まず結論から
- 静岡市の市営墓地・納骨堂、返還届出書、改葬の手続の案内に、墓じまいの助成は載っていません。
- 市営墓地を返したときに使用料を返す決まりも、静岡市の案内には載っていません。県内では、磐田市が改葬などで返すと使用料の50%を返し、浜松市は永代使用料を返せないと明記しています。
- 移し先を市営納骨堂「愛宕霊堂」の永年収蔵にすると、使用料は遺骨1体106,790円です。ほかの遺骨と一緒に納めるので、あとから遺骨は返せません。
- 撤去の費用は、複数の石材店の見積もりで額と内訳を比べます。見積もりを出す単位が、店によって分かれているからです。
- 遺骨を移すための改葬許可の手数料は、遺骨1体につき300円です。
静岡市で、墓じまいのお金に関わる市の決まり
静岡市の市営墓地・納骨堂と改葬の案内から、お金に関わる決まりを抜き出しました。
| 項目 | 静岡市の決まり |
|---|---|
| 墓じまいの助成 | 市営墓地・納骨堂、返還届出書、改葬の手続の3つの案内に、載っていません。 |
| 市営墓地の使用料 | 許可を受けるときに最初に納めます。額は区画の種類や面積に応じて条例で決まっています。返したときの扱いは、案内に載っていません。 |
| 市営墓地の管理料 | 墓地を維持するための費用で、年1回、納入通知書が届きます。 |
| 改葬許可の手数料 | 遺骨1体につき300円です。 |
| 愛宕霊堂(永年収蔵) | 遺骨1体106,790円です。ほかの遺骨と一緒に納め、遺骨は返せません。 |
| 愛宕霊堂(期限付収蔵) | 遺骨1体1年につき5,330円です。1〜30年の希望の期間で預け、更新もできます。 |
| 撤去の工事 | 額の決まりは市の案内に無く、石材店の見積もりで決まります。見積もりの単位は、店によって分かれています。 |
助成の案内が見当たらないぶん、費用を抑える道は移し先の選び方と撤去の見積もりにあります。次の節から順に見ていきます。改葬許可の窓口と、市営墓地の返還届の出し方は、静岡市の墓じまい手続きの記事にまとめました。
市の助成はあるのか。返した区画の使用料は戻るのか
補助金を探すときは、まず墓がある市の案内を見ます。静岡市の市営墓地・納骨堂の案内には、墓じまいの助成は載っていません。山の斜面にある市営墓地に、義実家の墓がある人の記録です。
山の斜面の市営墓地にある義実家の墓をしまうことを、義母・義弟と決めた嫁(個人ブログ・アメブロ)
日頃、義実家のことは義弟に任せっきりなので墓じまいの費用については長男である夫が負担すること。
お墓に眠る遺骨の改葬先は私の両親や義両親の兄弟も眠っているお寺の納骨堂にお願いしようということになりました。
膝を悪くした義母は、急な斜面の墓に、もう参れないかもしれないと口にしていました。帰省中の会食の席で、義母が自分から墓じまいを決めています。静岡市の市営墓地では、区画の使用料を最初に納め、管理料を年1回納めます。
出典: 帰省と墓じまいのこと(アメブロ)(台帳: V0104)
その使用料を、区画を返したときに返す決まりは、市営墓地・納骨堂の案内にも返還届出書のページにも載っていません。返す前に、戻るかどうかを返還届の受付先に確かめます。愛宕・沓谷・沼上霊園なら戸籍管理課 霊園・斎場係(054-221-1297)です。
使用料を返すかどうかは、墓を返す先の市の決まりで分かれます。同じ静岡県内でも、磐田市と浜松市は案内に明記していて、扱いが逆です。
| 市 | 市営墓地を返したときの使用料 |
|---|---|
| 磐田市 | 墓所の移転(改葬)などで市営霊園の墓地を返すと、使用期間に関係なく、納めた使用料の50%を返します。2016年4月からの制度です。 |
| 浜松市 | 市営墓所の永代使用料は、返せないと明記しています。 |
| 静岡市 | 市営墓地・納骨堂の案内と返還届出書のページに、返す決まりは載っていません。 |
墓じまいの費用を助成する市もあります。千葉県の市川市は、市川市霊園の墓地を返す人に、更地に戻す費用の全部または一部を助成しています。浦安市は、墓所を返した人に、墓石の撤去などの費用を上限15万円まで補助します。どちらも、その市の墓地を返す人が対象です。全国の制度は、墓じまい補助金の記事で比べています。
費用を抑える移し先。愛宕霊堂の永年収蔵は1体106,790円
移し先に払うお金も、墓じまいの費用の一部です。移し先の合祀墓に払う額を、遺骨の数ごとに書き留めた人の記録です。
父から墓じまいを頼まれ、両親が元気なうちに準備を進めている本人(個人ブログ・note)
今回、現在の墓園で案内されている比較的安価なコースを確認したところ、現時点で分かっている費用は以下のとおりだった。
墓石等の撤去・処分:40万円
合祀墓への納骨:25万円
5万円 × 5遺骨
永久石板への氏名彫刻:13万2,000円
2万2,000円 × 6名
移し先の合祀墓は、今の墓と同じ墓園の中にあります。この額に、閉眼供養のお布施などは入っていないと書いています。静岡市の愛宕霊堂の永年収蔵も、使用料は遺骨1体ごとに決まっています。
出典: 僕の「墓じまい」(note)(台帳: V0005)
愛宕霊堂は、愛宕霊園の中にある静岡市の市営納骨堂です。永年収蔵なら、使用料は遺骨1体106,790円です。使用料は、使う期間に応じて一括で納めます。
| 納め方 | 中身と使用料 |
|---|---|
| 永年収蔵 | 遺骨を骨壷から絹の袋に移し、ほかの遺骨と一緒に納めます(合葬)。一度納めると、遺骨は返せません。使用料は遺骨1体106,790円です。 |
| 期限付収蔵 | 遺骨を1体ずつ、骨壷のまま棚に納めます。1〜30年の希望の期間で預け、更新もできます。使用料は1体1年につき5,330円です。 |
永年で使えるのは、静岡市に住民登録のある人か、亡くなったときに静岡市民だった人の遺骨です。申込の資格には「静岡市内に墓地を持っていない方」もあり、市は事情を聞いて資格を確かめるとしています。市内の墓をしまって移す人は、申し込む前に戸籍管理課へ窓口か電話で相談します。
移し先に合葬墓を選ぶ人は増えています。鎌倉新書の2026年の調査では、遺骨の引っ越し先で最も多かったのは「永代供養(合祀・合葬墓)」の43.2%でした。前回2024年の調査の30.9%から増えています。
ほかの移し先は、遺骨の行き先の記事で比べています。
撤去の費用は、複数の見積もりを比べて決める
墓じまいの総額には幅があります。鎌倉新書が2026年1月に「いいお墓」の利用者に行った調査で、墓じまいをした人に費用を聞くと、「31万〜70万円」が31.3%で最多でした。30万円以下の16.8%と合わせ、約48%が70万円以下でした。151万円以上も14.0%いました。
鎌倉新書は、70万円以下が約半数になった一因に、比較的安い合祀・合葬墓を選ぶ人が増えたことを挙げています。同じ調査で、墓じまいを検討してやめた理由の最多は「解体費用が高すぎた」の22.2%でした。公営の墓地公園に移すと決めてから、業者を選んだ人の記録です。
14代続いた実家の墓をしまい、先祖の遺骨を公営の墓地公園へ移すことにした当事者(個人ブログ・note)
実家の片付けをした時と同じように、数社から相見積もりを取った。金額だけでは決めない。見積もりの内容や、問い合わせをした時の対応なども含めて比較し、納得できる業者を選んだ。
移し先の墓地公園は、抽選に当たって決まっていました。寺の住職は離檀を了承し、お布施の額も示してくれたといいます。見積もりを出す単位は、店によって分かれています。
出典: 墓じまいで一番心配だったこと(note)(台帳: V0022)
日本石材産業協会は2023年度、石材店に墓じまいの見積もりを何の単位で出すかを尋ねました。184件の回答は、面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。工事を頼む前に、複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べます。
静岡市の市営墓地では、撤去工事の予定日が決まってから返還届を出します。見積もりは、工事の日取りを決める前に頼んでおきます。費用の内訳は墓じまい費用の記事に、石材店の選び方は墓じまい業者の記事にまとめました。
お金のことで迷ったときの聞き先
聞きたいことによって、聞く先が分かれます。
| 聞きたいこと | 聞く先と、分かっていること |
|---|---|
| 市営墓地を返す・使用料が戻るか | 沓谷・愛宕・沼上霊園は戸籍管理課 霊園・斎場係(054-221-1297)、清水大平山霊園は清水区役所地域総務課(054-354-2361)です。 |
| 愛宕霊堂に申し込む | 戸籍管理課です。まず窓口か電話で相談します。 |
| 改葬許可を取る | 戸籍管理課か清水区地域総務課です。手数料は遺骨1体につき300円です。 |
| 撤去にいくらかかるか | 複数の石材店に見積もりを頼みます。見積もりの単位は店によって違います。 |
静岡県の助成のことと、墓が静岡県内のほかの市町村にあるときの聞く先は、静岡県の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
静岡市の市営墓地・納骨堂、返還届出書、改葬の手続の案内に、墓じまいの助成は載っていません。返した区画の使用料を返す決まりも案内に無く、県内では磐田市が50%を返し、浜松市は返せないと明記しています。
費用を抑える道は、移し先と撤去の工事にあります。愛宕霊堂の永年収蔵は遺骨1体106,790円です。工事を頼む前に、複数の石材店の見積もりを比べてください。見積もりの単位は店によって違います。改葬許可や返還届の出し方は、静岡市の墓じまい手続きの記事にまとめました。
