まず結論から
- 高知県の墓地の案内と2025年4月の冊子に、墓じまいの助成は載っていません。県内で確かめた高知市は、「墓じまいに関する補助制度はありません」と答えています。
- 改葬(遺骨を別の墓へ移すこと)の許可を出すのは、県ではなく、古い墓のある市町村長です。南国市や四万十市、町村に墓があれば、その役所の担当課に前もって相談します。
- 高知市の市有墓地は、返しても納めた使用料は戻りません。条例が「既納の使用料は、還付しない」と定めています。
- 県内の墓地10,199区域のうち、9,894区域は個人の墓地です。墓地そのものを撤去するなら、廃止の申請が要る場合があり、保健所か市町の担当課に聞きます。
- 見積もりの単位(積算の仕方)は店で違うので、撤去の工事は複数の石材店に見積もりを頼み、額と内訳を比べます。
高知県に墓じまいの補助金はある?県と高知市の資料で確かめた
墓じまいで遺骨を別の墓へ移すことを「改葬」といい、遺骨を移す前に許可を受けます。高知県の冊子は、その許可をするのは古いお墓のある市町村長だと説明しています。墓のある市の役所へ、住民でないまま聞きに行った人の記録です。
疎遠だった父方の墓(京都府の市営墓地)を、祖母の管理料の滞納をきっかけに引き受けた孫(個人ブログ・note)
2年前に、墓地の現状確認と経緯を確認するために、市役所へ行ってみました。市民でもないのにw なにも手がかりがわからず、ふと行ってくるかで訪問した私に対して、懇切丁寧に教えていただき、地理不案内な私に行き方から、詳細の地図も渡していただいて、市役所のご対応に大変感謝しています。
墓は明治時代の2基で、祖母の管理料の滞納から、その存在を知ったといいます。墓に誰が入っているかも、市役所の記録で知りました。高知県の冊子も、改葬は前もって各市町村の担当課に相談するよう勧めています。
出典: 墓じまいをしてみた(途中)(note)(台帳: V0017)
県と高知市の資料から、墓じまいのお金に関わる所を表にまとめました。
| 資料 | 書いてあること |
|---|---|
| 高知県「墓地に関すること」(2025年4月更新) | 墓地をつくる許可と問い合わせ先の案内です。墓じまいの助成は載っていません。 |
| 高知県の冊子(2025年4月) | 改葬の許可をするのは古いお墓のある市町村長と説明しています。墓じまいの助成は載っていません。 |
| 高知県議会(2018年3月) | 旧慣墓地(昔からの慣行で住民が使い続けている墓地)の管理を問われ、健康政策部長は、墓地の運営は管理料を取る受益者負担が原則と答えました。 |
| 高知市のよくある質問(2026年8月更新) | 「高知市においては、墓じまいに関する補助制度はありません」と答えています。 |
| 高知市墓地条例 | 市有墓地を返すときは、「既納の使用料は、還付しない」と定めています。 |
改葬の許可を出すのは古いお墓のある市町村長で、県の冊子には墓地行政の担当課の一覧が載っています。助成があるかも、墓のある市町村の窓口で確かめます。高知市なら環境保全課です。高知市のお金の話は、高知市の墓じまい補助金の記事にくわしくまとめました。
墓じまいを後押しする市は、全国にはあります。総務省が2023年にまとめた報告書は、隣の愛媛県新居浜市の例を挙げています。市営墓地の区画を返し、続けて合葬式の施設を使う人は、その使用料を全額免除する制度です。新居浜市の2025年の案内は、墓石の撤去の補助金や助成金の制度を「設けていません」としています。ほかの自治体の制度は、墓じまい補助金の記事で比べています。
個人や集落の墓地の墓は?管理者の証明と、墓地の廃止の手続き
高知県の墓地は、2024年度末で10,199区域です。数えているのは墓地の区域で、墓の数ではありません。そのうち9,894区域は、経営する主体が個人の墓地です。統計の「その他」は、集落の墓地などを分けた区分です。
県の冊子は、原則として個人で墓地をつくることは認められないと説明しています。個人が墓地を永続的に管理するのは難しく、管理されなくなった墓地は改葬が難しいためです。
2018年3月の県議会では、旧慣墓地も取り上げられました。昭和22年の政令で土地が市町村のものになったあとも、昔からの慣行で住民が使い続けている墓地です。県は実態を把握できていないものの、少なくとも県内14市町村にあると答えています。管理する人が分からない、地域の墓地の墓をしまった人の記録です。
山口の地域の墓地にある父方の祖父の墓を、四十九日に合わせてしまった孫(個人ブログ・note)
聞けば地域の墓場で管理の大元としては自治会らしい。ただ、市役所に聞いても誰が管理しちょるのかもわからないほどに少子高齢化の煽りを受けていました。寺とかが近くにない不思議な墓場が、地域の人々が墓参りをみんなするから成り立ってた管理が今となってはもはや過去のものとなったのを如実に顕すものでありました。
墓は山側の入り口のような所にあり、近くに寺が管理している様子もなかったといいます。遺骨は大きな骨壺にまとめ、寺の永代供養に移しました。管理者が分からない墓地では、改葬の申請に添える書類が変わります。
出典: 墓仕舞いをした話(note)(台帳: V0039)
改葬の申請書には、墓地の管理者が作った、遺骨が納まっていることの証明を添えます。証明が作れない事情があるときは、市町村長が必要と認める、証明に代わる書面で申請できます。何が認められるかは市町村で違うので、窓口に前もって相談します。
総務省は2023年の報告書のために、88市町村を実地で調べました。県内の高知市・土佐市・宿毛市も入っています。管理者が分からない墓地からの改葬で、代わりの書面を求める市町村は47.7%でした。高知市は、今の墓地が当時許可を受けていたかを、改葬の許可の条件にしていません。
墓地そのものをなくすときは、別の手続きも関わります。墓地の撤去や敷地の変更では、廃止の申請や変更の許可が要る場合があります。問い合わせ先は、墓地の所在地を受け持つ保健所か、各市町の担当課です。
| 墓のある場所 | 確かめること |
|---|---|
| 寺の墓地・民営の霊園 | 遺骨が納まっていることを、墓地の管理者に証明してもらいます。 |
| 自治会などが管理する墓地 | 証明を書く管理者が誰かを、まず確かめます。 |
| 管理者が分からない墓地 | 証明に代わる書面で申請します。何を添えるかは、改葬の窓口に前もって相談します。 |
| 個人の墓地をなくす | 廃止の申請が要るかを、保健所か市町の担当課に聞きます。 |
書類の中身は墓じまいに必要な書類の記事、しまわずに置いた墓がどうなるかは墓じまいしないとどうなるかの記事にまとめました。
高知市の外や県外に墓があるときは?申請は墓のある市町村へ
高知県の改葬は、2022年度の1,582件から、2024年度には1,887件に増えました。2024年度の1,887件のうち、高知市が許可したのは1,028件です。高知市の外の市町村が許可した改葬も多くあります。
墓じまいを考える理由で最も多いのは、墓が遠いことです。鎌倉新書が2026年1月、「いいお墓」の利用者のうち墓じまいを検討・実施した733人に聞きました。検討した理由の最多は「お墓が遠方にある」で、52.0%でした。遠い寺の墓を、現地に行かずにしまった人の記録です。
姫路に住み、広島県尾道市にある墓2基のしまいを、寺と石材店に任せた当事者(個人ブログ・アメブロ)
私の住まいは兵庫県姫路市です。
お寺さんは石材業者さんと相談して
「遠方からわざわざ足を運ばなくても全てを現地で済ませられるような配慮」をしてくださる方向で考えてくださいました。
遺骨はすべて合同塚へ移し、墓は更地にする段取りでした。役所への届出の代行も、石材店に払う費目に入っています。改葬の許可は、遺骨がいまある場所の市町村長が出します。
出典: 墓じまいの流れと費用(アメブロ)(台帳: V0097)
改葬の許可を申請する先は、住んでいる市町村ではなく、墓のある市町村です。県外に墓がある人も同じです。県の冊子の担当課の一覧(2024年4月1日現在)をもとに、県内の聞く先を表にしました。
| 墓のある場所 | 改葬の許可 | 墓地の相談先(県の冊子の一覧) |
|---|---|---|
| 高知市 | 環境保全課です。郵送でも申請でき、不備がなければ通常は受付後約1週間で許可証が出ます。 | 環境保全課(墓地管理係)です。 |
| 室戸市・安芸市・香美市・香南市・南国市・土佐市・須崎市・四万十市・宿毛市・土佐清水市 | その市の市長が許可します。 | 各市の担当課です。南国市なら環境課、四万十市なら市民・人権課です。 |
| 町村 | その町村の長が許可します。改葬の相談も、その町村の担当課へ。県や保健所ではありません。 | 墓地をつくる・なくす相談は、地域を受け持つ福祉保健所(安芸・中央東・中央西・須崎・幡多)です。安田町と津野町の個人墓地は、町役場が受け持ちます。 |
改葬許可の手数料は、高知市の案内のページに記載がありません。高知市なら環境保全課、ほかの市町村はその役所で確かめます。寺の墓では、墓石を処分する前に御霊抜きの法要を営み、法要は菩提寺の住職に相談するよう日蓮宗は案内しています。
高知市の窓口と書類の順番は、高知市の墓じまいの記事にまとめました。改葬そのものの仕組みは墓じまいと改葬の違いの記事にあります。四国のほかの県と市は、香川県の墓じまいの記事、松山市の墓じまいの記事、徳島市の墓じまいの記事で扱っています。
高知県で墓じまいを進める順番と、移し先・費用の比べ方
進める順番を表にしました。役所の手続き(3・5・7)は県と高知市の案内により、1の見積もりはこのサイトのすすめとして置いています。
| 段 | すること |
|---|---|
| 1 見積もり | 複数の石材店に見積もりを頼みます。見積もりの単位は店で違います。 |
| 2 親族と決める | なるべく多くの親族と相談します。高知市も、名義を継ぐ人は親族で十分に話し合って決めるよう求めています。 |
| 3 移し先 | 移し先を決め、受入証明をもらいます。移し先が許可を受けた墓地でないと、改葬の許可は受けられません。 |
| 4 証明の用意 | 管理者の証明か、それに代わる書面を用意します。 |
| 5 改葬の許可 | 墓のある市町村に申請します。 |
| 6 閉眼供養 | 御霊抜きの法要をして、遺骨を取り出します。寺の墓は住職に相談します。 |
| 7 撤去と更地 | 高知市の市有墓地は、撤去のあとに返還届を出します。個人や集落の墓地は、廃止の申請が要るかを聞きます。 |
見積もりを最初に置くのは、店によって積算の仕方が違うからです。日本石材産業協会が2023年度に石材店に尋ねた調査(184件の回答)では、見積もりの単位は面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。工事を頼む前に、複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べます。頼み方は墓じまい業者の記事、総額の目安は墓じまい費用の記事にあります。
鎌倉新書の2026年1月の調査で、墓じまいをした・している人の費用は「31万円~70万円」が31.3%で最多でした。閉眼供養のお布施はお布施の記事、親族で費用を分けるときは親族とお金の記事にまとめました。
移し先も確かめます。高知市の市有納骨堂は、道路や公共施設の設置に伴う移転などのために設けたもので、一般の募集はしていません。総務省の2023年の報告書は、合葬式施設の設置例に、県内の宿毛市立墓地公園を挙げています。
同じ鎌倉新書の調査で、墓じまい後の移し先の最多は「永代供養(合祀・合葬墓)」の43.2%でした。移し先の比べ方は永代供養の記事と遺骨の行き先の記事にあります。
まとめ
高知県の墓地の案内と冊子に、墓じまいの助成は載っていません。県内で確かめた高知市は、墓じまいの補助制度はないと答えています。改葬の許可は古い墓のある市町村長が出すので、助成の有無もその窓口で確かめます。
個人や集落の墓地なら、管理者の証明が取れるかと、墓地の廃止の申請が要るかを先に聞きます。撤去は、複数の石材店の見積もりを額と内訳で比べてください。見積もりの単位は店によって違います。高知市の手続きは高知市の墓じまいの記事、お金は高知市の墓じまい補助金の記事にまとめました。墓が隣の県にあるなら、徳島県・愛媛県の記事もあります。
