墓じまいに六曜は関係ある?大安・仏滅への宗派の答えと斎場の休み

墓じまいに六曜は関係ある?大安・仏滅への宗派の答えと斎場の休み
目次

墓じまいの日は、大安にしたほうがいいのか。友引や仏滅は避けるべきなのか。家族にそう言われて、日取りを前に迷っていないでしょうか。

この記事では、真宗大谷派(東本願寺)・築地本願寺・天台宗の公式の答えと、浦安市斎場・尼崎市の案内をもとに、六曜と墓じまいの日の関係を整理します。墓じまいをした人たちの記録も紹介します。

まず結論から

  • 大安・友引・仏滅などの六曜(暦の日ごとの吉凶)には、こだわらなくてよいと浄土真宗の真宗大谷派と築地本願寺は答えています。真宗大谷派は友引を気にするのは「迷信にすぎません」とし、築地本願寺は「浄土真宗の教えには関係ありません」としています。どちらも葬儀や法事の日への答えです。
  • 日の言い伝えは六曜のほかにもあります。四十九日が三か月にわたるのをよくないとする言い伝えを、浄土真宗本願寺派は迷信とし、天台宗は葬儀や法事とは関係のない風習としています。
  • 友引で実際に止まるのは、一部の火葬場や窓口です。浦安市斎場の火葬施設は、友引の日が休みです。尼崎市で、市営墓園から遺骨を移す許可(改葬許可)の申請を受ける弥生ケ丘斎場管理事務所も、友引日が休日です。
  • 墓じまいで火葬場を使う場面もあります。相模原市は土葬だった遺骨を改めて火葬するときの申請を案内し、長崎市は樹木葬などで遺骨を再び火葬する場合があるとしています。
  • 真宗大谷派は、日取りは家族や住職と相談して決めるとよいとしています。撤去工事を頼む石材店は、複数の見積もりから選びます。北九州市も、市営霊園の案内で複数の業者からの見積りを勧めています。

大安・友引・仏滅は、墓じまいの日に関係あるのか

六曜は、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6つです。墓じまいも葬儀のように、友引や仏滅を避けて大安を選ぶものなのでしょうか。まず、迷信を気にするかどうかを書き残した人の記録を見てみます。

臨月のときに、父と祖母を含む先祖が入る市設の霊園の墓をしまい、遺骨を寺の納骨堂へ移した30歳の人(個人ブログ・note)

腹の皮一枚を隔てて、同じ空間に、確かにわたしと赤ちゃんと、先祖たちの遺骨が存在していた。ざっと6世代ぐらい全員集合。こんなミラクルはなかなかないだろう。普通はない。迷信がどうとかスピリチュアル的に…ということは気にしないことにしていた。気をつけるべきことは、石材店やお寺に聞いて守ったし、わたしに迷いはなく、体調も万全、きっとそれで大丈夫だった。

石材店が洗って乾かした遺骨はゆうパックで届き、自宅のベランダで骨壺に移しました。翌日、親族で寺の納骨堂へ納めています。日の吉凶については、真宗大谷派と築地本願寺が公式に答えています。

出典: 先祖の遺骨と、妊婦のわたし〜30歳の墓じまい(note)(台帳: V0057)

真宗大谷派は、葬儀の日取りの問いに答えています。友引に葬儀を出すと「死者が友を引く」と気にする人が多いものの、「これは迷信にすぎません」としています。親鸞聖人の言葉「吉良日を視ることを得ざれ」も引いています。そのうえで、日取りは家族や住職と相談して決めるとよいとしています。

築地本願寺は、葬儀や法事で友引や仏滅を避けたほうがいいかという問いに答えています。日による吉凶や六曜は「浄土真宗の教えには関係ありません」とし、こだわりなく行うよう勧めています。

墓そのものにも、同じ向きの答えがあります。真宗大谷派は、墓を建てるときに墓相(墓の形や向きの吉凶)・方角・日の良し悪しにとらわれる必要はないとしています。浄土真宗本願寺派は、墓石に吉日の文字を刻まないよう勧めています。

どれも葬儀・法事・墓を建てるときの答えで、墓じまいを名指ししたものではありません。浄土真宗以外の宗派が六曜に答えた公式の文書は、確かめた資料の中にありませんでした。ほかの宗派の家は、菩提寺(家の墓がある寺)の住職に聞きます。曹洞宗も、法事の日取りは菩提寺とよく相談して決めるよう案内しています。墓の方角や当日の雨への宗派の答えは、墓じまいで不幸になるかの記事にまとめました。

四十九日に合わせるとき、縁起は気にするのか

墓じまいを、法事の日に合わせる家もあります。祖父の四十九日の法要の日に、墓をしまった人の記録です。

父方の祖父を見送り、四十九日の法要の日に、山口の地域の墓地にある墓をしまった孫(個人ブログ・note)

父方の祖父が亡くなって、今日は四十九日の法要とついでと言ってはあれですがこの機会にもう墓をしまおうということで墓仕舞いもしてきました。最近はどんどん墓をしまう人も増えるそうですが、中々実際に体験する事はあまり機会がないだろうという事で今日の感想を此処に記したい。

寺のお坊さんに墓まで来てもらい、骨壺を大きな骨壺にまとめて、寺の永代供養へ移しました。浄土真宗の家で、その日の最後に四十九日と骨壺の供養を勤めています。四十九日の数え方は、本願寺派が示しています。

出典: 墓仕舞いをした話(note)(台帳: V0039)

浄土真宗本願寺派によると、亡くなった日から数えて7日目が初七日です。以後7日ごとに法要を勤め、七七日(四十九日)を満中陰とします。満中陰は、中陰(亡くなってから四十九日までの期間)が満ちるという意味です。

この四十九日には、三か月にわたるといけないという言い伝えがあります。四十九を「始終苦」、三月を「身につく」と読む語呂合わせです。そのため、五七日(三十五日)に満中陰の法要をすませてしまう人もいます。2つの宗派の答えを並べます。

言い伝え・問い答え宗派
四十九日が三か月にわたるといけない迷信。語呂合わせを気にして中陰を切り上げるようでは、確かな依りどころを得たとは言えない。浄土真宗本願寺派
「三月がかり」なので四十九日を繰り上げるお産で実家に戻った嫁を婚家に帰すための語呂合わせが元。葬儀や法事とは関係のない風習で、心配する必要はない。天台宗
遺骨はいつ墓に納めるか特に決まりはない。満中陰か百ヵ日あたりが目安で、地域で違いがある。多くの地域では、四十九日の法事の後に納めることが多い。本願寺派・真宗大谷派

遺骨を納める日にも、決まりはないと本願寺派と真宗大谷派は答えています。取り出した遺骨の行き先は、墓じまいの遺骨はどうなるかの記事と永代供養の記事にまとめました。

六曜で決めないなら、日は何で決めるのか

六曜で選ばないなら、日は何を目安に決めればよいのでしょうか。自分の誕生日を、母の遺骨を納める日にした人の記録です。

17年ひとりで自宅介護した母の遺骨を、家の墓に入れず、京都の大谷本廟へ納めた人(個人ブログ・note。家の墓はまだしまっていない)

母のお骨は、去年、京都の大谷本廟に納めました。

三回忌を終えたあとの10月の末。私の誕生日でした。

誕生日にしたのは、記念にしたかったからではありません。

いつか、いつかと思っていたら、なかなか進まない。

日を決めてしまわないと動かないことが、自分でわかっていたからです。

家族はなく、祖父と祖母と父が入る家の墓は、いずれ処分すると書いています。そのときに母の遺骨を動かさずに済むよう、大きいお骨も一緒に納めました。大谷本廟は、納骨と読経を土・日・祝日に関係なく毎日受け付けています。

出典: 母だけがいないお墓に、手を合わせてきました(note)(台帳: V0065)

墓じまいの段取りを場面に分けて、日を決める相手と、友引との関係を並べます。

場面日を決める相手友引との関係(確かめた例)
墓石の撤去工事石材店と墓地。石材店は複数の見積もりから選ぶ。北九州市も市営霊園の案内で勧めている。福岡市立霊園・松戸市の白井聖地公園・神戸市立墓園が定める工事のできない日に、友引は入っていない。
閉眼供養(墓から魂を抜く供養)住職。曹洞宗は、法事の日取りが内定したら、まず菩提寺に連絡するよう案内している。浄土真宗の真宗大谷派と築地本願寺は、六曜は迷信・教えに関係がないと答えている。
改葬許可の申請(遺骨を移す許可)役所など。尼崎市の市営墓園の墓じまいは、弥生ケ丘斎場管理事務所へ郵送で申請する。同事務所は、友引日と元旦が休日。
遺骨の火葬火葬場。浦安市斎場は、改葬する遺骨の火葬も受ける。使用料は1件につき市内5,000円・市外35,000円。火葬施設は、1月1日〜3日と友引の日が休み。
移す先への納骨移す先の墓地。鹿児島市営合葬墓は、予約がないと受け入れない。納骨できる日から、友引日と12月29日〜1月3日を除いている。

確かめた例で六曜が段取りに効いてくるのは、友引に休む火葬場や窓口を使う日です。友引に納骨を受けない移す先もあります。火葬場を使う場面として、相模原市は、土葬されていた遺骨を改めて火葬するときに火葬炉使用承認申請が要るとしています。長崎市は、樹木葬などのときに遺骨を再び火葬する場合があり、再火葬にも改葬許可申請が要るとしています。

各市の手続きは、尼崎市の墓じまいの記事、相模原市の記事、長崎市の記事、鹿児島市の記事、北九州市の記事にまとめました。移す先が納骨を受ける日と日取りの順番は、墓じまいに良い日の記事で比べています。石材店の選び方は墓じまい業者の記事、住職へのお礼は墓じまいのお布施の記事で確かめられます。

まとめ

大安・友引・仏滅などの六曜について、真宗大谷派は迷信とし、築地本願寺は浄土真宗の教えに関係がないとしています。四十九日が三か月にわたるのを嫌う言い伝えも、本願寺派と天台宗は気にしなくてよいとしています。

友引が段取りに効くのは、浦安市斎場や尼崎市の窓口のように、友引に休む施設を使う日です。撤去工事は、複数の石材店から見積もりを取って頼む先を選びます。日取りは、家族や住職と相談して決めます。

墓じまいの日を決めた3人の口コミ

最後に、何に合わせて墓じまいの日を決めたかを書き残した3人の記録から、一節ずつ紹介します。

母の十三回忌を機に、八王子の菩提寺にある実家の墓を、同じ寺の永代供養塔へ移した人(個人ブログ・アメブロ)

8、石屋さんの仕事が終えた処でお寺さんの都合に合わせて開眼式を行いました。

9、開眼式当日は本堂でお経をあげて頂き、また、永代供養塔の前でもお経をあげて頂きました。

出典: 備忘録 墓じまい(アメブロ)(台帳: V0008)

父の命日に、祖父母の遺骨を京都の大谷本廟へ納めた孫(個人ブログ・note)

再び、大谷本廟を訪れたのは父の命日でした。

その日に合わせ、祖父母の納骨も進めることができました。

出典: お墓じまい⑧納骨へ(note)(台帳: V0064)

管理していた寺が廃寺になった霊園の墓をしまい、父と母の遺骨を別の寺の永代供養塔へ納めた一人っ子の息子(個人ブログ・note)

そして四十九日を迎え、無事に父と母のお骨をお寺の永代供養塔に安置することができた。

出典: 実家じまい(三) 墓(note)(台帳: V0127)

参考文献

  1. 北九州市「諸手続きについて(市営霊園)」.
  2. 大谷本廟「よくあるご質問」.
  3. 松戸市 健康医療部 予防衛生課「松戸市営白井聖地公園 墓地の使い方(2025年度版)」.
  4. 相模原市「よくある質問 改葬許可の手続き方法について知りたい。」(2025年11月18日更新).
  5. 浦安市「浦安市斎場 ~利用のご案内~【令和8年7月一部改訂版】(葬儀社用)」(2026).
  6. 真宗大谷派(東本願寺)「葬儀・法事・お墓のこと」.
  7. 浄土真宗本願寺派(西本願寺)「よくあるご質問」.
  8. 築地本願寺「悩み・仏事相談」よくあるご質問.
  9. 神戸市「神戸市立墓園における工事等施工要領」(2016).
  10. 曹洞宗 曹洞禅ネット SOTOZEN-NET「法事の営み方」.
  11. 天台宗「天台宗について Q&A」(天台宗公式サイト).
  12. 尼崎市「改葬許可申請の手引き」.
  13. 福岡市「福岡市立霊園 利用の手引(一般墓所)」(2024).
  14. 長崎市「墓じまいのお悩み」広報ながさき2025年3月号(つながる掲示板).
  15. 鹿児島市(環境衛生課)「鹿児島市営合葬墓 使用者募集案内書」(令和8年2月1日改訂).

当事者の口コミの出典: V0057(note)/V0039(note)/V0065(note)/V0008(アメブロ)/V0064(note)/V0127(note)。いずれも本人が公開している記録で、引用は原文のままです。

更新履歴: 2026-10-06 公開