まず結論から
- 宇都宮市の霊園のよくある質問と墓園条例には、墓じまいの費用の助成は載っていません。
- 市営霊園を返しても、既に納めた使用料は還付(払い戻し)しないと条例で決まっています。市長が特別の事由を認めたときは、全部か一部を還付できます。
- 市が持つ移し先では、東の杜公園の合葬墓が焼骨1体25,000円です。支払いは1回だけで、年間管理費はかかりません。
- 合葬墓に申し込めるのは、市に6か月以上続けて住み、使える墓が無い人などです。長期納骨堂は、1体用で10年104,000円からです。
- 撤去工事の費用は、複数の石材店の見積もりを並べて比べます。見積もりの単位が店ごとに違うからです。
宇都宮市に墓じまいの補助金はある?
宇都宮市のよくある質問は、引き継ぐ人がいない市営霊園の墓について、墓じまいの手順を案内しています。そこに、費用の助成は出てきません。市営の霊園・墓地の使用料などを定めた墓園条例にも、墓じまいの助成の定めはありません。
全国では、墓じまいを後押しする市もあります。総務省が2023年に公表した墓地行政の調査報告書は、実地調査で見つけた例を挙げています。
| 市 | 報告書(2023年)にある取り組み |
|---|---|
| 愛媛県新居浜市 | 市営墓地の区画を返し、続けて合葬式の施設を使う人の使用料を全額免除する制度を、条例で定めていました。2021年度までに466柱(遺骨の数)の利用がありました。市の2025年の案内は、墓石の撤去の補助金や助成金の制度を「設けていません」としています。 |
| 北海道苫小牧市 | 墓じまいの費用を金融機関から借りた市民に、利息と信用保証料を最大5万円まで助成する事業を、2021年度から行っていました。報告書の時点では、利用の実績はありませんでした。 |
| 鹿児島県鹿児島市 | 墓じまいの移し先にも使える合葬墓の整備を進めていました。 |
同じ報告書によると、公営の墓地・納骨堂を持つ765市町村のうち、合葬式の施設を持つのは25.5%でした。宇都宮市は、東の杜公園に合葬墓と長期納骨堂を持っています。全国の助成の仕組みは、墓じまい補助金の記事にまとめました。
市営霊園を返すと、使用料は戻る?
市営霊園の区画を使う人は、使用の許可と同時に使用料を納めています。区画を返すとき、そのお金が戻るかどうかが次の問いです。
青森の霊園の管理事務所で働き、区画の返還を受けた側のスタッフ(個人ブログ・note)
その区画が契約されたのは、20年前。墓石も、その頃に建立されている。
それから20年間。管理料が遅れたことは、一度もなかった。けれど、そのお墓には結局、誰も入ることがなかった。
区画を求めたのは、50代半ばだった夫婦です。お盆に管理事務所を訪ね、東京で暮らす独身の息子に管理を任せたくないと、返還を申し出ました。宇都宮市の条例は、既に納めた使用料を還付しないと定めています。
出典: 一度も使われなかったお墓を、今日、解体した。(note)(台帳: V0049)
宇都宮市の市営霊園を返しても、既に納めた使用料は原則として戻りません。条例は、市長が特別の事由を認めたときは、全部か一部を還付できるとしています。
還付すると決まっているのは、市の都合のときです。霊園の管理などのために市が使用の許可を変えたり取り消したりしたときは、代わりの区画か補償か、使用料の還付をします。
使用料とは別に、区画の使用者は毎年、清掃などに充てる共用施設管理手数料を納めます。北山霊園なら、使用面積1平方メートルにつき年額1,404円です。区画を返すと、使用権は消えます。返す年度の手数料の扱いは条例に定めが無いので、管理事務所か生活安心課に確かめます。返還届の出し方は、宇都宮市の墓じまい手続きの記事にまとめました。
移し先の費用は?東の杜公園の合葬墓は1体25,000円
宇都宮市は、東の杜公園に合葬墓を整備しました。1つの墓に多くの遺骨を一緒に納め、市が永代に管理する墓です。引き継ぐ人がいない、墓に多額のお金をかけられないといった思いに応えて整えたと、市の手引は説明しています。
兄の墓を、公営の合葬式墓地へ移した当事者(HALMEK up・読者アンバサダーの寄稿)
そういったこともあり、新しい移転先は、とにかく明朗会計であることにこだわりました。
公営の合葬式墓地は金額が明確ですし、私営と違って倒産する心配がないので安心です。
兄の墓は寺にあり、住職が代わったとたん、残りの管理費の前納を求められたことがありました。墓じまいをしたのは2025年6月です。東の杜公園の合葬墓も、使用料の支払いは使用許可のときの1回だけです。
出典: 「墓じまいの」金銭トラブルを防ぐ!総額45万円で抑えたわが家の体験談(HALMEK up)(台帳: V0020)
東の杜公園の合葬墓は焼骨1体25,000円で、年間管理費はかかりません。すぐに合葬墓へ納めず、一定の期間安置したい人には、長期納骨堂もあります。期間が過ぎると、遺骨は合葬墓へ移されます。
| 施設 | 使用料 | 知っておくこと |
|---|---|---|
| 合葬墓 | 焼骨1体25,000円 | 支払いは使用許可のときの1回だけです。墓誌が無いので、名前は刻めません。納めた遺骨は返還されません。 |
| 長期納骨堂(1体用) | 10年104,000円・20年183,000円・30年262,000円 | 期間が過ぎると合葬墓へ移ります。使用の許可は更新もできます。 |
| 長期納骨堂(2体用) | 10年208,000円・20年366,000円・30年524,000円 | 1体用と同じく、東の杜公園にあります。 |
焼骨のある人が合葬墓に申し込むには、条件が3つあります。宇都宮市に続けて6か月以上住んでいること、使える墓が無いこと、納める焼骨があることです。申し込みは生活安心課か東の杜公園管理事務所が受け付け、使用料を納めると使用許可証が届きます。
合葬墓は、墓じまいのあとの移し先として選ばれています。鎌倉新書の2026年1月の調査では、移し先で最も多かったのが「永代供養(合祀・合葬墓)」の43.2%でした。
撤去工事の費用は?複数の石材店の見積もりを比べる
市営霊園を返すときは、墓を撤去して更地にします。この工事を頼む先が石材店です。
鎌倉新書が2026年1月に聞いた調査では、改葬や墓じまいを実施した人の費用は「31万円〜70万円」が31.3%で最多でした。30万円以下は16.8%、151万円以上は14.0%です。
故郷の実家にあった14代続く墓をしまい、住む街の公営の墓地公園へ遺骨を移した60代の当事者(個人ブログ・note)
実家の片付けをした時と同じように、数社から相見積もりを取った。
金額だけでは決めない。
見積もりの内容や、問い合わせをした時の対応なども含めて比較し、納得できる業者を選んだ。
墓は代々の檀家の寺にあり、離檀も問題なく了承されました。遺骨は、抽選に当たった公営の墓地公園へ移すことが決まっていました。見積もりの単位は、石材店によって違います。
出典: 墓じまいで一番心配だったこと(note)(台帳: V0022)
日本石材産業協会が2023年度に石材店に聞いた調査では、積算の単位は、184件の回答で面積・体積・重さ・一式などに分かれました。同じ墓でも、店によって見積もりの物差しが違います。見積もりは複数の石材店から取り、額と内訳を並べて比べてください。
費用の内訳と相場は墓じまい費用の記事に、頼み先の選び方は墓じまい業者の記事にまとめました。
栃木県の助成のことと、墓が栃木県内のほかの市町村にあるときの聞く先は、栃木県の墓じまい補助金の記事にまとめました。
まとめ
宇都宮市の霊園のよくある質問と墓園条例には、墓じまいの費用の助成は載っていません。市営霊園を返しても、既に納めた使用料は原則として戻りません。
移し先には、東の杜公園の合葬墓(焼骨1体25,000円・年間管理費なし)と長期納骨堂があります。撤去工事の見積もりは、複数の石材店から取って比べてください。見積もりの単位は店によって違います。手続きの順番は、宇都宮市の墓じまい手続きの記事にまとめました。
