まず結論から
- 八戸市霊園条例と、市の霊園・合葬墓・改葬の案内(3ページ)に、墓じまいの助成は載っていません。
- 市営霊園の区画を返しても、すでに納めた使用料と管理料は払い戻さないのが、条例の原則です。一度も使わずに返す区画は、使用料の半額が払い戻される場合があります。
- 管理料は、年度の途中で使い終えても1年分を納めます。未納があれば、返すときに納めます。
- 市の合葬墓(多くの人の遺骨を一緒に納める墓)は東霊園にあり、使用料は焼骨1体65,000円です。市営霊園の区画を返して移る人の区分は、いまは募集していません。
- 区画は、使う人が墓石を撤去して更地にしてから返します。工事の見積もりは単位が店で違うので、複数の石材店の額と内訳を比べます。
八戸市に墓じまいの助成はある?市の条例と案内で確かめた
補助金を探すときは、まず墓がある市の決まりを見ます。八戸市霊園条例には、使用料や管理料、払い戻しの条文はありますが、墓じまいの費用を助成する条文は載っていません。市営霊園の手続き、合葬墓の募集、斎場と霊園のよくある質問の3つの案内にも、助成は載っていません。
墓じまいをためらわせるのも、お金です。鎌倉新書が2026年1月に「いいお墓」の利用者に聞いた調査では、過去に検討してやめた人の理由の1位が「解体費用が高すぎた」でした。その割合は22.2%です。祖父母の墓をしまう費用を、いとこたちで分けた人の記録です。
母方のいとこ9人で、祖父母の墓をしまった孫(個人ブログ・note)
お寺 300,000円+12,000円(昨年の管理費)
石屋 473,000円
合計 785,000円 *税込み
785,000円をSさんと折半。9人で割って1人当たり約43,600円です。
伯父の一家が亡くなり、相続人のSさんが遺産から全額を払う予定だった墓じまいです。いとこ9人が半分を持つと決め、寺の合祀墓へ納めました。墓じまいの前に、なるべく多くの親族と相談するよう、全日本墓園協会の横田睦専務理事は勧めています。
出典: いとこ9人で墓じまい。きっかけ、しまい方、費用。そして墓参りは続く…(note)(台帳: V0071)
墓じまいを後押しする制度を持つ市もあります。どれも、その市が経営する墓地の区画を返す人に向けた制度です。
| 市 | 制度の中身 |
|---|---|
| 市川市 | 市川市霊園の区画を返すとき、更地に戻す費用の全部か一部を助成します。第1種の普通墓地(4.0平方メートル)なら、限度額は24万円です。 |
| 浦安市 | 返す墓所の墓石の撤去などにかかった費用を、返したあとに補助します。上限は15万円です。 |
| 太田市 | 八王子山公園墓地の無縁墓地の対策として、返すときの墓石の撤去の費用を助成します。 |
| 新居浜市 | 2023年の報告書の時点で、市営墓地の区画を返して合葬式施設を使う人は、施設の使用料が全額免除でした。市の2025年の案内は、墓石の撤去の補助金や助成金の制度を「設けていません」としています。 |
| 苫小牧市 | 2023年の報告書の時点で、墓じまいの費用を指定の金融機関から借りた市民に、利息と信用保証料を最大5万円まで助成していました。 |
総務省が2023年にまとめた公営墓地の調査報告書は、こうした取組を、無縁墳墓(縁故者がいなくなった墓)を減らす例として挙げています。全国の制度は墓じまい補助金の記事で、同じ青森県の青森市の決まりは青森市の墓じまい補助金の記事で比べています。払うのが難しいときの道は、墓じまいのお金がないときの記事にまとめました。
市営霊園の区画を返すと、使用料と管理料は戻る?
八戸市の市営霊園は、東霊園・西霊園・南郷中央霊園の3か所です。遠方の霊園の墓をしまうと決めた人は、石材店に見積もりを頼む条件の1つ目に、3月中に終えることを挙げました。その理由です。
認知症の両親を支えながら、遠方の霊園にある墓をしまうことにした娘(個人ブログ・note)
4月に霊園の年間使用料が発生してしまうため
2024年12月に墓じまいを決め、低い価格と、現地に行かずに済むことも条件にして、2社に見積もりを頼んだ記録です。八戸市の市営霊園でも、管理料は年度の途中で使い終えても1年分を納めます。
出典: 墓じまいの費用(note)(台帳: V0122)
八戸市霊園条例は、すでに納めた使用料と管理料は払い戻さないと定めています。市長が特別の理由があると認めたときは、全部か一部を払い戻せる、という例外も置いています。区画を返すときのお金の決まりを、条例と市の案内から表にしました。
| 返すときのお金 | 八戸市の決まり |
|---|---|
| 使用料 | 払い戻さないのが原則です。市長が特別の理由を認めたときは、全部か一部を払い戻せます。 |
| 一度も使っていない区画 | 「使用許可当時に支払済みの使用料」の半額が、払い戻される場合があります。使用者名義の通帳の写しを添えます。 |
| 管理料 | 翌年度からの分は毎年6月末までに納め、年度の途中で使い終えても1年分です。未納があれば、返すときに納めます。 |
| 撤去と更地 | 遺骨を引き取り、墓石を撤去して更地にしてから、返還を届け出ます。 |
管理料の年額は、霊園と区画の広さで決まっています。
返還の届出の書き方と、名義の書換は八戸市の墓じまい手続きの記事にまとめました。
移し先のお金。八戸市の合葬墓は焼骨1体65,000円
移し先に払うお金も、墓じまいの費用の一部です。八戸市の合葬墓は東霊園にあり、個人で墓石を建てたり、引き継いだりしなくてよい墓です。寺にあった兄の墓をしまい、公営の合葬式墓地へ移した人は、移し先の条件をこう書いています。
兄の墓をしまい、遺骨を公営の合葬式墓地へ移したきょうだい(メディア記事・HALMEK up の読者寄稿)
そういったこともあり、新しい移転先は、とにかく明朗会計であることにこだわりました。
公営の合葬式墓地は金額が明確ですし、私営と違って倒産する心配がないので安心です。
兄の墓では、住職が代わると、管理費の残りを前納するよう求められた経緯がありました。墓じまいは2025年6月です。八戸市の合葬墓の使用料も、霊園条例の表に焼骨1体65,000円と書かれています。
出典: 「墓じまいの」金銭トラブルを防ぐ!総額45万円で抑えたわが家の体験談(HALMEK up)(台帳: V0020)
使用料は焼骨1体につき65,000円で、納めた使用料は払い戻しません。申込の区分は3つあり、いま通年で受け付けているのは「焼骨を保有している方」の申込だけです。
| 申込の区分 | 条件 | いまの受付 |
|---|---|---|
| 焼骨を持っている人 | 申込のときまで1年以上続けて住民登録のある八戸市民か、亡くなったときにそうだった人の焼骨を持ち、使えるお墓がない人です。 | 通年で受け付けています。 |
| 生前予約 | 満65歳以上の八戸市民で、自分のために申し込む人などです。 | 募集していません。 |
| 市営霊園の区画を持つ人 | 区画に遺骨を納めていて、その区画を返す人です。条例は、1区画の遺骨を1体とみなして使用料を当てます。 | 募集していません。 |
市営霊園の区画を返して移る人の区分は、2026年4月1日更新の案内で、いまは募集していません。募集するときは、広報はちのへなどで知らせるとしています。案内には「現在、お墓をお持ちの方は申込みできません。(市営霊園を除く)」ともあります。寺や民営霊園の墓をしまったあとの遺骨がどの区分になるかまでは、案内に書かれていません。申し込む前に、市民課管理グループ(電話0178-43-9193)に確かめます。
合葬墓に納めた焼骨は返されず、分骨での申込もできません。合葬墓のような墓はパンフレットだけでなく、使用規則や料金表を見るよう、横田専務理事は勧めています。鎌倉新書の同じ調査では、墓じまい後の移し先は「永代供養(合祀・合葬墓)」が43.2%で最多でした。ほかの移し先は遺骨の行き先の記事と永代供養の記事で比べています。
撤去の費用は見積もりで比べる。八戸で払うお金と聞き先
墓じまいの総額には幅があります。鎌倉新書の同じ調査で、墓じまいをした・している人に実施費用を聞くと、「31万〜70万円」が31.3%で最多でした。30万円以下は16.8%で、151万円以上も14.0%いました。
日本石材産業協会が2023年度に石材店へ尋ねた調査では、見積もりを出す単位が、面積・体積・重さ・一式・墓の数・人件費に分かれました。単位が店で違うので、工事を頼む前に、複数の石材店から見積もりを取り、額と内訳を比べてください。
| 払う先 | 何のお金か | 聞く先と、分かっていること |
|---|---|---|
| 石材店 | 墓石の撤去と、更地にする工事 | 複数の店に見積もりを頼みます。見積もりの単位は店で違います。 |
| 八戸市(市営霊園) | 管理料の未納分と、その年度の分 | 市民課管理グループ(電話0178-43-9193)です。 |
| 八戸市(合葬墓) | 焼骨1体65,000円の使用料 | 同じ市民課管理グループです。使用料は、市民課の霊園窓口で納めます。 |
| 寺 | 墓石を処分する前の法要のお布施 | その寺の住職です。日蓮宗は、改葬で墓石を処分するときは必ず「御霊抜き」の法要を営むとしています。 |
| 八戸市(改葬許可) | 改葬許可の申請の手数料 | 案内のページに記載はありません。市民課窓口グループ(電話0178-43-9192)で確かめます。 |
費用の内訳は墓じまい費用の記事に、頼み先の選び方は墓じまい業者の記事に、お布施の額は墓じまいのお布施の記事にまとめました。
青森県の助成のことと、墓が青森県内のほかの市町村にあるときの聞く先は、青森県の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
八戸市霊園条例と、市の霊園・合葬墓・改葬の案内3ページに、墓じまいの助成は載っていません。市営霊園の区画を返しても、納めた使用料と管理料は払い戻さないのが条例の原則です。一度も使わずに返す区画は、使用料の半額が払い戻される場合があります。
移し先の市の合葬墓は、焼骨1体65,000円です。市営霊園の区画を返して移る人の区分は、いまは募集していません。撤去の工事は、複数の石材店の見積もりを比べて頼んでください。見積もりの単位は店によって違います。手続きの順番は八戸市の墓じまい手続きの記事に、同じ青森県の青森市のお金の決まりは青森市の墓じまい補助金の記事にまとめました。
