まず結論から
- 公営の合葬墓(ほかの人の遺骨と一緒に納める墓)は、1体ごとの使用料です。最初から一緒に納める区分は、大阪市と神戸市が1体5万円です。札幌市は9,100円、都立多磨霊園は3万8千円です。合祀・合葬墓は、墓じまいのあとの移し先として最も多い形です。
- 寺や民営も含めると、お墓探しのサイト「ライフドット」の2022年の調査で、永代供養墓の平均購入費用は88万8,790円でした。骨壺ごとに一定期間管理する施設では、骨壺1つ30〜50万円という設定の例もあります。
- 墓じまい全体の費用は、鎌倉新書の2026年の調査で「31万円~70万円」が31.3%と最多、151万円以上も14.0%でした。幅の理由には、解体する墓地の広さと、移す先の永代供養墓・納骨堂のグレードが挙がっています。
- 先祖代々の墓からは、相当な数の遺骨が出る場合があります。大阪市の合葬式墓地も大谷本廟も、納める額は人数分です。何体あるかは、手続きの前に今の墓地の管理者に確かめます。
- 墓石の撤去は、見積もりの単位が店によって違います。複数の石材店から見積もりを取り、項目をそろえて比べます。北九州市も、市営霊園の案内で複数の業者からの見積りを勧めています。
墓じまいから永代供養まで、全部でいくらかかったのか
墓じまいをして永代供養にするとき、払う先は1つではありません。今の墓を片づける費用と、移す先に納める費用に分かれます。先祖代々の墓をしまい、父が懇意にしていた寺の永代供養にした人の記録です。
名古屋で育ち、父の郷里の愛知県新城市にある先祖代々の墓をしまった3人兄弟の次男(個人ブログ・note)
永代供養代金は70万円
正直、高いのか安いのかわかりません。
検索すると50万円未満のところも出てきますが、追加料金が必要なところもあるようです。
お願いしたお寺は今後一切の費用はなし。
元々父や祖父が懇意にしていたお寺ですし、法事もお願いしていたことは私も知っていましたので、言われた金額で納得するしかありません。
更に墓碑に名前を入れたければ2万円必要とのこと。
まぁ、父の名前をどこかに残した方がいいかとお願いすることにして、合計72万円をお寺の口座に振込しました。
父が亡くなって約20年、墓だけが残っていました。石材店に払った撤去費26万円と合わせ、合計は98万円です。鎌倉新書の調査報告も、費用の幅の理由に、移す先の永代供養墓・納骨堂のグレードを挙げています。
出典: 墓じまいからの永代供養98万円也(note)(台帳: V0121)
鎌倉新書は2026年1月、「いいお墓」経由で資料請求や霊園見学をし、改葬・墓じまいを検討・実施した人に調査しました。実際に墓じまいをした(している)人の費用は、「31万円~70万円」が31.3%で最多でした。151万円以上の人も14.0%います。価格帯ごとの分布は墓じまい費用の相場の記事にまとめました。
払う先ごとに、何に払うのかを並べます。
| 払う先 | 何に払うか | 知っておくこと |
|---|---|---|
| 移す先(合葬墓・永代供養墓など) | 1体ごとの使用料や永代供養料 | 大阪市の合葬式墓地は、使用料を納めた日が使用許可日です。許可証が届いてから納骨します。 |
| 移す先(希望する人だけ) | 名前を刻む料金 | 大阪市の記名料は5万円、神戸市の記名板は1体3万円です。 |
| 石材店 | 墓石を撤去し、区画を更地に戻す工事 | 見積もりの単位は、面積・体積・重量・一式・墓の数・人件費と店で分かれます。複数の石材店から見積もりを取り、項目をそろえて比べます。北九州市も複数の業者からの見積りを勧めています。 |
| 今の墓地の管理者 | 返す年度の管理料 | 神戸市は、返す年度の年間使用料を納める決まりです。月割りの制度はありません。 |
| 役所(今の墓がある市区町村) | 改葬許可の申請の手数料 | 京都市と下関市は無料、奈良市と富山市は1枚300円です。ほかの市の額は墓じまいの書類の記事に並べました。 |
お寺に包むお金は、お布施の記事と離檀料の記事にまとめました。永代供養料とは別にお布施が要るかは、お布施の記事の永代供養の節にあります。
払う順番にも決まりがあります。八王子市は、遺骨を移す許可(改葬許可)を申請する前に、移す先から使用許可証か受入証明書(遺骨を受け入れると証明する書類)をもらうよう案内しています。手続きの順番は墓じまいして永代供養にする記事にまとめました。
公営の合葬墓なら、1体いくらなのか
永代供養の料金は、遺骨の数で積み上がることがあります。由緒ある寺に家の墓がある人が、墓じまいの概算を電話で聞いた日の記録です。
由緒ある寺にある家の墓の、墓じまいを控えた当事者(個人ブログ・note)
ざっくりと 墓じまいの概算を墓じまいサイトに℡で聞いてみたら
うちは、ご先祖様が入られてる数が15もあって
これを、
安いところで、1霊 5万円
高いところで、1霊 10万円と数えると、
それだけで、75~150万かかってしまう。
前日、書き手は寺に管理費の未納分を納め、近く墓じまいをすると伝えていました。公営の合葬墓も、使用料を1体ごとに決めています。
出典: 墓じまいサイトに相談してみた(note)(台帳: V0068)
鎌倉新書の2026年の調査では、墓じまいのあとの移し先は、永代供養の合祀・合葬墓が43.2%で最多でした。公営の合葬墓の使用料は、条例や案内で決まっています。7つの自治体の額を並べます。
| 自治体と施設 | 1体の使用料 | 知っておくこと |
|---|---|---|
| 札幌市 合同納骨塚 | 9,100円 | 骨壺から出して、ほかの人の遺骨と一緒に納めます。申請時に一括で払い、以後の管理料はかかりません。 |
| 東京都 都立霊園の合葬埋蔵施設 | 多磨霊園は直接共同埋蔵3万8千円、一定期間後共同埋蔵6万1千円 | 八柱霊園は5万3千円と13万1千円、小平霊園の2号基は5万8千円と9万1千円です。墓を返して移す制度は都営霊園の記事にあります。 |
| いわき市 東田・南白土墓園の合葬墓地 | 納骨堂を使わない場合4万5千円 | 納骨堂を使う場合は9万円です。2024年6月の案内の額です。 |
| 大阪市 瓜破霊園の合葬式墓地 | 直接合葬5万円 | 10年・20年保管してから合葬する区分もあります。大阪市に住んでいない人は1.5倍です。 |
| 神戸市 鵯越合葬墓 | 合葬施設5万円 | 骨壺のまま10年置く個別安置施設は10万円です。期間が過ぎると合葬施設へ移します。 |
| 横浜市 日野公園墓地の合葬式納骨施設 | 6万5千円(永年) | 市内に住所がない人は5割増しです。日野こもれび納骨堂の合葬式納骨施設は、使用料7万4,800円と管理料4万6,200円(どちらも60年間)です。 |
| 市川市 市川市霊園の合葬式墓地 | 1体用7万1千円 | 一般墓地を返す人は、公募によらず特例で申し込めます。生前の分と遺骨を合わせて2体までで、市外の人も申し込めます。 |
同じ合葬墓でも、区分で額が変わります。骨壺のまま一定期間置く区分や、納骨堂を使う区分は、そうしない区分より高くなっています。
先祖代々の墓なら、何体分を払うのかを先に知っておきます。八王子市は、手続きの前に今の墓地の管理者へ、遺骨が何体あるかを必ず確かめるよう求めています。数の確かめ方と、まとめて納めるときの数え方は遺骨の数と費用の記事にまとめました。ほかの市の1体の額も、同じ記事の図にあります。
公営の墓を返して同じ市の合葬墓へ移すときの特例は、市営墓地の墓じまいの記事にまとめました。撤去費の助成は墓じまい補助金の記事にあります。
お寺や民営の永代供養墓は、いくらなのか
寺や民営の永代供養墓は、いくらなのか。父と墓じまいをし、同じ寺が新しく建てた永代供養墓を契約した人の記録です。
父と2人で墓じまいをし、同じ寺が新しく建てた永代供養墓を契約した娘(個人ブログ・はてなブログ)
この永代供養墓の37回忌までの使用料(購入代金)は70万円でした。
70万円もあったら普通のお墓が購入できる(田舎の場合)気がするし……永代供養墓もピンキリだと思いますが、その当時このお寺の永代供養墓は1種類しかなかったので他に選択肢はありませんでした。
約5年前の契約です。1年後、同じ墓地に5万〜25万円の志で納められる永代供養墓が増えました。70万円には、1体分の納骨料や管理料、永代読経料も含まれていたらしいと書いています。寺が永代供養墓の額をどう決めたかは、論文にも例があります。
出典: 【終活】墓じまいをして新たに永代供養墓を購入したお話です。(りかさんのぼっちブログ)(台帳: V0012)
2018年の論文は、兵庫県新温泉町の寺が2007年に、永代供養墓を使う料金(永代使用料)を30万円と決めた経緯を記しています。50年後に合祀する(ほかの遺骨と一緒に納める)までの料金を含む額で、論文は少々高額な値段だとしています。理由は、安くしすぎることで、利用者が「遺骨を捨てる」意味で永代供養墓を使うのを避けるためでした。
民営も含めた額の手がかりを、調査と公式の案内から並べます。
| 手がかり | 額 | どんな数字か |
|---|---|---|
| 永代供養墓の平均購入費用 | 88万8,790円 | ライフドットが2022年7〜8月、直近1年以内に墓を買った30歳以上の330人に聞いた調査です。 |
| 樹木葬・納骨堂の平均購入金額 | 樹木葬71.7万円、納骨堂81.5万円 | 鎌倉新書が2026年1月、「いいお墓」経由で2025年に墓を買った1,267件に聞いた調査です。 |
| 骨壺ごとに一定期間管理する施設 | 骨壺1つ30〜50万円 | 国民生活センターの月刊誌が挙げた設定の例です。2つ目から半額にする施設もあるようです。 |
| 浄土真宗本願寺派の本山・大谷本廟 | 「納骨・一座経」5万円以上、「納骨・永代経」8万円以上 | 改葬の遺骨は「小型容器より大きい場合」の扱いです。複数体なら人数をかけた額です。 |
ライフドットの調査は、永代供養に関心の高い検討者が、実際より低い価格を想像しているようだと書いています。国民生活センターの月刊誌も、永代供養墓に納める費用が、新しく墓を建てるより高くなることもあると指摘します。
申し込む前に、使用規則と料金表を見ます。月刊誌も、パンフレットだけでなく使用規則や料金表を見るよう勧めています。預けたあとも支払いが続くかは永代供養の記事に、樹木葬の額は樹木葬の記事にまとめました。合祀したあと取り出せないことは合祀の記事にあります。
まとめ
墓じまいをして永代供養にする費用は、今の墓を片づける費用と、移す先の料金に分けて考えます。公営の合葬墓は1体ごとの使用料で、最初から一緒に納める区分は大阪市と神戸市が1体5万円です。寺や民営も含めた永代供養墓の平均購入費用は、2022年の調査で88万8,790円でした。
先祖代々の墓なら、何体あるかを今の墓地の管理者に先に確かめます。墓石の撤去は、見積もりの単位が店によって違います。複数の石材店から見積もりを取り、項目をそろえて比べます。北九州市も、複数の業者からの見積りを勧めています。
永代供養の料金を聞き、払った3人の口コミ
最後に、永代供養の料金を聞き、払った3人の記録から、一節ずつ紹介します。
両親の遺骨を大阪の寺の永代供養に納め、祖父母の墓じまいはこれからの当事者(個人ブログ・note)
あと、両親のような「新仏さん」のお骨と、 ご先祖様のお骨や魂とでは金額も違いました
出典: 【墓じまいのこと】両親の納骨と、まさかの「骨つぼ手作り」(note)(台帳: V0023)
夫とともに遠方の墓をしまった50代の主婦(個人ブログ・アメブロ)
そして永代供養料についてですが、住職が言うには全員の御骨のお預かりとなると、総額60万円かかります…との事。
これも相場なのか?も、こちらは分からないわけです。
全部で三人分の御骨なのですが、1人あたり20万円?などとつい計算してしまいます💦
出典: 墓じまいの記録② かかった費用と当日まで(アメブロ)(台帳: V0011)
神奈川県西方の実家近くにあった先祖の墓を、都内のビルの中の合祀墓へ移した長男(個人ブログ)
娘や息子の存在、また、将来の転居や経済的な面も考慮し、永代供養料を支払い、気持ちを楽にしました。
出典: 後悔しない! 墓じまい こうすればうまくいく(個人ブログ)(台帳: V0016)
