産を3人が一部戻せばいいじゃんでした。

しかしそれも20年も前の話。

そして兄は既に死去しています。

それでも遺産をもらったことは事実なので、奥さんに相談するべきか。

弟に相談すると、少し前から自身が大病をして入退院を繰り返していて、今は墓じまいをするお金がないので待って欲しいとのこと。

最初に相談してから1年ほど経っても返事がないので、催促すると、やはり待って欲しいとのこと。

父が亡くなって約20年、墓だけが父の出身地に残っていました。墓じまいは寺への相談から始め、費用は結局、本人が全額を出しています。株式会社huhuの調査でも、補助金のほかに最も多くの人がしたのは、親族で費用を分担できるよう相談することでした。

出典: 墓じまいからの永代供養98万円也(note)(台帳: V0121)

補助金を実際に使った人は多くありません。株式会社huhuが2026年5月19日に、墓じまいを経験した男女100人にインターネットで聞いた調査があります。補助金が出ることを知っていたのは24人、実際に使ったのは2人でした。

墓じまいを後押しする自治体の例は、総務省が2023年にまとめた公営墓地の調査報告書にあります。愛媛県新居浜市は、市営墓地の区画を返して合葬式施設を使う人の使用料を、全額免除する制度を条例で定めていました。新居浜市の2025年の案内は、墓石の撤去の補助金や助成金の制度を「設けていません」としています。北海道苫小牧市には、報告書の時点で、市営墓地の墓じまいの借入れの利息と信用保証料に、最大5万円を助成する事業がありました。どちらも、その市の市営墓地を返す人に向けた制度です。

福島県内では、次の案内で助成の有無を確かめました。どの案内にも、墓じまいの助成は載っていません。

自治体確かめた案内
福島県食品生活衛生課「環境衛生業務の紹介」
福島市「改葬手続きについて」と、市営墓地を返す手続きのページ
郡山市改葬許可のページ、東山霊園の手続きのページ、合葬墓利用のしおり、東山霊園条例
いわき市改葬、公営墓地、市営墓園の返還届、墓園の使用者募集の4ページ

3市のお金の決まりは、いわき市の墓じまい補助金の記事、郡山市の墓じまい補助金の記事、福島市の墓じまい補助金の記事にまとめました。全国の制度は墓じまい補助金の記事で比べています。

3市の外に墓がある人は?墓のある市町村の役所に聞く

県内の改葬は、3市の外の市町村の許可も多くあります。厚生労働省の衛生行政報告例では、2024年度に福島県で許可された改葬は3,398件でした。いわき市は588件、郡山市は368件、福島市は191件です。

福島県の改葬の件数を年度別に示した縦棒グラフ。県全体は2022年度が3247件、2023年度が3594件、2024年度が3398件。いわき市は419件、662件、588件。郡山市は293件、351件、368件。福島市は137件、198件、191件。3市の値は県の件数に含まれる
図1: 福島県と3市の改葬の件数(年度別)。出典: 厚生労働省「衛生行政報告例」令和4年度 第6表/同 令和5年度/同 令和6年度

3市の外の墓は、寺の墓地のほか、個人や集落の墓地にもあります。高齢者の墓じまいを支援してきた人の記録です。

高齢者の相談支援で独立し、墓じまいを支援してきた福祉職(個人ブログ・note)

私が支援した中で、畑の中にお墓が10基ほどあるところがありました。

この場合は、所有者や管理者が誰かを確認する必要があります。 ※御骨を移すために、行政へ届け出をします。 そこに管理者等を記載する必要があります。

墓じまいの支援は3回で、いまは4回目に取り組んでいます。初めての支援は、墓のある寺の住職への連絡から始めました。国の規則は、管理者の証明が難しい特別の事情があれば、市町村長が認める書面で代えられるとしています。

出典: 高齢者の支援 ~墓じまい~(note)(台帳: V0044)

改葬の申請は、住んでいる市町村ではなく、墓のある市町村の役所に出します。申請書には、いまの墓の管理者が作る、遺骨が納められている事実の証明を付けます。

福島県の墓地は、2024年度末で8,301区域でした。墓の数ではなく、墓地の区域の数です。地方公共団体(市町村など)の墓地が3,285区域、個人の墓地が3,115区域、宗教法人の墓地が1,608区域です。

福島県の墓地の数を、経営する主体別に示した横棒グラフ。2024年度末の墓地の区域の数で、総数8,301区域のうち、地方公共団体が3285区域、個人が3115区域、宗教法人が1608区域、その他が292区域、公益社団・財団法人が1区域。墓の数ではなく区域の数
図2: 福島県の墓地の数(経営する主体別・2024年度末)。出典: 厚生労働省「衛生行政報告例」令和6年度 第5表

個人や集落の墓地では、証明を出す管理者がいないことがあります。全日本墓園協会の横田睦さんは、国民生活センターの「国民生活」で、その場合は市町村長が認める書面で代えられると説明しています。何が認められるかは市町村で違うので、改葬許可証を出す窓口に事前に相談します。寺の墓なら、御霊抜き(閉眼供養)の法要を住職に相談します。日蓮宗の仏事の Q&A も、法要は菩提寺の住職に相談するとよいとしています。お布施の考え方は墓じまいのお布施の記事にまとめました。

3市の外に墓があるなら、次のことをその役所に聞きます。右の列は、3市の案内での答えです。

役所に聞くこと3市の案内での答え
改葬許可の窓口福島市は環境衛生課か各支所で、市営墓地からは環境衛生課だけです。郡山市は市民課や各行政センターなど、いわき市は本庁の市民課・各支所・各市民サービスセンターです
郵送で出せるか3市とも郵送で出せます。許可証を郵送で受け取るなら、返信用封筒を同封します
改葬許可の手数料福島市と郡山市は無料です。いわき市は案内のページに記載なし → 市民課で確かめます
公営墓地を返す届出の窓口福島市は環境衛生課です。郡山市の東山霊園は東山霊園管理事務所、いわき市は南白土墓園が生活安全課、東田墓園が勿来支所の市民課です
墓じまいの助成3市とも、確かめた案内に載っていません

3市の手続きの細部は、いわき市の墓じまい手続きの記事、郡山市の墓じまい手続きの記事、福島市の墓じまい手続きの記事にあります。書類の全体は墓じまいに必要な書類の記事に、改葬の意味は墓じまいと改葬の違いの記事にまとめました。墓が県外にあるなら、宮城県・山形県・新潟県・群馬県・栃木県・茨城県の墓じまい補助金の記事もあります。

市営墓地を返すと使用料は戻る?代わりに使える公営の合葬墓

墓じまいで市営墓地の区画を返すとき、納めた使用料が戻るかは市で違います。墓を建てたあと、区画の解約が話に出た家の記録です。

きょうだいで義母の墓を建てることになった家の嫁(個人ブログ・note)

解約してきてって簡単にいうけど

管理事務所に行かないといけないし

何が起きるかというと埋蔵前2年間なら使用料半額戻る

しかし半分は戻ってこない

次女は

''解約して管理者を変えて、また同じところを買います''

義母の遺言は墓はいらないというものでしたが、葬儀のあとに墓を建てる準備が始まりました。管理者をめぐってきょうだいがもめ、次女が自分の名前で契約し直しています。福島市の市営墓地で使用料の2分の1が戻るのも、使用許可から3年以内の返還です。

出典: 今となっては(note)(台帳: V0056)

福島市の市営墓地では、使用許可から3年以内に返すと、使用料の2分の1が戻ります。新山霊園は、遺骨を埋蔵していないことも条件です。郡山市の東山霊園といわき市の市営墓園は、納めた使用料を返さないのが原則です。

市(墓地)納めた使用料が戻る場合
福島市(新山霊園)遺骨を納めておらず、使用許可から3年以内に返すとき。使用料の2分の1です
福島市(御山・岩谷・渡利・天王寺の各墓地)使用許可から3年以内に返すとき。使用料の2分の1です
郡山市(東山霊園)原則は返しません。市が返還を求めた未使用の区画は、使用料の10分の8が限度です
いわき市(南白土墓園・東田墓園)返しません。管理料も同じです

郡山市の条例が返すことがあるとするのは、使用者の責めによらず使えなかったときなどです。10分の8の定めは、使用許可から1年を過ぎても使い始めていない区画で、市が返還を求めた場合の話です。

移し先に払うお金も、墓じまいの費用の一部です。郡山市といわき市には、ほかの人の遺骨と一緒に納める市の合葬墓があります。郡山市の東山霊園の合葬墓は、最初から合葬室に納めると1体4万5000円、20年間個別に納める1体用は9万5000円です。改葬で申し込むと、1体用の使用料で複数体の遺骨を納められます。骨壺1つか納骨袋1袋にまとめるのが条件です。

申し込めるのは、郡山市に1年以上住民登録がある人などです。東山霊園の一般墓所を返して申し込む人は、市民でなくても申し込めます。いわき市の合葬墓地は、最初から合葬する形が1体4万5000円、納骨堂に20年納める形が9万円、樹木葬型が12万円です。募集は年度ごとで、令和8年度(2026年度)の募集は8月14日で締め切られました。

郡山市といわき市の市の合葬墓の使用料(1体あたり)を示した横棒グラフ。郡山市の東山霊園は、合葬室が4.5万円、個別埋蔵室1体用が9.5万円。いわき市の南白土墓園・東田墓園は、納骨堂を使わず最初から合葬する形が4.5万円、納骨堂に20年納める形が9万円、樹木葬型が12万円
図3: 郡山市といわき市の合葬墓の使用料。出典: 郡山市「郡山市東山霊園合葬墓利用のしおり」/いわき市「令和8年度 市営墓園(南白土・東田)の使用者募集について」

総務省の2023年の報告書は、合葬式施設の設置例に、県内の白河市の羅漢山霊園を挙げています。鎌倉新書が2026年1月に「いいお墓」の利用者に聞いた調査では、墓じまい後の移し先の最多は「永代供養(合祀・合葬墓)」の43.2%でした。移し先の選び方は墓じまいして永代供養にする記事に、遺骨の行き先は墓じまいで骨はどうなるかの記事にまとめました。

福島県で墓じまいを進める順番と、費用の比べ方

工事の段取りは、見積もりから始めます。日本石材産業協会が2023年度に石材店へ尋ねた調査では、184件の回答で、見積もりを出す単位が面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。撤去の工事は、複数の石材店の見積もりで額と内訳を比べてから頼みます。

順番すること
1複数の石材店に見積もりを頼み、額と内訳を比べます
2親族と話し合います。横田睦さんは、なるべく多くの親族と相談すべきだとしています
3移し先を決めます。改葬許可の申請書に、改葬の場所を書くためです
4いまの墓の管理者から証明を受けます。寺の墓なら、法要も住職に相談します
5墓のある市町村に改葬許可を申請します
6遺骨を取り出し、墓石を撤去します。市営墓地は元の状態に戻して返します
7許可証を移し先の管理者に出します

費用には幅があります。鎌倉新書の2026年の調査では、墓じまいをした人の費用は「31万〜70万円」が31.3%で最多、30万円以下が16.8%でした。同社は、比較的安価な合祀・合葬墓を選ぶ人が増えたことを一因に挙げています。

石材店の選び方は墓じまい業者の記事に、費用の内訳は墓じまい費用の記事に、払うのが難しいときの道は墓じまいのお金がないときの記事にまとめました。親戚が包むお金の目安は、墓じまいで親戚が包むお金の記事にあります。

まとめ

福島県の食品生活衛生課の業務紹介にも、福島市・郡山市・いわき市の案内にも、墓じまいの助成は載っていません。改葬の許可は、墓のある市町村に申請します。3市の外に墓があるなら、その役所に助成や使用料、合葬墓のことを聞きます。

市営墓地の使用料が戻るのは、福島市で使用許可から3年以内に返す場合などに限られます。郡山市といわき市には、1体4万5000円からの市の合葬墓があります。見積もりの単位は店によって違うので、撤去の工事は複数の石材店の額と内訳を比べてから頼んでください。

参考文献

  1. 福島県(食品生活衛生課)「環境衛生業務の紹介」.
  2. 福島市(環境部 環境衛生課)「改葬手続きについて」.
  3. 福島市(環境部 環境衛生課)「市営墓地【お墓を使わなくなった場合】」.
  4. 郡山市(市民課)「改葬許可(墓地に納めた遺骨を他の墓地に移すための手続き)」2025年10月9日更新.
  5. 郡山市「東山霊園一般墓所及び合葬墓に関する各種手続きについて」.
  6. 郡山市「郡山市東山霊園合葬墓利用のしおり」.
  7. 郡山市「郡山市東山霊園条例」(昭和44年条例第46号)第10条・第14条・第14条の2. 郡山市例規集.
  8. いわき市(市民協働部 市民課)「お墓の移動について」2026年3月13日更新.
  9. いわき市(市民協働部 生活安全課)「いわき市の公営墓地」.
  10. いわき市(市民協働部 生活安全課)「【市営墓園】墳墓・納骨堂返還届」.
  11. いわき市(市民協働部 生活安全課)「令和8年度 市営墓園(南白土・東田)の使用者募集について」2026年8月25日更新.
  12. 墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第5条・第14条. e-Gov 法令検索.
  13. 「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」(昭和23年厚生省令第24号)第2条. e-Gov 法令検索.
  14. 厚生労働省 (2025)「衛生行政報告例 令和6年度」第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数(都道府県-指定都市-中核市別。福島県・福島市・郡山市・いわき市の行). e-Stat.
  15. 厚生労働省「衛生行政報告例 令和5年度」第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数(福島県・福島市・郡山市・いわき市の行). e-Stat.
  16. 厚生労働省「衛生行政報告例 令和4年度」第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数(福島県・福島市・郡山市・いわき市の行). e-Stat.
  17. 厚生労働省 (2025)「衛生行政報告例 令和6年度」第5表 墓地・火葬場・納骨堂数,経営主体・都道府県-指定都市-中核市(再掲)別(福島県の行。墓地は区域の数). e-Stat.
  18. 国民生活センター (2025)「国民生活」2025年12月号(No.160)特集「家」を継げない時代の埋葬と祭祀を考える. 特集3 横田睦(公益社団法人全日本墓園協会)「墓じまい(廃墓)をする場合の留意点」.
  19. 日蓮宗「お墓・お墓参りについて」仏教・仏事のQ&A. 日蓮宗ポータルサイト.
  20. 総務省行政評価局 (2023)「墓地行政に関する調査 -公営墓地における無縁墳墓を中心として- 結果報告書」.
  21. 株式会社huhu「わたしたちの墓じまい」(2026)「墓じまい補助金の認知・実態調査」. 墓じまいの経験がある男女100人へのインターネット調査(2026年5月19日実施・複数回答の設問を含む).
  22. 鎌倉新書 (2026)【第4回】改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)全文版. 2026年1月実施。2024年10月〜2025年9月に同社サイト「いいお墓」経由で資料請求・霊園見学をした人のうち、改葬・墓じまいを検討または実施した人が回答(有効回答733件).
  23. 日本石材産業協会 (2023)「お墓じまいに関する業界内意識調査」結果(2023年度お墓じまいアンケート). 回答者は石材店.
  24. 新居浜市(環境政策課)「墓じまいについて」(2025年4月1日更新).

当事者の口コミの出典: V0121(note)/V0044(note)/V0056(note)。いずれも本人が公開している記録で、引用は原文のままです。

更新履歴: 2026-10-04 公開/2026-10-05 新居浜市の2025年の案内を追記・見積もりをすすめる文の出典を正した・隣の県の記事へのリンクを足した