墓じまいの服装は?施主は略礼服・親族は平服・女性と納骨の日

墓じまいの服装は?施主は略礼服・親族は平服・女性と納骨の日
目次

墓じまいの日に、何を着て行けばいいのか。喪服を出すべきか、手持ちの服で足りるのか、家族だけなら普段の服でいいのか。そんな迷いに答える記事です。

服装の目安は、曹洞宗・真宗大谷派・神社本庁の公式の案内と、全日本冠婚葬祭互助協会のマナーの解説から整理しました。移した先に遺骨を納める日のことは、浄土真宗本願寺派の大谷本廟や札幌市の案内で確かめます。

まず結論から

  • 閉眼供養(魂抜き)の日は、法事を営む施主の側は略礼服、呼ばれた親族は喪服でなく平服が目安です。墓から霊を抜く儀式も、法事の一つです。
  • 呼ばれた側の服は、男性ならダークスーツと渋めのネクタイ、女性は洋装なら地味な感じのワンピーススーツが無難です。派手な服やラフな服は避けます。
  • 土地のしきたりで、喪服を着る人が多いこともあります。迷ったら、年長者などに確かめます。
  • 移した先に納める日は、納める先の案内を見ます。京都の大谷本廟は、服装に特に決まりはなく、派手でない平服で構わないとしています。
  • 宗派や互助協会の服装の案内は、法事の日のものです。工事だけの日は、墓地の案内で日差しなど現地の様子を確かめます。

喪服で行くのか、平服でいいのか

墓じまいでは、墓石を撤去する前に、墓から霊を抜く儀式を営みます。魂抜きや閉眼供養など、呼び名は宗派によってさまざまです。

全日本墓園協会の横田睦氏は、国民生活センターの月刊誌で、墓石は「抜魂式」を行ったうえで撤去すると書いています。そして抜魂式を、法事の一つとして挙げています。服装の手がかりも、法事の案内にあります。

墓の建て替えのための閉眼供養(魂抜き)に、夫と参列した妻(墓じまいではない。個人ブログ・アメブロ)

夫は喪服ではないブラックスーツにチャコールグレーのネクタイ、私は喪服ではない黒のワンピースに黒のストッキングを着ました。

参列した夫の妹家族はノーネクタイだったけれどみんな喪服でした。

墓じまいではなく、墓を建て替える前の魂抜きの日の記録です。夫婦は前もって、喪服に準じた服にしようと話し合っていました。全日本冠婚葬祭互助協会は、土地のしきたりで喪服を着る参列者が多い場合もあると書いています。

出典: 閉眼供養に参列した、夫の妹家族を見て思ったこと(アメブロ)(台帳: V0101)

服装の目安は、法事を営む施主の側か、呼ばれた側かで分かれます。曹洞宗の公式サイトは、法事では施主の側は略礼服等を着るのが一般的だとしています。全日本冠婚葬祭互助協会は、法事に出かけるときは喪服ではなく平服にするよう案内しています。

立場・場面服装の目安
施主の側略礼服等が一般的。施主も参列者も数珠(念珠)を持っていきます。互助協会は、故人の家族の側(喪家)は一周忌までは喪服を着るとしています。
呼ばれた親族喪服ではなく平服。派手なもの、奇抜なもの、ラフな服は避け、化粧も控えめにします。
男性(呼ばれた側)ダークスーツと、それに合う渋めのネクタイ。
女性(呼ばれた側)洋装なら地味な感じのワンピーススーツ。和装なら地味な小紋に黒紋付きの羽織。
アクセサリー結婚指輪、時計、真珠のネックレスのほかは控えます。
真宗大谷派の法事喪服か、派手ではない清楚な服装。念珠を持ち、肩衣も持っていればあわせて持参します。
神式の年祭(一年祭の後)男性はダークスーツなど華美ではない服装、女性もこれに相当する服装。年数を経るにつれ、平服にしていって構いません。

喪服を着るか平服にするかで迷ったら、年長者などに確かめるのが互助協会のすすめです。呼ばれた側が包むお金は親戚が包むお金の記事、僧侶に渡すお布施は墓じまいのお布施の記事にまとめました。

家族だけの日、雨や暑い日は、どこまで崩していいのか

墓じまいの日に集まるのが、家族だけということもあります。互助協会は、法要は内輪ですませることも多いと書いています。

株式会社huhu(墓じまいの代行業者)は2026年2月、墓じまいを経験した100人に進め方を聞きました。63人が、代行を使わず「すべて自分(親族)で行った」と答えています。

母方の山の上の墓を、菩提寺の住職と石屋を呼んでしまった当事者(個人ブログ・note)

ドンッという音とともにたちまち猛烈な雨が降ってきた。滝のような雨というのはまさにこれだ。 それだけではない、突風まで吹いてきて雨は横なぐりとなり、木々は大きくざわついた。 平安時代なら、祟りじゃ、怪異じゃ、と大騒ぎになるような天候の急変である。 みんなでお寺さんを囲んで必死に傘を差し掛けた。骨壺もずぶ濡れで中まで水浸しかも知れない。

読経が始まり、石屋が骨壺を取り出そうとかがんだときのことです。当日は直系の近親者3人と、住職、墓守を兼ねた石屋の5人だけでした。鹿児島市の市営合葬墓は、雨の日は遺骨を持っていく場所が墓地管理事務所になります。

出典: 墓じまいと怪異(note)(台帳: V0054)

近親者だけの法事なら、案内は電話連絡だけでもすむと、曹洞宗の公式は書いています。服装の案内は、近親者だけの場合と分けていません。呼ばれた側の平服も、派手なもの、奇抜なもの、ラフな服は避けます。

読経をしない日もあります。遺骨の取り出しや、墓石の撤去の工事だけの日です。宗派や互助協会の服装の案内は法事の日のもので、この日の決まりはありません。

この日の支度は、墓地の案内が手がかりになります。松戸市営白井聖地公園の案内は、日光を遮る場所があまりない区画もあるとして、熱中症に気を付けるよう呼びかけています。管理棟には休憩できる場所があります。

寺の墓なら、土地の慣習を菩提寺に聞くこともできます。曹洞宗の公式は、各地方に慣習があるので、事前に菩提寺によく伺っておくとよいとしています。

当日の段取りのどこに工事が入るかは、墓じまいの流れの記事で確かめられます。家族だけで営むと決めたら、呼ばない親戚への話し方は挨拶状の記事にまとめました。

移した先に納める日は、何を着るのか

墓じまいは、墓から遺骨を出して終わりではありません。国民生活センターの月刊誌の取材で、佐々木閑氏(花園大学)は、新たな場所に霊を入れることで新たなお墓になると話しています。

夫を含む3人の骨壺を寺の墓から出し、築地本願寺の合同墓に納めた当事者(個人ブログ・note)

法要部屋に運び、ご本尊前のテーブルに3体のお骨を安置させていただきました。しばらくするともう1組のご家族4人が一つのお骨を持って入られ同じようにテーブルに。 法要のお部屋は4組の家族が入れるくらいの広さでしたが、私たちが三体のお骨だったせいか、お部屋は私たち家族に加えてもう1組だけ、全員で7人のみでガランとしてました。

寺の墓で最後の法要を営んだあと、骨壺は石材店が預かり、納骨の日に届けてくれました。息子は出張で出られず、当日は娘と二人でした。移す先によって、当日の流れも服装の案内も違います。

出典: "ゴースト夫"に会いたくて〜墓じまい(納骨と法要)〜第36話(最終話)(note)(台帳: V0026)

納める先が、当日の服装を案内していることもあります。京都の大谷本廟(浄土真宗本願寺派)は、服装に特に決まりはないとしています。喪服の人も私服の人もいて、派手でない平服なら構わないそうです。

納める先服装と当日のこと
大谷本廟(京都市・浄土真宗本願寺派)服装に特に決まりはありません。受付は毎日9時〜15時で、予約はできません。受付から納骨まで、平常時で1時間〜1時間半ほど。休日などの混雑時は2〜3時間ほどかかることもあります。
大谷祖廟(真宗大谷派)華美な服装をさけるよう案内しています。念珠と、持っていれば略肩衣を持参します。案内時間の30分前までに来て、納骨は案内から約30分です。真宗大谷派に属する人の納骨所です。
札幌市の合同納骨塚原則として職員が当日か翌営業日に納骨するので、納骨には立ち会えません。市は供養などの宗教的な行事をしません。
海への散骨日本海洋散骨協会のガイドラインは、桟橋やマリーナによっては喪服の着用を控え、遺骨や遺影は袋に入れて運ぶなどの配慮が必要だとしています。

取り出した遺骨をどこへ納める人が多いかは墓じまいで骨はどうなるかの記事、移した先での納め方は改葬の記事にまとめました。

まとめ

墓から霊を抜く儀式も、法事の一つです。その日は、施主の側は略礼服、呼ばれた親族は喪服でなく平服が目安です。家族だけの日も、派手な服やラフな服は避けます。

喪服を着る人が多い土地もあるので、迷ったら年長者などに確かめます。移した先に納める日は、納める先の案内を先に読んでおきましょう。墓じまいの全体の流れは、墓じまいとは何かの記事で確かめられます。

墓じまいの日の服と墓の様子を書いた3人の口コミ

最後に、墓じまいの日の前後を書いた3人の記録から、一節ずつ紹介します。

祖母が山に建てた墓を、閉眼供養の前に掃除した孫(個人ブログ・note)

山の中だけあり、雑草やら低木やら、さらには様々な木の根がお墓の敷地を覆っていました。幸い、晩秋だったので虫には遭遇しませんでしたが・・・

出典: お墓じまい⑥閉眼供養(note)(台帳: V0063)

夫が継いだ義叔父の家の墓(都立霊園・神道)をしまった妻(個人ブログ・アメブロ)

平服と言いながらも夫は礼服。

義弟も礼服でした。

私はクリーニング費用をケチる事にして、黒のブラウスを購入しました。

出典: 墓じまいに参列(アメブロ)(台帳: V0014)

海外から一時帰国し、母と二人で移した先の永代供養墓の開眼供養をした娘(個人ブログ・アメブロ)

酷暑のこの時季に、ご住職にも申し訳なく思いましたが、先延ばしにするのもね・・・ということで

出典: 番外編 ”墓じまい(お墓の引っ越し)のその後”(アメブロ)(台帳: V0082)

参考文献

  1. 株式会社フーフー「わたしたちの墓じまい」(2026)「墓じまいの流れに関する実態調査」. 墓じまいの経験がある男女100人へのインターネット調査(2026年2月6日実施).
  2. 大谷本廟(浄土真宗本願寺派)「よくあるご質問」.
  3. 国民生活センター (2025)「国民生活」2025年12月号(No.160)特集「『家』を継げない時代の埋葬と祭祀を考える」. 特集2 佐々木閑/特集3 横田睦(全日本墓園協会).
  4. 松戸市「松戸市営白井聖地公園 墓地の使い方(2025年度版)」.
  5. 真宗大谷派(東本願寺)「大谷祖廟 納骨・永代経」.
  6. 真宗大谷派(東本願寺)「葬儀・法事・お墓のこと」法事での持ち物・服装.
  7. 札幌市「合同納骨塚について」.
  8. 曹洞宗 曹洞禅ネット SOTOZEN-NET「法事の営み方」案内状の送付・服装と数珠について.
  9. 神社本庁「神葬祭」神葬祭に参列する際の服装について.
  10. 全日本冠婚葬祭互助協会「法要に招かれたらどうする?」(冠婚葬祭マナー お葬式のマナー).
  11. 全日本冠婚葬祭互助協会「法事(法要)に出席するときは?」(冠婚葬祭マナー お葬式のマナー).
  12. 一般社団法人日本海洋散骨協会「日本海洋散骨協会ガイドライン」(令和3年8月1日一部改定).
  13. 鹿児島市「鹿児島市営合葬墓 募集案内書」.

当事者の口コミの出典: V0101(アメブロ)/V0054(note)/V0026(note)/V0063(note)/V0014(アメブロ)/V0082(アメブロ)。いずれも本人が公開している記録で、引用は原文のままです。

更新履歴: 2026-10-05 公開