まず結論から
- 静岡市内にある墓の改葬許可は、戸籍管理課か清水区地域総務課に申請します。手数料は遺骨1体につき300円です。
- 申請先は、住んでいる市ではなく、今の墓や納骨堂がある市町村です。静岡市が許可した改葬は、2024年度に1,386件でした。
- 申請の前に、墓の使用者の承諾と、寺の住職など墓の管理者の証明をもらいます。
- 沼上・愛宕・沓谷・清水大平山の市営墓地は、返還届出書を出し、墓石を撤去して元の状態に戻します。届出は撤去工事の予定日が決まってから出します。
- 撤去工事は、複数の石材店から見積もりを取って比べます。見積もりの物差しが店ごとに違うからです。
申請はどこへ?戸籍管理課か清水区地域総務課
墓じまいで役所に出すのは、遺骨の納め先を移すための「改葬許可」の申請です。静岡市は、改葬を「遺骨の埋蔵場所を変える」手続として案内しています。最初につまずくのは、その申請先です。
兵庫にある義父の墓を東京へ移す話を受け、家族で調べ始めた娘婿(個人ブログ・note)
まず、お墓の中にある遺骨をどうするのかを決めなければなりません。
別のお墓へ移す方法。
納骨堂へ移す方法。
永代供養墓を利用する方法。
樹木葬という選択肢もあります。
海などへ散骨する方法もあります。
そして、お墓や納骨堂に納められている遺骨を別のお墓や納骨堂へ移す場合は「改葬」という手続きになり、現在遺骨が納められている場所を管轄する市区町村で「改葬許可」を受ける必要があります。
さらに、現在のお墓の管理者や、新しい納骨先との手続きも必要になります。
94歳の義父は東京で暮らし、自分が建てた墓は兵庫県にあります。テレビで見た納骨堂に移したいと言い出したのが始まりでした。静岡市の案内も、申請は今の墓や納骨堂がある市町村長に対して行うとしています。
出典: 墓じまい編①94歳の義父が突然、「墓を東京に持ってくる」と言い出しました。(note)(台帳: V0042)
静岡市内の墓なら、申請書は戸籍管理課か清水区地域総務課で受け取り、書いてから同じ窓口に出します。市の案内が挙げる窓口は、この2か所です。
| 窓口 | 分かっていること |
|---|---|
| 戸籍管理課 霊園・斎場係 | 電話は054-221-1297です。戸籍管理課は、静岡市役所静岡庁舎の新館15階にあります。 |
| 清水区地域総務課 | 電話は054-354-2361です。清水区役所の中にあります。 |
手数料は、遺骨1体につき300円です。墓に何体の遺骨が納まっているかで額が変わるので、先に数を確かめておきます。
墓が静岡市の外にあるなら、申請先はその墓がある市町村です。静岡市に住んでいても、静岡市の窓口は申請先になりません。
静岡市が許可した改葬は、2024年度に1,386件でした。2022年度は1,037件、2023年度は1,187件で、2年続けて増えています。
申請の前に、墓の使用者の承諾と管理者の証明をもらう
申請書は、書いて出すだけでは足りません。静岡市の案内では、提出の前に2つのことを済ませます。1つは墓の使用者(名義人)の承諾、もう1つは墓の管理者による証明です。
江戸時代後期から地方の菩提寺にあった先祖代々の墓を、都心の集合墓へ移した当事者(個人ブログ・note)
まずは長年お世話になった菩提寺の住職へ、墓じまいをしたい旨を電話で相談しました。メディアで耳にする高額な「離檀料」を巡るトラブルが不安でしたが、住職は私たちの事情を深く理解してくださいました。
本人は改葬の流れとして、今の墓地の管理者に証明の署名・捺印をもらい、旧墓地のある市区町村に申請する順を挙げています。静岡市の案内も、お寺の住職などの管理者に埋蔵・収蔵証明を受けるとしています。
出典: 「改葬」という選択の体験記(note)(台帳: V0018)
2つとも、国の決まりにもとづく書類です。墓地、埋葬等に関する法律施行規則は、墓の管理者が作った埋蔵や収蔵の事実を証する書面を、申請書に添えるよう定めています。埋蔵は墓に、収蔵は納骨堂に遺骨を納めることです。申請する人が墓の使用者でないときは、使用者の承諾書も添えます。
管理者の証明は、寺の墓なら住職に頼みます。申請書には移し先(改葬の場所)も書くので、移し先は申請の前に決めておきます。
| 申請の前にそろえるもの | 誰に・どこで |
|---|---|
| 申請書 | 戸籍管理課か清水区地域総務課で受け取ります。 |
| 使用者の承諾 | 墓の使用者から得ます。申請する人が使用者でないときは、承諾書を添えます。 |
| 埋蔵・収蔵の証明 | 今の墓や納骨堂の管理者から受けます。寺の墓なら住職です。 |
| 移し先 | 申請書に「改葬の場所」として書きます。 |
役所の手続きに苦労する人は少なくありません。鎌倉新書が2026年1月に「いいお墓」の利用者に行った調査では、墓じまいで大変だったことに「役所の手続き」を挙げた人が32.3%いました。遺骨の引っ越し先選びの38.8%に次ぐ多さです。書類の全体は、墓じまいに必要な書類の記事にまとめました。
市営墓地は、返還届を出して墓石を撤去する
静岡市の市営墓地は、沼上霊園・愛宕霊園・沓谷霊園・清水大平山霊園の4か所です。墓を市に返すときは、改葬許可とは別に、返還の届出が要ります。
都立霊園にある母方の祖父母の墓を、従妹と一緒にしまうことにした孫(個人ブログ・note)
従妹と相談して、別の都立霊園の合同埋葬墓に改装しよう、
ということで話がまとまってきたので、お墓を更地にして返納するための工事をお願いする業者さんを探すことになった。
墓は都立多磨霊園にあり、区画の広さは使用許可証で48㎡と確かめています。その後、従妹が業者を探し、現地で見積もりを取りました。静岡市の市営墓地でも、返すときは墓石などを撤去して元の状態に戻します。
出典: 墓じまい〜おじいちゃんってカッコイイ〜(note)(台帳: V0048)
市営墓地を返すときは、市営墓地返還届出書を出します。あわせて、墓石などを撤去し、区画を元の状態に戻すこと(原状回復)が要ります。届出は、撤去工事の予定日が決まってから出します。
| 霊園(所在地) | 返還届の受付先 |
|---|---|
| 沼上霊園(葵区南沼上) | 戸籍管理課 霊園・斎場係(静岡庁舎新館15階)です。 |
| 愛宕霊園(葵区沓谷) | 戸籍管理課 霊園・斎場係です。 |
| 沓谷霊園(葵区沓谷一丁目) | 戸籍管理課 霊園・斎場係です。 |
| 清水大平山霊園(清水区横砂東町) | 清水区役所地域総務課 区民生活係(区役所4階)です。 |
届出書には、市営墓地利用許可証を添えます。窓口に持って行くほか、郵送でも出せます。受付は平日の午前8時30分から午後5時15分までで、土日祝日と年末年始は受け付けていません。
遺骨を取り出して移すことや、遺骨の引き取りは、返還届とは別の手続きです。遺骨を移す改葬許可は、上の戸籍管理課か清水区地域総務課に申請します。
墓を残している間は、管理料を納め続けます。市営墓地の管理料は墓地を維持するための費用で、年1回、納入通知書が届きます。市営墓地のお金の決まりは、静岡市の墓じまい補助金の記事にまとめました。
静岡市で墓じまいを進める順番
ここまでの手続きを、順番に並べます。役所と市営墓地の手続きの順番は、静岡市の案内によります。先頭の見積もりは、この記事のすすめです。
許可証は、遺骨を取り出すときに今の管理者に見せ、納骨するときに新しい管理者に出します。市営墓地では、撤去工事の予定日が決まってから返還届を出します。工事の日取りを決めるためにも、見積もりは早めに頼みます。
見積もりを最初に置くのは、見積もりの物差しが店ごとに違うからです。日本石材産業協会が2023年度に石材店へ積算の単位を聞いた調査では、184件の回答が面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べてください。頼み先の選び方は、墓じまい業者の記事にまとめました。
市内の移し先には、市営納骨堂の愛宕霊堂があります。申込は戸籍管理課で受け付け、まず窓口か電話で相談します。申込には、火葬証明書か改葬許可証などが要ります。使用料と申し込める人の条件は、静岡市の墓じまい補助金の記事に、ほかの移し先は遺骨の行き先の記事にまとめました。
迷ったときは、どこに聞けばいいか
聞きたいことによって、問い合わせる先が分かれます。
| 聞きたいこと | 問い合わせる先 |
|---|---|
| 改葬許可の書類と申請 | 戸籍管理課 霊園・斎場係(054-221-1297)か、清水区地域総務課(054-354-2361)です。墓が市の外なら、その市町村です。 |
| 市営墓地の返還届 | 沓谷・愛宕・沼上霊園は戸籍管理課 霊園・斎場係、清水大平山霊園は清水区役所地域総務課です。 |
| 愛宕霊堂への申込 | 戸籍管理課です。まず窓口か電話で相談します。 |
| 寺や民営霊園の証明 | その墓の管理者です。寺の墓なら住職です。 |
| 撤去工事の費用 | 複数の石材店です。見積もりの物差しが店ごとに違うので、並べて比べます。補助金の有無と費用を抑える方法は、静岡市の墓じまい補助金の記事にまとめました。 |
どの課に聞けばよいか分からないときは、静岡市コールセンターの「いつでも電話サービス」(054-200-4894)があります。改葬の手続も、よくある質問として載っています。
墓が静岡県内のほかの市町村にあるときの聞く先と、静岡県の助成のことは、静岡県の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
静岡市内の墓の改葬許可は、戸籍管理課か清水区地域総務課に申請します。手数料は遺骨1体につき300円です。墓が市の外にあるなら、その市町村が申請先です。
申請の前に、墓の使用者の承諾と、管理者の埋蔵・収蔵証明をもらいます。市営墓地は、撤去工事の予定日が決まってから返還届を出し、墓を元の状態に戻して返します。工事の見積もりは、複数の石材店から取って比べてください。見積もりの単位は店によって違います。
