まず結論から
- 徳島市の改葬の案内にも徳島市墓地条例にも、墓じまいの助成は載っていません。徳島県が墓地の経営者などに向けた届出・申請の案内にも、助成は載っていません。
- 市営墓地の使用料は「既に納入した使用料は,返還しない」と定められています。例外は、利用の承諾から1年以内に要らなくなった場合だけです。
- 市営墓地を返すときは、届出の日から3か月以内に元の状態に戻します。墓石の撤去は、使用者の義務とされています。
- 鎌倉新書が2026年1月に「いいお墓」の利用者に聞いた調査では、墓じまいの費用は「31万〜70万円」が31.3%で最多でした。見積もりの単位(積算の仕方)は店で違うので、複数の石材店の額と内訳を比べます。
- 墓じまいを後押しする市もあります。総務省が2023年にまとめた報告書は、愛媛県新居浜市と北海道苫小牧市の取組を例に挙げています。
徳島市に墓じまいの補助金はあるのか
補助が無ければ、墓じまいの費用は家族で出すことになります。市営墓地にある義実家の墓をしまうと決めた家族の記録です。
山の斜面の市営墓地にある義実家の墓をしまうと決めた、長男の妻(個人ブログ・アメブロ)
日頃、義実家のことは 義弟に任せっきりなので 墓じまいの 費用については 長男である夫が負担する こと。
お墓に眠る遺骨の 改葬先は 私の両親や義両親の兄弟も 眠っている お寺の 納骨堂に お願いしようということに なりました。
膝を悪くした義母は、月命日の墓参りにも弱音を口にするようになっていました。8月の帰省中、孫たちがそろった会食の席で、義母が自分から墓じまいを決めました。徳島市の改葬の案内と墓地条例に、墓じまいの助成は載っていません。
出典: 帰省と墓じまいのこと(アメブロ)(台帳: V0104)
確かめたのは、徳島市の改葬の案内、徳島市墓地条例、徳島県の届出・申請の案内の3つです。どれにも、墓じまいの助成は載っていません。県の案内は、墓地の経営者や所有者が県に出す届出・申請の窓口を示すものです。
墓じまいの手続きの窓口は、県ではなく市町村です。改葬の許可を出すのは、遺骨がいま納まっている地の市町村長です。
墓じまいを後押しする市町村もあります。総務省が2023年にまとめた報告書は、次の3市の取組を挙げています。
| 市 | 報告書にある取組 |
|---|---|
| 鹿児島県鹿児島市 | 墓じまいの改葬先などに使う合葬墓を、令和6年2月の完成予定で整備していました。 |
| 愛媛県新居浜市 | 市営墓地の区画を返して合葬式施設を使う人の使用料を、全額免除する制度を条例で定めていました。令和3年度までに466柱の利用がありました。市の2025年の案内は、墓石の撤去の補助金や助成金の制度を「設けていません」としています。 |
| 北海道苫小牧市 | 市営墓地の墓じまいの費用を指定の金融機関から借りた市民に、利息と信用保証料を最大5万円助成していました。 |
報告書には、苫小牧市の取組が「墓じまいを自治体が支援する珍しい事例」としてマスコミに取り上げられたとあります。ほかの自治体の制度は、墓じまい補助金の記事で比べています。近くの市の決まりは、高松市の墓じまい補助金の記事と高知市の墓じまい補助金の記事にまとめました。
市営墓地を返すと、使用料は戻るのか
徳島市墓地条例は、市営墓地の使用料について「既に納入した使用料は,返還しない」と定めています。使わないまま区画を返した夫婦の話を、霊園の側から書いた記録です。
20年前に区画を求めた夫婦の墓じまいを受け付けた、青森の霊園の管理事務所のスタッフ(個人ブログ・note)
その区画が契約されたのは、20年前。 墓石も、その頃に建立されている。
それから20年間。 管理料が遅れたことは、一度もなかった。 けれど、そのお墓には結局、誰も入ることがなかった。
夫婦は50代半ばで、自分たちが入る墓を用意しました。東京で暮らす独身の息子に負担をかけたくないと、元気なうちに返還を申し出ました。徳島市の条例は、使用料を返す例外を、承諾から1年以内に要らなくなった場合に限っています。
出典: 一度も使われなかったお墓を、今日、解体した。(note)(台帳: V0049)
徳島市墓地条例から、お金に関わる決まりを表にしました。
| 項目 | 徳島市墓地条例の決まり |
|---|---|
| 使用料 | 1平方メートルあたり7万4,000円に区画の面積を掛け、1万円(2分の1区画は5,000円)を加えた額です(第6条)。 |
| 市内に住所の無い利用者 | 上の額の1.5倍です(第6条)。 |
| 納めた使用料 | 返しません。利用の承諾から1年以内に要らなくなった場合は例外です(第7条)。 |
| 区画を返すとき | 届出の日から3か月以内に、元の状態に戻して返します(第13条)。 |
使わないまま返しても、承諾から1年を過ぎていれば、使用料は戻りません。例外のときに戻る額は、条例に書かれていません。
墓石の撤去は「現状回復義務」として、使用者の義務とされています。撤去の費用を補う制度は、市の改葬の案内にも墓地条例にも載っていません。返還の届出や名義の承継は、徳島市の墓じまい手続きの記事にまとめました。
撤去と移し先の費用は、どう比べるか
鎌倉新書の調査は、費用の幅が、解体する墓地の広さや移し先のグレードで生まれるとしています。5社に見積もりを頼んだ人の記録です。
山の中にある父と先祖の墓2基をしまうため、5社に見積もりを頼んだ一人娘(個人ブログ・note)
この結果を見て、「こんなに差が出るのか」と驚きました。5社に見積もりをお願いして、本当に良かったと思います。
特にA社とE社の差は、なんと約42万円。同じ内容でも、ここまで違うとは思いませんでした。
1966年生まれの本人は、父の弟が亡くなったのをきっかけに動き出しました。墓の写真と案内図を用意し、やり取りはすべてメールで済ませています。見積もりの単位は、店によって違います。
出典: 墓じまいを決めるまでの話【5社見積もりを取って分かったこと】(note)(台帳: V0001)
日本石材産業協会が2023年度に石材店に尋ねた調査(184件の回答)では、見積もりを積算する単位が、面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。同じ条件で複数の店に頼み、額と内訳を比べます。
鎌倉新書が2026年1月に「いいお墓」の利用者に行った調査では、墓じまいをした(している)人の費用は「31万〜70万円」が31.3%で最多でした。30万円以下は16.8%、151万円以上は14.0%です。
同じ調査で、墓じまいを検討してやめた人の理由は「解体費用が高すぎた」が22.2%で最多でした。移し先は「永代供養(合祀・合葬墓)」が43.2%で最多です。前回2024年の調査では30.9%でした。
移し先の料金は、数え方も確かめます。骨壺ごとに一定期間管理する施設では、骨壺の数で料金が積み上がると、全日本墓園協会の横田睦氏は「国民生活」2025年12月号に書いています。
費用の内訳は墓じまい費用の記事に、石材店の選び方は墓じまい業者の記事に、移し先の比べ方は永代供養の記事にまとめました。お寺の墓ならお布施の記事も、費用が足りないときは墓じまいのお金がないときの記事も参考になります。
徳島県の助成のことと、墓が徳島県内のほかの市町村にあるときの聞く先は、徳島県の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
徳島市の改葬の案内と徳島市墓地条例に、墓じまいの助成は載っていません。市営墓地の使用料は、承諾から1年以内に要らなくなった場合を除いて戻りません。区画は、届出の日から3か月以内に元の状態に戻して返します。
費用の幅は、解体する墓地の広さと移し先で生まれます。見積もりの単位は店で違うので、複数の石材店の額と内訳を比べてください。移し先は、骨壺の数での料金の数え方まで確かめます。
