墓じまいに反対されたら?やめた理由で親族は7.8%・話す順番

墓じまいに反対されたら?やめた理由で親族は7.8%・話す順番
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墓じまいをしたいと切り出したら、親や親戚に反対された。押し切ってよいのか、やめるしかないのか——ひとりで迷っていませんか。

この記事では、墓じまいをやめた人が挙げた理由と、反対の中身、話す順番、親が認めないときにできることを整理します。鎌倉新書と全日本仏教会の調査、大津市・北九州市の墓じまいの案内、東京弁護士会のコラムを出典にしました。

まず結論から

  • 墓じまいを検討してやめた人に理由を聞くと、家族や親戚の理解を得られなかったと答えた人は7.8%でした。鎌倉新書が2026年1月、「いいお墓」の利用者に聞いた調査で、最多は「解体費用が高すぎた」の22.2%です。2024年1月の同じ調査では、親戚の理由は21.1%で同率の2位でした。
  • 合祀(ほかの人の遺骨と一緒に納めること)に抵抗がある人は57.1%です。全日本仏教会と大和証券が2024年12月、全国の20〜79歳の6,192人に聞きました。合祀に「やや抵抗感がある」人でも、63.0%は金額や立地など条件次第で合祀墓を選択肢にすると答えています。
  • 親族に話す前に、複数の石材店から見積もりを取り、移す先の案とそろえておきます。北九州市も、複数の業者からの見積もりを勧めています。大津市の案内は、墓じまいの手順の最初に、親族間での意思確認を置いています。
  • 名義人(墓地の使用者)でない人が改葬(遺骨をほかの墓へ移すこと)を申請するには、名義人の承諾書などが要ります。墓を継ぐ人は、遺言で決めておいてもらうのが確実です。

反対されて、墓じまいをやめる人はどれくらいいるのか

鎌倉新書は、お墓の情報サイト「いいお墓」を運営する会社です。2026年1月、サイトを通して資料請求や霊園見学をした人のうち、墓じまいを検討・実施した人に調査しました。

過去に墓じまいを検討してやめた人に理由を聞くと、最多は「解体費用が高すぎた」の22.2%でした。「先祖にうしろめたい気持ちになった」が11.1%、「家族・親戚から理解を得られなかった」が7.8%です。

2年前は、親戚の理由がもっと上にありました。2024年1月の同じ調査では、「親戚から理解を得られなかった」が21.1%で、同率の2位でした。「手続きがめんどうだった」と並んでいます。

墓じまいを検討してやめた人の理由を、鎌倉新書の2つの調査で並べた横棒グラフ。2024年1月は、解体費用が高すぎた26.3%、親戚から理解を得られなかった21.1%、手続きがめんどうだった21.1%。2026年1月は、解体費用が高すぎた22.2%、先祖にうしろめたい気持ちになった11.1%、家族・親戚から理解を得られなかった7.8%。親戚の理解の理由は21.1%から7.8%に
図1: 墓じまいをやめた理由(本文に割合のある3つずつ)。出典: 鎌倉新書「改葬・墓じまいに関する実態調査」第3回(2024年1月)・第4回(2026年1月)

鎌倉新書は、墓じまいが社会に受け入れられ、周囲の反対という「外圧」が減ったと読んでいます。その分、自分の罪悪感などで立ち止まる人が目立つようになった、という見方です。うしろめたさが残るときの話し相手は、墓じまいで不幸になるかの記事にまとめました。

反対がなくなったわけではありません。株式会社フーフーが2026年2月、墓じまいの経験がある100人に聞いた調査です。最も大変だった工程(複数回答可)の最多は、「親族との話し合い・合意形成」の45%でした。

墓じまいパートナーズが2026年3月、墓じまいを経験・検討した230人に聞いた調査もあります。経験者52人が大変だったことの最多は「お寺(住職)とのやり取り」の38.5%で、「親族との話し合い」は17.3%でした。自由回答には、「親族の理解を得るのが大変でした。」と、「時代の流れで、親族は想定よりも理解してくれました。」の両方が載っています。

反対する家族は、何に反対しているのか

反対の言葉が、自分の入る先を案じる形で出ることもあります。実家の墓をしまいたいと、母と姉に切り出した娘の記録です。

実家の寺の墓地にあった父の墓をしまい、遺骨を海に撒いた娘(note)

「墓じまいしたい」と母・姉に言うと「じゃぁ、お母さんはどこに入るの?!」と拒否反応してキレるが、そこをなんとか なだめすかした。

母達は家から近いのに墓参りもたいしてしておらず、わたしが行けば草が生えてるし、「お墓参りしてないでしょ」「先々、息子達にお墓の管理の負担を押し付けたくないんだよ」とわたしの気持ちを話した。最終的には納得してくれた。

墓じまいをしたのは2014年7月です。寺には、地方出身の夫と結婚し、息子たちも住む先が分からないので管理できない、と伝えました。合祀への抵抗は、遺骨を大切に思う人ほど強い傾向があります。

出典: 汚実家片付け番外編 『墓じまい〜散骨』② 具体的な流れ(note)(台帳: V0003)

全日本仏教会と大和証券の2024年12月の調査では、合祀に抵抗がある人は57.1%で、半数を超えました。ただ、合祀に「やや抵抗感がある」人でも、63.0%が金額や立地など条件次第で合祀墓を選択肢にすると答えています。

大津市の案内では、遺骨の一部を分けて別に納める分骨に、改葬の許可は要りません。市町村での手続きも無いとしています。分骨に抵抗感がある人と無い人は、半々でした。浄土真宗本願寺派は公式のよくある質問で、「分骨がいけない理由は、どこにもありません」としています。

反対の向いている先ごとに、話すときの材料を並べます。

反対が向いている先話すときの材料
遺骨の行き先・自分の入る先合祀に「やや抵抗感がある」人でも、金額や立地など条件次第で合祀墓を選択肢にする人が多い。分骨なら改葬の許可は要らない(大津市)。
参る場所が遠くなる墓じまいを考えた理由の最多は、「お墓が遠方にある」の52.0%。今の墓が遠いことが、いちばんの理由になっている(鎌倉新書 2026年1月)。
先祖へのうしろめたさ・罰全日本仏教会は、改葬を「お墓の引っ越し」と説明している。「罰当たり」と言われたときの宗派の答えは墓じまいは罰当たりかの記事へ、祟りの話は墓じまいで不幸になるかの記事へ。
費用を誰が出すか見積もりの額と内訳をそろえてから話す(次の節)。北九州市も、複数の業者からの見積もりを勧めている。分け方は親戚が出すお金の記事へ。

遺骨の行き先を誰がいつ決めるかは、墓じまいの遺骨の行き先の記事にまとめました。

誰に、どの順で、どう切り出すか

親戚を回って、墓じまいを持ちかけた長男の記録です。

実家の近くにあった先祖の墓を、都内の建物の中にある合祀墓へ移した長男(個人ブログ)

そこで、まずは、親戚を回って提案(相談ではない!)することからはじめました。

中には、「お墓が近くにないとあなたのお父さんやお母さんにお線香をあげられない」「〇〇家は代々この地でお墓を継いできたんだ」などといった苦言や反対をする人もいました。

でも、最後の決断は自分がするしかありません。

「墓をこの先も責任を持って管理していくのは自分です。最終的な判断はこちらでさせてください。」と。

時間と労力はかかりましたが、納得をしてもらいました。

姉妹3人とは、移す先をできるだけ交通の便のよい所にすることで理解を得ました。相談でなく提案にしたのは、集まってから切り出すと意見が出るばかりで収まらないからだそうです。大津市の案内も、親族間のトラブルを避けるため、改葬の前に話し合うよう勧めています。

出典: 後悔しない! 墓じまい こうすればうまくいく(ヒロブログ 歳刻を愉しむ)(台帳: V0016)

大津市の案内は、墓じまいの手順に番号を振っています。(0)が親族間での意思確認・意思決定、(1)が移す先の選定と、今の墓地との打ち合わせです。

親族に話す前に、材料をそろえておきます。複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を手元に置いてから話します。北九州市も、複数の業者からの見積もりを勧めています。全日本墓園協会の横田睦専務理事は、墓じまいの前に、なるべく多くの親族と相談するよう勧めています。新しい墓はパンフレットだけでなく、使用規則や料金表を見るべきだともしています。

順番話す相手持っていくもの・根拠
1複数の石材店撤去の見積もりを頼み、額と内訳を受け取る。北九州市も、複数の業者からの見積もりを勧めている。
2名義人(墓地の使用者)移す先・時期・費用の案を一緒に決める。改葬の許可を申請するのは、名義人が原則。
3墓に眠る人に近い親族案と、移す先の使用規則・料金表。大津市の手順では(0)の親族間での意思確認にあたる。
4寺・墓地の管理者墓じまいの意向を伝える。大津市の手順では(1)の今の墓地との打ち合わせにあたる。全日本仏教会は、日頃からの菩提寺(先祖の墓がある寺)との話し合いと、家族・親戚と理解し合える関係が一番大切だとしている。

親戚への最初の手紙を、決めたことの報告でなく相談として書く作例は、挨拶状の記事の、前もって話しておく節に載せました。見積もりの比べ方は墓じまい費用の記事に、石材店の選び方は墓じまい業者の記事にあります。

名義人の申請に親族の同意書が要らなくても、先に話しておく理由は、勝手に墓じまいされたときの記事にまとめました。

親が墓じまいを認めないときは

親が墓を動かしたがらないと、子は待つしかないのでしょうか。夫ときょうだいが、義父に墓を移そうと話した場面を書いた、嫁の記録です。

北陸の都市にある家の墓を、家族の住む関東へ移したいと考えてきた嫁(note)

子供たちは、父親の気持ちをかんがえ お墓を移すことをいった。

そうすれば月に1回のお墓まいりもできると。

自分が入る番になり だれもお墓参りにきてくれない そう思ったときに お墓の移動を承諾するのでは?

と、内心期待していた。

しかし、父親は、移すことは 絶対しない でもお墓まいりはしたい

お母さん(義母)がかわいそうという。

平行線・・・。

義母は生前、あの墓には入れないでほしいと話していました。それでも義父は義母をその墓に納め、すぐに参れないとこぼすようになります。墓までは車で6時間かかり、認知症の義父は一人では行けません。改葬の許可を申請するのは、墓地の使用者が原則です。

出典: 【嫁の記録】墓じまいから見えてきたこと(note)(台帳: V0024)

名義人でない人が申請するには、名義人の承諾書か、それに対抗できる裁判の謄本(判決などの写し)が要ります。名義人かどうかで何が変わるかは、墓じまいを拒否できるかの記事にまとめました。親が名義人のまま認めないときに、子にできることを並べます。

できること市の案内・専門家の話
親の困りごとに合う移す先を探す市川市は、市営霊園の墓を返す人に、合葬式墓地(ほかの人の遺骨と一緒に納める墓地)の特例を設けている。返す墓の遺骨の移し先や、使用者自身の将来の埋蔵場所を、生前・遺骨あわせて2体まで申し込める。
墓を継ぐ人を決めておいてもらう墓を継ぐ人(祭祀承継者)の指定は、口頭で伝えるだけでも有効だが、後で確かめられなくなり、もめる原因になる。
名義を継いでから進める墓を継ぐ人は、亡くなった人の指定、慣習の順で決まる。慣習が明らかでなければ、家庭裁判所が定める。使用者になれば、自分で申請できる。

東京弁護士会のコラムは、墓を継ぐ人は遺言で指定するのが確実だとしています。遺言での決め方は祭祀承継者の記事に、親が認知症で判断が難しいときの進め方は同じ記事の後見人の節にまとめました。

誰が墓を継ぐかの全体は墓じまいとはの記事に、申請に添える書類は墓じまいの書類の記事にあります。嫁の立場でできることは墓じまいは嫁がするものかの記事に、当面は墓を残すと決めたときのことは墓じまいしないとどうなるかの記事にまとめました。

まとめ

墓じまいを検討してやめた人の理由のうち、「家族・親戚から理解を得られなかった」は、2026年1月の調査で7.8%でした。反対が遺骨の行き先に向いているなら、合祀でない行き先や分骨も話の材料になります。

話す前に、複数の石材店の見積もりと、移す先の案をそろえます。名義人でない人が申請するには、名義人の承諾書などが要ります。墓を継ぐ人は、遺言で決めておいてもらうのが確実です。墓を残したい側の話は墓じまいを拒否できるかの記事に、知らないうちにされた側の話は勝手に墓じまいされたときの記事にまとめました。

墓じまいを言い出すときに迷った家族の3人の口コミ

最後に、墓じまいを言い出す前に迷った人と、持ちかけられて気持ちが揺れた親を見た人の記録から、一節ずつ紹介します。

夫の一族が持ち回りで営む先祖祭りに出た、子どものいない本家の嫁(note)

でも、それはいつなのか。言い出すのはいつなのか。

一番考えなければならない筈の虹夫さんは「そんなの今考えることじゃない」と取り合わない。 深刻になっているのは嫁の私だけという、なんだか虚しい現実。

出典: 【エッセイ】墓じまいが言えなくて【先祖祭り】(note)(台帳: V0050)

夫は長男で遠方に住み、義母・義弟と墓じまいの話を詰めるために帰省した嫁(アメブロ)

いざ、話しを進めようとなると、理解はしていても自分の代で墓じまいをすることに、少なからず気持ちが揺れ動いているようでした。

出典: 帰省と墓じまいのこと(アメブロ)(台帳: V0104)

父が建てた公営霊園の墓をしまおうと、存命の母に切り出した娘(note)

「墓じまい」のことをなかなか言い出すことが憚られる気持ちでしたが、お寺とのやり取りは母がしていましたし、お寺やお墓の管理している施設へのことも含めて母が生きている間の方が私も助かります。

出典: 2年前に実家の墓じまいをしました(note)(台帳: V0113)

参考文献

  1. 全日本仏教会・大和証券 (2025) 仏教に関する実態把握調査(2024年度)報告書. 全国の20〜79歳の男女へのインターネット調査(2024年12月・本調査6,192サンプル).
  2. 鎌倉新書 (2026)【第4回】改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)全文版. 回答者は同社サイト「いいお墓」経由で資料請求・霊園見学をした人のうち、改葬・墓じまいを検討・実施した人(2026年1月).
  3. 鎌倉新書 (2024)【第3回】改葬・墓じまいに関する実態調査(2024年)全文版. 同社サイト「いいお墓」の利用者へのインターネット調査(2024年1月).
  4. 墓じまいパートナーズ (2026)「墓じまい実態調査2026」. 墓じまいを経験または検討した230人(うち経験者52人)へのインターネット調査(2026年3月).
  5. 株式会社フーフー「わたしたちの墓じまい」(2026)「墓じまいの流れに関する実態調査」. 墓じまいの経験がある男女100人へのインターネット調査(2026年2月6日実施).
  6. 墓地、埋葬等に関する法律施行規則(昭和23年厚生省令第24号)第2条. e-Gov 法令検索.
  7. 民法(明治29年法律第89号)第897条 祭祀に関する権利の承継. e-Gov 法令検索.
  8. 北九州市「諸手続きについて(市営霊園)」.
  9. 市川市「市川市霊園一般墓地返還促進事業」(2026年9月16日更新).
  10. 国民生活センター (2025)「国民生活」2025年12月号(No.160)特集「『家』を継げない時代の埋葬と祭祀を考える」特集3 横田睦「墓じまい(廃墓)をする場合の留意点」.
  11. 東京弁護士会「終活コラム(11)祭祀承継者」.
  12. 大津市「墓じまい、改葬許可申請について」.
  13. 浄土真宗本願寺派(西本願寺)「よくあるご質問」.
  14. 全日本仏教会「仏教Q&A」.

当事者の口コミの出典: V0003(note)/V0016(個人ブログ)/V0024(note)/V0050(note)/V0104(アメブロ)/V0113(note)。いずれも本人が公開している記録で、引用は原文のままです。

更新履歴: 2026-10-08 公開