墓じまいの調査を比べると?した人の割合は5.3%から45.2%

墓じまいの調査を比べると?した人の割合は5.3%から45.2%
目次

墓じまいをした人はどれくらいいるのか。調査を探すと、「した人」の割合が数%のものもあれば、4割を超えるものもあって戸惑うかもしれません。

この記事では、全日本仏教会と大和証券、全国石製品協同組合、鎌倉新書などの調査を、聞いた相手と言葉の中身で並べます。横浜市・前橋市・東京都が住民に聞いた調査と、日本都市計画学会の論文集に載った研究、当事者の口コミもあわせて見ます。

まず結論から

  • 墓じまいをしたことが「ある」か「検討中」の人は、40〜70代の500人のうち8.6%でした。全国石製品協同組合が2026年4月にインターネットで聞いた調査です。墓の引っ越し(改葬)や墓じまいを検討・実施した733人に、鎌倉新書が2026年1月に聞いた調査では、実施したことがある人が45.2%です。
  • 2つの調査は、聞いた相手が違います。全国石製品協同組合は全国の40〜70代に聞きました。鎌倉新書は、墓のサイト「いいお墓」で資料請求や霊園見学をした人のうち、改葬・墓じまいを検討・実施した人に聞いています。
  • 「墓じまい」の中身も調査で違います。全国石製品協同組合の2023年の調査は「お墓を解体し撤去して更地にし、その使用権を墓地の管理者に返還すること」と示して聞きました。鎌倉新書は、改葬と墓じまいを合わせて聞いています。
  • 自治体の調査もあります。横浜市は2022年10月、無作為に選んだ20歳以上の市民5,000人に聞きました。市営墓地に望むものの最多は、「誰もが入ることができ、お墓を継ぐ人の有無など将来にわたっての不安が解消できる墓地」で71.0%です(複数回答)。

墓じまいをした人は何%?聞いた相手で数字が変わる

同じ家の墓でも、家族の考えが同じとは限りません。実家の墓のこれからについて、弟の考えを書き留めた人の記録です。

実家の墓と、夫の実家の墓のこれからを考えている人(アメブロ)

弟は長男だから みけ実家先祖代々の墓に入るのが慣例。

なんだけど…

「父が墓に入ったら俺は 墓じまいしたいと思う」 って言ってる

将来的に実家地方に戻る気はなく 遠方の墓の管理は手間がかかるから…

本人の父も長男で、いずれ実家の先祖代々の墓に入ります。本人は墓にこだわりがなく、自分の墓を建てたい夫との考えの違いを難問だと書いています。全国石製品協同組合の調査では、「将来、検討する可能性はある」が34.2%でした。

出典: 夫婦の価値観が違いすぎる!(アメブロ)(台帳: V0106)

墓じまいをした人の割合は、どの調査を見るかで大きく違います。次の4つの調査は、聞いた相手も聞き方も違います。

調査(実施・時期)聞いた相手「した」と答えた人
全日本仏教会・大和証券(2024年12月)ネット調査会社のモニターのうち、継ぐ墓がある20〜79歳の3,292人墓をすでに移した 5.3%
終活協議会(2026年6月)終活ガイド資格検定の3級・2級の資格を取った860人すでに実行した 5.3%
全国石製品協同組合(2026年4月)全国の40〜70代の500人「ある」「検討中」合わせて 8.6%
鎌倉新書(2026年1月)「いいお墓」で資料請求や霊園見学をした人のうち、改葬・墓じまいを検討・実施した733人実施したことがある 331件・45.2%

鎌倉新書が聞いたのは、改葬・墓じまいを検討した人と実施した人だけです。全日本仏教会と大和証券は、事前の調査で人口の構成に合わせて1万人を集め、そのうち継ぐ墓がある人に聞きました。

全国石製品協同組合の調査では、「将来、検討する可能性はある」と答えた人が、すでにした人や検討中の人より多くいました。

全国石製品協同組合が2026年4月に全国の40〜70代500人に聞いた、墓じまいをしたことがあるかの円グラフ。「ある」と「検討中」を合わせて8.6%、「将来、検討する可能性はある」が34.2%、「将来もするつもりはない」が57.2%
図1: 墓じまいをしたことがあるか(40〜70代の500人)。出典: 全国石製品協同組合「「墓じまい」に関するアンケート調査」(2026年4月)

この調査は、回答者の76.6%が男性です。全体の値は男性の回答の影響を強く受けていると、組合自身が書いています。墓じまいで何をするのかは墓じまいとはの記事に、改葬の件数の推移は墓じまいは増えているかの記事にまとめています。

「墓じまい」の意味が、調査ごとに違う

墓じまいを終えた人も、言葉の意味を自分なりに書き留めています。父を亡くしたあと、姉と家の墓をしまった人の記録です。

父を亡くし、姉と市営霊園の墓をしまって永代供養にした人(ブログ)

「墓じまい」とは、簡単に言うと、遺骨の引っ越しです。

具体的には、お墓の墓石を撤去し、土地を更地に戻して、使用権を返還することを指します。 この過程で、お墓に納められている遺骨を新しい場所へ移動させる必要があります。

本人は、墓じまいの流れや費用を住職に相談して教わりました。墓には祖父母や知らない先祖も入っていましたが、姉妹ともその墓に入る予定はありませんでした。法律は、遺骨をほかの墓や納骨堂へ移すことを改葬と呼びます。

出典: 墓じまい:費用とやり方を解説!私たちの選んだ永代供養の詳細(Rinのシンプルライフ)(台帳: V0013)

調査も、同じ「墓じまい」という言葉で同じことを聞いているとは限りません。言葉をどう説明したかは、次のとおりです。

調査(実施・時期)何を聞いたか・言葉の説明
全日本仏教会・大和証券(2024年12月)継ぐ墓を、今ある場所から他の場所に移したいかを聞いた。移したい先には、公営・民営の墓地や寺の永代供養墓が挙がる。
全国石製品協同組合(2018年6月)墓じまいをした141人に聞いた。遺骨は「既存のお墓への移動」と「新しいお墓を建てて納骨」で52.5%。組合は墓じまいを「お墓の引越し(改葬)の一つのプロセス」とまとめた。
全国石製品協同組合(2023年12月)「お墓を解体し撤去して更地にし、その使用権を墓地の管理者に返還すること」と説明して聞いた。
鎌倉新書(2020年・2026年)2020年は、墓じまいを「お墓を片付けて更地にし、お寺や墓地の管理者に敷地を返還すること」と説明した。2026年は、改葬を「お墓の引っ越しのこと」とし、改葬・墓じまいを合わせて聞いた。
ライフドット(2019年12月)記事の冒頭で、今ある墓を解体・撤去し、納骨堂・永代供養墓・散骨など、石の墓以外の形で供養することと説明した。

全国石製品協同組合の2026年の調査と、終活協議会の2026年の調査は、公表した資料に言葉の説明を載せていません。鎌倉新書の45.2%は、改葬と墓じまいを合わせて数えた値です。

研究では、問芝志保氏が2022年の論文で、墓じまいを改葬の一つに分けています。墓を撤去し、墓地を使う権利を管理者に返すことだと説明しています。役所の手続きでの違いは墓じまいと改葬の違いの記事に、申請に要る書類は墓じまいに必要な書類の記事にまとめています。

市や都も、墓のことを住民に聞いている

父母の遺骨を移すため、新しい墓を探した人の記録です。公営の墓地にも目を向けていました。

父母の遺骨を移すため、新しい墓を選んだ人(ブログ「神経難病 - 奮戦の記」・アメブロ)

一般墓と言っても色々あるが、安価な公営墓地は抽選だし、近くにはないので選択肢には入らない。

条件的は、子孫の負担が最小限に抑えられること、出来れば徒歩圏内。

2~3カ所見た結果、電動車椅子で15分程度のところに決定。

選んだ墓地は宗教を問わず、名義人の6親等まで入れます。墓が要らなくなれば、遺骨を敷地内の合葬墓(ほかの人の遺骨と一緒に納める墓)へ移せます。横浜市の調査でも、墓を取得したい人が「自宅からの距離」を最も重視する割合は、前回より上がりました。

出典: 終活 ~墓じまい~ その3(アメブロ)(台帳: V0098)

横浜市・前橋市・東京都は、墓地の需要を知るために住民に聞いています。3つの調査は次のとおりです。

自治体いつ・誰に聞いたか何に使ったか
横浜市2022年10月。住民基本台帳から無作為に選んだ20歳以上の市民5,000人に、郵送とインターネットで聞き、1,822人が答えた。将来の墓地需要数や供給方策の検討など、今後の墓地行政の参考にする。
前橋市2016年7月。市の公園緑地課と前橋工科大学の研究室が、市内の3,000世帯に配り、996票が戻った。2017年3月の市議会の委員会で結果を説明した。2017年度に嶺公園墓地の事業として予算を付け、樹林型合葬墓地(樹や林を墓標にして共同でまつる墓)を検討した。
東京都2006年2月に結果を公表した、インターネット都政モニターのアンケート「東京都の霊園」。485人が答えた。東京都公園審議会の2008年の答申が、最初の節で引いた。今後は、合葬式墓地など多くの遺骨を納められる集合墓地の供給を中心に取り組む必要があるとした。

前橋市では、住民に聞いた結果が、新しい形の墓の検討につながりました。東京都の都政モニターでは、自分や家族が使える墓を「持っている」人が59.0%でした。横浜市の調査には、先祖の墓が「ある(墓じまいを予定)」という答えもあり、6.1%が選んでいます。

横浜市は、今後の市営墓地にどんな墓地を望むかも聞いています(複数回答)。

横浜市が2022年10月に市民1,822人に聞いた、今後の市営墓地に望むものの横棒グラフ(複数回答)。誰もが入ることができ、お墓を継ぐ人の有無など将来にわたっての不安が解消できる墓地が71.0%で最も多く、緑に囲まれ散策や憩いの場になる墓地が38.1%、カフェなどを併設した開放的な墓地が20.1%、区画が整い家族で使い続けられる墓地が19.7%、その他が4.2%、無回答が4.9%
図2: 横浜市民が今後の市営墓地に望むもの。出典: 横浜市「令和4年度 横浜市墓地に関する市民アンケート調査 報告書」

東京都の答申も、子どもがいても墓を継ぐことで負担をかけたくないと考える人がいるとしています。都立霊園のことは東京都の墓じまいの記事に、横浜市と前橋市の手続きは横浜市の記事と前橋市の記事にまとめています。継ぐ人の要らない墓は永代供養の記事で確かめられます。

墓じまいの調査は、誰が出しているのか

ここまでの調査を、調べた人ごとに並べます。同じ会社や団体でも、調査の時期ごとに聞いた相手が違います。

調べた人調査(時期・聞いた相手)
墓じまいのサービスを扱う会社鎌倉新書(2026年1月・「いいお墓」の利用者のうち733人)。株式会社huhu「わたしたちの墓じまい」(2026年2月・墓じまいの経験がある100人)。墓じまいパートナーズ(2026年3月・経験者52人と検討者178人)。ライフドット(2019年12月・家族の墓の管理を考える立場の20〜70代764人)。
石材の業界団体全国石製品協同組合。2018年6月は墓じまいをした141人。2023年12月は経験者41人と検討者141人。2026年4月は40〜70代の500人。石材店が答えた2023年度のアンケートもある。
終活の団体一般社団法人 終活協議会(2026年6月・終活ガイド資格の3級・2級を取った860人)。
仏教の団体と証券会社全日本仏教会と大和証券(2022年12月・2024年12月。事前の調査で人口の構成に合わせて1万人を集めた)。
自治体横浜市(2022年)・前橋市(2016年)・東京都(2006年に公表)。
研究者問芝志保氏(2022年の論文)。一橋大学大学院の廣野洋太氏(2016年の報告書)。前橋工科大学の森田哲夫氏ら(2017年・日本都市計画学会の都市計画論文集)。

会社の調査には、自社のサイトの利用者に聞いたものがあります。株式会社huhuは、自社の利用者に限らず、墓じまいの経験者に聞いたと書いています。

石材店が答えたアンケートには、墓じまいの助成事業を業界団体としてどう扱ってほしいかを聞いた設問があり、188件の回答がありました。

論文では、問芝氏が、無縁墓が全国にいくつあるかを示す統計は無いと確かめています。廣野氏は、熊本県人吉市の墓地調査を紹介しました。市の担当課が確認できていなかった墓地が、2014年の時点で296か所ありました。廣野氏は、各市で墓地を調べ、台帳を整えるよう提言しています。

放置された墓がどうなるかは墓じまいしないとどうなるかの記事に、「墓じまい」という言葉が広まった時期は墓じまいブームの記事にまとめています。

まとめ

墓じまいをしたことが「ある」か「検討中」の人は、全国の40〜70代500人のうち8.6%でした。改葬・墓じまいを検討・実施した733人に聞くと、実施したことがある人は45.2%です。

「した人」の割合は、聞いた相手と「墓じまい」の中身で変わります。横浜市や前橋市は、墓地の計画のために住民に聞いています。

墓じまいで何をするのかは墓じまいとはの記事に、件数と理由は墓じまいは増えているかの記事に、かかるお金は墓じまい費用の記事にまとめています。

参考文献

  1. 鎌倉新書 (2026)「【第4回】改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」. 「いいお墓」を経由して資料請求・霊園見学をした利用者へのインターネット調査(2026年1月16日〜23日).
  2. 日本石材産業協会 (2023)「お墓じまいに関する業界内意識調査」結果(2023年度お墓じまいアンケート). 回答者は石材店.
  3. 全国石製品協同組合(全石協)(2026)「墓じまい」に関するアンケート調査(2026年4月調査・全国40才代から70才代の男女500名).
  4. 全国石製品協同組合(全石協)(2024)「墓じまい」に関してのアンケート調査(2023年12月調査・全国40才代以上の男女182名).
  5. 全国石製品協同組合(全石協)(2018)“墓じまい”についてのアンケート調査(2018年6月・墓じまいを行った全国30才以上の男女141人へのインターネット調査).
  6. 全日本仏教会・大和証券 (2025) 仏教に関する実態把握調査(2024年度)報告書. 全国の20〜79歳の男女へのインターネット調査(2024年12月・本調査はウェイトバック後6,192サンプル).
  7. 問芝志保 (2022)「メディア報道にみる無縁墓の戦後史―何が問題とされたのか―」.
  8. 廣野洋太 (2016)「墳墓需給のミスマッチに関する研究と政策提言」一橋大学 国際・公共政策大学院 コンサルティング・プロジェクト最終報告書(2016年3月).
  9. 森田哲夫・塚田伸也 (2017) 地方都市における市営墓地の需要把握に関する課題―群馬県前橋市を事例として. 都市計画論文集 52(3). 前橋市公園緑地課と前橋工科大学の研究室による「お墓に関するアンケート調査」(2016年7月・3,000世帯に配布・996世帯が回答).
  10. 鎌倉新書 (2020)「【第2回】改葬・墓じまいに関する実態調査(2020年)」. 日本全国の30歳以上の男女へのインターネット調査(2019年12月・事前調査12,361件、本調査411件).
  11. 鎌倉新書 (2026)【第4回】改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)全文版. 回答者は同社サイト「いいお墓」経由で資料請求・霊園見学をした人のうち、改葬・墓じまいを検討・実施した人(2026年1月・有効回答733件).
  12. 墓じまいパートナーズ (2026)「墓じまい実態調査2026」. 墓じまいを経験または検討した230人へのインターネット調査(2026年3月).
  13. 一般社団法人 終活協議会/想いコーポレーショングループ (2026)「墓じまいと供養先の再選択」に関する実態調査. 終活ガイド資格検定3級・2級の資格取得者860名へのインターネット調査(2026年6月).
  14. 株式会社フーフー「わたしたちの墓じまい」(2026)「墓じまいの流れに関する実態調査」. 墓じまいの経験がある男女100人へのインターネット調査(2026年2月6日実施).
  15. ライフドット (2019)「墓じまい」に関する意識・実態調査. 家族の墓があり、墓の管理を考える立場にある全国の20代〜70代の男女764人へのインターネット調査(2019年12月).
  16. 全日本仏教会・大和証券 (2023) 仏教に関する実態把握調査(2022年度)報告書. 全国の20〜79歳の男女へのインターネット調査(2022年12月・本調査はウェイトバック後6,184サンプル).
  17. 墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第2条. e-Gov 法令検索.
  18. 横浜市 (2023)「令和4年度 横浜市墓地に関する市民アンケート調査 報告書」. 20歳以上の市民5,000人を無作為抽出(2022年10月・回収1,822件).
  19. 東京都公園審議会 (2008)「都立霊園における新たな墓所の供給と管理について」答申 本文.

当事者の口コミの出典: V0106(アメブロ)/V0013(ブログ)/V0098(アメブロ)。いずれも本人が公開している記録で、引用は原文のままです。

更新履歴: 2026-10-06 公開