まず結論から
- 熊本市の桃尾墓園・市営納骨堂の案内と改葬許可申請書に、墓じまいの助成は載っていません。
- 熊本市墓地条例では、納めた使用料は返されません。墓地は、使っている側が元の状態に戻して返します。
- 市の施設で使える移し先は、市営納骨堂(桃尾霊堂)です。家族納骨壇は10年で20万円、短期納骨壇は1年で5千円です。
- 墓じまいの費用は、鎌倉新書の2026年の調査で「31万円〜70万円」が31.3%と最多でした。見積もりは複数の石材店から取り、額と内訳を比べます。見積もりの単位は店によって違います。
- 寺に納める離檀料について、曹洞宗は宗門としての取り決めはないとしています。
熊本市に墓じまいの補助金はある?市の案内には載っていない
補助金を探すときは、まず墓がある市の案内を見ます。この記事で確かめたのは、熊本市の桃尾墓園の利用案内、市営納骨堂(桃尾霊堂)の案内、改葬許可申請書の記入例の3つです。
電車とバスを乗り継ぐ遠い市営霊園の墓を、現地に行かずにしまった当事者(個人ブログ・note)
費用は工事費が70万円弱。お墓の中の遺骨を取り出して合葬墓地へ移す際に、お坊さんにも来てもらったので、別途7万円ほどかかった。
手続きは石材店が代行し、問い合わせから約4か月で区画を更地にしました。熊本市の墓地と納骨堂の案内には、こうした費用の助成は載っていません。
出典: 墓じまい|費用と手続き期間の記録(note)(台帳: V0002)
確かめた3つの資料で、お金に関わることを並べます。
| 知りたいこと | 熊本市の案内にあること |
|---|---|
| 墓じまいの助成 | 桃尾墓園・桃尾霊堂の案内と、改葬許可申請書の記入例に、助成は載っていません。 |
| 市の墓地の使用料 | 墓地条例第8条の「既納の使用料は返還しません」が抜き出されています。 |
| 市営の合葬墓 | 2つの案内には出てきません。市営の納骨堂として、使用期間のある桃尾霊堂があります。 |
| 納骨堂の使用料の減免 | 更新の案内に、短期納骨壇に限り使用料が減免になるとあります。生活保護を受けている人は保護証明書を添えます。 |
助成を出す市は、何を出しているのでしょうか。総務省が2023年にまとめた墓地行政の調査報告書は、墓じまいによる返還を促す市の例を挙げています。2023年の報告書の時点で、愛媛県新居浜市は、市営墓地の区画を返して市の合葬式施設を使う人の使用料を、条例で全額免除していました。新居浜市の2025年の案内は、墓石の撤去の補助金や助成金の制度を「設けていません」としています。
北海道苫小牧市は、市営墓地の墓じまいの費用を指定の金融機関から借りた市民に、利息と信用保証料を最大5万円まで助成する事業を始めました。助成の中身は、使用料の免除や借入れの利息の助成のように、市によって形が違います。どちらも報告書がまとめた時点の例です。全国の制度の見分け方は、墓じまい補助金の記事にまとめました。
市の墓地を返すと、使用料は戻る?撤去費は見積もりで比べる
市の墓地を返せば、お金が戻ると考える人もいます。桃尾墓園の案内には、熊本市墓地条例から「既納の使用料は返還しません」(第8条)が抜き出されています。返すときは、すみやかに元の状態に戻して返す決まりです(第13条)。
義父の実家の町にある墓を夫が手配するのを、そばで記録した当事者(個人ブログ・アメブロ)
しかも…△石材店より遥かに安いのよ
【◯石材店の見積り額】
区画巻き石も処分した場合
¥222.000-
区画巻き石を残した場合
¥168.000-
管理事務所に確認したら
残念ながら巻き石も処分と言われたので、高い方のお値段になりましたが…
墓地管理所に教わった店の見積りは37.4万円で、夫はもう1軒に頼みました。巻き石は隣の墓との境界の石で、処分するかは墓地によって違うそうです。熊本市墓地条例も、返す墓地は元の状態に戻すよう定めています。
出典: 墓じまい(石材店見積り)(アメブロ)(台帳: V0123)
条例は、墓地を使っている側に、元の状態に戻して返すことを求めています。その工事の費用を助成する案内は、確かめた3つの資料にはありません。
費用の目安には、事業者の調査があります。鎌倉新書が2026年1月に「いいお墓」の利用者に聞いた調査で、墓じまいをした人の実施費用は「31万円〜70万円」が31.3%で最も多くいました。30万円以下は16.8%、151万円以上も14.0%いました。
70万円以下が約半数になったことについて、同社は、比較的安い合祀・合葬墓(ほかの遺骨と一緒に納める墓)を選ぶ人が増えたことも一因と見ています。額は、墓地の広さや移し先で変わります。
見積もりは複数の石材店から取り、額と内訳を比べてください。石材店によって、見積もりの単位が違うからです。日本石材産業協会が2023年度に石材店へ積算の単位を聞いた設問は、面積・体積・重さ・一式などから選ぶ形で、184件の回答がありました。相場の見方は、墓じまい費用の相場の記事にまとめました。
移し先の費用は?市営納骨堂の家族納骨壇は10年20万円
遺骨の移し先にも、お金がかかります。熊本市の市営納骨堂(桃尾霊堂)は、先祖などをまつる場所を一定の期間貸す施設です。
父の死を機に、市営霊園の墓を姉と寺の永代供養へ移した当事者(個人ブログ)
私がお願いしたお寺では、お墓から永代供養墓に移した場合の費用は骨壺1つに対して年間1万円でした。
30年供養してもらう場合は、30万円を最初に一括で支払います。
我が家のお墓には、3人の遺骨が入っていますので、30万円×3人で90万円になります。
父親を入れたら120万円です。
予想以上にかかるなと思ったら、住職から「親子は一緒の骨壺に入れるのもありですよ」と言われました。
墓は市営霊園にあり、離檀料はかからなかったと書いています。住職の案で4人分を1つの骨壺に納め、費用も安く済みました。桃尾霊堂の家族納骨壇も、遺骨が6体入る大きさです。
出典: 墓じまい:費用とやり方を解説!私たちの選んだ永代供養の詳細(個人ブログ)(台帳: V0013)
桃尾霊堂の納骨壇は2種類です。
| 納骨壇 | 入る遺骨 | 使用期間と使用料 |
|---|---|---|
| 家族納骨壇 | 6体 | 10年間で20万円 |
| 短期納骨壇 | 1体 | 1年間で5千円 |
使用期間は更新して使え、更新のときは更新の使用料を納めます。桃尾霊堂は、期間を区切って借りる納骨堂です。市が供養したり、遺骨を引き取ったりするものではありません。申し込めるのは熊本市内に住む人で、申込みの手順は熊本市の墓じまいの手続きの記事にまとめました。
ほかの人がどこへ移しているかも見ておきます。鎌倉新書の同じ調査で、墓じまい後の移し先は「永代供養(合祀・合葬墓)」が43.2%で最も多くいました。樹木葬が24.1%、別の墓石があるお墓が14.3%、納骨堂が13.3%です。
移し先の選び方は、墓じまいの遺骨の行き先の記事にまとめました。
寺の墓なら、離檀料は?曹洞宗は「取り決めはない」
墓が寺にあるなら、寺に納めるお金も気になります。曹洞宗は2023年、離檀料について宗門としての取り決めはなく、納めるよう指導もしていないと公表しました。これまでの感謝として布施を納める場合はあり、地域の慣行や寺との関係のなかで、話し合って決まるものとしています。
離檀料を心配しているのは、これから墓じまいをする人のほうです。全国石製品協同組合が2023年12月、40代以上で墓じまいをした41人と、検討中の141人に聞きました。検討中の人の心配で最も多いのは「高額な離檀料を請求される」でした。した人の答えでは「困ったことはない」が最も多くいました。
寺との間で疑問があれば、早めに菩提寺(先祖の墓がある寺)へ相談します。曹洞宗も、できる限り早い段階での相談を勧めています。遺骨を取り出すときのお布施は、墓じまいのお布施の記事にまとめました。
熊本県の助成のことと、墓が熊本県内のほかの市町村にあるときの聞く先は、熊本県の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
熊本市の桃尾墓園・市営納骨堂の案内と改葬許可申請書に、墓じまいの助成は載っていません。市の墓地を返しても、納めた使用料は戻りません。墓地は元の状態に戻して返します。
市の施設では、桃尾霊堂の家族納骨壇が10年20万円、短期納骨壇が1年5千円です。撤去の見積もりは、複数の石材店から取って比べてください。見積もりの単位は店によって違います。申請書の書き方と手続きの順番は、熊本市の墓じまいの手続きの記事にまとめました。
