墓じまいは増えている?改葬は2年連続増の17.6万件・理由と割合

墓じまいは増えている?改葬は2年連続増の17.6万件・理由と割合
目次

「墓じまいが増えている」と聞いて、本当なのか、どのくらいの人がしているのかを確かめたくなった方もいるでしょう。自分の家の墓を考え始めたところなら、なおさら気になるはずです。

この記事では、厚生労働省の統計で件数の推移を確かめます。増えている理由と、墓を移した人の割合は、全日本仏教会・横浜市・総務省の資料と事業者の調査、当事者の口コミで整理します。

まず結論から

  • 増えています。厚生労働省の統計では、全国の改葬(遺骨を別の墓や納骨堂へ移すこと)は2024年度に176,105件でした。2022年度は151,076件、2023年度は166,886件で、2年続けて増えています。
  • 統計にあるのは「墓じまい」ではなく改葬の件数です。墓から墓への引っ越しや、墓地の移転による改葬も入ります。無縁の墓の改葬は、同じ3年度で3,414件、3,651件、3,006件と、増えてはいません。
  • 理由は、墓が遠いことと家族の負担です。2026年に3つの会社が経験者や検討者に聞いた調査は、どれも遠方が最多でした。全日本仏教会と大和証券の2024年の調査では、墓を移したい人・移した人の理由は「家族の負担軽減」が51.2%で最多です。
  • 割合は調査ごとに違います。全日本仏教会と大和証券の2024年12月の全国調査では、継ぐ墓がある3,292人のうち、すでに移した人が5.3%、移したい人が16.0%でした。

墓じまいは本当に増えているのか

墓じまいの相談を受ける側からも、増えてきたという声が出ています。

地域の高齢者の相談を受け、墓じまいの支援もしている人(note)

高齢者の相談を受けていると、様々な話しをいただきます。

この郵便物はなに? スマホの使い方がわからない。 など日常で起こること。

葬儀はどうしよう 相続のご相談 子どもがいないので、これからどうしたらいい などのこれからの不安など

そんな中に「墓じまい」が、増えてきています。

本人は、地域のお年寄りを支えたいと独立しました。墓じまいの支援は3回終え、4回目に取りかかっています。国の統計でも、改葬の件数は2年続けて増えています。

出典: 高齢者の支援 ~墓じまい~(note)(台帳: V0044)

改葬の件数は、厚生労働省の統計(衛生行政報告例)に年度ごとに載っています。同じ表には、無縁の墓の改葬の件数も並んでいます。

年度全国の改葬うち無縁の墓の改葬
2022年度151,076件3,414件
2023年度166,886件3,651件
2024年度176,105件3,006件

統計に載っているのは改葬の件数で、墓じまいはその一部です。改葬は、墓や納骨堂に納めた遺骨を、ほかの墓や納骨堂へ移すことです。宇治市は、改葬の許可の申請書を、亡くなった人1体につき1枚出すよう案内しています。鎌倉新書の調査も、埋葬されている人数分だけ申請書の記入が要るケースがあると書いています。

問芝志保氏は2022年の論文で、改葬を次の3つに分けています。

改葬の種類中身
墓を使う人の都合による改葬墓から墓への引っ越し、一時預け所から墓への納骨、墓じまい。
墓地の管理者の都合による改葬墓地の移転や区画整理など。
無縁の墓の改葬法令に基づく手続きを経て無縁となった墓を、墓地の管理者が改葬するもの。

同じ論文は、1997〜2019年の改葬の件数を並べ、2014年以降に増えるペースが上がったと述べています。無縁の墓の改葬は、必ずしも増えているとは言えないとしています。そのうえで、増えた分は墓じまいによるものではないかという仮説を示しています。第一生命経済研究所の小谷みどり氏も2016年の論考で、2013年だけで改葬は8万件を超え、ここ15年で緩やかに増える傾向にあると書いていました。

都道府県ごとの件数も同じ表にあり、2024年度は北海道が14,628件、東京都が12,982件でした。市ごとの数は北海道の墓じまいの記事と東京都の墓じまいの記事に、改葬の意味は墓じまいと改葬の違いの記事にまとめています。

いちばん多い理由は、墓が遠いこと

なぜ増えているのでしょうか。墓じまいを経験した人や検討した人に理由を聞いた調査では、墓の遠さが最も多く挙がります。

母方の実家の墓のことを、妹と話し合い始めた人(note)

「あのお墓、私たちの代がいなくなったらどうなるんだろう…」 母がずっと気に病んでいる様子を見るたび、胸が少しキュッと締め付けられます。 お参りに行きたくても、遠方であることや家族の高齢化もあって、以前のように気軽に出かけられなくなってきました。

16年ほど前には、義父母に頼まれて関西の墓をたたみ、遺骨を寺へ移しました。そのときの理由も、遠方で行きづらいことでした。鎌倉新書の調査でも、検討した理由の最多は遠方です。

出典: 遠方の墓じまいと、嫁いだ私の立場~無縁仏にしないための小さな一歩(note)(台帳: V0045)

2026年に行われた3つの調査は、どれも遠さを最も多い理由に挙げています。実施した会社と、聞いた相手は次のとおりです。

調査(実施・時期・聞いた相手)最も多かった理由2番目に多かった理由
鎌倉新書(2026年1月・「いいお墓」の利用者のうち改葬・墓じまいを検討・実施した人)お墓が遠方にある 52.0%お墓の継承者がいない 44.1%
株式会社huhu「わたしたちの墓じまい」(2026年2月・墓じまいの経験がある100人・複数回答)お墓の遠方管理が負担になった 66.00%墓の継承者がいない(子供がいない)31.00%
墓じまいパートナーズ(2026年3月・経験者52人と検討者178人・複数回答)遠方のため 47.8%墓参りが難しくなった 37.8%

3つの調査とも、最も多い理由は墓が遠いことでした。鎌倉新書は、前回2024年の調査でも「お墓が遠方にある」が54.2%だったと書いています。

全国石製品協同組合は2026年4月、全国の40〜70代500人に聞きました。墓じまいを検討するきっかけは「今あるお墓の管理やお参りが大変」が21.0%で最多でした。

小谷氏は同じ論考で、人が地域を越えて移り住むほど、先祖の墓がなじみのない場所にある人が増えると述べています。住まいの近くに墓を移したいと考える人は少なくない、とも書いています。

子に継がせたくない・継ぐ人がいない

遠さと並んで多いのが、墓を継ぐ人の負担や、継ぐ人がいないという理由です。

60歳を前に、墓じまいを進めようと考えている人(note)

お墓を持っているということは、墓参りや掃除だけではありません。

お盆、何周忌、棚経など、そのたびに手間とお布施とか〇〇料とかが必要になる。お寺から寄付を求められることもあります。

年間を通して考えると、無視できない時間とお金です。

それを、子供1人に背負わせたくない。

家族の墓は3つあり、このままなら成人した娘が1人で3つの管理と供養を担うことになる、と本人は書いています。全日本仏教会の調査でも、墓を移したい理由の最多は家族の負担の軽減でした。

出典: 自分的5大事業③ 墓じまい(note)(台帳: V0110)

全日本仏教会と大和証券は2024年12月、全国の20〜79歳にインターネットで調査しました。墓を移したい人と、すでに移した人に理由を聞いた結果が図1です。

墓を移したい理由・移した理由を示した横棒グラフ。将来、家族の負担を軽減するためが51.2%で最も多く、住んでいる場所から遠いが43.2%、お墓を承継する人がいないが35.5%。今の寺院や住職に不満があるは7.1%、宗派を変えたため(変えたいため)は2.6%、その他は3.6%。全日本仏教会と大和証券が2024年12月に行った全国調査で、墓を移したい人と移した人(集計700人)が答えた
図1: 墓を移したい・移した理由。出典: 全日本仏教会・大和証券「仏教に関する実態把握調査(2024年度)報告書」Q13

最も多い理由は、家族の負担を減らすことで51.2%でした。「今の寺院や住職に不満がある」は7.1%で、報告書もかなり低い水準だと書いています。

横浜市は2022年の市民調査で、墓じまいを予定している111人に、墓について不安なことを聞いています(複数回答)。72.1%が「継ぐ人がいない(もしくはいなくなる恐れがある)」を選びました。

新居浜市は、少子化や地方の過疎化を背景に、墓じまいを検討する人が増えているとしています。例に挙げるのは「子どもに負担をかけたくない」「お墓が遠方にありお墓参りが難しい」「夫婦それぞれの実家のお墓を見ることが大変」です。

総務省も2025年の資料で、家族の形の変化や都市部への人口集中などを挙げています。家族や子孫が継ぐことを前提にしてきた祭祀(先祖をまつること)の意識が、変わりつつあるとしています。継ぐ人の要らない移し先は、永代供養の記事と遺骨の行き先の記事にまとめました。

墓じまいをした人・したい人はどれくらいいるのか

どれくらいの人が墓を移しているのかは、調査で聞いた人の中の割合で見ます。全日本仏教会と大和証券は、2022年度と2024年度の調査で、継ぐ墓がある人に墓を移したいかを聞いています。

継ぐ墓がある人のうち、すでに墓を移した人と移したい人の割合を2回の調査で並べた横棒グラフ。すでに移した人は2回とも5%台。2022年度調査(集計3,372人)はすでに移したが5.0%、移したいが16.7%。2024年度調査(集計3,292人)はすでに移したが5.3%、移したいが16.0%。全日本仏教会と大和証券が全国の20〜79歳に行ったインターネット調査による
図2: 継ぐ墓がある人のうち、墓を移した人・移したい人。出典: 同「2022年度報告書」Q9/同「2024年度報告書」Q11(全日本仏教会・大和証券)

2024年12月の調査では、継ぐ墓がある3,292人のうち、すでに移した人は5.3%、将来移したい人は16.0%でした。2022年12月の調査では、3,372人のうち5.0%がすでに移し、16.7%が移したいと答えています。

年代や住む場所でも差があります。菩提寺(代々付き合ってきた寺)がない人のうち、地方に住む60代以上(集計107人)では、すでに移した人が9.6%でした。

自治体の調査もあります。横浜市が2022年10月に20歳以上の市民に聞いた調査では、回答した1,822人のうち6.1%が、先祖の墓が「ある(墓じまいを予定)」と答えました。

全日本仏教会の調査はインターネット調査会社のモニター、横浜市の調査は住民基本台帳から無作為に選んだ市民が相手です。

まとめ

墓じまいを含む改葬は、2024年度に全国で176,105件あり、2年続けて増えています。統計にあるのは改葬の件数で、無縁の墓の改葬は増えていません。

理由として多く挙がるのは、墓が遠いことと、家族に負担を残したくないことです。継ぐ墓がある人のうち、すでに移した人は5.3%でした。

墓じまいで何をするのかと流れは墓じまいとはの記事に、かかるお金は墓じまい費用の記事にまとめています。墓を残すとどうなるかは、墓じまいしないとどうなるかの記事で確かめられます。

墓じまいを考えた・決めた3人の口コミ

最後に、墓じまいを考え始めた人と、決めた人の記録から、一節ずつ紹介します。

市営霊園の墓参りで、隣の墓が更地になっているのを見た人(note)

うちも子供がいないし、いずれ墓じまいをしなければなりません。

それに、秋田の実家の母親が眠っているお墓も、父が亡くなればそこで終わりです。

出典: 墓じまい(note)(台帳: V0047)

姉から墓参りの代行を勧められ、墓の今後に悩む3人の子の父(アメブロ)

う~~~ん、代行って結構なお金がかかりますからね。

そして、結局はその支払いを子供たちが継ぐことになるでしょうし。

それは絶対に避けたいですね。

出典: お墓の今後について悩む(アメブロ)(台帳: V0100)

父の介護や墓の手続きを一人で担い、墓を閉じると決めた娘(note)

お墓を閉じるという決断は、後ろ向きな諦めなんかじゃない。私なりの、家族への精一杯の「愛」の形だったのだ。

出典: 私が「お墓」を閉じた本当の理由(わけ)〜父の内に秘めた愛と、私の覚悟〜(note)(台帳: V0108)

参考文献

  1. 全国石製品協同組合(全石協)(2026)「墓じまい」に関するアンケート調査(2026年4月調査・全国40才代から70才代の男女500名).
  2. 全日本仏教会・大和証券 (2025) 仏教に関する実態把握調査(2024年度)報告書. 全国の20〜79歳の男女へのインターネット調査(2024年12月・本調査はウェイトバック後6,192サンプル).
  3. 小谷みどり (2016) 墓の現代的課題. Life Design Report Spring 2016.4. 第一生命経済研究所 ライフデザイン研究本部.
  4. 問芝志保 (2022)「メディア報道にみる無縁墓の戦後史―何が問題とされたのか―」.
  5. 鎌倉新書 (2026)【第4回】改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)全文版. 回答者は同社サイト「いいお墓」経由で資料請求・霊園見学をした人のうち、改葬・墓じまいを検討・実施した人(2026年1月・有効回答733件).
  6. 墓じまいパートナーズ (2026)「墓じまい実態調査2026」. 墓じまいを経験または検討した230人へのインターネット調査(2026年3月).
  7. 株式会社フーフー「わたしたちの墓じまい」(2026)「墓じまいの流れに関する実態調査」. 墓じまいの経験がある男女100人へのインターネット調査(2026年2月6日実施).
  8. 全日本仏教会・大和証券 (2023) 仏教に関する実態把握調査(2022年度)報告書. 全国の20〜79歳の男女へのインターネット調査(2022年12月・本調査はウェイトバック後6,184サンプル).
  9. 厚生労働省 (2025)「衛生行政報告例 令和6年度」第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数. e-Stat.
  10. 厚生労働省「衛生行政報告例 令和5年度」第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数(全国の行). e-Stat.
  11. 厚生労働省「衛生行政報告例 令和4年度」第6表 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数(全国の行). e-Stat.
  12. 総務省行政評価局 (2025)「墓地行政に関する調査 改善措置状況(1回目のフォローアップ)の概要」.
  13. 横浜市 (2023)「令和4年度 横浜市墓地に関する市民アンケート調査 報告書」. 20歳以上の市民5,000人を無作為抽出(2022年10月・回収1,822件).
  14. 新居浜市(環境政策課)「墓じまいについて」(2025年4月1日更新).
  15. 宇治市「改葬の手続きについて」.

当事者の口コミの出典: V0044(note)/V0045(note)/V0110(note)/V0047(note)/V0100(アメブロ)/V0108(note)。いずれも本人が公開している記録で、引用は原文のままです。

更新履歴: 2026-10-05 公開