横浜市の墓じまい補助金は?制度なし・無料の手続きと合葬式の費用

横浜市の墓じまい補助金は?制度なし・無料の手続きと合葬式の費用
目次

横浜市で墓じまいをすると、補助金は出るのか。まずその答えを確かめたい方が多いはずです。

この記事では、補助金の有無の答えと、補助金の代わりに費用を抑える手立てを整理します。横浜市の公式ページ、横浜市墓地及び納骨堂に関する条例と施行規則、市営墓地の諸手続一覧表と募集の記者発表資料、日本石材産業協会の調査を出典にしました。

まず結論から

  • 横浜市に、墓じまいの補助金制度はありません。市の公式ページが、一文でそう答えています。
  • 市川市や浦安市の補助は、その市の墓地を使っている人に向けた制度です。墓を持つか使える横浜市民では、墓が神奈川県外にある人が42.9%で最も多くいます。
  • 横浜市で無料なのは、改葬許可証の手数料と、市営墓地の返還の届出です。
  • 納めた使用料と管理料は、原則として戻りません。使用料が戻る場合として規則が挙げる施設に、久保山・三ツ沢・日野公園の墳墓地は入っていません。
  • 市営墓地の墓は、使用者が元の状態に戻して返します。撤去工事は、複数の石材店から見積もりを取って比べます。見積もりの単位は店によって違います。

横浜市に補助金はあるか。無料の手続きと戻らないお金

横浜市の公式ページは、本文が「横浜市には墓じまいに関する補助金制度はありません。」の一文です。問い合わせ先は医療局健康安全部生活衛生課で、最終更新日は2023年12月27日です。

補助金を探すのは、お金の心配があるからでしょう。横浜市が2022年10月に行った市民アンケートで「墓じまいを予定」と答えた111人のうち、使用料や管理料を不安に挙げた人は40.5%でした。最も多いのは継ぐ人がいないことで、72.1%です。自由意見でも、「墓じまい(手続き・費用が大変)・墓の移転」に分類された意見が44件ありました。

「墓じまいを予定」と答えた横浜市民111人のお墓についての不安を示した横棒グラフ(複数回答・2022年10月)。継ぐ人がいない(いなくなる恐れも含む)が72.1%、使用料や管理料などが40.5%、今後のお墓の手入れが28.8%、不安や心配はないが9.9%、寺院や教会、民間墓地等の将来が9.0%
図1: 墓じまいを予定する横浜市民のお墓の不安。出典: 横浜市「令和4年度 横浜市墓地に関する市民アンケート調査 報告書」

補助金は無くても、市の手続きそのものにかかるお金は小さく済みます。改葬許可証の手数料は無料です。

手続き・お金横浜市の定め
改葬許可証(区役所戸籍課)手数料は無料です。
市営墓地の返還の届出手数料は無料です。
市営墓地の遺骨の移動の届出1通(6体まで)300円です。
市営墓地の名義の書換300円です。
寺や民営霊園の埋蔵証明管理者の手数料がかかる場合があります。
納めた使用料と管理料原則として返しません。

お金がかかるのは、墓を元の状態に戻す工事

手続きの手数料が小さい一方で、市営墓地には墓を元の状態に戻して返す決まりがあります。市営墓地の墓をしまった人の記録で、何にいくらかかったかを見てみます。

祖父名義のままだった遠方の市営墓地の墓を、自分の名義に変えてしまった当事者(個人ブログ・note)

さて、無事に墓じまいが終了しました。

実際にかかった費用は、

墓石工事費 約¥550000

行政手続き ¥0(上にコミコミ)

離檀料 ¥0(市営墓地で寺なし)

改葬費 ¥0(骨は出なかった)

合計 約¥550000

墓は2基あり、行政の手続きも含めて、墓じまいを扱う会社に任せた記録です。ほかの業者とは比べなかったと書いています。横浜市の市営墓地でも、返還の届出は無料で、墓を元の状態に戻すのは使用者です。

出典: 墓じまいをしてみた(完結)(note)(台帳: V0125)

条例は、使う必要がなくなった墓地を、直ちに元の状態に戻して市長に返すよう定めています。返さないときは、市長が必要な措置をとり、その費用を取り立てることができます。

墓じまい全体の額も見ておきます。鎌倉新書は2026年1月、同社の「いいお墓」で資料請求や霊園見学をした人に調査をしました。墓じまいをした人と進めている人の実施費用は、「31万円〜70万円」が31.3%で最多でした。151万円以上も14.0%あり、墓地の広さや移し先で額に幅が出ます。内訳は墓じまい費用の記事にまとめました。

持ち続けるあいだにも、お金はかかります。久保山・三ツ沢・日野公園の墳墓地の管理料は、年度ごとに納めます。納めた使用料と管理料は、原則として戻りません。

使用料が戻る場合は、施行規則が次のように定めています。

施設使用料が戻る場合戻る額
壁面式納骨施設・家族納骨壇使用許可期間のうちに使用をやめたとき残りの期間の分の2分の1
芝生型納骨施設・自動搬送式納骨施設許可を受けた日から5年以内に使用をやめたとき納めた使用料の2分の1

墳墓地は、この2つに入っていません。ほかに戻るのは、使用者の責任でない理由で施設を使えなくなったときや、市長が特に必要と認めたときで、額はその都度市長が決めます。

撤去工事の費用は、見積もりを並べて比べる

工事の額は、石材店によって開きます。5社に見積もりを頼んだ人の記録です。

山の中にある父の墓と先祖の墓、2基をしまうことにした一人娘の当事者(個人ブログ・note)

実際の見積もりは以下の通りでした(端数切り捨て)。

⚫︎A社 676,000円

⚫︎B社 420,000円

⚫︎C社 401,000円

⚫︎D社 395,000円

⚫︎E社 248,000円

この結果を見て、「こんなに差が出るのか」と驚きました。5社に見積もりをお願いして、本当に良かったと思います。

足元の土がやわらかくなってきた墓で、父の弟が亡くなったのをきっかけに動き出しました。写真と案内図をメールで送り、やり取りもすべてメールで済ませています。見積もりの物差しは、石材店ごとに違います。

出典: 墓じまいを決めるまでの話【5社見積もりを取って分かったこと】(note)(台帳: V0001)

日本石材産業協会が石材店に積算の単位を聞いた調査では、184件の回答が、墓地の面積・石の体積・重さ・一式・人件費などに分かれました。同じ墓でも、店によって数え方が違います。市営墓地で工事をするときに管理事務所へ出す届出は、手数料が無料です。

補助金の無い横浜市で工事費を抑えるには、複数の石材店から見積もりを取って比べてください。頼み先の選び方は墓じまい業者の記事にまとめました。

移し先を市営の合葬式にすると、いくらかかるか

墓じまいのお金は、墓を片付ける費用だけでは終わりません。遺骨の移し先にも費用がかかります。公営の合葬式墓地を選んだ人の記録です。

兄の墓をしまい、遺骨を公営の合葬式墓地へ移した当事者(メディア記事・HALMEK up の読者寄稿)

代が変わったから、経営方針が変わっただけ。こちらが契約書をよく読まず、勘違いしていただけ。とはいえ、住職が変わったとたん、管理費を請求されたので、ちょっともやもやした気分に……。

そういったこともあり、新しい移転先は、とにかく明朗会計であることにこだわりました。

公営の合葬式墓地は金額が明確ですし、私営と違って倒産する心配がないので安心です。

兄の墓を建てたとき、先代の住職からは管理費を1年ごとに払えばよいと言われていたそうです。2025年6月に墓じまいをし、合葬式の使用料に11万円を払いました。横浜市の市営の合葬式も、使用料と管理料が施設ごとに決まっています。

出典: 「墓じまいの」金銭トラブルを防ぐ!総額45万円で抑えたわが家の体験談(HALMEK up)(台帳: V0020)

横浜市は令和8年度、舞岡しぜん墓園と日野こもれび納骨堂の使用者を募集しました。合葬式の1体分の額は次のとおりで、使用料と管理料を別に納めます。

施設(使える期間)使用料管理料
日野こもれび納骨堂 合葬式(60年)7万4,800円4万6,200円
舞岡しぜん墓園 慰霊碑型・粉骨(30年)9万円6万6,000円
舞岡しぜん墓園 樹林型(永年)10万円6万6,000円
舞岡しぜん墓園 慰霊碑型・骨壺(30年)14万円6万6,000円
舞岡しぜん墓園 樹木型(永年)22万円6万6,000円

申し込めるのは、横浜市に3か月以上住んでいる人です。令和8年度の申込みは2026年9月1日〜30日で、使用の許可と納骨は2027年4月以降でした。合葬式の使用権は、承継の対象から外れています。

条例では、市営の墓地を使えるのは原則として市内に住所のある人です。市外の人が使用の許可を受けたときの使用料は、5割増しと定めています。

移し先を選ぶとき、いちばん多く重視されるのは費用です。同じアンケートで、お墓の取得を望む377人に最も重視する事項を1つ聞くと、取得費や維持管理費が32.6%で最多でした。管理者への信頼や安心感が17.2%、自宅からの距離が15.6%で続きます。

お墓の取得を希望する横浜市民377人が、取得するとき最も重視する事項を1つ選んだ結果の横棒グラフ(2022年10月)。お墓の取得費や維持管理費が32.6%で最も多く、墓地の管理者への信頼や安心感が17.2%、自宅からの距離が15.6%、交通の便が14.9%、墓地の雰囲気や周辺の環境が10.9%、こだわらないが4.0%、宗教的事項(宗旨宗派)が1.1%、その他が0.3%、無回答が3.4%
図2: お墓を取得するとき最も重視する事項。出典: 横浜市「令和4年度 横浜市墓地に関する市民アンケート調査 報告書」

合葬のほかの行き先は、墓じまいの遺骨の行き先の記事で比べています。

墓が横浜の外にあるなら、その自治体の制度を見る

補助のある市の制度は、住所ではなく、その市の墓地を使っている人が対象です。市川市は市川市霊園の使用者に、浦安市は墓地公園の使用者に、墓を元に戻す費用の助成を設けています。浦安市の助成の上限は15万円で、申請では石材店の見積書の原本を示します。

助成のほかにも、墓地ごとの制度があります。市川市は、返す墓地の使用料の一部を返します。浦安市は、墓所を返す人が改葬先の合葬式墓地の使用料を負担せずに、遺骨を移せる制度を設けています。

墓を持つか使える横浜市民では、墓が神奈川県外にある人が42.9%で最も多くいます。補助が使えるかは、墓のある自治体と墓地で決まります。助成のある自治体の例は墓じまい補助金の記事に、墓のある場所ごとの申請先は横浜市の墓じまいの手続きの記事にまとめました。

神奈川県の助成のことと、墓が神奈川県内のほかの市町村にあるときの聞く先は、神奈川県の墓じまい補助金の記事にまとめました。

まとめ

横浜市に、墓じまいの補助金制度はありません。改葬許可証の手数料と、市営墓地の返還の届出は無料です。納めた使用料と管理料は原則として戻らず、戻る場合は施行規則が定めています。

お金がかかるのは、墓を元の状態に戻す工事です。市営墓地では使用者が行います。複数の石材店から見積もりを取って比べてください。見積もりの単位は店によって違います。移し先に市営の合葬式を選ぶなら、使用料と管理料は施設ごとに決まっています。墓が横浜の外にあるなら、その自治体の制度を確かめましょう。

参考文献

  1. 日本石材産業協会 (2023)「お墓じまいに関する業界内意識調査」結果(2023年度お墓じまいアンケート). 回答者は石材店.
  2. 鎌倉新書 (2026)【第4回】改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年). 回答者は同社サイト「いいお墓」経由で資料請求・霊園見学をした人(有効回答733件・2026年1月調査).
  3. 横浜市 (2023)「令和4年度 横浜市墓地に関する市民アンケート調査 報告書」. 20歳以上の市民5,000人を無作為抽出(2022年10月・回収1,822件).
  4. 横浜市「改葬(遺骨の移動)の手続き」(2024年1月25日更新).
  5. 横浜市「諸手続一覧表(久保山・三ツ沢・日野公園墓地用)」(2021).
  6. 市川市「市川市霊園一般墓地返還促進事業」.
  7. 浦安市「墓所返還者等支援事業」(令和8年4月24日更新).
  8. 横浜市「横浜市には墓じまいに関する補助金制度はありません」(2023年12月27日更新).
  9. 横浜市「横浜市墓地及び納骨堂に関する条例」第7条(使用料等の不返還)・第9条(使用権の承継)・第14条(使用場所の返還).
  10. 横浜市「横浜市墓地及び納骨堂に関する条例施行規則」第5条の3(管理料の納付方法)・第7条(使用料等の返還).
  11. 横浜市「令和9年度に舞岡しぜん墓園を新規オープンします ~令和8年度 市営墓地(舞岡しぜん墓園・日野こもれび納骨堂)の使用者募集を開始します~」記者発表資料(2026年6月30日).

当事者の口コミの出典: V0125(note)/V0001(note)/V0020(HALMEK up)。いずれも本人が公開している記録で、引用は原文のままです。

更新履歴: 2026-09-29 公開/2026-10-05 見積もりをすすめる文の出典を正した