まず結論から
- 改葬許可証は、遺骨がいまある墓の市区町村に申請して受け取ります。出るまでの日数は市で違い、大津市の窓口なら受付後10〜30分、宇治市は書類審査のうえ2週間程度で郵送です。
- 受け取った許可証は、遺骨を取り出すときに今の墓地の管理者に見せ、移し先の管理者に出して納めます。横浜市は、取り出すときは「改葬許可証は渡しません」と案内しています。
- 埋葬許可証・火葬許可証は、亡くなったときに受け取る別の書類で、納骨のときに墓地の管理者へ出してあります。墓じまいの申請には、今の墓地の管理者が作る、遺骨が納まっていることの証明を添えます。
- 有効期限は、姫路市は無い、八王子市も原則として無いと案内しています。移し先を変えるなら、柏市では申請し直しになります。
改葬許可証は、どこに申請して、何日で出るのか
改葬許可証は、墓や納骨堂に納めた遺骨を別の墓や納骨堂へ移すことを、市区町村長が許可した書類です。申請先は、住まいの市区町村ではなく、遺骨がいまある所の市区町村です。
近くに新しく墓を借り、両親の遺骨を移すことにした当事者(個人ブログ・アメブロ)
折角近くの墓を借りるのだから、信心の無い私でも父母の遺骨ぐらいは近くに移しておきたい。いわゆる「改葬」である。
そのためには、今のお墓がある自治体から父と母の改葬許可証を取得する必要が有る。
新しい墓の墓石を、まだ選んでいる最中の記録です。これまでの墓は叔父に任せ、父母の遺骨だけを移す計画でした。法律も、改葬の許可は遺骨がいまある地の市区町村長が出すと定めています。
出典: 終活 ~墓じまい~ その3(アメブロ)(台帳: V0098)
申請に使う用紙の名前は、市によって違います。札幌市は、遺骨を移すときに出す書類を「埋蔵等届」と呼んでいます。名前に「届」とあっても法律の仕組みは許可で、市区町村長は許可するときに改葬許可証を交付します。
役所が見るのは、書類がそろっているかです。川崎市は、国の省令(施行規則)が決める記載事項を満たし、必要事項が明らかであることを審査の基準にしています。申請書は遺骨1体につき1枚と、柏市も宇治市も案内しています。手数料は、大津市・宇治市・姫路市では無料です。
出るまでの日数は、市によってこれだけ違います。
| 市 | 出るまでの目安 | 受け取り方 |
|---|---|---|
| 大津市 | 窓口は受付後10〜30分(混雑具合による) | 郵便なら、届いた日か次の開庁日に発送 |
| 川崎市 | 標準処理期間は1日 | 各区役所の区民課で申請 |
| 柏市 | 原則即日。件数や内容によって翌日以降 | 郵送なら1週間程度で発送 |
| 郡山市 | 翌日以降になる場合がある。即日の希望は申請前に相談 | 窓口で申請しても郵送で受け取れる |
| 相模原市 | 申請後、数日〜1週間程度かかる場合がある | 遠隔地なら郵送で申請できる |
| 宇治市 | 書類審査があり、通常2週間程度 | 申請者あてに郵送 |
ほかの市の案内は、地域ごとの墓じまいの記事から探せます。郵送で申請するなら、切手を貼った返信用封筒を同封します。名古屋市は、改葬許可証も郵送で届けています。申請書の欄の書き方と市ごとの手数料は、墓じまいに必要な書類の記事にまとめました。
許可を受けずに改葬をした人は、二万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処すると法律は定めています。
受け取った改葬許可証は、誰に見せて、誰に渡すのか
改葬許可証は、遺骨を取り出すときと、移し先に納めるときに使います。まずは、許可証を受け取ってからの動きを書いた記録です。
公営の霊園にあった父の墓を、母の了承を得て墓じまいした娘(個人ブログ・note)
その許可証を業者さんに渡すとそこからは霊園での工事の日にちの打ち合わせなどは全て業者さん任せです。撤去が終わると写真を送ってくれて、長年お墓に入っているお骨はカビが発生していたりするので、それも洗浄して綺麗にしてくれた状態で家まで持ってきてくれました。
許可証は、霊園の組合事務所で教わった流れに沿って、市役所でもらったものです。遺骨はそのあと、寺の永代供養の墓に納めました。京都市の案内も、今の管理者に許可証を出して取り出し、移し先の管理者に出して納める流れです。
出典: 2年前に実家の墓じまいをしました(note)(台帳: V0113)
取り出すときは、今の墓地の管理者に許可証を見せます。横浜市は「その際は、改葬許可証は渡しません」とし、新しい墓地で必要になると案内しています。八王子市は、管理者によっては許可証が出る前に遺骨の取り出しが要る場合もあるとしています。
納めるときは、移し先の管理者に出します。墓地や納骨堂の管理者は、改葬許可証を受け取った後でなければ遺骨を納めさせてはならないと、法律が定めています。都立霊園の規則も改葬のときは管理者への提出を定め、大谷祖廟(真宗大谷派)は持参を求めています。受け取った管理者は、その日から5年間保存します。
遺骨の取り出しと墓石の撤去は、役所の手続きとは別に頼みます。尼崎市は、撤去工事も遺骨の掘り出しも市では行わず、使用者自身で行うか施工業者に頼むよう案内しています。見積もりの単位(面積・重さ・一式など)は、店によって違います。複数の石材店から見積もりを取り、項目をそろえて額と内訳を比べましょう。北九州市も市立霊園の案内で、複数の業者からの見積りを勧めています。
埋葬許可証・火葬許可証は、墓じまいで要るのか
家族を亡くしたときに受け取った許可証は、墓じまいでも要るのか。母の遺骨を取り出そうとした人も、まずそこで立ち止まっています。
母が眠る霊園の墓を管理する寺が、廃寺だと分かった一人っ子の息子(個人ブログ・note)
しかし父をこの墓に入れないとして、今埋葬してある母の骨はどうするのか?これを取り出すにして、母の埋葬許可証は、どうなっているのか。 この廃寺の責任者の承諾は得なくていいのか? 実力行使して、許可なく私が母の骨壷を取り出せるのか?
父が亡くなった日に、母が10年眠る墓の管理者に電話がつながらず、廃寺だと分かった人です。最後は墓のある自治体に事情を説明し、改葬許可証を出してもらいました。申請に添える書類は、国の省令が決めています。
出典: 実家じまい(三) 墓(note)(台帳: V0127)
亡くなったときに受け取る許可証は、死亡の届出を受けた市区町村が出します。広島市では、死亡届と一緒に申請書を出すと「死体火葬許可証」が交付されます。火葬場は、許可証に火葬の日時を書いて署名・押印し、火葬を頼んだ人に返します。
この許可証は、納骨のときに墓地の管理者へ出す書類です。受け取った管理者は5年間保存します。墓じまいの申請の添付として国の省令が最初に挙げるのは、今の墓地の管理者が作る、遺骨が納まっていることの証明です。横浜市や姫路市では、申請書の所定の欄に管理者が証明を書きます。
| 比べる点 | 火葬許可証(埋火葬許可証) | 改葬許可証 |
|---|---|---|
| 出す役所 | 死亡の届出を受けた市区町村 | 遺骨がいまある地の市区町村 |
| 受け取るとき | 死亡届を出すとき。広島市の場合 | 改葬の許可が出たとき |
| 最後に出す先 | 納骨する墓地の管理者 | 移し先の墓地・納骨堂の管理者 |
| 呼び名の例 | 佐世保市は「埋火葬許可証」、広島市は「死体火葬許可証」 | 管理者によっては、証明を済ませた申請書を「改葬許可証」と呼ぶことがあると八王子市は案内 |
管理者が分からない、証明を作ってもらえないときは、墓のある市区町村に相談します。国の省令は、証明によりがたい特別の事情があれば、市町村長が必要と認める書面で代えられるとしています。下関市は、墓地の看板や地域の人に管理者を聞き、それでも分からなければ市に問い合わせるよう案内しています。
火葬のあと一度も納めずに手元に置いていた遺骨を、移し先へ一緒に納めるなら、改葬許可は要りません。柏市は、火葬済みの証明が付いた埋火葬許可証で納められると答えています。
その許可証が見つからないときは、骨壺や桐箱の中を確かめるよう八王子市は案内しています。広島市は再交付をせず、火葬した火葬場で火葬証明書(手数料350円)を受けて代わりにします。
受け取ったあとで迷うこと
有効期限や、移し先を変えたときの扱いは、市の案内に答えがあります。確かめた市の答えを並べました。
| 迷うこと | 市の案内 |
|---|---|
| 有効期限はあるか | 姫路市は「改葬許可証には有効期限はありません。許可日を記載します」とし、改葬先が手続きの期間を定めている場合もあるとしています。尼崎市も期限は無く、発行後はすみやかに改葬先へ出すよう案内しています。 |
| 移し先を変えたい | 柏市は、許可証に書かれた改葬先と違うなら、もう一度申請が要るとしています。小林市(宮崎県)は、新しい受入先が認めれば、変更前の許可証を使えるとしています。 |
| 移し先が2か所に分かれる | 八王子市は、改葬先ごとに申請書を作るよう案内しています。 |
| 移し先がまだ決まらない | 宇治市は、改葬先が決まってから申請するよう案内しています。下関市は、いったん自宅に持ち帰るなら自宅を改葬先として申請し、決まってから許可証の修正を申請する流れです。 |
| 散骨する・ずっと自宅に置く | 総務省行政評価局が2023年にまとめた報告書には、どちらも改葬許可は要らないという厚生労働省の見解が載っています。下関市は、散骨には改葬許可証が出ないとしています。 |
八王子市は、許可証をなくすと申請を一からやり直す場合があるとして、交付後はすみやかに遺骨を移すよう案内しています。散骨や自宅に置く場合の扱いは墓じまいと改葬の違いの記事、移し先の選び方は墓じまいの遺骨の行き先の記事にまとめました。
まとめ
改葬許可証は、遺骨がいまある市区町村に申請して受け取ります。出るまでは、大津市の窓口なら受付後10〜30分、宇治市は2週間程度で郵送と、市によって違います。
受け取ったら、取り出すときに今の墓地の管理者に見せ、移し先の管理者に出して納めます。期限や移し先を変えたときの扱いも市で違うので、遺骨がいまある市区町村の案内で確かめてください。撤去は、複数の石材店から見積もりを取って比べましょう。
改葬許可証の前に確かめたことを書いた3人の口コミ
最後に、管理者に証明を頼んだ人・しくみを調べた人・役所に確かめた人の記録から、一節ずつ紹介します。
神奈川県の実家近くにあった先祖の墓をしまい、都内の合祀墓(ほかの人の遺骨と一緒に納める墓)へ移した長男(個人ブログ)
ご住職に墓じまい(改葬)の意志を伝え、「埋蔵証明書(埋葬証明書)」の発行を依頼します。
※ 埋蔵証明書(埋葬証明書)…現在の墓地にご遺骨が納骨されていることを証明する書類。
出典: 後悔しない! 墓じまい こうすればうまくいく(ヒロブログ 歳刻を愉しむ)(台帳: V0016)
3つの墓を抱え、60歳を前に墓じまいを考え始めた当事者(個人ブログ・note)
改葬とは、墓地などに納められた遺骨を、別の墓地や納骨堂へ移すこと。1つのお墓に複数の遺骨があれば、申請も複数になることがあります。
出典: 自分的5大事業③ 墓じまい(note)(台帳: V0110)
実家の菩提寺(家が代々付き合ってきた寺)にあった父の墓をしまい、遺骨を散骨した当事者(個人ブログ・note)
本当に要らないのか、役所に確認したが散骨の場合はそもそもそういう届はないとの事だった。
出典: 汚実家片付け番外編 『墓じまい〜散骨』② 具体的な流れ(note)(台帳: V0003)
