まず結論から
- 横浜市内にある墓の改葬許可は、墓のある区の区役所戸籍課に申請します。郵送でも出せて、許可証の手数料は無料です。
- 申請先は、住んでいる区ではなく墓のある市区町村です。墓を持つか使える横浜市民では、墓が神奈川県外にある人が42.9%で最も多くいます。
- 申請書の埋蔵証明の欄は、今の墓の管理者に書いてもらいます。横浜市民の墓の48.8%は、寺などの宗教法人墓地です。
- 久保山・三ツ沢・日野公園の市営墓地では、管理事務所にも遺骨の移動を届け出ます。全部移すなら返還も同時で、墓は元の状態に戻して返します。
- 撤去工事は、複数の石材店から見積もりを取って比べます。石材店によって見積もりの物差しが違うからです。
申請はどこの役所へ?住んでいる区ではなく、墓のある区
墓じまいで役所に出すのは、遺骨を別の墓へ移すための「改葬許可」の申請です。横浜市は、改葬には墓地、埋葬等に関する法律に沿った手続きが要ると案内しています。最初につまずくのは、その申請先です。
父が眠る祖父の墓を、永代供養のある所へ移そうとしている38歳の当事者(個人ブログ・アメブロ)
墓じまいって面倒くさいんですね。
霊園だけのやりとりだけと思いきや、引っ越し先をまず決めて、その後、納骨されてる市区町村の役所に申請しないといけないなんて。
これはとても娘には任せられません。。。
墓は、本人と母の家から電車で片道2時間ほどの所にあります。60代の母が墓参りのつらさをこぼし、父の三回忌を待たずに進めることにしました。横浜市の案内も同じ順で、先に改葬先を決め、今の墓がある市区町村の役所に申請します。
出典: 墓じまい(アメブロ)(台帳: V0080)
横浜市の案内では、改葬許可の申請先は、今の墓地などがある市区町村の役所です。申請先は、住所ではなく墓のある場所で決まります。
| 墓のある場所 | 申請先と受け付け |
|---|---|
| 横浜市内 | 墓のある区の区役所戸籍課です。窓口は平日の8時45分〜17時と、第2・第4土曜の9時〜正午に開いています。 |
| 横浜市の外 | 墓のある市区町村の役所です。横浜市に住んでいても、横浜の区役所は申請先になりません。 |
申請書は、横浜市電子申請・届出サービスから印刷するか、区役所戸籍課でもらえます。郵送で出すときは、昼間につながる電話番号を申請書に書き、切手を貼った返信用封筒を同封します。許可証は、遺骨を取り出すときに今の管理者に見せます。渡さずに持ち帰り、移し先の管理者に出します。移し先によっては、墓地使用許可書や埋葬届も求められます。横浜市が許可した改葬は、2024年度に2,754件でした。前の年度は2,363件です。
墓が市の外にある横浜市民は、少なくありません。横浜市は2022年10月、20歳以上の市民5,000人にアンケートを送り、1,822人が答えました。墓を持つか使える1,119人のうち、墓が神奈川県外にある人は42.9%。横浜市内は38.9%、横浜市外の県内は15.3%でした。墓が遠いほど、参る回数は減ります。市内に墓がある人は年3〜4回が37.0%、県外に墓がある人は年1〜2回が43.8%で、それぞれ最も多い回答でした。
寺や霊園の墓は、管理者に埋蔵証明を書いてもらう
申請書には、今の墓に遺骨が納まっていることの証明が要ります。書くのは役所ではなく、墓の管理者です。寺の墓なら、住職に頼むことになります。
母の代わりに、菩提寺にある墓をしまう60代の当事者(個人ブログ・note)
そして、こちらから
改装許可申請書の 現在のお骨を保管している場所として
住職様から 押印を頂いた。
緊張で頭がぐるぐるしていた。
もし、この書類書き間違えがあったら
また住職から印鑑をもらわなくてはいけなくなっちゃう。
書き間違えのないことを祈る。
なんて考えていた。
この日は夫を連れて菩提寺を訪ね、離檀を切り出しました。住職が離檀書を出して書き方を説明し、そのあとで申請書への押印を頼んでいます。横浜市の案内でも、埋蔵証明は通常、申請書の所定の欄に墓地の管理者が証明します。
出典: 菩提寺でついに「離檀」。墓じまいの費用と本音、全部書く(note)(台帳: V0067)
埋蔵証明は、今の墓の管理者に書いてもらいます。管理者が決めた様式でもかまいません。使用者を確かめるため、墓地使用許可書などが要る場合もあります。
墓の名義人と申請する人が違うときは、名義人の委任状か承諾書を添えます。埋蔵証明の発行に、管理者の手数料がかかる場合もあります。
寺の住職に頼む人は、横浜市民では少なくありません。同じアンケートで墓の運営主体を聞くと、寺や教会などの宗教法人墓地が48.8%で最も多くいました。宗教法人以外の民間墓地が18.5%、市営などの公営墓地は14.7%です。
寺や民営の霊園には、それぞれの決まりがあります。横浜市は、墓地の管理者による決まり事を前もって調べることと、手続きの前に親族で話し合うことを勧めています。
名前に「横浜」が付く霊園でも、市営とは限りません。条例と一覧表に名前が出る市営の墓地・納骨堂は、久保山墓地・三ツ沢墓地・日野公園墓地・メモリアルグリーン・久保山霊堂・日野こもれび納骨堂などです。ここにない霊園の返還や工事の決まりは、その管理者に確かめます。
市営墓地の墓は、管理事務所への届出と返還も要る
久保山墓地・三ツ沢墓地・日野公園墓地のような市営墓地では、区役所の許可とは別に、管理事務所への届出が要ります。
熊本にある市の霊園の、実家の墓をしまうことにした当事者(個人ブログ・アメブロ)
2. 役所に
❶改葬許可申請届
❷墓地使用廃止届
を申請
⬇️
3. 役所から
❶改葬許可証
❷墓地使用廃止届
に許可印をもらう
⬇️
4. お墓の管理事務所に出向き
❶改葬許可証に記入してもらい
コピーを保存してもらう
2024年10月末に熊本へ出向き、住職に相談してから動き出した家族の記録です。墓は寺ではなく市の霊園にあり、管理事務所に電話すると丁寧に教えてもらえたといいます。横浜市の市営墓地でも、全部の遺骨を移すなら、墓地の返還を同時に届け出ます。
出典: 墓じまい①(アメブロ)(台帳: V0034)
横浜市の市営墓地の諸手続一覧表には、墓じまいで使う届出が並んでいます。
| 管理事務所への手続き | いつ・何を出すか |
|---|---|
| 名義の書換(承継) | 名義人が亡くなったときなどに行います。前の使用者との関係で書類が違うので、先に管理事務所へ相談します。 |
| 遺骨の移動 | 届出書と使用許可証に、改葬許可証明申請書と移し先の受入証明書などを添えます。 |
| 墓地の返還 | 全部の遺骨を移すときに、同時に行います。返還届出書と使用許可証を出します。 |
| 工事の施工 | 墓地の中で工事をするときに、工事施工届出書と使用許可証、設計図を出します。 |
区役所で改葬許可を申請するのは、墓地の管理事務所がある区です。返還の届出は、返す理由が生じた日から1か月以内に出し、遺骨を引き取る決まりです。条例は、使う必要がなくなった墓地を元の状態に戻して、市長に返すよう定めています。
名義人が亡くなっているなら、先に名義を書き換えます。条例では、使用者が亡くなったとき、祭しを主宰する人が市長の許可を得て使用権を継ぐことができます。使用者と違う姓でも承継できます。
どの届出にも、墓地の使用許可証を添えます。住所や姓が変わっていれば書換を、なくしたときは再交付を申請します。
しまわずに置いた場合の定めもあります。久保山・三ツ沢・日野公園の墳墓地で管理料を5年間納めないとき、市長は使用許可を取り消すことができます。墓じまいを見送った場合の話は、墓じまいをしないとどうなるかの記事にまとめました。
横浜で墓じまいを進める順番
ここまでの手続きを、順番に並べます。役所と管理事務所の手続きの順番は、横浜市の案内と諸手続一覧表によります。先頭の見積もりは、この記事のすすめです。
見積もりを最初に置くのは、石材店によって見積もりの物差しが違うからです。日本石材産業協会が石材店に積算の単位を聞いた調査では、184件の回答が面積・体積・重さ・一式・人件費などに分かれました。複数の石材店から見積もりを取って比べてください。頼み先の選び方は、墓じまい業者の記事にまとめました。
移し先に市営の合葬式の施設を選ぶなら、募集の時期に合わせます。令和8年度の募集では、舞岡しぜん墓園と日野こもれび納骨堂の申込みを、2026年9月1日〜30日に郵送かインターネットで受け付けました。使用の許可と納骨は、2027年4月以降です。申し込めるのは、横浜市に3か月以上住んでいる人です。施設ごとの使用料は、横浜市の墓じまい補助金の記事にまとめました。遺骨の行き先の選び方は、墓じまいの遺骨の行き先の記事にまとめました。
迷ったときは、どこに聞けばいいか
聞きたいことによって、問い合わせる先が分かれます。
| 聞きたいこと | 問い合わせる先 |
|---|---|
| 改葬許可の書類と申請 | 墓のある区の区役所戸籍課です。墓が市の外なら、その市区町村の役所です。 |
| 市営墓地の名義・届出・返還 | その墓地の管理事務所です。手続きの詳しいことは管理事務所に問い合わせるよう、一覧表に書かれています。 |
| 寺や民営霊園の証明と決まり事 | その墓の管理者です。埋蔵証明の手数料も、管理者に確かめます。 |
| 市営の合葬式などへの申込み | 横浜市営墓地・納骨堂使用者募集室です。申込みの詳細は、区役所などで配る申込みのしおりで案内されます。 |
| 撤去工事の費用 | 複数の石材店です。見積もりの物差しが店ごとに違うので、並べて比べます。補助金の有無と費用を抑える手立ては、横浜市の墓じまい補助金の記事にまとめました。 |
墓が神奈川県内のほかの市町村にあるときの聞く先と、神奈川県の助成のことは、神奈川県の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
横浜市内の墓の改葬許可は、墓のある区の区役所戸籍課に申請します。郵送でもよく、許可証の手数料は無料です。墓が市の外にあるなら、その市区町村が申請先です。
申請書の埋蔵証明は、今の墓の管理者に書いてもらいます。市営墓地では、管理事務所への遺骨の移動と返還の届出も要り、墓は元の状態に戻して返します。工事の見積もりは、複数の石材店から取って比べてください。見積もりの単位は店によって違います。
