まず結論から
- 大分市内の墓から遺骨を移す許可(改葬許可)は、保健所衛生課か、保健福祉センター・支所の窓口で申請でき、無料です。
- 申請書には、今の墓の管理者に埋蔵の証明をもらいます。移し先の受け入れの証明か、使用契約書等の写しも添えます。郵送での申請は改葬の案内に記載がないので、衛生課で確かめます。
- 市内の墓地は181区域で、宗教法人が63区域、地方公共団体は4区域です。寺の墓なら、証明はまず寺に頼みます。
- 市営墓地は、改葬許可とは別に墓地返還届を出します。墓石を撤去・整地し、貸し付け前の状態に戻して返します。
- 撤去の工事は、複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べて決めます。見積もりの単位は店によって違います。
大分市で墓じまいを進める順番
大分市の墓をしまう場合の順番です。役所と墓地の手続き(3〜5・7・8)は、大分市の案内によります。
| 段 | すること | 出す先・決まり |
|---|---|---|
| 1 | 複数の石材店に、撤去の見積もりを頼む | 見積もりを出す単位は、店によって分かれています。 |
| 2 | 親族と相談して決める | 墓じまいの前に、なるべく多くの親族と話し合うよう勧められています。 |
| 3 | 移し先を決め、受け入れの証明か使用契約書等をもらう | 移し先の墓地・納骨堂等の管理者からもらいます。 |
| 4 | 今の墓の管理者に、埋蔵の証明を頼む | 改葬許可申請書の下の欄に証明を受けます。 |
| 5 | 改葬許可申請書を出し、改葬許可証を受け取る | 保健所衛生課か、保健福祉センター・支所です。無料です。 |
| 6 | 閉眼供養(御霊抜き)の法要をする | 法要は、菩提寺の住職に相談します。 |
| 7 | 市営墓地なら、工事の承認申請をして撤去・整地し、返還届を出す | 撤去の前に工事承認申請書が要ります。 |
| 8 | 移し先に改葬許可証を渡して納骨する | 許可証は、移し先の管理者に必ず渡します。 |
最初に見積もりを頼むのは、石材店によって見積もりの出し方が違うからです。日本石材産業協会は2023年度、石材店に墓じまいの見積もりの単位を尋ねました。答えは、面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。工事を頼む前に、複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べます。閉眼供養のお布施は墓じまいのお布施の記事に、費用の全体は墓じまい費用の記事にまとめました。
改葬許可は、保健所衛生課か支所に出す。移し先が先
遺骨を移すには、遺骨が今ある市町村の許可が要ります。住んでいる市ではありません。墓が熊本市・宮崎市・北九州市にあるなら、熊本市・宮崎市・北九州市の記事を見てください。役所に出すまでの順番を、書き出して整理した人の記録です。
熊本の市の霊園にある実家の墓の、墓じまいを進めた当事者(個人ブログ・アメブロ)
墓じまいの流れとしては
1. 現在納骨されている遺骨の行き先を決める
⬇️
2. 役所に
❶改葬許可申請届
❷墓地使用廃止届
を申請
⬇️
3. 役所から
❶改葬許可証
❷墓地使用廃止届
に許可印をもらう
2024年10月末に熊本へ出向き、檀家の寺の住職に相談してから動き出しました。墓の使用者は入院中の叔母で、委任状なども要りました。大分市の改葬許可も、移し先が分かる書類を添えて申請します。
出典: 墓じまい①(アメブロ)(台帳: V0034)
大分市の窓口は、荷揚町6番1号2階の保健所衛生課と、東部・西部の保健福祉センター、大南・大在・坂ノ市・明野・佐賀関・野津原の各支所です。受付は平日の午前8時30分〜午後5時15分で、費用は無料です。まず移し先を決めて、受け入れの証明か使用契約書等をもらいます。
| 書類 | 誰に用意してもらうか | どこへ出すか |
|---|---|---|
| 改葬許可申請書 | 今の墓の管理者に、下の欄へ埋蔵の証明をもらいます。 | 保健所衛生課か、保健福祉センター・支所 |
| 受け入れの証明か使用契約書等の写し | 移し先の墓地・納骨堂等の管理者です。 | 申請書に添えます。 |
| 墓地使用者の承諾書 | 申請する人と、移し先の使用者が違うときに要ります。 | 申請書に添えます。 |
| 委任状 | 代理の人が窓口に来るときに要ります。 | 窓口で出します。 |
| 改葬許可証 | 市が交付します。 | 移し先の管理者に必ず渡します。 |
移し先は、知事の経営許可を受けた墓地・納骨堂等か、1948年5月31日より前から使われていた墓地に限られます。墓地の管理者は、改葬許可証を受け取ってからでないと、遺骨を納めさせられません。改葬の案内に、郵送での申請の記載はありません。遠くに住む人は、保健所衛生課(電話 097-536-2854)で確かめます。書類の全体は墓じまいの書類の記事で確かめられます。
鎌倉新書が2026年1月に「いいお墓」の利用者に行った調査では、墓じまいで大変だったことに「役所の手続き」を挙げた人が32.3%いました。大分市で許可された改葬は、2024年度に262件でした。大分県全体では1,603件です。
寺や地域の墓は、証明を誰に頼むか
大分市内の墓地は、2024年度末で181区域でした。経営する主体で分けると、「その他」が102、宗教法人が63、個人が9、地方公共団体が4、公益法人が3です。区域の数で、墓の数ではありません。地域で管理する墓地の墓をしまう準備を、きょうだいで始めた人の記録です。
地域の共同墓地にある父の墓をしまう準備を始めた、73歳の当事者(個人ブログ・はてなブログ)
共同墓地の場合は、管理者(自治会や地域の墓地委員など)に墓じまいの意向を伝えることが最初の重要なステップになります。
実家の墓地は地域の共同管理で、自治会長に墓じまいの意向を伝え、埋葬証明書の発行をお願いすることになります。
母の容体が悪化した夏、墓参りのあとに、きょうだいで万一に備えて話し合いました。遺骨は名古屋の樹木葬墓に納める予定です。管理者がはっきりしない墓では、証明に代わる書面が要ることがあります。
出典: 墓参りの後は母の万一に備えきょうだいで打合せ(はてなブログ)(台帳: V0033)
寺の墓なら、墓じまいには寺などが出す埋葬証明書などが要ります。個人墓地や共同・集落墓地では、証明を出す管理者がいないことがあります。寺から出してもらえないことも考えられます。国の規則は、その場合に市町村長が認める書面で代えられるとしています。
何が認められるかは、墓地の様子や市町村で違います。総務省が2023年にまとめた調査では、管理者が分からない墓地からの改葬で、調べた88市町村のうち47.7%が代わりの書面を求めていました。申請だけでは確かめられないとして、許可しない市町村も8.0%ありました。証明がもらえないときは、申請の前に保健所衛生課へ相談します。
市内の納骨堂72施設のうち、69施設は宗教法人の経営です。寺の墓では、閉眼供養の法要も住職に相談します。離檀料には明確な基準がなく、納得できなければ寺と話し合うことになります。お布施の目安はお布施の記事に、遺骨の行き先は遺骨の行き先の記事にまとめました。
市営墓地は、元の状態に戻して返すまでが手続き
市営墓地では、改葬許可のほかに、墓地を返す届が要ります。撤去の工事にも、前もって市への申請があります。公営霊園にあった父の墓をしまった人は、許可証を渡したあとの段取りをこう書いています。
公営霊園にあった父の墓を、母の同意を得てしまった当事者(個人ブログ・note)
その業者さんは個人経営で、ちょっと遠くの方の仕事が入っているということで、9月に見積もりが出来上がりましたが、魂抜きや行政への改装許可証などを提出してその許可証を業者に渡したところからお墓の撤去の申請を業者の方が出すそうです。
母が膝を悪くし、墓参りをしていたのは本人ひとりでした。撤去は11月末頃に決まり、遺骨は寺の永代供養の墓に納めています。大分市の市営墓地でも、撤去の前に工事承認申請書を出します。
出典: 2年前に実家の墓じまいをしました(note)(台帳: V0113)
不要になった市営墓地は返してもらい、墓地を必要とするほかの市民に貸す、と大分市は案内しています。墓地を買うとは、土地ではなく、その墓地を使う権利を買うことです。墓石の撤去と整地をして、貸し付け前の状態に戻してから返します。撤去は、使う人の務めとされています。
| 市に出すもの | いつ・どこへ | 中身 |
|---|---|---|
| 改葬許可申請書 | 遺骨を取り出す前に、保健所衛生課か保健福祉センター・支所へ | 遺骨を移す許可を受けます。無料です。 |
| 墳墓等新設等工事承認申請書 | 墓石の撤去の前に | 墓石の撤去などをするときに要ります。 |
| 墓地返還届 | 保健所衛生課生活衛生担当班へ | 大分市墓地使用許可書を添えます。無料で、代理は委任状が要ります。 |
市の案内には、「市営墓地使用者が死亡したときは」という別のページもあります。返還届を出せるのは墓地の使用者なので、名義が亡くなった人のままなら衛生課に確かめます。工事を頼む業者の選び方は、墓じまい業者の記事にまとめました。
移し先に、大分市営納骨堂の合葬室を選ぶこともできます。2023年4月のしおりでは、墓にある遺骨を納めるなら、申請の3か月前から続けて市内に住所がある人が申し込めます。使用許可申請書・遺骨保有証明書・世帯全員の住民票の写しを、保健所衛生課へ持って行きます。郵送では受け付けていません。納骨の前には収蔵届を出し、改葬許可書を添えます。合葬室の使用料は、大分市の墓じまい補助金の記事にまとめました。永代供養の選び方は永代供養の記事で比べています。
墓が大分県内のほかの市町村にあるときの聞く先と、大分県の助成のことは、大分県の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
大分市内の墓の改葬許可は、保健所衛生課か、保健福祉センター・支所で申請し、無料です。移し先を先に決め、受け入れの証明か使用契約書等の写しを添えます。寺や地域の墓で証明がもらえないときは、申請の前に衛生課へ相談します。
市営墓地は、撤去と整地で貸し付け前の状態に戻し、墓地返還届を出して返します。撤去の工事は、複数の石材店の見積もりを比べてから頼んでください。見積もりの単位は店によって違います。お金の話は、大分市の墓じまい補助金の記事にまとめました。
