まず結論から
- 佐世保市の霊園と改葬の案内5ページに、墓じまいの助成は載っていません。
- 長崎県の生活衛生課の墓地の案内(長崎県有墓地のページ)にも、墓じまいの助成は載っていません。改葬の許可は墓のある市町村が出し、佐世保市では手数料がかかりません。
- 佐世保市民霊園の区画を返しても、使い始めるときに納めた即納使用料は、原則戻りません。例外は、使用許可から3年以内に、区画の全部を使わずに返したときなどです。
- 市民霊園に永代供養墓はありません。市民霊園の納骨堂は、1体5年分で21,360円です。
- 墓石の撤去の費用は使用者の負担です。見積もりの単位は石材店で違うので、複数の店の額と内訳を比べます。
佐世保市で、墓じまいのお金に関わる市と県の決まり
佐世保市の改葬と市民霊園の案内、長崎県の墓地の案内から、お金に関わる決まりを抜き出しました。
| 項目 | 決まり |
|---|---|
| 佐世保市の助成 | 改葬許可・市民霊園の手続き・納骨堂・墓地の募集の案内に、載っていません。 |
| 長崎県の助成 | 県の生活衛生課の墓地の案内(長崎県有墓地のページ)に、載っていません。 |
| 市民霊園の即納使用料 | 原則として還付されません。使用許可から3年以内に、場所の全部を使わずに返したときなどは例外です。 |
| 改葬許可 | 手数料はかかりません。 |
| 火葬証明書・分骨証明書 | 要るときだけで、1通300円です。 |
| 市民霊園の納骨堂 | 1体につき5年分で21,360円です。5年に満たずに出しても、還付されません。 |
| 市民霊園の永代供養墓 | ありません。 |
| 墓石の撤去 | 費用は使用者の負担です。 |
手続きの窓口と書類は、佐世保市の墓じまい手続きの記事にまとめました。
市や県の助成はあるのか。返した区画の使用料は戻るのか
補助金を探すときは、まず墓がある市の案内を見ます。佐世保市の霊園と改葬の案内に、墓じまいの助成は載っていません。
長崎県の生活衛生課は、県が管理する長崎県有墓地の案内を出しています。この案内にも、墓じまいの助成は載っていません。改葬の許可を出すのも、県ではなく墓のある市町村です。長崎市の案内は、長崎市の墓じまい補助金の記事で確かめました。
一度も使わないまま、区画を返す人もいます。返還を受ける側の霊園の人が書いた記録です。
青森の霊園の管理事務所で、区画の返還を受けた人(個人ブログ・note)
今日、霊園で墓じまいの工事に立ち会った。
その区画が契約されたのは、20年前。
墓石も、その頃に建立されている。
それから20年間。
管理料が遅れたことは、一度もなかった。
けれど、そのお墓には結局、誰も入ることがなかった。
区画を求めたのは、50代半ばの夫婦でした。東京で暮らす息子に負担をかけたくないと、元気なうちに返すことを決めています。佐世保市民霊園で使用料が戻る例外は、許可から3年以内に全部を使わずに返したときなどです。
出典: 一度も使われなかったお墓を、今日、解体した。(note)(台帳: V0049)
市民霊園の区画は、はじめに即納使用料を納めて使います。返しても、即納使用料は原則として還付されません。例外として挙がっているのは、使用許可を受けてから3年以内に、場所の全部を使わずに返したときなどです。市民霊園の納骨堂の使用料も、5年に満たずに出したときに還付されません。
墓じまいを後押しする制度を持つ市はあります。どれも、その市が経営する墓地を返す人に向けた制度です。
| 市(墓地) | 制度の中身 |
|---|---|
| 市川市(市川市霊園) | 更地に戻す費用の全部または一部を助成します。上限は区画により7万5000円〜44万円です。納めた使用料も4分の1を返し、許可から3年以内に未使用で返すと2分の1です。 |
| 浦安市(墓地公園) | 墓石の撤去など、区画を元に戻した費用を、返したあとに補助します。上限は15万円です。 |
| 太田市(八王子山公園墓地) | 無縁墓地の対策として、返すときの墓石の撤去の費用を助成します。 |
| 新居浜市(市営墓地) | 2023年の報告書の時点で、区画を返して、多くの遺骨を一緒に納める市の施設(合葬式施設)を使う人は、施設の使用料が全額免除でした。市の2025年の案内は、墓石の撤去の補助金や助成金の制度を「設けていません」としています。 |
総務省が2023年にまとめた公営墓地の調査報告書は、使用料の免除や、墓じまいのローンへの助成を例に挙げています。どれも、引き継ぐ人のいない墓(無縁墳墓)を減らすための取組です。全国の制度は、墓じまい補助金の記事で比べています。
移し先の費用。市民霊園に永代供養墓はない
移し先に払うお金も、墓じまいの費用の一部です。佐世保市は、市民霊園に永代供養墓は無いと明記しています。市民霊園では永代供養を行っていない、とも案内しています。公営の霊園の墓をしまい、遺骨を寺へ移した人の記録です。
父が建てた公営霊園の墓をしまい、遺骨を寺の合同墓地へ移した娘(個人ブログ・note)
お骨は二体分でしたが、位牌が我が家には6体ぶんありました。この6体分を永代供養しないといけません。
これが一番お金がかかることでした。
一体につき10万円✖️6=60万円
ですね。ずっと永代供養することなく曽祖父の曽祖母から始まっているので仕方ありません。位牌が多かったのが料金がかかった点でした。
それ以外はネットで調べていたよりはずいぶん安く済んだなというのが感想です。
お骨に関しては霊園の合同墓地に納めることも可能でした。
我が家はお寺の方が断然近いですし、母の希望でお寺の合同墓地に納めることにしました。
存命の母の了承を得て、墓じまいを決めた人です。準備から納骨まで、3か月ほどかかったと書いています。佐世保市民霊園の納骨堂の使用料も、遺骨1体ごとにかかります。
出典: 2年前に実家の墓じまいをしました(note)(台帳: V0113)
市民霊園の中には、市の納骨堂があります。使用料は1体につき5年分で21,360円で、申請できるのは佐世保市民です。遺骨を預かる期間は5年で、市長が特別な理由を認めたときに更新できます。生活保護の生活扶助を受けている人向けに、使用料の減免を申請する書類が用意されています。
長崎県内に住む人は、長崎市坂本2丁目の長崎県有墓地にも申し込めます。墓石を建てて使う区画で、許可から2年内を目途に建てるよう案内されています。
| 項目 | 長崎県有墓地の決まり |
|---|---|
| 申し込める人 | 長崎県内に住所がある人です。許可は1世帯に1区画です。 |
| 申し込み方 | 県庁2階の生活衛生課に、申込書を持っていきます。郵送・FAXでは受け付けません。 |
| 使用料 | 永代使用料を一括で納めます。令和4年5月の案内の一覧表では1㎡あたり48,600円か53,600円で、区画ごとに158,120円〜760,590円です。 |
| 管理料 | 徴収していません。 |
| 返すとき | 納めた使用料は戻りません。墓石などをすべて撤去し、更地にして返します。 |
公営の合葬墓を持たない市町村は、少なくありません。総務省の2023年の報告書では、公営の墓地・納骨堂を持つ765市町村のうち、合葬式施設を持つのは25.5%でした。
移し先に合葬墓を選ぶ人は増えています。鎌倉新書が2026年1月に「いいお墓」の利用者に行った調査では、墓じまい後の移し先で最も多かったのは「永代供養(合祀・合葬墓)」の43.2%でした。前回2024年の調査の30.9%から増えています。
撤去の費用は、複数の見積もりの額と内訳で比べる
市民霊園の墓石を撤去する費用は、使用者が負担します。墓じまいの総額には幅があります。鎌倉新書の同じ調査で、実施した人が答えた総額は、「31万〜70万円」が31.3%で最多でした。30万円以下は16.8%で、合わせて約48%が70万円以下です。一方で、151万円以上も14.0%いました。
同じ調査で、墓じまいをやめた人が挙げた理由の最多は「解体費用が高すぎた」の22.2%でした。5社に見積もりを頼んだ人の記録です。
山の中にある父と先祖の墓2基をしまうため、5社に見積もりを頼んだ一人娘(個人ブログ・note)
この結果を見て、「こんなに差が出るのか」と驚きました。5社に見積もりをお願いして、本当に良かったと思います。
特にA社とE社の差は、なんと約42万円。同じ内容でも、ここまで違うとは思いませんでした。
墓の写真と近くからの案内図を用意し、やり取りはすべてメールで進めた人です。見積もりを出す単位は、石材店によって分かれています。
出典: 墓じまいを決めるまでの話【5社見積もりを取って分かったこと】(note)(台帳: V0001)
日本石材産業協会は2023年度、石材店に、墓じまいの見積もりを何の単位で出すかを尋ねました。答えは、面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。工事を頼む前に、複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べます。
お金のことで迷ったときの聞き先
聞きたいことによって、聞く先が分かれます。
| 聞きたいこと | 聞く先と、分かっていること |
|---|---|
| 市民霊園の区画を返す・納骨堂を使う | 生活衛生課です。返還届も、納骨堂の使用許可の申請も、ここに出します。 |
| 改葬許可を取る | 生活衛生課です。手数料はかかりません。 |
| 長崎県有墓地に申し込む | 県の生活衛生課(095-895-2363)です。申込書は県庁2階に持っていきます。 |
| 撤去にいくらかかるか | 見積もりの単位は店によって違うので、複数の石材店に頼み、額と内訳を比べます。 |
長崎県の助成のことと、墓が長崎県内のほかの市町村にあるときの聞く先は、長崎県の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
佐世保市の霊園と改葬の案内にも、長崎県の生活衛生課の墓地の案内にも、墓じまいの助成は載っていません。市民霊園の即納使用料は原則として戻らず、例外は許可から3年以内に全部を使わずに返したときなどです。
比べられるのは、移し先と撤去の工事の費用です。改葬許可の手数料はかかりません。市民霊園に永代供養墓は無く、納骨堂は1体5年分で21,360円です。県内に住む人は、長崎県有墓地にも申し込めます。見積もりの単位は石材店で違うので、工事を頼む前に複数の店の額と内訳を比べてください。手続きの窓口は、佐世保市の墓じまい手続きの記事にまとめました。
