まず結論から
- 札幌市内の墓から遺骨を移す手続き(改葬)は、保健福祉局施設管理課の墓園管理係(電話011-211-3525)に出します。郵送でも出せます。
- 市営霊園・墓地から移すときや、市営霊園・墓地へ移すときは、里塚・平岸・手稲平和の各霊園の管理事務所でも受け付けます。
- 市営霊園・墓地の墓をしまうなら、改葬とは別に「返還」の申請が要ります。墓石などをすべて撤去し、更地で返すのは使用者の責任です。
- 名義人が亡くなっているときは、先に相続(名義を継ぐ手続き)をします。手数料は600円です。
- 返還の申請書には、工事をする石材店の名前と撤去予定日を書きます。その前に、複数の石材店から見積もりを取って比べます。見積もりの単位は店によって違います。
改葬の申請はどこへ?札幌は墓園管理係と霊園の管理事務所
墓じまいで役所の許可が要るのは、納めた遺骨を別の場所へ移す「改葬」です。札幌市は、遺骨がある元の霊園などの所在する自治体が改葬を許可すると案内しています。
臨月のころ、父が眠る市設の霊園の墓をしまった30歳の当事者(個人ブログ・note)
費用はかけられない我が陣営なので、手続き類はすべて自分でやって極小予算に抑えた。お墓を解体して中の遺骨を移動させるには、お役所の手続きも必要だった。幸いわたしはペーパーワーク系は苦にならないタイプ。
役所や霊園とは郵便でもやり取りしながら、聞き慣れない書類を6人分取り寄せなんとか進めた。
里帰り出産で墓に近い実家へ戻った時期に、途中まで進めていた準備を一気に進めた記録です。遺骨は、永代供養をする寺の納骨堂へ移しました。札幌市の市営霊園・墓地の手続きも、窓口のほか郵送でできます。
出典: 先祖の遺骨と、妊婦のわたし〜30歳の墓じまい(note)(台帳: V0057)
札幌市の改葬の案内が挙げる受付窓口は、施設管理課墓園管理係と、各霊園の管理事務所です。どちらで出せるかと要る書類は、遺骨を移す元と先の組み合わせで決まります。申請に使う用紙は「埋蔵等届」です。
| 移す元 → 移す先 | 受け付ける窓口 | 要るもの |
|---|---|---|
| 市営霊園・墓地 → 市営霊園・墓地 | 墓園管理係・霊園の管理事務所 | 埋蔵等届、移す元と移す先の墓地使用許可証の原本 |
| 市営霊園・墓地 → 民間の霊園・納骨堂など | 墓園管理係・霊園の管理事務所 | 埋蔵等届、移す元の墓地使用許可証の原本、移す先の施設名と住所が分かる資料 |
| 市内の民間の霊園・納骨堂など → 市営霊園・墓地 | 墓園管理係・霊園の管理事務所 | 埋蔵等届、今の施設が出す埋蔵(収蔵)証明書の原本、移す先の墓地使用許可証の原本 |
| 市内の民間の霊園・納骨堂など → 民間の霊園・納骨堂など | 墓園管理係だけ | 埋蔵等届、今の施設が出す埋蔵(収蔵)証明書の原本、移す先の施設名と住所が分かる資料 |
埋蔵(収蔵)証明書は、今の墓に遺骨が納まっていることを、その霊園や納骨堂が証明する書類です。今の墓の使用者でない人が申請するときは、使用者の承諾書も添えます。
霊園の管理事務所は、里塚霊園・平岸霊園・手稲平和霊園の3か所です。里塚から平岸へ移すなら、里塚で改葬、平岸で納骨の手続きができます。墓園管理係なら、両方をまとめて出せます。
郵送では、書類を墓園管理係へ送り、返信用の切手490円分を同封します。内訳は簡易書留350円と普通郵便140円です。不備があると受け付けられないので、分からない点は先に問い合わせます。墓が札幌市の外にあるなら、その市町村に問い合わせます。
遺骨を取り出して自宅に置くだけなら、改葬に当たらず許可は要りません。ただ、後で別の墓に納めるときには許可が要ります。市は、今の管理者から埋蔵・収蔵証明書をもらい、遺骨と一緒に保管しておくよう勧めています。
札幌市が許可した改葬は、2024年度に1,119件でした。2022年度は1,146件、2023年度は1,153件で、この3年はほぼ同じ水準です。
市営霊園・墓地の墓は、改葬とは別に「返還」を申請する
札幌市の市営霊園は、平岸・里塚・手稲平和の3つです。条例にはほかに、円山・盤渓・月寒など17の市営墓地が載っています。ここに墓がある人は、改葬のほかに区画の返還も申請します。
公営の霊園にある父の墓を、母の了承を得てしまった娘(個人ブログ・note)
霊園の組合事務所に行き墓じまいの旨を伝えたところ、その後の流れも教えてくれました。
霊園の墓所の使用権の返還
お骨を新しい場所に移すことの手続き
お骨を埋葬している場所の市役所に提出し改装許可証をもらいます。
これは提出して出来上がったら連絡があり取りに行きました。
膝関節症で歩くのが難しくなった母に代わり、一人で墓参りを続けていた人です。「生きている間に墓じまいをしてほしい」と母に伝え、了承を得て動き出しました。札幌市の市営霊園・墓地でも、返還と改葬は別々の手続きです。
出典: 2年前に実家の墓じまいをしました(note)(台帳: V0113)
返還は、札幌市が「いわゆる『お墓じまい』」と呼ぶ手続きです。墓石などをすべて撤去し、更地にして返すのは使用者の責任です。条例も、使う必要がなくなった墓地は、遅れずに元の状態に戻して返すよう定めています。
| 手続き | 出すもの | 手数料 |
|---|---|---|
| 返還 | 墓地手続申請書2部(使用者の実印を押す)、墓地使用許可証の原本、発行から3か月以内の印鑑登録証明書の原本 | 無料 |
| 改葬・分骨 | 埋蔵等届、墓地使用許可証の原本、移す先の施設名と住所が分かる資料やメモ | 無料 |
返還の申請書には、工事をする石材店などの名前と、工事の着手予定日・撤去予定日を書きます。先に業者に確かめておく必要があります。石材店が代わりに申請するなら、委任状が要ります。
墓地使用許可証をなくしていれば、再交付も申請します。手数料は500円で、印鑑登録証明書は返還と合わせて1通で足ります。改葬を伴わない返還だけなら、郵送でも返信用の切手は要りません。
窓口は墓園管理係と3つの霊園の管理事務所です。ただし手稲平和霊園では、手数料の要る手続きを受け付けていません。
名義が亡くなった親のままなら、先に相続の手続き
返還の申請書に実印を押すのは、墓の使用者(名義人)です。名義人が亡くなっていれば、まず名義を継ぎます。札幌市はこの手続きを「相続」と呼んでいます。
祖父の名義のままだった市営墓地の墓を、遠方からしまった孫(個人ブログ・note)
話は前後して、見積もりを取る前に、名義人を変更してなくて色々と面倒くさかったので、見積もりを取る段階で祖父の名義から自分へと変更しました。
実際起きたのが、見積もりを取る際に墓の位置を詳細図から現地確認をしてもらう必要があり、そのために自治体に申請するのに、祖父名義だと業者さんから詳細図が取れないということで、自分で自治体に連絡して詳細図を取り寄せて、それを業者さんにメールするといったことで結構面倒くさいと思い、墓じまいを実行するのに変更していないとより面倒くさいと思い、変更の申請をかけました。
祖母が名義人になっていなかったので、祖父との直系だよと証明のために戸籍の取得が必要になりました。
父は祖母より先に亡くなっていました。行政への手続きは依頼した業者が代行し、本人が動いたのは墓の位置の地図と名義の変更だったといいます。札幌市の相続でも、続柄の分かる戸籍が要ります。
出典: 墓じまいをしてみた(完結)(note)(台帳: V0125)
札幌市の市営霊園・墓地を相続できるのは、基本的に親族です。配偶者、6親等以内の血族、3親等以内の姻族を指します。条例は、使う権利を移せる相手を、先祖の祭り(祭祀)を主宰する人などに限っています。
| だれの書類か | 出すもの |
|---|---|
| 申請の用紙 | 墓地手続申請書と誓約書 |
| 亡くなった名義人 | 墓地使用許可証の原本、死亡の記載がある戸(除)籍謄本の原本 |
| 継ぐ人 | 最新の戸籍謄本の原本、現住所が分かる書類(郵便物・免許証など) |
孫や甥・姪が継ぐときのように、この書類で続柄が分からなければ、間の戸籍も要ります。法務局の法定相続情報証明で続柄が分かれば、間の戸籍も亡くなった人の戸籍も要りません。相続の手数料は600円です。
名義人が滞納していた管理料と、亡くなってから新しい使用者が決まるまでの管理料は、新しい使用者が払います。2026年度から始まった管理料と、その減免は札幌市の墓じまい補助金の記事にまとめました。
名義人が元気なうちに名義を移す「譲渡」もできます。双方の合意があり、墓碑が建っていて納骨済みで、相手が基本的に親族であることが条件です。手数料は相続と同じ600円です。
札幌で墓じまいを進める順番
ここまでの手続きを、順番に並べます。市の手続きの順番は、札幌市の案内によります。先頭の見積もりは、この記事のすすめです。
見積もりを最初に置くのは、返還の申請書に工事業者の名前と撤去予定日を書くからです。石材店によって、見積もりの物差しも違います。日本石材産業協会が積算の単位を石材店に聞いた調査では、184件の回答が面積・体積・重さ・一式・人件費などに分かれました。
複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べてください。頼み先の選び方は、墓じまい業者の記事にまとめました。市営霊園では、撤去のあとに墓じまいの完了届を出し、完了検査を受けます。
| 聞きたいこと | 問い合わせる先 |
|---|---|
| 改葬・返還・相続の書類 | 施設管理課墓園管理係(011-211-3525)です。市営霊園の墓なら、その霊園の管理事務所の窓口でも手続きできます。 |
| 管理料と墓じまいの手続き | 札幌市墓地管理料コールセンター(011-350-6943)です。平日の9時〜18時に、名義変更や墓じまいの相談も受けます。 |
| 札幌市の外にある墓 | その墓がある市町村です。 |
移し先に市の合同納骨塚を選ぶとき
札幌市には、平岸霊園の附属施設として合同納骨塚があります。ほかの人の遺骨と一緒に納める、市の施設です。市営霊園・墓地を返す人は、札幌市民でなくても使えます。
| 段取り | どうするか |
|---|---|
| 予約 | 先に平岸霊園管理事務所(011-831-6980)へ電話し、書類の確認と申請日時の予約をします。受付は開所日の8時45分〜16時で、土日祝と年末年始は受け付けません。 |
| 書類 | 市営霊園・墓地から移すなら、札幌市が出した改葬許可証の原本が要ります。返還に伴って使うなら、住民票は要りません。 |
| 遺骨 | 申請の日に持っていきます。原則として当日か翌営業日に職員が納めるので、立ち会えません。 |
| 分骨 | 市営霊園・墓地の返還なら、遺骨の一部だけでも申請できます。 |
| 納めたあと | 骨壺から出してほかの遺骨と一緒に納めるので、後から引き取れません。 |
市は、供養や慰霊祭などの宗教的な行事をしません。お参りは屋外の供花台の前で、線香や読経は控えるよう求めています。使用料と費用の話は札幌市の墓じまい補助金の記事に、移し先の選び方は墓じまいの遺骨の行き先の記事にまとめました。
墓が北海道内のほかの市町村にあるときの聞く先と、北海道の助成のことは、北海道の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
札幌市内の墓の改葬は、墓園管理係か各霊園の管理事務所に申請します。郵送でもでき、要る書類は遺骨を移す元と先で変わります。
市営霊園・墓地の墓は、改葬とは別に返還を申請し、墓石を撤去して更地で返します。名義人が亡くなっていれば先に相続を済ませ、工事の見積もりは複数の石材店から取って比べてください。見積もりの単位は店によって違います。
