まず結論から
- 高知市には、墓じまいの補助制度がありません。高知県の墓地の案内と2025年4月の冊子にも、墓じまいの助成は載っていません。
- 市の墓地を返しても、納めた使用料は戻りません。条例が、返すときは「既納の使用料は、還付しない」と定めています。
- 墓石を撤去して更地に戻す工事の費用は、名義人の負担です。遺骨の掘り出しも、市では行いません。
- 市の納骨堂は、一般の募集をしていません。移し先の料金は、骨壺の数で積み上がる施設もあります。
- 見積もりの単位は石材店で違います。複数の店に頼み、額と内訳を比べます。
高知市や高知県に、墓じまいの補助金はある?
高知市のよくある質問には、「墓じまいを考えています。補助金はありますか?」という問いがあります。市の答えは「高知市においては、墓じまいに関する補助制度はありません」です。費用を兄弟で分けるつもりだった人の記録です。
愛知県新城市にあった先祖の墓をしまい、寺の永代供養に移した名古屋の男性(個人ブログ・note)
弟に相談すると、少し前から自身が大病をして入退院を繰り返していて、今は墓じまいをするお金がないので待って欲しいとのこと。
最初に相談してから1年ほど経っても返事がないので、催促すると、やはり待って欲しいとのこと。
うーん、これは何年待っても、お金今ならある、墓じまいしましょうとはならないのじゃないか。
その頃、投資していた株も好調でしたし、仕事も順調だったので一大決心。 今やらないと、ずるずるやらなくなるのが目に見えてます。 俺が全額出すので、親戚への連絡お願いします。
払ったのは、石材店に26万円と寺に72万円の計98万円でした。もとは、父の遺産を分けた3兄弟で一部ずつ出し合う考えでした。高知市でも、市の補助で費用をまかなう道はありません。
出典: 墓じまいからの永代供養98万円也(note)(台帳: V0121)
県の資料も確かめました。高知県の「墓地に関すること」のページと2025年4月の冊子にも、墓じまいの助成は載っていません。墓じまいを支える取り組みのある自治体もあります。表の新居浜市・苫小牧市・鹿児島市は、総務省の2023年の報告書に載った例です。新居浜市の2025年の案内は、墓石の撤去の補助金や助成金の制度を「設けていません」としています。
| 自治体 | 墓じまいへの支援 |
|---|---|
| 高知市 | 墓じまいに関する補助制度はありません。 |
| 高知県 | 墓地の案内と冊子に、墓じまいの助成は載っていません。 |
| 愛媛県新居浜市 | 市営墓地の区画を返し、続けて合葬式施設を使うとき、その使用料を全額免除する制度を条例で定めていました。 |
| 北海道苫小牧市 | 市営墓地の墓じまいの費用を指定金融機関から借りた市民に、利息と信用保証料を最大5万円助成していました。 |
| 鹿児島県鹿児島市 | 承継者がいない人の墓じまいの移し先などに使う合葬墓を、2024年2月の完成予定で整備していました。 |
補助金の種類は墓じまい補助金の記事、四国の例は高松市の墓じまい補助金の記事にまとめました。費用が工面できないときの道は、墓じまいのお金がないときの記事で扱っています。
鎌倉新書は2026年1月、「いいお墓」の利用者のうち墓じまいをした・している人に、かかった費用を尋ねました。最多は「31万〜70万円」の31.3%で、151万円以上の人も14.0%いました。
市の墓地を返しても、使用料は戻らない
高知市の市有墓地のうち、公園墓地・潮江墓地・春野墓地は、使うときに1回限りの使用料を納めます。地区墓地は、ほかの市有墓地を使えない人などに、無料で使わせる墓地です。遠い市営霊園の墓を、現地に行かずにしまった人の記録です。
遠い市営霊園にある家族の墓を、石材店に頼んでしまった女性(個人ブログ・note)
約4か月。
費用は工事費が70万円弱。お墓の中の遺骨を取り出して合葬墓地へ移す際に、お坊さんにも来てもらったので、別途7万円ほどかかった。
4月ごろに石材店へ問い合わせ、市への書類も石材店が代わりに出しました。8月初旬に、墓の撤去と区画の更地化が終わっています。高知市の市有墓地でも、撤去工事の費用は名義人が負担します。
出典: 墓じまい|費用と手続き期間の記録(note)(台帳: V0002)
高知市墓地条例は、墓地の利用をやめて市に返すとき、「既納の使用料は、還付しない」と定めています。返しても、納めた使用料は戻りません。公園墓地の使用料は、条例で墓地ごとに上限が決まっています。
返すときにかかるお金を、市の決まりで並べました。
| お金 | 高知市の決まり |
|---|---|
| 納めた使用料 | 返すときは還付しません。 |
| 撤去工事 | 墓碑などを撤去して更地に戻す工事の費用は、名義人が負担します。 |
| 遺骨の掘り出し | 市では行いません。利用者自身で行うか、施工業者に頼みます。 |
| 墓石の工事代金 | 消費税がかかります。 |
持ち続けるときのお金も、市は答えています。墓地は利用権の貸付なので固定資産税などはかからず、相続税の対象にもなりません。返還届を出す順番は、高知市の墓じまいの手続きの記事にまとめました。
移し先のお金。市の納骨堂は一般募集なし
遺骨の移し先にも、お金がかかります。高知市の市有納骨堂は、道路や公共施設の設置に伴う移転などのために設けたもので、一般の募集はしていません。市営霊園の墓から、寺の永代供養墓へ移した人の記録です。
父の死を機に、市営霊園の墓を姉と寺の永代供養墓へ移した妹(個人ブログ)
私がお願いしたお寺では、お墓から永代供養墓に移した場合の費用は骨壺1つに対して年間1万円でした。
30年供養してもらう場合は、30万円を最初に一括で支払います。
我が家のお墓には、3人の遺骨が入っていますので、30万円×3人で90万円になります。
父親を入れたら120万円です。
予想以上にかかるなと思ったら、住職から「親子は一緒の骨壺に入れるのもありですよ」と言われました。
姉妹は住職の話を受け、4人の遺骨を1つの骨壺にまとめました。墓を更地にした費用と永代供養の費用で、約40万円弱だったといいます。骨壺の数で料金が変わる施設は、ほかにもあります。
出典: 墓じまい:費用とやり方を解説!私たちの選んだ永代供養の詳細(Rinのシンプルライフ)(台帳: V0013)
国民生活センターの「国民生活」2025年12月号の特集は、骨壺で一定期間管理する施設の例として、骨壺1つで30万〜50万円という料金を挙げています。2つめ以降を半額にする施設もあるようだ、とも書いています。先祖代々の墓から取り出す骨壺は、相当な数になる場合もあります。移し先の料金は、骨壺の数で積み上がることがあります。
鎌倉新書の2026年1月の調査では、墓じまい後の移し先の最多は永代供養(合祀・合葬墓)で、43.2%でした。樹木葬が24.1%、一般墓が14.3%、納骨堂が13.3%です。
総務省の2023年の報告書によると、公営の墓地・納骨堂を持つ765市町村のうち、合葬式の施設を持つのは25.5%でした。移し先の選び方は、永代供養の記事と遺骨の行き先の記事で比べています。
高知市の墓じまいで払うお金と、撤去費の比べ方
高知市で墓じまいをするときのお金を、払う先ごとに並べました。
| お金 | 高知市の場合 |
|---|---|
| 改葬許可の手数料 | 案内のページに記載がありません。環境保全課(電話088-823-9471)で確かめます。 |
| 撤去と更地に戻す工事 | 名義人が負担します。 |
| 市の墓地の使用料 | 返しても還付されません。 |
| 移し先の料金 | 骨壺の数で積み上がる施設もあります。 |
| 寺の墓の閉眼供養 | お布施の額はお布施の記事にまとめました。 |
日本石材産業協会が2023年度に石材店に尋ねた調査では、墓じまいの見積もりの単位は、面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。店によって積算の単位が違うので、複数の店の額と内訳を比べます。頼み方は墓じまい業者の記事、総額の目安は墓じまい費用の記事にあります。
費用は、墓じまいをやめる理由にもなっています。鎌倉新書の2026年1月の調査で、墓じまいを検討してやめた人の理由の最多は「解体費用が高すぎた」の22.2%でした。
高知県の助成のことと、墓が高知県内のほかの市町村にあるときの聞く先は、高知県の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
高知市には墓じまいの補助制度がなく、高知県の案内と冊子にも助成は載っていません。市の墓地を返しても、納めた使用料は還付されません。撤去して更地に戻す工事の費用は、名義人の負担です。
移し先の料金は、骨壺の数で積み上がることがあります。撤去の見積もりは単位が店で違うので、複数の石材店の額と内訳を比べてください。手続きの順番は、高知市の墓じまいの手続きの記事にまとめました。
